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【全ステージレビュー】パリ~ニース2019

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阿鼻叫喚の横風分断から始まった怒涛の1週間。スタート前は燦然と輝いていた優勝候補たちも、終えてみれば散り散りとなって見る影もなし。ある意味、実にパリ~ニースらしい展開となった。

 

その中で圧倒的な強さを見せつけたのがチーム・スカイ。

見事すぎる横風攻撃に、最終日のキンタナの逆転を許さない組織的牽引。

そのあまりの鮮やかさに、勝利のための苦労すら感じさせず、まるで実戦を利用した彼らのトレーニングを見せつけられているようだった。

 

そんな中、サイモン・イェーツの個人TTでの優勝やダニエル・マルティネスという新たな才能の覚醒など、ベルナル以外の新時代の選手たちの台頭も見届けることのできた1週間でもあった。

 

今回も全8ステージを丹念に振り返っていく。

 

 

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第1ステージ サン=ジェルマン=アン=レー~サン=ジェルマン=アン=レー 138.5km(平坦)

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嵐に近い強風が吹き荒れ、ヨーロッパ各地のレースが中止や短縮に追い込まれる中、このパリ~ニースも荒れに荒れた展開で開幕する。

とくに残り40kmを切ったところで展開された横風大作戦。チーム・スカイやユンボ・ヴィスマ、グルパマFDJといったチームが積極的に前を牽き、引き千切られた後方にはディフェンディングチャンピオンのマルク・ソレルやこの日の優勝候補のアレクサンドル・クリストフ、マルセル・キッテルなど。

そこに落車も加わり、パリ~ニースとの相性の良いマイケル・マシューズが一度も画面に映らないまま退場。

ミゲルアンヘル・ロペス、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ、コンラッド、ヴァンガーデレン、ソレル、ソーサ、アル、エナオといった総合優勝候補たちが1分以上のタイム差をつけられてしまった。

 

そんなカオスな展開の中、繰り広げられた集団スプリント。

残り2kmから飛び出したフィリップ・ジルベールを、ユンボ・ヴィスマのトレインが牽引する集団が飲み込む。

向かい風の中早めに支配権を握り過ぎたユンボ・ヴィスマトレインは最後まで持たず、ソンニ・コルブレッリが先頭を奪い取るものの、その3つ後ろで冷静にタイミングを見計らっていたフルーネウェーヘンが「最強」の名に恥じない加速で一気に先頭に躍り出る。

が、この日はその番手につけていたカレブ・ユアンの加速がさらに強かった。数センチ単位のごくわずかな差でフルーネウェーヘンが逃げ切るものの、この日のユアンの走りは間違いなく、ミラノ~サンレモに向けた手応えを感じるそれだった。

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過去3年、初日スプリントステージを制してきたデマールは7位に沈む。

フルーネウェーヘンはここでも最強スプリンターであることを示す。世代交代は着実に進む。

 

 

第2ステージ レ・ブレヴィアール~ベルガルド 163.5km(平坦)

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前日に引き続き、いや前日以上の過酷な横風の猛威がプロトンに襲い掛かる。

とくに追い風区間が長かったこともあり、全体の平均速度は脅威の51.2km/h。

横風によって置いていかれたサイモン・イェーツは6分以上のタイムを失い総合争いから完全に脱落。同じく置いていかれたフルーネウェーヘンはチームメートたちの献身によって集団復帰し、勝負権を守り切った。

そして、横風だけでなく激しい落車も頻発。これによってリゴベルト・ウラン、ワレン・バルギルなどが退場した。

 

そんな中、、ロマン・バルデはチームメートのトニ・ガロパンと共に集団前方に留まることに成功。途中の中間スプリントポイントでボーナスタイムを得ることにも成功している。

しかし残り6kmを過ぎたところで再びスカイが横風分断を試みる。ルーク・ロウとミカル・クウィアトコウスキーによって指南を受けたベルナルも積極的に前を牽き、これによってバルデやキンタナもタイム差をつけられて、わずか7名の小集団だけが先頭でゴールを迎えることに。

