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Movistar Team 2022年シーズンチームガイド

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読み:モビスター・チーム

国籍:スペイン

略号:MOV

創設年:1980年

GM:エウゼビオ・ウンスエ(スペイン)

使用機材:キャニオン(ドイツ)

2021年UCIチームランキング:13位

(以下記事における年齢はすべて2022年12月31日時点のものとなります) 

 

【参考:過去のシーズンチームガイド】 

Movistar Team 2018年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

Movistar Team 2019年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

Movistar Team 2020年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

Movistar Team 2021年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

 

目次

 

※各グラフのポイントは独自に集計した2021シーズンの実績に基づきます。

同じポイントに基づいた各脚質ランキングは以下の記事を参照のこと。

note.com

 

各チームのプレビューをPodcast&Youtubeでもやっています。

 

 

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2022年ロースター

※2021年獲得UCIポイント順

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かつてスカイ、アスタナと並ぶグランツール総合優勝候補チームだった事実は過去のものとなり、ここ数年マネージメントの不具合を交えながら苦しい状況の続いている名門チーム。それでも昨年はエンリク・マスのブエルタ総合2位(あるいはロペスとの総合ツースリーの「可能性」)など、復調の兆しは見えていた。

あとは、ロペスとソレルの放出に代わるアランブルやソーサ、ゴルカ・イサギレの獲得が、チームに良い「改革」をもたらしてくれるかどうか。個人的にはソーサが「復活」し、エンリク・マスと共にチームに再びグランツール総合上位常連としての勢いを取り戻させてほしいところ。

 

 

注目選手

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、42歳)

脚質:オールラウンダー

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2021年の主な戦績

  • リエージュ~バストーニュ~リエージュ4位
  • イル・ロンバルディア5位
  • ラ・フレッシュ・ワロンヌ3位
  • アムステルゴールドレース5位
  • ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ総合4位
  • イツリア・バスクカントリー総合7位
  • グラン・プレミオ・ミゲル・インドゥライン優勝
  • UCI世界ランキング11位

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ついに今年引退を決めた生ける伝説。それでいて昨年はワールドツアー含む3勝をやってのけて、今年のモビスターで最高の成績を出しているんだから恐ろしい。一時期はちょっと流石に厳しいかと思われていたフレーシュ・ワロンヌでもまた3位に入るなど、本当に衰えを知らない怪物である。

ゆえに、42歳になる今年も、まだまだ活躍に期待したい。グランツールの総合は流石に厳しいだろうが、短いステージレースやワンデーレースでの勝利は、まだまだ狙えそうだ。

そして、エンリク・マスら若手をサポートすること。昨年のブエルタも、あの不安な落車さえなければ、マスとロペスのダブルエースを強力に支え、ロペスのあの悲劇も回避できたかもしれない。

 

20年近くにわたり自転車界の中心に居続けた男は、最後のシーズンにどんな遺産を遺してくれるのだろうか。

 

 

エンリク・マス(スペイン、27歳)

脚質:クライマー

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2021年の主な戦績

  • ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位
  • ツール・ド・フランス総合6位
  • ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ総合3位
  • クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合11位
  • モン・ヴァントゥー・デニヴレ・チャレンジ3位
  • UCI世界ランキング25位

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2018年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合2位に輝き、一躍注目を集めた「コンタドールの後継者」。

しかしその後は振るわない走りが続く。昨年のモン・ヴァントゥー・デニヴレ・チャレンジの時点でも、3位には入ったものの、ミゲルアンヘル・ロペスが前にいる状態でオスカル・ロドリゲスにツキイチの体制になったまでは良かったが、最終的に彼に突き放されての3位というのは、不安要素でしかなかった。

ツール・ド・フランスでも第1週目を終えた時点の休息日において、早くもタデイ・ポガチャルへ白旗を挙げるような弱気な発言。マスはこのまま、沈んでしまうのか?

