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読み:グルパマ・エフデジ
国籍:フランス
略号:GFC
創設年:1997年
GM:マルク・マディオ(フランス)
使用機材:ラピエール(フランス)
2021年UCIチームランキング:9位
(以下記事における年齢表記はすべて2022年12月31日時点のものとなります)
【参考:過去のシーズンチームガイド】
Groupama - FDJ 2019年シーズンチームガイド - りんぐすらいど
Groupama - FDJ 2020年シーズンチームガイド - りんぐすらいど
Groupama - FDJ 2021年シーズンチームガイド - りんぐすらいど
目次
※各グラフのポイントは独自に集計した2021シーズンの実績に基づきます。
同じポイントに基づいた各脚質ランキングは以下の記事を参照のこと。
各チームのプレビューをPodcastでもやっています!
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2022年ロースター
※2021年獲得UCIポイント順
昨年に続き大きな変化はなし。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで2勝したストーラーとツール・ド・フランスで良い逃げを見せているカンタン・パシェの獲得が注目に値するくらいか。強力なルーラーのトマや期待の若手であったブルネルやグリエルミ、さらにはゴデュの重要な山岳アシストだと思っていたセイグルまで放出したのはやや意外だったが・・・全体的な戦力と方向性にさほどの変化はないと見て良いだろう。
ティボー・ピノは今年復活するのか。したとしても、そこまで大きく期待はしないだろう(1ファンとしても、プレッシャーは背負わず伸び伸びと走ってほしい)。
となれば、総合エースの期待はダヴィド・ゴデュ、あるいはジロ・デ・イタリアでマリア・ローザも着用したアッティラ・ヴァルテル、それこそストーラーなどに向けられるかもしれないが・・・いずれにせよ、グランツール総合上位で活躍するような結果までは、難しいかもしれない。
まずはデマール、クン、マデュアスなどと合わせ、ステージ優勝やクラシックでの勝利を重ねることに期待したい。
注目選手
ダヴィド・ゴデュ(フランス、26歳)
脚質:クライマー
2021年の主な戦績
- リエージュ~バストーニュ~リエージュ3位
- イツリア・バスクカントリー総合5位
- 東京オリンピックロードレース7位
- イル・ロンバルディア7位
- ラ・フレーシュ・ワロンヌ7位
- クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合9位
- ツール・ド・フランス総合11位
- フォーン=アルデシュ・クラシック優勝
- UCI世界ランキング16位
2019/20シーズンの失敗から完全に沈黙モードとなったティボー・ピノに代わり、チームのエースとなることが宿命付けられた男。今年のツール・ド・フランスは総合11位で終えることとなった。
とはいえ、まだまだピノの代わりとは言えないレベルであることもまた確か。どちらかと言えばワンデーレース向きで、パンチ力が必要となるイツリア・バスクカントリーは総合5位と悪くなかったが、そのほかはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで3位、東京オリンピックロードレース7位、イル・ロンバルディア7位などが2021シーズンのハイライトとなった。
今後も、チームの総合エースとして期待され、グランツールを走ることになるだろうが、個人的にはモニュメントやステージ優勝を目指して積極的な走りを期待していきたい。
シュテファン・クン(スイス、29歳)
脚質:TTスペシャリスト
2021年の主な戦績
- 世界選手権個人タイムトライアル5位
- オリンピック個人タイムトライアル4位
- ヨーロッパ選手権個人タイムトライアル優勝
- ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ総合優勝
- ベネルクス・ツアー総合5位
- ヘント~ウェヴェルヘム6位
- UCI世界ランキング26位
間違いなく世界トップクラスのTTスペシャリストではあったが、ローハン・デニスやフィリッポ・ガンナとの距離は遠く、頂点に届くことは難しいのかな、と思うところがあった。
しかし2020年にヨーロッパ選手権を制したあたりから、「勝てる男」というイメージが一気につく。昨年の序盤はそれでもまだ調子が悪いところがあったが、ヨーロッパ選手権ではフィリッポ・ガンナも打ち破り、2連覇を達成。
このまま世界の頂点もいけるか・・・と思うくらいのシーズンではあったが、東京オリンピックでも世界選手権でも、やはりいつも通りあと一歩が及ばない様子は見せてしまった。
それでもここ1~2年での成長は目を瞠るものがあり、引き続きチャレンジを続けていってほしい。
