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EF Education First-Drapac p/b Cannondale 2018年シーズンチームガイド

読み:イーエフエデュケーションファースト・ドラパック パワードバイ・キャノンデール

国籍:アメリカ合衆国

略号:EFD

創設年:2003年

使用機材:Cannondale (アメリカ)

2017年UCIチームランキング:10位

(以下記事における年齢はすべて2018年における数え年表記となります) 

 

 

 

 

2018年ロースター

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登録選手数は22と、全チーム中最少。元々今年も28と少な目ではあったが、チーム解散危機によって少なからず流出が起きてしまったことも原因だろう。ダヴィデ・ヴィレッラやフォルモロ、スクインシュやスラフテルなど実力者が次々と抜けていった。

一時期は14~16名くらいしか来期のメンバーが確定しない時期もあったが、その後、他のチームではいられなくなった選手たちを中心に補強。若手も積極的に登用して今の形になった。ドッカーやモドロといった実力者も加わったことで、ある意味非常に「キャノンデール(ガーミン?)らしさ」が如実に出るメンバー構成となった気がする。

今年はシーズン開幕時に勝利数に悩んだ。モドロ・マクレーの2大スプリンターの加入がこれを救えるか。ウランの躍進(復活?)は目を瞠るものがあったが、ブエルタにおけるウッズの台頭にも希望を抱かせるものがある。

ベテランから若手まで。華々しい選手は少ないかもしれないが、地道に結果を出すことのできる選手たちが、情熱あるヴォーターズGMのもとで来年も輝くことができるか。

 

 

 

注目選手

リゴベルト・ウラン(コロンビア、31歳)

脚質:オールラウンダー

2013年ジロ・ディタリア総合2位

2014年ジロ・ディタリア総合2位

2017年ツール・ド・フランス総合2位

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ジロで2回総合2位を獲った男は、今年、ツール・ド・フランスでも総合2位を獲得した。ほか、イル・ロンバルディアでも3位が2回。強いのは間違いないのだけれど、あと一歩、ということが非常に多い、悲哀に満ち溢れた選手。

それでも今年のツール総合2位は躍進であった。チームとしても、来シーズン期待の存在であることは間違いない。とはいうものの、同じような成績を来年も出せるかというと、そうはいかないだろうな、という個人的な思い。むしろウランには、イル・ロンバルディアを始めとしたクラシックでの勝利に期待したい。今年のツールでも、ギアチェンジできない状態からのスプリントで勝つという荒業を見せた。土壇場での勝負には強い印象だ。

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意外にもツール初勝利。ジロでも2勝しかしていない。あえて総合を捨て、ステージ優勝に絞る走り方だって許されるとは思うのだが・・・。

 

 

マイケル・ウッズ(カナダ、32歳)

脚質:クライマー

2016年ツアー・ダウンアンダー総合5位

2016年ミラノトリノ2位

2017年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合7位

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彼に注目した最初のきっかけは、2016年ツアー・ダウンアンダーだった。ウィランガ・ヒルをポートから9秒遅れでゴールした彼は、そのまま総合5位でレースを終えた。カナダ人という珍しさもあり、個人的に注目する選手となった。その年のミラノトリノでは、ミゲルアンヘル・ロペスに次ぐ2位となった。

ウッズが大々的に注目を浴びたのは今年のジロからだった。グランツール出場自体が初めての彼は、そのジロでTOP10入りが3回。このときはあくまでも逃げ屋としての走りだったが、続くブエルタ・ア・エスパーニャでは今度は総合争いに参加。TOP10入りをさらに2回追加したうえで、総合7位に入り込んだ。ダヴィデ・ヴィレッラと共に、チーム解散の危機に瀕するキャノンデール・ドラパックに希望をもたらした。

ウランやローランはいるものの、総合狙いの走りができる選手が今一つ足りないこのチームでは、引き続き総合エースとしての走りを期待されるところだろう。決して若い選手ではないが、ある意味でキャノンデール生え抜きと言ってもいいような選手だと勝手に思っている。たとえ目立たなくとも・・・応援している。

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ミラノトリノでも成績を出しているウッズには、山岳系クラシックでの活躍も引き続き期待したい。

