りんぐすらいど

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Israel - Premier Tech 2022年シーズンチームガイド

 

読み:イスラエル・プレミアテック

国籍:イスラエル

略号:?

創設年:2015年

GM:キエル・カールストローム(フィンランド)

使用機材:ファクター(イギリス)

2021年UCIチームランキング:10位

(以下記事における年齢はすべて2022年12月31日時点のものとなります) 

 

【参考:過去のシーズンチームガイド】 

Israel Cycling Academy 2018年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

Israel Start-Up Nation 2020年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

Israel Start-Up Nation 2021年シーズンチームガイド - りんぐすらいど

 

目次

 

※各グラフのポイントは独自に集計した2021シーズンの実績に基づきます。

同じポイントに基づいた各脚質ランキングは以下の記事を参照のこと。

note.com

 

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2022年ロースター

※2021年獲得UCIポイント順

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有名どころの選手をとりあえず集めた感のあるチームではあったが、それなりにまとまりをもってコンスタントにポイントを稼いでいた。

その中でも、ベテランながら最終年でもしっかりと結果を残していたダニエル・マーティンとアンドレ・グライペルが惜しまれながらも引退。その代わりとしてジャコモ・ニッツォーロとヤコブ・フルサンが加入ということで、非常にバランスのとれた移籍戦を過ごした。

一方、個人的に注目していた若手や中堅――ジェームス・ピッコリ、パトリック・ベヴィン、カールフレドリク・ハーゲン、タジ・ジョーンズ、セバスティアン・バーウィックなど――が全く奮わなかったのは残念。そこがチームの戦略の問題だったのか、彼ら自身の問題だったのかはわからないが、今年ぜひとも挽回していただきたい。

後は驚きだったのがイタマル・アインホルンの活躍。他のマイナー国チームと比べても母国人を多く取り入れている傾向のあるチームだが、その中でも一線級で活躍しうる選手がついに出てきた感があり、今後も注目していきたい。

 

 

注目選手

マイケル・ウッズ(カナダ、36歳)

脚質:クライマー

Embed from Getty Images

2021年の主な戦績

  • 東京オリンピックロードレース5位
  • リエージュ~バストーニュ~リエージュ5位
  • ラ・フレーシュ・ワロンヌ4位
  • イル・ロンバルディア9位
  • ツール・ド・スイス総合5位
  • ツール・ド・ロマンディ総合5位
  • UCI世界ランキング13位

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元々イスラエル・スタートアップネーションのチームオーナーであるシルヴァン・アダムス氏はカナダ系ユダヤ人であり、チームの故郷の1つはカナダであると言っても良い状態であった。さらに今年からカナダの企業プレミアテック社がタイトルスポンサーについたということで、ウッズの活躍がこのチームにおける最大の重要事項の1つとなったのは間違いないだろう。

そして彼はその期待にしっかりと応えている。昨年は勝利こそ少なかったものの、各ステージレース、ワンデーレースで安定して上位に入りコンスタントにポイントを稼いだ。グランツールの総合上位というのは難しくとも、引き続き1週間のステージレースとワンデーを中心に、今年も活躍してくれることだろう。

とはいえ、そろそろビッグレースでの勝利が見たいところ。2018年の世界選手権3位、2020年のラ・フレーシュ・ワロンヌ3位、2018年のリエージュ~バストーニュ~リエージュ2位など、あと一歩で届かないところが続いている。

そしてツール・ド・フランスでの勝利もまた、大きな目標の1つだ。

 

 

ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、33歳)

脚質:スプリンター

Embed from Getty Images

2021年の主な戦績

  • ジロ・デ・イタリア区間1勝
  • クラシカ・ドゥ・アルメリア優勝
  • シルキュイ・ドゥ・ゲチョ優勝
  • ヘント~ウェヴェルヘム2位
  • グラン・ピエモンテ2位
  • オキシクリーン・ブルッヘ~デパンヌ4位
  • UCI世界ランキング21位

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「2位ッツォーロ」なんて揶揄されることも時折あった、なかなか勝てないスプリンターの代名詞。とくに、2016年ジロ・デ・イタリアの、最終日トリノの集団スプリントで先頭フィニッシュを果たしながらも「降格」となり、無表情でポイント賞の表彰を受けるあの姿が忘れられなかっただけに、昨年ついに掴んだジロ・デ・イタリアでの勝利のあの笑顔は、まぶしすぎるほどであった。

 

しかも、めちゃくちゃ強かった。フィニッシュ前1㎞を切った時点で前から11列目というかなり悪い位置におり、アシストも周囲におらず孤立していた。

しかし残り600mでエドアルド・アッフィニが不意打ち気味の早駆けを行い集団が混乱する中、ニッツォーロはあえて、誰もいないコース右側に飛び出して加速を開始した。

そのままコースを左斜めに横切って、残り300mでスプリントを開始したフェルナンド・ガビリアの背中に一瞬飛び乗り、さらにそこからコースを右斜めに横切ってアッフィニの背中に飛び乗り・・・