また、昨年はボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシア総合優勝という意外な結果も。個人タイムトライアルで稼いだのは確かだが、クイーンステージの第3ステージで遅れを最小限に抑えたことも大きかった。
あとは本人の一つの目標として確かにあるであろう、クラシックでの勝利。ヘント~ウェヴェルヘムでは2020年に5位。昨年も6位。2019年のパリ~ルーベでは11位と、適性はそれなりにある。
様々な分野で活躍の可能性を伸ばしつつある、まだまだ「伸び盛り」の選手。
今年も「1位」を多く掴み取ってほしい。
アルノー・デマール(フランス、31歳)
脚質:スプリンター
2021年の主な戦績
- パリ~ツール優勝
- ブークル・ドゥ・ラ・マイエンヌ区間3勝&総合優勝
- パリ~ブールジュ2位
- ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ区間2勝&ポイント賞
- UCI世界ランキング51位
2年前のジロ・デ・イタリア4勝と比較するとやはり見劣りする結果ではある。今年こそツールで爆勝ちして、最強を証明してほしかったが、初日から重要な牽引役のイグナタス・コノヴァロヴァスを落車で失い、彼はそのままシーズン終了。デマール自身も落車に巻き込まれ、調子が上がらないまま途中リタイアとなった。
リベンジのためにその後のブエルタ・ア・エスパーニャに初挑戦し、序盤では区間2位に入り込むなど強さを見せつけたが、こちらも発射台ヤコポ・グアルニエーリを1週目で失うなど、運も含めてなかった。
今年はツール・ド・フランスにピノが出場する噂もあり、デマールがどのグランツールに出場するかは不透明。またジロに出る可能性もあるし、もしかしたらその方が彼にとっては良いのかもしれないが・・・個人的には好きな選手だけに、再び世界にその強さを見せつけてほしいものだ。
その他注目選手
マイケル・ストーラー(オーストラリア、25歳)
脚質:クライマー
南オーストラリア大学選抜でツアー・ダウンアンダーを走ったこともある若手オージー有望株の一人だった男。
だが、2020年ジロ・デ・イタリア総合2位に輝いたジェイ・ヒンドレーや、バイクエクスチェンジのセカンドエースとして走るルーカス・ハミルトンに比べると、やや存在感の薄い選手であったことは確かで、実際昨年までプロ勝利は1度もなかった。
が、そんな昨年。8月のツール・ド・ランで大逃げ勝利を果たし総合優勝と一緒に「2勝」をいきなりマーク。さらにそこから1ヵ月も経たないうちに瞬く間にブエルタ・ア・エスパーニャでの「2勝」まで掻っ攫ってしまって・・・。
FDJではまずはダヴィド・ゴデュの山岳アシストとして期待されている面もあるだろうが、その走り次第では、エース陣の層が決して厚くはないこのチームにおいて、十分に総合エースとして走るチャンスはある。
ここまでスロースターターで駆け抜けてきたオージーの新星。ここで爆発を見せられるか。
アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、24歳)
脚質:クライマー
2020年にCCCチームでプロデビュー。同年のハンガリー開幕のジロ・デ・イタリアへの出場を夢見ていたが、新型コロナウイルスの影響により、ハンガリースタートが中止。夢は破れる。
が、地元ツール・ド・ハンガリーで見事に総合優勝。その後出場したジロ・デ・イタリアでも、第20ステージのセストリエーレにフィニッシュする難関山岳ステージでも区間9位になるなど、実力の高さを見せつけ、昨年グルパマFDJ入り。
そして、昨年のジロ・デ・イタリア。ティボー・ピノが欠場し、エース不在となったこのジロで、まさかのマリア・ローザ3日間着用。
最終的には総合14位ではあったが、十分に、総合エースとして走る素質を感じさせる男であった。
今年もジロ・デ・イタリアへの出場は濃厚。さらに、2年前中止となったハンガリースタートの復活。
ゴデュに次ぐ「セカンドエース」がまだ見通せないチームにおいて、しっかりとエースの座を掴み取ったうえで、故郷に凱旋ができるのか。
今非常に楽しみな選手の1人だ。
ジェイク・スチュアート(イギリス、23歳)
脚質:パンチャー
グルパマFDJ育成チームに所属するイギリス人という特殊な位置づけでありながら、2020年のツール・ド・リムザンで総合2位を獲得。
直後、すぐさまシーズン途中のトップチーム入りを果たし、そして昨年の2月、オンループ・ヘットニュースブラッドで2位を獲得。ドゥクーニンク・クイックステップの圧倒的なチーム力を見せつけられたレースで、セップ・ファンマルクやフィリップ・ジルベールなどを下し、ダヴィデ・バッレリーニに次ぐ2位を死守した。
その後はそこまで目立った活躍は見せられていないが、多少の起伏や荒地をものともしないタフなスプリンターとして、多くの場面での活躍が見込まれる男。彼もまた、今年爆発してもおかしくないポテンシャルの持ち主だ。
各チームへのリンク
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