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【PCM2019】CCCチームで「20勝」を目指す Part.7 カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース

 

自転車ロードレースシミュレーションゲーム「ProCyclingManager2019」で、今年「20勝」を目指しながら6勝しか果たせなかったCCCチームのリベンジを狙って行く企画の第7弾。

 

前回まではシーズン初頭のビッグレース、ツアー・ダウンアンダーで、現実の世界では落車によって夢に終わってしまったパトリック・ベヴィンの総合優勝を目指していった。

www.ringsride.work

 

その結果は残念ながら、わずか2秒差での総合2位。

しかし、ステージ1勝も手に入れ、チームとしては決して悪くない滑り出しだったとは言えそうだ。

 

 

今回は、同じオーストラリアを舞台にした、比較的歴史の浅いシーズン最初の「ワールドツアーのワンデーレース」カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース

 

ピュアスプリンター向きではあるものの、ゴール直前に激坂チャランブラ・クレセントが存在することで、登りでアタックしたパンチャーたちと、これを追いかけるスプリンターたちとの熾烈な追いかけっこが例年繰り広げられる名レース。

 

ここで、パトリック・ベヴィン率いるCCCチームは、ダウンアンダーのリベンジを果たすことができるのか。 

 

 

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レースの前に ~初めてのキャンプ~

このゲーム「ProCyclingManager2019」は、単純にレースをするだけのゲームではない。

そのメインとなるモード「キャリアモード」では、プレイヤーは任意のチームの運営者となり、シーズンを通して最高の結果を出せるよう、チームと選手たちをマネジメントしていくことが求められる。

 

よって、ただレースに出て勝つだけではなく、そのレースに向けていかに準備をしていくか、ということを考えるのも重要なのである。

 

シーズン中、目標とするレースに向けて、チームの選手たちのパフォーマンスを最大限発揮するうえで重要になるのが、「キャンプ」である。

現実世界のサイクルロードレースでも、ときおり話題にのぼるチームキャンプ。これは「キャリアモード」でも再現され、重要な役割を果たしている。

 

 

 

ゲーム中のキャンプの画面は以下の通り、世界地図とそこに点在するキャンプ地という形で表現されている。

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ここではヨーロッパだけが映し出されているが、キャンプ地はアメリカ大陸なども含めた世界中に点在する。

それぞれかかる費用や効果などに様々なバリエーションがあるようだが、あまり難しいことを考えるのも面倒。

ここは、せっかくなので奮発して、最高級のキャンプ地を選ぶこととする。

 

 

ということで、この時期(1月)の定番のキャンプ地「マジョルカ島」を選択。

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ホテルのランクは最高級の5つ星。

1日につき300ユーロ*1、一回のキャンプで一回支払うことになる「旅行費」も300ユーロ。

高いのか安いのかは、よくわからない。

 

 

だが、プレイヤーとして想定外だったのが、最低でも8人をキャンプメンバーとして選ばなければならないということ! 

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もともと、チームの最大の目標である北のクラシックに向けて、グレッグ・ファンアーフェルマートを強化しようと思っていたこのキャンプだったが、仕方なく、シェアーやファンケイルスブルクなど、ファンアーフェルマートのアシストを務めることとなる選手たちも一緒に連れていくことに。

 

キャンプの日数は最大で10日間。

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先ほど、1日につき300ユーロ、キャンプ1回で旅行費300ユーロと述べたが、そうなると10日間で1人当たり3,300ユーロが必要となる。

これが8人分だから、合計26,400ユーロ。

 

ツアー・ダウンアンダー総合2位などで獲得した賞金合計が 21,040ユーロだったため、これで稼ぎあげた賞金を一気にすべて使い果たすこととなった。 

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それでもキャンプはロマンの1つ。

これが最終的に、現実世界では1勝もできずに終わった北のクラシックで、チームに栄光をもたらしてくれるものと信じている。

 

 

 

カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース

それでは今回のメインイベント、ワールドツアーレース「カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース」に入っていく。 

 

初開催は2015年。その名の通り、オーストラリア人として初の(そして今に至るまで唯一の)ツール・ド・フランス総合優勝者であるカデル・エヴァンスの引退レースとして、第1回が開催された。