最後はこれらをすべて置き去りにして先頭でフィニッシュラインを通過。

判断力と底力の高さを見せつけた、圧倒的な勝ち方であった。

 

まだまだ、実力ではトップスプリンターたち――カレブ・ユアンやサム・ベネット、もしかしたらファビオ・ヤコブセンにも――届かない面はあるかもしれない。

しかし、今年のこのイスラエルの間違いなく中心に立つ男の1人となるだろう。

 

 

ヤコブ・フルサン(デンマーク、37歳)

脚質:クライマー

Embed from Getty Images

2021年の主な戦績

  • ツール・ド・スイス総合3位
  • ストラーデ・ビアンケ9位
  • 東京オリンピックロードレース12位
  • リエージュ~バストーニュ~リエージュ12位
  • UCI世界ランキング97位

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元々はサクソバンクなどでアシストとして活躍していたベテラン選手。2013年からはアスタナ入りし、ヴィンツェンツォ・ニバリの側近の一人としても活躍した。

そして、チームからニバリが去り、ランダが去り、アルも去り、ミゲルアンヘル・ロペスと2人だけになったとき、彼にエースの座が回ってきて、2018年・2019年は単独エースとしてツール・ド・フランスを走るチャンスも掴み取った。

 

だが、2018年は総合12位。2019年は総合9位のまま3週目を迎えたがそこで落車リタイア。2020年はついにエースの座をロペスに奪われることとなった。

 

だが、だからといって諦めたわけではないのかもしれない。2021年は再びエースナンバーを背負ってツールに挑みつつも、東京オリンピックに集中するつもりだったのか総合を最初から狙わない走りに終始したフルサン。

9年ぶりの移籍を果たした今年、他にグランツール総合表彰台を狙えるエースがいるわけではない中、母国スタートの今年のツールにも間違いなく出場できるだろう。

 

そこで何を狙っていくか。まだ果たせていないツールでのステージ勝利か、あるいは再び、総合の上位を狙っていくのか。

 

シーズン開幕から、新たな彼の走りに注目していきたい。

 

 

その他注目選手

セップ・ファンマルク(ベルギー、34歳)

脚質:ルーラー

常に北のクラシックの上位に名を残しつつも、ビッグレースでの勝利経験のない「無冠の帝王」。昨年のイスラエル入りは割と衝撃的で、案の定、彼をサポートできるアシストにも恵まれず、孤独な戦いを強いられた。

その状況は今年も変わらず。ユーゴ・ウルが入ってきたくらいで、クラシック面での補強はほとんどなかった。とはいえ、昨年もそれでいて何だかんだオンループ・ヘットニュースブラッド3位やロンド・ファン・フラーンデレン5位と結果は残している。今年も、密かに期待しているくらいがちょうどいいかもしれない。

 

イタマル・アインホルン(イスラエル、25歳)

脚質:スプリンター

バーレーンやUAEと比べ、イスラエル人選手を積極的に登用していくこのチーム。とはいえ、やはり彼らが一線級で活躍するというのはなかなか難しく――

と、思っていた中で、この選手はかなり有望である。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで区間5位や7位に入り込んだばかりか、オコロ・スロベンスカでは何とペテル・サガンやケース・ボルを打ち破ってのプロ初勝利。飛躍した若手選手の1人であることは間違いない。

今年も全イスラエル人選手の中での最注目選手。シルヴァン・アダムスの描く、イスラエルの未来を象徴する人物となれるか。

 

コービン・ストロング(ニュージーランド、22歳)

脚質:パンチャー

昨年のニュージーランド・サイクルクラシック総合優勝者。というだけではそこまで魅力的ではないかもしれないが、そこにトラック世界選手権ポイントレース金メダリストとつければ一気に期待が膨らむだろう。さらに、SEGレーシングアカデミー出身であるとなれば猶更だ。

割と地味なスプリンターが活躍する傾向の強いこのチーム。この選手も、名前はしっかり覚えておくべき選手の一人だと思われる。

 

 

各チームへのリンク

AG2Rシトロエン・チーム

アスタナ・カザフスタンチーム

バーレーン・ヴィクトリアス

ボーラ・ハンスグローエ

コフィディス

EFエデュケーション・イージーポスト

グルパマFDJ

イネオス・グレナディアーズ

アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ

ロット・スーダル

モビスター・チーム

クイックステップ・アルファヴィニル

チーム・バイクエクスチェンジ・ジャイコ

チームDSM

チーム・ユンボ・ヴィスマ

トレック・セガフレード

UAEチーム・エミレーツ

 

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