りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

スポンサーリンク

【PCM2019】CCCチームで「20勝」を目指す Part.19 パリ~ニース第1~第4ステージ

 

自転車ロードレースシミュレーションゲーム「ProCyclingManager2019」で、今年「20勝」を目指しながら6勝しか果たせなかったCCCチームのリベンジを狙って行く企画の第19弾。

 

前回でティレーノ~アドリアティコ編が終了したが、それと並行して開催されていたもう1つの「ワールドツアーステージレースシーズン開幕戦」パリ~ニース。

今回は、その8日間をダイジェストでお送りする。前後編に分け、前編の今回は第4ステージまで。

 

総合を狙えるような選手がいないため、前半はヤコブ・マレツコによるスプリント勝利を狙い、後半は逃げからステージ優勝を狙う方針。

なんとかステージ勝利を1つや2つ、手に入れることが果たしてできるか?

 

↓パリ~ニース2019の全コースプレビューはこちらから↓

www.ringsride.work

 

↓現実世界のパリ~ニース2019の全ステージレビューはこちらから↓

www.ringsride.work

 

※このゲームでは、Youtubeでも数多くの動画を配信しているBenjiNaesen氏の手掛けたMOD「WorldDB 2019」を使用しております。記事中には実際のレースと変わらないチーム名・選手名・レース名・バイクサプライヤー名・スポンサーなどが登場しますが、いずれもMODによるものが多く、実際の何もいれていない状態でのゲームとは異なる場合があることをご了承ください。

 

 

↓ここまでのシリーズ紹介↓

 

スポンサーリンク

 

 

第1ステージ サン=ジェルマン=アン=レー~サン=ジェルマン=アン=レー 136km(平坦)

f:id:SuzuTamaki:20191214235424j:plain

例年、パリ~ニースはスプリントステージも豊富にアップダウンを含み、一方のティレーノ~アドリアティコは純粋なスプリントステージが多いため、ピュアスプリンターたちはイタリアに流れることが多かった。

しかし今年に関してはそれが逆転している印象。今年のパリ~ニースは最初の3日間がオールフラットに近いピュアスプリントステージとなっている。

 

とはいえ、時期的なものもあり、現実のレースでは結局、強い横風によって「いつも通り」のカオスな展開に。それでもその横風をいなしきったディラン・フルーネウェーヘンが、昨年に続くステージ勝利を手に入れた。

 

ゲーム中も実は横風が結構厳しかったが、それでも現実のような展開にはならず、最終盤は問題なしの集団スプリントへ。 

f:id:SuzuTamaki:20191214235951j:plain

 チームのエース、ヤコブ・マレツコのためのトレインを構築し、ゴール前に備える。

このまま残り1.5㎞で最終発射台コッホにスプリントさせ、残り0.8㎞でマレツコにスプリントをさせるぞ・・・と思っていたら

 

f:id:SuzuTamaki:20191215000917j:plain

残り2.4㎞でサム・ベネットを率いてペテル・サガンが、エリア・ヴィヴィアーニを率いてアルバロホセ・ホッジが、そしてベネットの後ろにアルノー・デマールが単独で、スプリントを開始した。

 

え、早くない?

 

 

そのまま突っ切っていった3人のエースが最後は競い合い、結果、ヴィヴィアーニが勝利。

f:id:SuzuTamaki:20191215001237j:plain

f:id:SuzuTamaki:20191215001449j:plain

マレツコも決して悪くなかった。残り0.8㎞からきっちりとスプリントを開始した彼は、きれいに体力を使い切ってハイスピードでゴールラインに突っ込んでいき、ベネットを発射したあとのサガンを抜き去ることには成功し、4位ゴールとなった。

しかし、スプリント能力80超えのトップスプリンターたちは格が違いすぎた。

どんなに調子がよかろうが、どんなにプレイングが上手かろうが、これは勝てないだろうな、ということをこの瞬間に明確に理解した。

f:id:SuzuTamaki:20191215001652j:plain

とりあえずリザルトはこんな感じに。

現実世界で勝利したフルーネウェーヘンはまったく振るわず。6位に沈んでしまった。

 

 

第2ステージ レ・ブレヴィアール~ベルガルド 165km(平坦)

f:id:SuzuTamaki:20191215190958j:plain

第2ステージも引き続き、第1ステージ以上にオールフラットな平坦ステージ。

 

ただ、現実世界では前日以上に横風で荒れに荒れたステージとなって、リゴベルト・ウランとワレン・バルギルが落車リタイア、前年ブエルタ覇者サイモン・イェーツが6分以上のタイムを失って事実上総合争いからの脱落を喫した。