最初の優勝者はスプリンターのジャンニ・メールスマン。

しかし翌年はクライマーのピーター・ケニャック(ケノー)、その翌年はスプリンターのニキアス・アルント、その翌年はパンチャーのジェイ・マッカーシーと、ピュアスプリンターが勝つのかそれともパンチャー/クライマータイプの選手たちが勝つのか、判然としていない、可能性の開かれたレースとして好評を集めている。

 

当初はHCクラスのレースとして始まったこの通称「カデルレース」も、2017年からは早くもワールドツアークラスに。

今年――すなわち2019年も、18のワールドツアー全チームと、実質的なオーストラリアナショナルチームという、ツアー・ダウンアンダーと同様のパターンで世界のトップ選手たちが集まることとなった。

 

現実の世界でのカデルレース2019の展開は以下の記事を参照。

www.ringsride.work

 

 

コースプロフィールは見てのとおりまっ平。

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基本的に、スプリンターたちがふるい落とされるような登りは途中には存在していない。

 

しかし、上記のリンクを見てもわかるように、例年、ゴール前9.5kmに用意された登坂距離1.2km、平均勾配8.4%、最大勾配20%にも達するという登り「チャランブラ・クレセント」が、レースをよりスペクタルなものへと変えてくれる。

この登りで毎年恒例でクライマー・パンチャーたちが抜け出し、これを追いかけるスプリンターチームたちとの間で熾烈な追走劇が展開される。

追いついて集団スプリントを制するか、それともギリギリで逃げ切るか・・・最後の10㎞だけで勝負は決まってしまうものの、この10㎞は決して見逃せない、そんなレースとなっている。

 

 

スタートリストは以下の通り。

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現実のレースで優勝しているエリア・ヴィヴィアーニやサム・ベネットのようなトップスプリンターたちはあまり出場しておらず、ツアー・ダウンアンダーのときと比べると出場選手のランクは幾分か落ちる。

 

 

よって、ゲーム側が用意した優勝予想の筆頭も、コルトニールセンやイバン・ガルシア、サッシャ・モドロなど意外(と言っては失礼だが)な面子となっている。

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ベヴィンも2つ星と、まあまあの評価。

純粋にスプリント勝負を挑んだとしても、そこまで悪くない結果は得られそうではある。

 

 

レーススタート前に、使用機材の確認。

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スプリントを狙うベヴィン、コッホ、TT能力の高さを生かした平坦牽引役を担うチェルニーとロスコフに関しては、エアロダイナミクスが最大のプロペル・アドバンスドSLを使用。

逆にチャランブラ・クレセントなど登りでの牽引役を担うことになるデラパルテ、ゲシュケ、パウェルスには軽量さ重視のTCRアドバンスドSLを使用させる。

 

 

このあたりの準備をすべて終え、いよいよレース開始だ。

 

 

 

チャランブラ・クレセントでの攻防

 

逃げは2名。

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トレック・セガフレードの若きパンチャー、ニコラ・コンチ(イタリア)と、2011年にダウンアンダーを制してもいるTTスペシャリスト、キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)の2人。

いくらラスト10㎞だけが勝負所で、序盤の逃げが勝利に繋がることがほぼありえないカデルレースとはいえ、ワンデーレースでたった2人だけの逃げというのも珍しい。

 

 

そんなだから集団もゆったりペースで2人を泳がす。

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風光明媚なビクトリア州南岸「グレートオーシャンロード」を、サイクリング気分で駆け抜けるプロトン。

パトリック・ベヴィンの背中にはニュージーランド王者の証、「シルバー・ファーン」が輝いている。

 

そのままレースは、勝負所となるラスト60㎞、ジーロング市内の周回コースへと突入していく。

 

 

1周16.8kmの周回コースを全部で3周半。

その中には勝負所となるチャランブラ・クレセントが含まれ、全部で3回これを登る。

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1回目のチャランブラ・クレセントを駆け上がるプロトン。

この時点ではまだセレクションがかかることはなく、集団は淡々とこなしていく。

しかし先頭2名とのタイム差は登るたびに着実に縮まっていき、

 