 

しかし、そのツールの第18ステージでは、「3強」と共にラスト1㎞を超えた唯一の選手となり、そしてそこから彼は果敢にアタックを繰り出した。

結局それは叶わず4位に終わったが、それでもこの男が強さを取り戻しかけていることを少し感じさせた瞬間であった。

 

そしてブエルタ・ア・エスパーニャ。

ここで彼は、プリモシュ・ログリッチに食らいつき、最終的に総合2位。

もちろん、最後は4分42秒差と圧倒的過ぎるタイム差をつけられてしまうが、それでも総合3位のジャック・ヘイグに対しても3分近いタイム差をつけており、このブエルタでログリッチに次ぐ実力者であったことは間違いがなかった。

これはもう、彼の「復活」と言っていいだろう。

ようやくスペインチームの新エースらしい走りを取り戻したところで、ロペスもソレルもチームを去り、バルベルデもいよいよキャリア最終年ということで、今年の成功は彼にとっての必達目標となった。

 

何しろウンスエのことだ。ここでマスが結果を出せなければ、すぐさま来年もまた、別のエースを取り寄せてくることだろうから・・・。

 

 

アレックス・アランブル(スペイン、27歳)

脚質:パンチャー

Embed from Getty Images

2021年の主な戦績

  • ミラノ~サンレモ7位
  • オンループ・ヘットニュースブラッド6位
  • アムステルゴールドレース11位
  • ラ・フレーシュ・ワロンヌ13位
  • UCI世界ランキング94位

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「バスクの至宝」。元々その実力は間違いなく十分に注目に値する選手であったが、2021シーズンはさらなる進化を遂げた。

すなわち、初のワールドツアーレース勝利となったイツリア・バスクカントリーでの区間勝利、2年連続のミラノ~サンレモ7位、さらに何よりも驚きだったのが、ブエルタ・ア・エスパーニャ初日個人タイムトライアルでの、プリモシュ・ログリッチにわずか6秒差での2位。7.1㎞と短くスタート直後に多少の登りがあるなどパンチャー系TTスペシャリストに有利なレイアウトであったとはいえ、これまでTT能力についてイメージの中った彼が、ヤン・トラトニクやヨセフ・チェルニーを退けてのこの成績は実に衝撃的であった。

今後、もしかしたらオールラウンダー的な進化も見込めるかも? 実に楽しみな選手である。

 

また、昨年初挑戦となったアルデンヌ・クラシック3連戦も、アムステルゴールドレース11位とフレッシュ・ワロンヌ13位とまずまずの結果。とくにアムステルゴールドレースは向いている脚質と思われるため、こちらも今年の目標の1つとしていきたい。

 

 

その他注目選手

ゴンサロ・セラーノ(スペイン、28歳)

脚質:パンチャー

元カハルラル。2020年のボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ最終ステージのラスト1㎞手前でアタックしながらも飲み込まれてしまうという経験をしつつ、直後のブエルタ・ア・アンダルシアの第2ステージで、同じくラスト1㎞で飛び出して今度は見事に勝利を掴み取った。

その執念・積極性を見込まれて、昨年モビスター入り。しかも、前年と同じブエルタ・ア・アンダルシアで、再び勝利を掴むなど、その期待に見事応える走りをして見せた。

それだけではない。ブエルタ・ア・ブルゴス初日ステージでもやはり得意の激坂登りフィニッシュで2位。ツアー・オブ・ブリテン初日ステージでもワウト・ファンアールト、ニルス・エークホフに次ぐ3位と、とにかく自分の得意な地形においては早くもチームのエース格とも言うべき走りをコンスタントにこなし続けている。

プロチームからの昇格1年目でのこの安定感は目を瞠るものがあり、今後もチームの中心的人物の1人として活躍が期待できる――はずだったのだが。

今年、ほぼ同じ脚質のアレックス・アランブルが加入。

果たして、セラーノはしっかりと自分の居場所を護りきることができるのか?