そして残り6㎞から、チーム・スカイのルーク・ロウが横風作戦を決行。ロマン・バルデやナイロ・キンタナも引きちぎり、最後はわずか7名の小集団でのフィニッシュとなった。

 

その中にこの男もいた。前日の勝者でマイヨ・ジョーヌを着ていたディラン・フルーネウェーヘン。この日も、激しい横風を耐え抜いて先頭の7名に残った彼が、フィリップ・ジルベールやマッテオ・トレンティンを寄せ付けない圧倒的なスプリントでステージ2連勝を果たした。

 

 

では、ゲームの中ではどうか。

ある意味で、ゲームでも波乱の展開となった。

 

f:id:SuzuTamaki:20191215191856j:plain

逃げは4名。デルコマルセイユ・プロヴァンスのファビアン・シュミット、コフィディス・ソルシオンクレディのロイック・シュトウ、カチューシャ・アルペシンのニルス・ポリッツ、そして「逃げ王」トーマス・デヘントである。

最大でも3分17秒差しか許されなかったこの逃げ集団。現実世界と違って天気も良く風もそこまで強くない平穏な1日と思われていたこの日、逃げ切ることは不可能だと誰もが思っていた。

 

しかし、残り20㎞で1分差にまで迫ったはずのプロトンが、その後ペースダウン。いや、それも含めデヘントの巧みな逃げ集団コントロールの賜物だったのか?

その後再びタイム差は開き始め、残り16㎞でタイム差は1分40秒にまで開いていった。

f:id:SuzuTamaki:20191215192602j:plain

メイン集団も、先頭を引くのはエステバン・チャベスやロイ・クルフェルスなどのクライマーたちで、やる気を感じられない。

結局、このタイム差は縮まるどころかさらに開いていき・・・

 

f:id:SuzuTamaki:20191215192935j:plain

最後のスプリントでも残り3名を突き放したデヘントが、見事な逃げスペシャリストぶりを発揮し、独走勝利を果たした。

 

f:id:SuzuTamaki:20191215193408j:plain

最終的にメイン集団は2分25秒遅れでゴール。

まさかの第2ステージ、平坦ステージからこのような事態になるとは、誰も想像していなかったことだろう・・・。

なお、ここでも現実の覇者フルーネウェーヘンは振るわず。集団先頭は前日に続きヴィヴィアーニが掴み取った。

 

 

第3ステージ セッポワ~ムーラン 196km(平坦)

f:id:SuzuTamaki:20191215193603j:plain

3日連続のスプリントステージの最終戦。現実の世界では前2日の状況に嫌気がさしてか集団はスローに推移。ラスト6㎞で再びルーク・ロウとミハウ・クファトコフスキが横風作戦を決行して集団分裂が巻き起こるが、グルパマFDJのアシストによる牽引もあり、最終的には集団のままフィニッシュを迎えることとなった。

前2ステージの勝者フルーネウェーヘンは、この日は足がうまく働かなかったのか、最終発射台のテウニッセンの好走にも関わらず、集団の中に沈んでしまった。

その代わりこのテウニッセンの「リードアウト」を利用し、サム・ベネットが最初にスプリントを開始。カレブ・ユアンもその背中について追いかけるも、これを抜くことはできず、ベネットが2017年以来パリ~ニース2勝目を決めた。

 

 

ゲームの話に戻ろう。前日はトーマス・デヘントにしてやられてしまったメイン集団も、この日は残り6㎞で逃げを完全吸収。

残り1㎞、ファビオ・ヤコブセンが絶好調エリア・ヴィヴィアーニを牽引して最終発射台としてのスプリントを開始した。

f:id:SuzuTamaki:20191215194737j:plain

CCCチームのエーススプリンター、ヤコブ・マレツコはここでやや遅れ気味に。

ギヨーム・ファンケイルスブルクに牽引されたヨナス・コッホがかろうじて先頭のメンバーに食らいつき、ここからスプリントを開始する。

 

f:id:SuzuTamaki:20191215194947j:plain

残り1㎞を切ってヤコブセンが脱落。ヴィヴィアーニがスプリントを開始するが、左側からはフェルナンド・ガビリアが勢いよく加速していく。

そしてヴィヴィアーニの後ろにはサム・ベネットの姿。

 

f:id:SuzuTamaki:20191215195152j:plain

そして残り100m。早めのスプリントを開始していたガビリアもヴィヴィアーニも失速。

その中で、ギリギリまでヴィヴィアーニの背中についていたベネットが、この2人を出し抜いていく。

そして・・・

f:id:SuzuTamaki:20191215195418j:plain

f:id:SuzuTamaki:20191215195606j:plain

f:id:SuzuTamaki:20191215195649j:plain

現実世界と同様の、ベネットの勝利。2020年はドゥクーニンク・クイックステップで走ることが決まった、未来の最強スプリンター候補が、しっかりと実力を見せつける結果となった。