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最終周回に入るとほぼ同時に、2人はついに捕まえられることとなった。

 

 

そして、3回目、最後のチャランブラ・クレセント。

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ラトビアチャンピオンジャージを身にまとうトムス・スクインシュ(トレック・セガフレード)が先行。

今年のクラシカ・サンセバスティアンで、終盤にレムコ・エヴェネプールと共に逃げた男である。

 

 

だが、そうはさせじと、チーム随一の機関車役であるヨセフ・チェルニー(チェコ)に前を牽かせ、CCCチームのオレンジ列車が集団の先頭に躍り出る。

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そして、チェルニー終了と共に、チーム随一のパンチャー、セルジュ・パウェルス(ベルギー)がアタック!

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その背中には、しっかりとチームのエース、ベヴィンを乗せている!

 

純粋なスプリント勝負にしてもよいが、それで勝てるとは限らない。

ならば、一か八かの「チャランブラ・アタック」をしてみせる。

ベヴィンはTT能力も高く、逃げ切る自信はあった。

 

 

 

9キロメートルの逃避行

 

パウェルスは足をすべて使い切るまで全力の先頭固定。集団からのギャップを一気に30秒以上に広げる。

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この2人についてきたのは、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)の2名。



 2人に追いつかれる前に、パウェルスがベヴィンを発射した。

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残り5㎞。ベヴィンと追走2名とのタイム差は10秒。メイン集団とのタイム差は32秒。

果たしてベヴィンは、逃げ切れるか。

 

 

 

だが、さすがはアワーレコード保持者。世界最速の男。

カンペナールツの猛牽引によって、ベヴィンは残り2㎞で捕まえられてしまった。

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それでも、スプリント力であればこの2人には十分に渡り合える。

そのまま足を貯めながらゴール前までもつれ込み、カンペナールツたちを突き放して迎えた残り400m!

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もうゴールは目の前、って、あれ?

 

 

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いつの間にか背後には・・・プロトンが!!!!

 

 

 

それでも諦めず、もがき続けるベヴィン。

もうゴールは目の前・・・なのだが、

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さっきまでずっとカンペナールツの背後に控え、足を残していた若手イタリアン人スプリンター、モスケッティがここで先頭に!

 

そのままイタリアの新星が、ゴールラインを突き抜けていく――。

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2018年はトレック・セガフレードの育成下部組織ポーラテック・コメタに所属し、ブエルタ・ア・ブルゴスではジョン・アベラスゥリを打ち破って優勝していたりする逸材だった。

今年はトレック・セガフレードに昇格し、その走りを期待されていたものの、UAEツアーのハッタ・ダムステージでユアンに続く2位ゴールした瞬間がハイライト。その後は思うような結果を出せず苦しいシーズンを過ごしていた。

 

その才能は間違いなく輝かしいものであり、2020年には覚醒してほしい選手の1人でもある。

そんな彼が、ゲームの中では一足先に才能を開花。しかし、カンペナールツに張り付いていたとはいえ、逃げに乗ったうえで最後のスプリントで優勝してしまうとは・・・。

ベヴィンも何とか、4位には入れたけれども。

 

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上位の顔ぶれはクライマーやパンチャーたちの名前も並ぶ。一筋縄ではいかない展開ではあったようだ。

 

チャランブラ・クレセントでのアタックからの、逃げ切り勝利。

ロマンではあるけれども、現実は厳しい。

ただ、もしかしたら・・・のあの瞬間のワクワク感は、やはり単純に集団の中にいてスプリントの瞬間を待つだけよりもずっと刺激的ではある。

 

逃げに乗って勝利を狙う、この自転車ロードレース特有の興奮の瞬間を味わえるのもProCyclingManagerの魅力。

 

以降のレースでも、チャンスがあればどんどん狙っていこう。

 

 

次回はイタリアのシーズン開幕レース「トロフェオ・ライグエーリア」。

CCCチーム随一の逃げ屋・パンチャーのアレッサンドロ・デマルキが、パウェルス、デラパルテらと共に勝利を狙う。

 

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*1:ゲーム中の正確な単位は「?」だが、それでは味気ないのでここではユーロと表記する。

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