りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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注目選手

世界を変えた15分。タデイ・ポガチャル、逆転総合優勝の瞬間と、彼のこれまでの走りについて。

自転車ロードレースというのは、非情なものである。 8時間に及ぶ戦いを最後のわずかコンマ1秒の差で天国と地獄とを分けることもあれば、21日間、84時間にわたって積み上げてきた確信を、わずか15分の間に打ち砕いてしまうものでもある。 だからこそそれは美…

ミラノ〜サンレモ2020 いかにしてワウト・ファンアールトはアラフィリップを打ち破ったのか

ミラノ〜サンレモは毎年、ドラマを生み続ける。 2017年はポッジョでのサガンのアタックにクフィアトコフスキとアラフィリップが食らいつき、3人によるギリギリのスプリントバトルが展開された。 2018年はヴィンツェンツォ・ニバリがポッジョで単独で抜け出し…

エヴェネプールとアルメイダ、新時代の最強コンビはジロ・デ・イタリアを討ち取れるのか

新型コロナウイルス蔓延による自転車ロードレースの「中断」後、初のUCIプロシリーズのレースとなったのが、7/28(火)から8/1(土)にかけて開催されたブエルタ・ア・ブルゴス。 スペイン北部、ブルゴス県(カスティーリャ・イ・レオン州)を舞台に行われた5日…

ワウト・ファンアールト、その栄光と挫折と復活の輪廻

Embed from Getty Images // 「2週間の入院のあと家に帰ってから、ちょうど1年が経った。もし今日のことをあのときの僕に伝えても、決して信じてはくれなかっただろう。だけど一方で、僕はどんなに困難なときでも自分の復活を信じ続けてもいた。そうして苦し…

強風吹き荒れるパリ〜ニース2020第2ステージで展開した「ボーラ劇場」と、最後に勝った男とは

「太陽へと向かうレース」が意味するところは、太陽とは真逆の過酷な環境からスタートするということ。 昨年もプロトンを大混乱に陥れた強風が、今年も数多くの総合勢に致命的な打撃を与えると共に、この日の優勝候補と思われていたトップスプリンターたちを…

日本人33年ぶりの快挙! 梶原悠未のマイヨ・アルカンシェルがもたらす意味とは?

ついに、このときが来た。 日本のトラック競技・・・いや、日本の自転車界における最高の逸材である梶原悠未(22=筑波大学)が、ベルリンで開催されていた世界選手権オムニアム種目で頂点を掴み取った。 日本人としては実に33年ぶりのマイヨ・アルカンシェル…

タダ乗り、登りスプリント、なかなか勝てない? 「次代のサガン」候補ジャスパー・フィリプセンのこれまでとこれから

ツアー・ダウンアンダーも前哨戦クリテリウムから第2ステージまで進み、クリテリウム、ラインレース、ピュア平坦スプリント、パンチャー向け登りスプリントなど、バリエーション豊かなフィニッシュを迎えてきた。 ここまで、カレブ・ユアン2勝、そしてサム・…

マーク・カヴェンディッシュの移籍、コルブレッリとバウハウス、シックス・デイ

Embed from Getty Images // ツール・ド・フランス現役最多ステージ優勝記録(30勝)保持者であるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、34歳)が、来期、バーレーン・メリダに移籍する。 理由として考えられることはいくつかあるだろう。 現チームが彼をツ…

ペテル・サガンがジロに出場することについて、ツール、春のクラシック、オリンピックは?

10月23日、ペテル・サガンが自らのツイッターで意味深な発言をポストした。 Hey you! Something important will be announced tomorrow! pic.twitter.com/GR7fkoxI1p — Peter Sagan (@petosagan) October 23, 2019 「明日、大切なことをお知らせするよ」 す…

ケニー・エリッソンド——フランスの「小さな巨人」の未来

ケニー・エリッソンドがスカイ*1を去る。 2016年にブエルタの山岳賞を争い、2018年にフィネストーレでフルームのジロ初優勝を支えたフランスの「小さな巨人」。 しかし彼は結局のところツール・ド・フランスへの出場を許されることはなく、スカイでの最後の…

サム・ベネット、その勝利の秘訣と弱点

8月中旬のビンクバンク・ツアーにおいても開幕3連勝を成し遂げた今最も勢いのあるスプリンターの1人、サム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)。 現在開催中のブエルタ・ア・エスパーニャにおいても、序盤の数少ないスプリントステージである第3・第4ステ…