 

イバン・ガルシア(スペイン、27歳)

脚質:パンチャー

元バーレーンで2019年のツアー・オブ・カリフォルニア、2020年のパリ~ニースと、順調に勝利を掴み取ってきている登れるスプリンター。

とにかく「スプリンター」に圧倒的に不足しているモビスターにとって、勝利数を稼いでくれるものすごく重要なピース、だったはずだが、残念ながら2021シーズンは期待通りの結果は出せず。

ツール・ド・フランスでの勝利はさすがに難しいとは思うが、ブエルタ・ア・エスパーニャ何かは相性が良いと思うので、ぜひとも出場させて結果を狙ってほしいのだが、果たして。

また、クラシックへの適性もある選手なので、その点でもモビスターの弱いところを埋めてくれている。

こちらもチームメートの問題もありビッグレースでの勝利は難しいかもしれないが、1クラスやプロシリーズを中心にまずは勝ち星を稼いでほしい。

なお、今年モビスターは新たにマックス・カンターも獲得。彼もまた比較的登れるタイプのスプリンターで、実力はあるはずだがなかなか芽を出せていない選手。

好意的に見ればガルシアのためのアシストとしての獲得だろうが、場合によってはガルシアにとってのプレッシャーとなりうるかもしれない。

 

オスカル・ロドリゲス(スペイン、27歳)

脚質:クライマー

プロコンチネンタルチームの「エウスカディ・ムリアス」所属時代の2018年に、ブエルタ・ア・エスパーニャで山岳激坂フィニッシュステージでラファウ・マイカやディラン・トゥーンスを下して勝利していた注目の若手であった。

その後、アレックス・アランブルと共にアスタナ入りし、期待されていたが、なかなかあのときのような結果は出せず。「一発屋」で終わってしまうのか?という危惧もあったが、昨年のモンヴァントゥー・デニヴレ・チャレンジで最後エンリク・マスを突き放しての2位。

これが復活の兆候であれば良いのだが。

 

イバン・ソーサ(コロンビア、25歳)

脚質:クライマー

2018年ツール・ド・ラヴニール区間1勝&総合6位。同年にはエリートの選手も出場している1クラスのアドリアティコ・イオニカレースやシビウ・サイクリングツアーでも総合優勝するなど、高い実力を見せながらスカイ(イネオス)入りを果たした。

前年ラヴニールを制したエガン・ベルナル同様にアンドローニジョカトリのコロンビア人としてイネオス入りしたため、ベルナル2世とも、ベルナルを超える逸材とも言われ注目を集めつつ、2019年もパリ~ニースでベルナルの総合優勝を強力にサポートするなど、そのコンビネーションは目を瞠るものがあった。

しかし、2020年からのその勢いは鈍化。あまりにもライバルが多い環境の中であり、またTT能力が上がり切らなかったことも、イネオスとしてはマイナスポイントを付けざるをえなかったのかもしれない。昨年のツール・ド・ラ・プロヴァンスでは再びベルナルとの良いコンビネーションを見せることに成功したものの、それで挽回とは言えなかったのか、イネオスを去ることとなった。もちろん、ソーサ自身が去ることを決めたのかもしれないし、あるいはモビスターとの関係改善を果たした代理人ジュゼッペ・アクアドロの戦略なのかもしれないが。

 

いずれにせよ、個人的には期待しているし、この移籍が彼にとってプラスになれば幸いだ。本来の彼の実力が発揮されれば、エンリク・マスと並ぶチームの総合エースにいきなり君臨することは十分に可能なのだから。

あとは、チームと上手くフィットできるかどうか。ここ最近、キンタナ、ロペスとコロンビア人との良い関係を築けていないマネージャー陣だけに、そこは不安ではある。

 

 

各チームへのリンク

AG2Rシトロエン・チーム

アスタナ・カザフスタンチーム

バーレーン・ヴィクトリアス

ボーラ・ハンスグローエ

コフィディス

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