りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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EF Education-EasyPost 2022年シーズンチームガイド

 

読み:イーエフ・エデュケーション・イージーポスト

国籍:アメリカ合衆国

略号:EFE

創設年:2003年

GM:ジョナサン・ヴォーターズ(アメリカ)

使用機材:キャノンデール(アメリカ)

2021年UCIチームランキング:16位

(以下記事における年齢はすべて2022年12月31日時点のものとなります) 

 

【参考:過去のシーズンチームガイド】

EF Education First-Drapac p/b Cannondale 2018年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

EF Education First Pro Cycling Team 2019年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

EF Pro Cycling 2020年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

EF Education - Nippo 2021年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

 

目次

 

※各グラフのポイントは独自に集計した2021シーズンの実績に基づきます。

同じポイントに基づいた各脚質ランキングは以下の記事を参照のこと。

note.com

 

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2022年ロースター

※2021年獲得UCIポイント順

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財政難に常に苦しめられながらも、意外なところから結果を出していく「ヴォーターズマジック」は2021年も健在。ニールソン・パウレスやミケル・ヴァルグレンなど、別チームでは結果を出せなかった才能をしっかりと「再生」してみせた。

ゆえに、今年、セルヒオ・イギータやローソン・クラドックなど、重要な選手を放出してしまいはするものの、そこまで悲愴感はない。オドクリスティアン・エイキングやマーク・パデュンなど、期待の新加入選手たちの活躍も十分に期待できる。

 

そして、総合エースとしてのリゴベルト・ウランとヒュー・カーシー。とくに、ウランもさすがにキャリア晩年ではあるので、昨年イマイチだったカーシーがしっかりと結果を残すことが大事。

もちろん、中根英登の活躍も! ワールドツアー2年目、いよいよ環境にも慣れて、その実力を十分に発揮することができるか?

 

 

注目選手

マウヌス・コルト(デンマーク、29歳)

脚質:オールラウンダー

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2021年の主な戦績

  • ブエルタ・ア・エスパーニャ区間3勝
  • パリ~ニース区間1勝
  • ツール・ド・フランス区間3位
  • UCI世界ランキング107位

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元スプリンター。2016年のブエルタ・ア・エスパーニャで2勝していたので、それは確かだ。しかし2018年のツール・ド・フランスでは丘陵ステージで逃げ切り勝利、翌年のパリ~ニースでも、逃げ王トーマス・デヘントと共に逃げ、最後は得意のスプリント・・・ではなく、その前の登りでアタックして突き放すという、スプリンターらしからぬ勝ち方をしてみせた。

 

そして今年のブエルタ・ア・エスパーニャ3勝。

一応、第12ステージも第19ステージもスプリントで勝っている・・・とはいえ、第12ステージは登りで集団が一気に削れ、ピュアスプリンターたちはあまり残っていない中でのスプリント勝利であり、第19ステージも逃げに乗った末の小集団でのスプリント勝利だったけれども。

さらには、ブエルタ・ア・エスパーニャ最終日の個人TTでも、勝てはしなかったが、勝者プリモシュ・ログリッチに14秒差の2位。33.8㎞と長距離の個人TTでのこの成績は、十分にTTスペシャリスト級。その万能ぶりをもって、「ジェネリックファンアールト」と命名。実際、「脚質ファンアールト」を本家以外で使えるとしたら、この男なのかもしれない。

 

今年も予想不可能な強さを炸裂していけるか。いよいよ実際にTTで勝利したり、あるいはクラシックでの活躍なんかも、ありうるかもしれない。

 

 

シュテファン・ビッセガー(スイス、24歳)

脚質:TTスペシャリスト

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2021年の主な戦績

  • 世界選手権個人タイムトライアル7位
  • ヨーロッパ選手権個人タイムトライアル4位
  • パリ~ニース第3ステージ(個人TT)優勝
  • ベネルクス・ツアー第2ステージ(個人TT)優勝
  • ツール・ド・スイス第4ステージ優勝
  • UCI世界ランキング127位

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2020年も国内選手権TT3位、欧州選手権U23TT2位などの実績はあったが、正直ノーマークだった男が、昨年のUAEツアーでミッケル・ビョーグを打ち破ってTT2位、さらにはパリ〜ニースTTではあのレミ・カヴァニャやプリモシュ・ログリッチを倒しての勝利! 