 

そして、今日もこの小集団の中にフルーネウェーヘンの姿があった。

決してピュアスプリンターではないイバン・ガルシアが先駆けし、その前方でスプリントを開始したトレンティンすら抜き去る素晴らしい加速を見せたものの、その背後からフルーネウェーヘンが楽々と上がってきて、予定調和のごとく先頭でゴールラインを通過する。

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結果だけを見ればごく当たり前の勝者であったが、一度は遅れた彼を集団まで引き戻し、最後のスカイの攻撃にもしっかりと喰らいついていったフルーネウェーヘンと彼の新たな右腕テウニッセンを始めとするユンボ・ヴィスマのチーム力は底知れない。

同時開催のティレーノ~アドリアティコでもログリッチェを総合優勝に導きつつ、こちらでも勝利を重ねることのできるその層の厚さは、ワールドツアーチーム中随一のものと言ってよいだろう。

 

 

第3ステージ セッポワ~ムーラン 200km(平坦)

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前2日のあまりにも過酷すぎる展開に嫌気がさしてか、この日は実にスローペースな走りが続いた。

向かい風だったこともあり、全体の平均時速は37.9㎞/h。

今日はこのまま平穏な集団スプリントに突入するか。

 

いや、そうは問屋が卸さないとばかりに、チーム・スカイの「新・横風職人」ルーク・ロウがこの日も「爆発」させた。

残り6㎞から集団先頭のロウが時速60㎞を超える猛スピードで牽引。

後続集団はなんとか食らいつき、残り4㎞でロウは外れるも、そこから先頭をバトンタッチしたクウィアトコウスキーがさらなるペースアップを図り、ついに集団が分裂した。

先頭集団は山岳賞ジャージのダミアン・ゴダンやカレブ・ユアンなど。

 

しかしグルパマFDJがエースのデマールのためにチーム一丸となって、そしてクリストフはその重量級のパワーを生かして単独で、なんとかブリッジを仕掛けたことで、スカイの驚異的な攻撃は残り3㎞で終了した。

展開は集団スプリントに。

 

ゴール前のトレインは前からFDJのアシスト、デマール、クリストフ、ベネット、ユアンの順番。

ここで後方からテウニッセンがフルーネウェーヘンのために抜け出すが、肝心のフルーネウェーヘンがこの背中につくことができず、逆にベネットやユアンによってこれを利用されてしまう。

テウニッセンの最高のリードアウトからのベネットの早めの駆け出し。

その背中についたユアンもベストなタイミングでスプリントを開始したが、ベネットがあまりにも残り続けたため、結局はユアンは前に出ることができず、そのままベネットが2017年に次ぐパリ~ニース2勝目。今シーズン3勝目を記録した。

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第4ステージ ヴィシー~ペルシャン 210.5km(丘陵)

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いよいよ山岳地帯に入り込んでいった今年のパリ~ニース。

山岳賞、そして逃げ切りを狙って最大13名の逃げ集団が形成された。

山岳賞ジャージを着るダミアン・ゴダンもこの動きに乗じるが、石畳クラシックを主戦場とする重量級ライダーにこの日のアップダウンコースは厳し過ぎた。

やがて脱落していった彼に代わり、過去2度の山岳賞獲得者である「エスケープ王」トーマス・デヘントが満を持して姿を現した。

 

デヘントのペースメイクによって逃げ集団は絞り込まれ、最終的に残ったのはコルトニールセン、チッコーネ、デマルキの3名のみ。

そして最後の2級山岳を越えた残り10㎞でタイム差は50秒。

定石通りなら埋まる差も、前4名の強さと後続が絞り込まれていたことで埋まらず、50秒差のまま残り1㎞を通過した。

 

勝負は逃げの4名に絞られた。

過去ブエルタでも2勝しているコルトニールセンの圧倒的優位だったはずが、彼はあえてスプリントを待たず、フラムルージュを通過した直後に単独で飛び出した。

デヘントが追随するも距離は開く一方で、残る2人は全く身動きが取れなかった。

 

