自転車ロードレースシミュレーションゲーム「ProCyclingManager2019」で、今年「20勝」を目指しながら6勝しか果たせなかったCCCチームのリベンジを狙って行く企画の第8弾。
前回まではオーストラリアを舞台に、ツアー・ダウンアンダー、そしてカデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースの2つのワールドツアーをプレイ。
その後、同じオーストラリアの1クラスレース、ヘラルドサン・ツアーにも出場したが、そこでもわずか1秒差で総合優勝を逃すという悔しい結果に。
ただし、初日のプロローグではベヴィンがきっちりと優勝してくれて、これでシーズン4勝目を獲得。
また、ベヴィンはポイント賞を手に入れ、さらにセルジュ・パウェルスが山岳賞を手に入れるなど、チームとしてはそれなりに活躍することができた。
今回からは、いよいよ舞台をヨーロッパに移していく。
最初に取り上げるのは、イタリアのパンチャー向けクラシック、トロフェオ・ライグエーリア(1.HC)。
そしてこのライグエーリアで優勝を目指すCCCチームのエースは・・・イタリア屈指の逃げ屋の1人、アレッサンドロ・デマルキ!
その他、パウェルスやデラパルテ、ゲシュケといったクライマー/パンチャー陣の総力を挙げ、ヨーロッパの地での初勝利を狙っていく。
※このゲームでは、Youtubeでも数多くの動画を配信しているBenjiNaesen氏の手掛けたMOD「WorldDB 2019」を使用しております。記事中には実際のレースと変わらないチーム名・選手名・レース名・バイクサプライヤー名・スポンサーなどが登場しますが、いずれもMODによるものが多く、実際の何もいれていない状態でのゲームとは異なる場合があることをご了承ください。
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ナショナルチーム
1月30日に、「新しいナショナルチーム」というタイトルのメールが届いていた。
「今年度、あなたはポーランドかベルギーのナショナルチームを運営することができるようになりました」
とのこと。
ほうほう・・・なんだろ、ディベロップメントチームみたいなものか?
と思って、せっかくのポーランド籍チームだしポーランドを選んじゃおう、と思って選択。
が、この下にある、
7/1~8/31:プレ選考(ロードレース用の9名、TT用の3名)
9/15:最終選考(ロードレース用の8名、TT用の3名)
9/25:個人タイムトライアル本戦(2名)
9/29:ロードレース本戦(6名)
を見て、「あっ、これ・・・世界選手権用のナショナルチームのことか!」と今更ながらに気がつく。
グレッグ・ファンアーフェルマートを抱えるCCCチームにとって、ここはベルギーチームの運営を任されるべきだった。そうすれば、ジルベールとかをこき使ってファンアーフェルマートの勝利をサポートさせることもできたのに・・・!
今更修正もできず。
今年の世界選手権は、ポーランドチームの監督として運営していくことになる。
・・・仕方ない。別チームではあるけれど、クウィアトコウスキーに勝ってもらうために頑張るか・・・。
トロフェオ・ライグエーリア
それではいよいよ、レース本番である。
ヨーロッパでのロードレースは1月末から2月頭にかけて、主にスペインや南フランスの地で開幕を告げる。
そして2月中旬、イタリア北西部リグーリア州で行われるこのトロフェオ・ライグエーリアが、イタリアにおけるシーズン開幕レースとして位置づけられている。
アルプスから連なる丘陵地帯を舞台としたこのパンチャー向けワンデークラシックは、過去にもファビオ・フェリーネ、モレノ・モゼールといったイタリア人パンチャーたちに鮮烈な勝利をもたらしている。
そしてそれは、逃げ切りによるものが大きい。
CCCチーム屈指のイタリア人逃げ屋パンチャー、デマルキにとっては、実に相性の良いレースと言えるだろう。
レースの概要や特徴については、以下の記事に詳しい。
それではゲーム中のコースプロフィールを確認していく。
序盤・中盤にもアルプスらしい登りが含まれているが、ここで決定的な分裂が起こることはまずない。
重要なのは、レース終盤、ライグエーリアの中心地に戻ってきたあとの周回コース。
ここで合計4回登ることになる「コッラ・ミケッレ」は、登坂距離1.7㎞、平均勾配9.2%の登り。
最後の「ミケッレ」の頂上からゴールまでは約10㎞で、この登りで抜け出した選手もしくは小集団がそのままフィニッシュまで向かうパターンが多い。
そんな中、今年の現実のレースでは、23歳の若手イタリア人、シモーネ・ヴェラスコが、なんと周回コースの1周目から抜け出し、そのまま独走でゴールしてしまった。
CCCチームのデマルキも、同じような鮮烈な逃げ切り勝利を狙いたい!
そんな風に思いながらも、スタートリストを眺めてみると・・・
!?