新たな時代の幕開けを告げる勝利【レムコ・エヴェネプール19歳の衝撃的な逃げ切りーークラシカ・サンセバスティアン2019】

今年すでにいくつもの信じられない記録が生まれている。 タデイ・ポガチャルのワールドツアー総合優勝最年少記録。 エガン・ベルナルのマイヨ・ジョーヌ最年少記録。 あるいはマチュー・ファンデルポールの、アムステルゴールドレースにおける衝撃的な勝利の…

19歳でワールドツアーに乗り込んできた天才エヴェネプールの、2019年シーズン前半戦の軌跡

これは4月のアムステルゴールドレースにおけるマチュー・ファンデルポールの勝利に匹敵する、歴史的な瞬間だったように思われる。 バロワーズ・ベルギー・ツアー第4ステージ。総合2位・3位につけていたロット・スーダルのコンビネーションが見事に決まり、ア…

最後の登りはまるで人生のようだった――エステバン・チャベスの栄光と苦難の歴史、そして再生

残り8㎞で繰り出したアタックの数は5回。 たったの一度のアタックでも身体が千切れるほどにキツいのに、彼は諦めることなく何度も、何度も、何度もアタックを繰り出した。ライバルたちを引き離すために。そして、自分の人生に重くのしかった暗い運命を振り払…

僕は僕のチームのエースと共にグランツールで勝利することを夢見ていた——ダミアーノ・カルーゾ、たった1度のプロ勝利しかない男が追い求める勝利のカタチ

ジロ・デ・イタリア第14ステージ。 今大会最も短い131㎞のショートコースながら、総獲得標高は4000mを超える厳しいステージ。 マリア・ローザ候補だけが生き残る終盤戦において、エースのヴィンツェンツォ・ニバリのために牽引し、仕事を終えて遅れては再び…

「北のクラシック常勝軍団」における、ボブ・ユンゲルスの役割とは?

3/29(金)に行われた「ロンド前哨戦」E3・ビンクバンク・クラシック(旧レコードバンク・E3ハーレルベーケ」)。 残り60kmから単身集団を抜け出して逃げ集団に合流し、さらにそのグループを突き放して残り25km地点から独走を開始。 最終的に追走小集団に捕…

ディラン・フルーネウェーヘンは今年も最強なのか?

年末のサイバナさんとの合同ラジオで、2018年のMVPは?という質問に対して、私は「フルーネウェーヘン」と答えた。 2017年にシャンゼリゼを制したこの男は、2018年には年間14勝、ツール・ド・フランスについては序盤は直前のオランダ選手権の疲れが残ってい…

ルーカス・ハミルトンはハウスン、ヘイグに次ぐミッチェルトン・スコットの最強山岳アシストの1人になれるか?

2019年シーズンも開幕してはや1ヶ月。 この1ヶ月の中で最も印象に残る走りをした選手は誰か。ダウンアンダー1勝、カデルレースでも優勝したヴィヴィアーニか、ダウンアンダー2連覇を果たしたダリル・インピーか、ウィランガ・ヒル6連覇を果たしたリッチー・…

2019年はデヘントが3つのグランツール全てに出場⁉ ジョークから生まれた挑戦とその意義

Embed from Getty Images // スペイン・マヨルカ島で行われているロット・スーダルのキャンプで、トーマス・デヘントが、かつて自らが告げたジョークが現実のものとなりつつあると語った。 www.cyclingnews.com 「実際、それはジョークのつもりだった。3つの…

「ダブルツール」達成! エリア・ヴィヴィアーニ2018の軌跡

Embed from Getty Images // ブエルタ・ア・エスパーニャ第21ステージ。 マドリード周回コースで競い合う恒例のスプリントステージで、エリア・ヴィヴィアーニは今大会3勝目を記録した。 途中、ナセル・ブアニに勝利を奪われた場面もあったものの、それ以外…

ジャンニ・モズコン、イタリアの若きジェニオ

2017年ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ。20%を超える激坂区間を含んだ、平均勾配10%の山岳山頂フィニッシュ。 このとき、マイヨ・ロホを着るクリス・フルームを最後まで支えたのは、山岳最強アシストのプールスでもニエベでもなかった。 プロデビュー…

ディラン・トゥーンス、新生「激坂ハンター」?

ツール・ド・フランスの興奮冷めやらぬ中、アルデンヌ・クラシックの本場ベルギー・ワロン地方にて開催されている5日間のステージレース「ツール・ド・ワロニー」。 HCクラスに分類されているレースで、過去にはヴァンアヴェルマートやテルプストラなど、ど…

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