昨年のツールに続く山岳ステージ逃げ切り勝利。

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山も登れるスプリンターが、新たな境地を開きつつあるようだ。 

 

 

第5ステージ バルバンターヌ~バルバンターヌ 25.5km(個人TT)

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プロヴァンスで行われた個人タイムトライアルは、途中フリゴレ修道院に至る小さな登りを挟むもほぼほぼ平坦なレイアウト。

トップタイムを記録したのはまさかのサイモン・イェーツ。

たしかにTT能力は確実に向上しており、かつこの日は後半の有力勢が風の影響でタイムを失っていたことを踏まえても、驚きの結果であった。

サイモン自体もそれなりに横風の影響を受けていて、なおである。

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また、ステージ5位に今年のコロンビアTT王者のマルティネス、6位に昨年の同王者、今年の2位のベルナルがランクイン。

彼らが暦とした総合系オールラウンダーであることを示し、新たな時代のグランツール表彰台候補であることをはっきりとさせた。

 

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第6ステージ ペニエ~ブリニョール 176.5km(丘陵)

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クイーンステージ前のアップダウンステージで逃げ切りも予想されたが、蓋を開けてみれば逃げは3名のみ。

強風も吹き荒れる中、トラブルを警戒してメイン集団は早々に逃げを飲み込み、スプリンターにチャンスが回ってきた。

 

しかしこの日も落車が頻発。

第1・第3ステージで3位に入り調子の良さを見せていたファビオ・ヤコブセンが途中リタイアしたほか、残り4㎞地点でも発生した落車に今度は第1・第3ステージ2位のカレブ・ユアンも巻き込まれた。

幸いにもユアンは怪我などはなかったが、勝負には絡めずに最後のチャンスを手放した。

 

残り7㎞ほどから先頭を支配し続けたグルパマFDJがゴール直前まで機能し続け、ヤコポ・グアルニエーリのリードアウトで抜け出したデマールに、トレンティンもデゲンコルプも全く歯が立たなかった。

ただし、彼の背後につけていたベネットだけは規格外だった。

他のスプリンターとは次元の違う加速で一気に先頭に躍り出たベネットは、そのまま今大会2勝目を記録。

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今年もまた、グランツールでの複数勝利が期待できそうなコンディションだ。

 

 

第7ステージ ニース~チュリーニ峠 181.5km(山岳)

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大会初登場の本格山岳山頂フィニッシュ。

戦前は総合成績をめぐり成績上位者たちがステージ勝利を競い合う展開が期待されたが、大会序盤の混戦の中で総合成績を失った元優勝候補たちーーすなわちサイモン・イェーツやミゲルアンヘル・ロペスたちが豪華な逃げ集団を形成して山に挑んだ。

 

この中で最強と思われていたのは、昨年ブエルタの覇者サイモン。

ゴールまで残り9.2㎞から立て続けに2回、アタックを繰り出し、これについてこれたのは、ロペスとダニエル・マルティネス、過去ブエルタ山岳賞のニコラ・エデの3名だけ。

ロペスが先行して抜け出そうとするもサイモンはマイペース走行を崩さず、すぐに追いついてくる。

 

残り6.3㎞。

4人の中では最も力がないと思われていたエデがふらっと先行し、ロペスがこの背中に取り付く。

サイモンとマルティネスが様子見をしているのを見て、ロペスが一気にペースアップを仕掛けた。

残り5.5㎞地点でエデも突き放す。

 

残り3.6㎞でサイモンの前を走っていたマルティネスも加速してロペスにブリッジ。

これらの一連の動きサイモンは反応せず、苦しいのかと思われていた矢先、残り3㎞で再びサイモン合流。

戦いは振り出しに戻った。

 

残り1.9㎞。

ここまでマイペースを維持してきていたサイモンが強烈なアタックーーしかし、ロペスもマルティネスも問題なくこれについていく。

逆にラスト1㎞のフラムルージュを超えたところでマルティネスがアタックすると、ロペスはなんとかこれについていったものの、サイモンは完全に遅れる姿を見せた。

 