その後もロマンディ、スイスでのTT2位など、一気に世界トップクラスのTTスペシャリストとして台頭してきた。

とはいえ、スプリント力も高いパンチャータイプでもある彼は、丘陵系や短距離のTTを得意とし、距離の長いツール・ド・フランスや欧州・世界選手権のTTではやや順位を落とす結果に。

この辺りはこれからの成長に十分期待できる部分。

また、高いスプリント力を活かした、TTスペシャリスト以外での活躍の仕方にも注目だ。たとえば今年のツール・ド・スイスでの、逃げ切りの末のスプリント勝利など・・・。

 

 

オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、28歳)

脚質:パンチャー

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2021年の主な戦績

  • ブエルタ・ア・エスパーニャ総合11位
  • アークティックレース・オブ・ノルウェー総合2位
  • クラシカ・サンセバスティアン7位
  • UCI世界ランキング100位

 

2016年、22歳のときにFDJでプロデビューを果たしたが、そのときは目立った活躍ができずに2年のネオプロ契約期間終了と共に放出。しばらくワンティで武者修行をしていたが、昨年、ブエルタ・ア・エスパーニャでのあの衝撃のマイヨ・ロホ・・・しかも、その後もトップクライマーに負けない走りを見せ、最終的には総合11位で終わった。

その実績を認められ、今年からEFへ。アンテルマルシェとしては悲しいところだが、イギータも失い総合系の選手に乏しいEFにとっては重要な柱になるか。

とはいえ本来は爆発力に優れたパンチャータイプ。短いステージレースやワンデーレースでの活躍にまずは期待したい。

 

 

マーク・パデュン(ウクライナ、26歳)

脚質:クライマー

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2021年の主な戦績

  • クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ区間2勝
  • ブエルタ・ア・ブルゴス総合3位
  • クラシカ・サンセバスティアン13位
  • UCI世界ランキング200位

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昨年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで、誰もが驚いたまさかのステージ2連続勝利。2018年のプロデビュー初年度からツアー・オブ・ジ・アルプス区間勝利するなど才能は見せていたが、その後はなかなか結果を出せない時期が続いていたが・・・まさかの突然の台頭であった。

その勢いのままツール・ド・フランスにも出場するかと思われていたが、「無理をさせない」というチームの方針でこれを回避。ブエルタ・ア・エスパーニャの方に出場することとなった。

 

クラシカ・サンセバスティアンでも上位でフィニッシュするなど、才能に溢れた男だっただけに、今後のバーレーンの中心の1人になるかと期待していたが・・・まさかのEF移籍。

実際、EFにとっては昨年のウッズに続き今年もイギータを失うなど、総合系の人材が不足しているだけに、先のエイキングと合わせ重要な柱として機能してくれることに期待。

 

 

その他注目選手

ニールソン・パウレス(アメリカ、26歳)

脚質:オールラウンダー

アクセオン・ハーゲンスバーマン時代の2016年ツアー・オブ・カリフォルニアで新人賞獲得。個人的には大きな期待をもって2018年のロットNLユンボ(現ユンボ・ヴィスマ)でのプロデビューを見守っていたが、その後全く結果を出せず。そろそろ諦めるべきかと思っていた中で・・・今年、クラシカ・サンセバスティアンでの、まさかの勝利。

元々、スプリント力があるイメージのなかったパウレス。終盤、ミケルフローリヒ・ホノレ、マテイ・モホリッチ、ロレンツォ・ロタの4名が逃げ残りのサイモン・カーを捕まえて先頭5名となったとき、自身もなんとか独走に持ち込みたかったのだろう、最後の勝負所ムルギル・トントーラのラスト1㎞。最も勾配の厳しい区間でアタックを繰り出す。