キング・オブ・パンチャー、ジュリアン・アラフィリップがまさかの出場。
それも、「アルデンヌの皇帝」フィリップ・ジルベールを引き連れて。
うせやろ・・卑怯やんこんなの・・・
ただ幸いにも、ドゥクーニンクはメンバーを4名しか連れてきていない。
CCCチームとしては数の利を活かした積極的なレース運びで、アラフィリップとジルベールが万全な状態で動くことのできないような展開にもっていくほかない。
そこで考えた作戦は、「最後から2番目のコッラ・ミケッレで攻撃し始める」作戦である。
ドゥクーニンクも油断している早い段階での攻撃で戦力をそぎ落とし、最後の登りで一気に勝負を決める、というわけだ。
作戦開始
残り22.5㎞。最後から2番目の「コッラ・ミケッレ」の登り口まであと1㎞。
ここから、作戦を開始する。
ジョセフ・ロスコフ、サイモン・ゲシュケ、ヨセフ・チェルニー・・・3人のエースクライマー(デマルキ、パウェルス、デラパルテ)のための平坦牽引役3名で、 このラスト1㎞を猛牽引する。
この「奇襲」によって、ジルベールはわずかに遅れを喫する。
そして、エースのジュリアン・アラフィリップは、このさらに後方。
そして、登りの中腹で牽引役3名がすべて力を失い、脱落。
ここでエース3人組によるアタックを開始する。
ここで突き放せれば一番良かったが、さすがにそこまでは甘くなく。
ただ、それでも集団を21名にまで絞り込み、ドゥクーニンク・クイックステップもアラフィリップとジルベールのみにすることができた。
一方のCCCチームは、先ほどのアシスト陣営もチェルニーだけが脱落し、ロスコフとゲシュケを含めた5名が先頭に残っている形に。
決して悪くない形で、最後の「コッラ・ミケッレ」に挑めることとなった。
最後に残った3名
ラスト11.4㎞。
最後の「コッラ・ミケッレ」が始まる。
先ほどと同じように、生き残ったアシスト陣を中心にしてペースアップ。
そして残り10㎞。頂上目前で、集団からついにエースのデマルキを発射!
このままアラフィリップたちを突き放せれば――
と、思ったら・・・
まるでロケットのように、一瞬にして後方から飛び出してきたアラフィリップ。
これが、フレーシュ・ワロンヌ2連覇を果たした男の力か・・・!
独走を開始したアラフィリップは、デマルキたちとのタイム差を一気に30秒以上開いていく。
ただ、これはある程度織り込み済。
この状況からなおも勝ちを拾うために、「数の有利」というのがあるのだ。
デマルキを無理に一人で追いかけることをせず、デラパルテ、パウェルスと合流し、3名体制でアラフィリップを追いかける。
このまま2人の力を犠牲にして、彼との差を詰めていくだけである。
しかしそこに、1名、イレギュラーな存在が・・・
その男の名は、ジャンニ・モスコン。チーム・イネオスの、才能豊かなイタリア人パンチャーである。
たしかに、このトロフェオ・ライグエーリアとは相性のよさそうな選手。
現実世界では今年、不調に見舞われて目立った走りを見せられていなかった彼だが、意外な伏兵としてここで現れてきた。
しかしここで気にしている余裕はない。
デラパルテ、パウェルスに全力で足を使わせ、いよいよ残り4㎞で先頭のアラフィリップに追いついた。
(注:アラフィリップ、モスコン、CCCチーム以外の選手は周回遅れの選手たち)
これでCCCのアシスト陣も全滅。
あとはもう、デマルキ、アラフィリップ、そしてモスコンの一騎打ちである。
アラフィリップの背後にしっかりと構え、その瞬間に備える。
と思ってたら、残り400mでモスコンが反対側からアタック!
たまらず加速するアラフィリップ。
だが、ずっと一人で逃げていた彼に、イタリアの俊英を捉えるだけの足はもう、残っていなかった。
見事、イタリアの天才が母国の開幕レースで勝利を飾る。
新アルデンヌ王者のアラフィリップも、まだまだその本調子を発揮しきれなかったようだ。
そしてこのアラフィリップの敗北のきっかけを作ったともいえるデマルキは、結局、彼の加速についていくことはできず、3番手ゴール。
まあ、あの登りでアラフィリップやモスコンを突き放せず、スプリント勝負に持ち込まれた時点で、勝ちの目はほぼなくなっていたといっても過言ではない。
これほどの面子の中で3位を取れただけ、十分頑張ったと言えるだろう。
リザルトは以下の通り。
アフリカの星ダリル・インピーが後続集団の先頭を取って4位。
ほか、ヴェンドラーメ、ゴルカ・イサギーレ、ジョヴァンニ・ヴィスコンティなど錚々たる顔ぶれが上位に入り込む。
いよいよ、本格的なヨーロッパのレースが開幕していく。
次回からは、ポルトガルを舞台にしたステージレース「ヴォルタ・アン・アルガルヴェ」をお送りする予定。
再びパトリック・ベヴィンをエースに据え、地元ポルトガル人クライマーで過去に区間優勝の経験も持つアマーロ・アントゥネス、オーストリア人クライマー・ツォイドルなどを率いつつ、総合優勝・ステージ優勝を狙っていく。
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