それでも残り500mでブリッジを仕掛けようとした。

が、ここが限界だった。

 

そんなサイモンを尻目にマルティネスが再び腰を上げる。

もはや彼は振り返らず、背中に張り付いたロペスを気にすることなくペダルを踏み続ける。

残り80mで完全にロペスを突き放したマルティネスは、そのまま先頭でゴールに飛び込んだ。

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昨年プロデビュー。

ツアー・オブ・カリフォルニアではベルナルの活躍ばかりが目立ったが、彼もまたTTの好成績と合わせ、総合3位に入る驚異的な走りをしてみせた。

今EFで最も期待される若手ライダーの1人。

今年のグランツールでの活躍が楽しみだ。

 

 

さて、6分遅れで登りに突入したメイン集団は、セバスティアン・エナオ、タオ・ゲオゲガンハート、イバン・ソーサ、ベルナル、クヴィアトコウスキーの順でトレインを作って登っていく。

相変わらずそのペースは激しく、とくにゲオゲガンハートの牽きで、ゴールまで7~5㎞を残して総合4位のケルデルマン、7位のグロスチャートナーなどが次々と遅れていく。

残り5㎞を過ぎて、総合5位のユンゲルスと総合3位のサンチェスも脱落。

 

残り3㎞。

ソーサが先頭を牽き始め、ついにマイヨ・ジョーヌのクヴィアトコウスキーが遅れ始めた。しかし先頭は待たない。

ベルナルが正真正銘、この最強チームのエースであることがはっきりとした瞬間だった。

 

ソーサが牽引する集団はさらなるペースアップを図り、バルデ、ポッツォヴィーヴォも切り捨てられた。

先頭はベルナル、キンタナ、ヘイグの4人だけに。

 

そしてフラムルージュを超えてソーサが終了。

11%が連続する厳しい登りをベルナルがハイペースで登り、ヘイグも脱落した。

 

最後はキンタナがベルナルの前に出て並んでゴール。

キンタナは先輩としての意地を見せた格好だったが、しかしベルナルが彼と同じ位置にまで既に登りつめていることをその背中でひしひしと感じていたことだろう。

 

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エガン・ベルナル。

今大会最強の男は間違いなく、彼であった。

 

 

第8ステージ ニース~ニース 110km(山岳)

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毎年劇的な逆転劇が演出されるパリ~ニース最終日恒例のエズ峠ステージ。

今年もまた、総合逆転を狙うモビスターとナイロ・キンタナが、積極的な攻撃に出た。

 

残り50kmを切った地点にある、最後から3番目の登り「ペイユ峠」。

昨年もソレルがアタックし、逆転総合優勝を実現させたこの登りで、今年はキンタナが強烈なアタックでプロトンを抜け出した。

目指すは、1分差で先を行く30名以上の大規模逃げ集団。

この中には、昨年総合優勝者ソレル、キンタナの右腕で今年のサンフアン総合優勝者ウィネル・アナコナ、そしてエクトル・カレテロらが待ち構えていた。

あまりにも完璧な「前待ち作戦」。

たちまちのうちに、キンタナとプロトンとのタイム差が1分近くにまで広がった。

 

しかし、キンタナにとって予想外だったのは、アナコナとカレテロの2人が思った以上に早く逃げ集団から脱落してしまったこと。

カレテロはまだ、プロトンから抜け出したばかりのキンタナを引き上げる役割を果たしたからいいものの、アナコナのこの早すぎる脱落はさすがに想定外だったのではないか。

 

残ったアシストはソレルのみ。

もちろんソレルは強力だが、彼1人で残り45km以上のアシストを任せるわけにはいかない。

キンタナ自ら前を牽く場面すら見せ、なんとか後続のメイン集団からのタイム差を稼ごうとする。

なんだか、2年前、3年前のコンタドールを見ているかのようだ・・・。

 