マレツコもなんとか立て直し、最後は8位に入り込む。

だがやはり、トップスプリンターたちとの間には高い高い壁があるようだ。

 

 

第4ステージ ヴィシー~ペルシャン 209km(丘陵)

f:id:SuzuTamaki:20191215195847j:plain

平坦ステージ3連続も終了し、この日からいよいよ丘陵・山岳ステージが開幕していく。

この日は終盤に小さな登りが連続するエスケープスペシャリスト向きのステージ。

現実世界でもその予想通りトーマス・デヘント、ジュリオ・チッコーネ、アレッサンドロ・デマルキなどの逃げスペシャリストたちが逃げ切る結果となったが、そんな彼らを終盤の登りで突き放して独走勝利を成し遂げたのがまさかのマグナス・コルトニールスンだった。

かつて、ブエルタ・ア・エスパーニャで2回のスプリント勝利を果たしている彼はスプリンターという印象の強い選手だったが、このあたりから段々と「登れる」ことがわかってきた。

この後彼はクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ、そしてツール・ド・フランスにおいて、アスタナの強力な山岳クライマーとして活躍していくこととなる。

 

 

ゲームにおいても、この日は逃げ勝利のチャンスということで、逃げ集団にCCCチームから2名、ビクトル・デラパルテとアマーロ・アントゥネスを乗せることに。

f:id:SuzuTamaki:20191215201355j:plain

それ以外にはデルコマルセイユ・プロヴァンスのハビエル・モレーノ、コフィディス・ソルシオンクレディのロイック・シュトウ、ディメンションデータのミケル・ヴァルグレンにロット・スーダルのティム・ウェレンスなど、やはり逃げ力の高い選手が揃っていた。

 

残り24.3㎞で逃げ集団とメイン集団とのタイム差は2分33秒。

ギリギリではあるが、逃げ切りの可能性も十分にある状況。

f:id:SuzuTamaki:20191215201929j:plain

だが、最後の2級山岳ポイントを前にして、アントゥネスが力を失い、脱落。

すでにデラパルテも脱落しているため、この日の逃げ切り勝利の芽はなくなってしまった。

 

先頭3名の逃げが逃げ続ける中、残り5㎞を切ってタイム差は56秒。

f:id:SuzuTamaki:20191215202225j:plain

このままではいけない、という思いの中、フランスチャンピオンジャージを着るワレン・バルギル(アルケア・サムシック)とジュリアン・アラフィリップが集団からアタック。

そこにティボー・ピノも追いついて3名のフランス人エースが全力で追走を仕掛けるが、先頭のウェレンスとヴァルグレンはなおも逃げ続ける。

f:id:SuzuTamaki:20191215202551j:plain

 

結局、集団は再び1つになって、そして先頭2名に追いつくことはできなかった。

 

最後はギリギリで逃げ切った2名によるスプリントバトル。

f:id:SuzuTamaki:20191215202900j:plain

終盤は常に先頭を牽いていたウェレンスが、しかし最後もきっちりと足を残し、ヴァルグレンを差し切った。

 

f:id:SuzuTamaki:20191215203005j:plain

タイム差0の、ギリギリの逃げ切り。

しかしこれで、ロット・スーダルは第2ステージのデヘントに続く、2勝目を記録することとなった。

 

なお、この日はロマン・バルデ、ダン・マーティン、サイモン・イェーツらが終盤で千切れてしまい、1分40秒遅れでゴールしている。一方のサム・ベネットはこの終盤のアップダウンの中でも千切られることなく集団に残ることに成功し、

f:id:SuzuTamaki:20191215203235j:plain

総合順位は上記の通りに。ベネットとサガン以外は、総合勢が上位を占める結果となった。

 

 

当然、ここにCCCチームはいない。

今回のパリ~ニースの面子――アマーロ・アントゥネス、リカルド・ツォイドル、ビクトル・デラパルテ――では、パリ~ニースの総合争いを仕掛ける余裕はない。

よって、狙うべきはステージ勝利。スプリントでは最初の3ステージでその機会には恵まれなかったが、残る4ステージ(ただし、個人TTは厳しいだろう)で、なんとか逃げ切り勝利を成功させたいと思う。

 

次回は後半4ステージをダイジェストで見ていく。

 

スポンサーリンク

 

 

スポンサーリンク