が、モホリッチもホノレも、これに食らいついた。のちにロタも追いついて、結局先頭は4名に。スプリント勝負に持ち込まれることとなった。

 

そしてそのスプリントで、彼は勝利した。一度のアタックに失敗したのちにあきらめず、最後の最後で最も力を残しているのが彼だった。

 

これが彼にとっての、プロ初勝利であった。さらにその後も、世界選手権ロードレースで最後まで残り続け5位フィニッシュ。

2021年は彼にとってまさに「復活」の年であった。それこそが、この「ヴォーターズ再生工場」の本領発揮。

昨年末で引退したティージェイ・ヴァンガーデレンの意志を継ぎ、ブランドン・マクナルティやセップ・クスに負けない、アメリカ人クライマーとして成功を収めることができるか。

 

ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、30歳)

脚質:パンチャー

こちらも、一時の栄光から暫く泣かず飛ばすだった中で、「再生」した男。すなわち、アスタナ時代の2018年に、オンループ・ヘットニュースブラッドとアムステルゴールドレースを共に制し、同年のインスブルック世界選手権でも7位に入る快挙を成し遂げていた。

が、その後のディメンションデータ〜NTTプロサイクリング時代は完全に沈黙。期待感が全くなくなってしまった中で、EF1年目となった昨年、9月のジロ・デッラ・トスカーナ、そしてコッパ・サバティーニを連続で勝利してみせた。実に、アムステルゴールドレース以来、3年ぶりの勝利であった。

 

もちろん、それだけではまだ完全な復活とは言い切れない。が、直後の世界選手権では、ジュリアン・アラフィリップの独走を許した集団の中から、ジャスパー・フィリプセンと共に勇気を持って飛び出したのが彼であった。結果、3位表彰台を獲得。今年の「復活」が、単なるまぐれでも何でもないことを示した。

2022年はこの勢いを継続できるのか。それともまた1年限りで終わってしまうのか。

 

ヒュー・カーシー(イギリス、28歳)

脚質:クライマー

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位。昨年は正直期待ほどの結果は残せなかった(ジロ・デ・イタリア総合8位、ブエルタ・ア・エスパーニャ第1週でリタイア)。とはいえ、似たような経歴を辿ったエンリク・マスも昨年、復活の兆しを見せたりもしているので、焦らず期待してはいきたい。

何しろ、ウッズもイギータもいなくなりウランも頑張れてさすがにキャリア晩年を迎えているEFにとっては、数少ない総合リーダーの中心。

今年、しっかりと「復活」できるか。

 

マライン・ファンデンベルフ(オランダ、23歳)

脚質:パンチャー

2021シーズンは2クラスやネイションズカップも含めて通算7勝。ツール・ド・ラヴニールでも2勝とポイント賞を獲得している、期待しかない新人。グルパマFDJの育成チームに所属していたが、EFでデビューを飾ることに。1歳年上の兄ラース・ファンデンベルフはそのままFDJに昇格していたのでやや意外である。なお、EFにはユリウス・ファンデンベルフもいるが、こちらはとくに血縁関係はない。

2022シーズン新人の中でも注目株筆頭の1人ではあるが、果たしてEFがこれをしっかりと育てられるかどうか・・・「再生」やそこまで名の売れていなかった選手を発掘して台頭させることには定評があるが、期待の新人は果たして・・・

同じように昨年ベイビー・ジロで区間1勝しているアイルランドの新人ベン・ヒーリーも期待度十分だがEFでどう成長していけるか。

 

 

各チームへのリンク

AG2Rシトロエン・チーム

アスタナ・カザフスタンチーム

バーレーン・ヴィクトリアス

ボーラ・ハンスグローエ

コフィディス

グルパマFDJ

イネオス・グレナディアーズ

アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ

イスラエル・プレミアテック

ロット・スーダル

モビスター・チーム

クイックステップ・アルファヴィニル

チーム・バイクエクスチェンジ・ジャイコ

チームDSM

チーム・ユンボ・ヴィスマ

トレック・セガフレード

UAEチーム・エミレーツ

 

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