一方のメイン集団は、当然ながらチーム・スカイに全ての責任が背負わされた。

しかしそのスカイがまだまだ大量のアシスト——ジョナタン・ナルバエスに加えて、前日のコル・ド・チュリーニでも総合上位勢を薙ぎ払ったセバスティアン・エナオ、タオ・ゲオゲガンハート、イバン・ソーサ、そしてマイヨ・ジョーヌを脱ぎ捨てたことでベルナルの最強アシストへと姿を変えたミカル・クウィアトコウスキー——が残っている。

キンタナのアタックにその中の誰一人反応させなかったのは余裕の表れか。

それこそまるでこれがベルナルのための実戦型トレーニングであると言わんばかりに、世界最強の「黒の軍団」は峠を越えてキンタナとの距離を徐々に詰めていく。

 

残り28.2㎞で最後から2番目のエズ峠に差し掛かると、ソレルもその役割を終えて落ちていった。

早くもキンタナは単騎に。

メイン集団とのタイム差は42秒。

 

しかしここから、ほぼ先頭固定で牽き続けたキンタナは実に強かった。

残り14㎞で最後の登りキャトルシャマン峠に入ったとき、プロトンとのタイム差はまだ34秒だった。

すでにバーチャルリーダーの座は失ってはいるものの、執念で逃げ続けるキンタナ。

スカイも、ナルバエスやゲオゲガンハートを使い切る勢いで猛追していく。

 

だが、さすがにもうキンタナには、この最後の登りでアタックしたヨン・イサギレを追いかける余裕はなかった。

ここまで、総合11位のルイスレオン・サンチェスのために牽くでもなく、集団の後方でずっと足を溜められていたヨンは、軽快な足取りで飛ぶようにして山岳をこなしていき、プロトンとのタイム差は一気に50秒以上にまで広がる。

 

そのまま、得意のダウンヒルもこなし、単独で「英国人の散歩道」にやってきたヨンは、2月のバレンシアナ総合優勝に続く今期2勝目を記録。

同日のティレーノ〜アドリアティコ第5ステージで逃げ切りを決めたフルサングと共に、チーム驚異の19勝目となった。

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終盤の動きの中で、焦らず、自分の足を信じて、じっとチャンスを窺っていた結果である。

チームとしても、ロペスの献身により逃げ切りを確定させたうえで、サンチェスの存在を重石としてのアタックだった。今期アスタナの勢いを感じる勝利だった。

 

 

総合成績

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振り返ってみれば、ベルナル、というかチーム・スカイの圧倒的勝利。

横風や落車というアクシデントゆえの、本来あるべき優勝候補たち不在のランキングだったが、そのアクシデントを避け、かつライバルたちにアクシデントをもたらしたのは紛れもなくスカイであった。

 

その中で、今や最強クライマーとなりつつあるベルナルに喰らいつき、最終日はそれを脅かす走りを単身見せたキンタナ。

そしてサイモン不在の中で、バレンシアナ総合7位、アンダルシア総合6位に続くまさかの総合4位。

別にこれは、アクシデントによってライバルたちが遅れたから手に入れた成績、というわけでもない。

何しろクイーンステージで、イバン・ソーサの強烈な牽引の後でも喰らいつくだけの足を見せていたのだから。

彼はもう、ただのアシストではない。

チームのエースを任されるのに不足のない男である。

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そういった活躍をした選手たちの一方で、思わしくない結果となってしまったのがバルデ、ザッカリンなど。 

いずれも、チームの唯一といっていいほどの総合エース。こんなところで、いつまで経っても結果を出せずに過ごしているわけにはいかない。

バルデは続くカタルーニャでもイマイチな姿を見せながら最終日に落車、骨折。

1ヶ月近い戦線離脱を余儀なくされているようで、ツールに向けて不安ばかりが積もっていく。

ザッカリンはリタイアこそしなかったものの、総合17位・・・。

ザッカリンは次は5月のロマンディ、そしてジロ。

果たして、そこまでに調子を取り戻すことはできるのか?

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今年も白熱の1週間だったパリ~ニース。

しかし、来年はもうちょっと、天気が穏やかだといいねぇ。

 

 

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