 

 

ダニエル・マクレー(イギリス、26歳)

脚質:スプリンター

 

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2016年ツールでカヴ・キッテルに続く区間3位に入った時、彼の可能性を強く感じた。しかし2017年は最高でも5位とイマイチ。シーズン開幕直後はマヨルカ・チャレンジで1勝するなど良い滑り出しではあったのだが・・・それ以外の今年の勝利はユーロ・メトロポールのみ。しかもこれも、相手の早すぎたガッツポーズがゆえと言えなくもない。

来年はついにワールドツアー入りを果たす。まずはツールでのリベンジを狙いたい。ジロはモドロがエースを務めるとして、ツールでは彼のアシストを受けられるとよい。あるいはブエルタに挑むか。ツールよりも確実にスプリンターのグレードが落ちるブエルタならば、マクレーが勝利を狙うことは十分可能そうだ。

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ツールでもTOP争いを演じられるだけの実力はあるマクレー。来年こそは・・・!

 

 

 

その他注目選手

ピエール・ローラン(フランス、32歳)

脚質:クライマー

今年はジロで歓喜の1勝を成し遂げ、なんとか格好をつけることのできたローラン。そのあとのルート・デュ・スッドのクイーンステージで優勝し、いい形でツールに臨めたかと思ったが、肝心のツールではまったく目立てずに終わった。

総合ではもう勝負しない様子だが、それでいいと思う。山岳賞・ステージ優勝でときどき活躍する、そんな姿を楽しみにしたい。ある意味で、ヴォクレールの正統な後継者なのかもしれない。

 

セップ・ファンマルケ(ベルギー、30歳)

脚質:ルーラー

長らく在籍したオランダチームを離れ、キャノンデールへのやや謎な移籍を果たしたファンマルケ。それが功を奏することなく、ここ数年の中でも地味なシーズンとなってしまった。

来年のメンバーも、彼を助けてくれそうなメンバーのイメージが湧かないので、独力で頑張るしかない、か・・・? ツールの石畳では活躍できる可能性あり。 

 

ヒュー・カーシー(イギリス、24歳)

脚質:クライマー

カハルラル在籍中の2016年に、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャで総合9位に入るなど活躍し、期待と共にキャノンデール入りを果たした。が、今年は鳴かず飛ばず。ジロに出場したものの、逃げでの活躍すらできなかった。

まだまだ若いので、これからどんどんと経験を積んでいってほしい。来年の目標はとりあえず、年間2本のグランツール完走だ。

 

 

 

2018年ツール 出場メンバー案

1.リゴベルト・ウラン(総合エース)

2.サイモン・クラーク(山岳アシスト&アタッカー)

3.ミッチェル・ドッカー(TTT要員&平坦アシスト)

4.ダニエル・マクレー(エーススプリンター)

5.サッシャ・モドロ(発射台)

6.タイラー・フィニー(TTT要員&平坦アシスト)

7.ピエール・ローラン(アタッカー)

8.セップ・ファンマルケ(石畳要員&アタッカー)

 

ウランを総合エースにしつつ、マクレーでも勝利を狙う。山岳アシストは同時にアタッカー(逃げ屋)としての役割も担うことになるだろう。誰かのために走るというよりも、それぞれがそれぞれの勝利のためにチャンスを狙っていく、という走り方が主となりそうだ。

山岳アシスト兼アタッカーをもう少し増やすのであればドンブロウスキーやネイサン・ブラウンなどを入れる可能性もあり。カーシーやウッズをジロ・ブエルタにではなくこちらに出すというパターンも十分にありうるだろう。いずれにしても、総合エースを守るためのガチガチの布陣、というのは想像しづらい。

 

 

総評

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グランツールではウランとウッズ、北のクラシックではファンマルケ、アルデンヌでは同じくウッズ&ウラン、そしてステージ優勝でもそれなりにアタッカーが揃っていたりと、いずれのパターンでも勝利を狙える才能はいるものの、今一歩決め手にかける、という印象。

今年はなんとか、シーズン序盤から勝利を稼いでいきたいところ・・・。

 

 

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