りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

スポンサーリンク

ツール・ド・ラ・プロヴァンス2022 プレビュー

f:id:SuzuTamaki:20220209232227p:plain

 

先日のサウジ・ツアーに続き、今年のJsports生中継レースの第2弾は、昨年Jsports初登場している「ツール・ド・ラ・プロヴァンス」。

昨年は新型コロナウィルス流行の影響で今年以上にレース数が少ない中での数少ないシーズン序盤戦の1つではあったが、今年もそれに負けない豪華なメンバーが集まってもいる。

世界王者として2シーズン目を迎えたジュリアン・アラフィリップ、東京オリンピックロードレース覇者リチャル・カラパス、TT世界王者2連覇中のフィリッポ・ガンナ、ナイロ・キンタナ、昨年の覇者イバン・ソーサに、スプリンター勢もエリア・ヴィヴィアーニやアルノー・デマールなど。

 

一方で、元々出場を予定していたエガン・ベルナルは大事故によって欠場。その他、これも新型コロナウィルスの影響があるのか、各チームの出場メンバーも少な目(フルメンバーの7名が出場しているのはモビスター・チームとイスラエル・プレミアテックのみ。中には5名での参加となるチームも多数)。

ステージ数自体は4つ(うちプロローグが1つ)とこじんまりとしたレースではあるが・・・。

 

それゆえに普通のステージレースとはまた違った展開が楽しめる可能性の十分ある4日間となるため、ぜひとも注目していこう。

今回は、そんな今年のツール・ド・ラ・プロヴァンスの全ステージおよび注目選手たちを紹介していく。

 

昨年の展開についてはこちらを参照

www.ringsride.work

 

目次

 

スポンサーリンク

 

 

コース詳細

詳細はこちら(https://www.tourdelaprovence.fr/le-parcours/

プロローグ ベール=レタン 7.1㎞(個人TT

f:id:SuzuTamaki:20220208215654j:plain

f:id:SuzuTamaki:20220208215711j:plain

プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏の西端、ブーシュ=デュ=ローヌ県にあるエタン・デ・ベール(ベール湖)の北岸に位置するコミューン、ベール=レタン。

その湖沿いの平坦を利用した超短距離TT(プロローグ)で、コーナーもそれほど多くなく、純粋な出力勝負となりそうなステージである。

その短さゆえに、マチェイ・ボドナル(トタルエナジーズ)、トビアス・ルドヴィクソン(グルパマFDJ)、イラン・ファンウィルダー(クイックステップ・アルファヴィニル)、マティアス・スケルモースイェンセン(トレック・セガフレード)といった中長距離を得意とするTTスペシャリストよりも、短期間の出力の高いパンチャータイプ、たとえばパトリック・ベヴィン(イスラエル・プレミアテック)、イーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ)、ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴィニル)などが優勝候補として考えられるかもしれない。

ただ、まだ出場するかどうかは確定ではないものの、イネオス・グレナディアーズのフィリッポ・ガンナはエトワール・ド・ベセージュの10.64㎞短距離TT、しかも彼の得意分野ではないはずの登りを含んだTTで早速優勝しており好調なのは間違いないので、ここはさすがに最大の優勝候補というべきか。

いずれにせよ、大きなタイム差がつくことはまずないだろう。まずは足慣らしである。

 

1ステージ イストル〜サント=マリー=ド=ラ=メール 160㎞(平坦)

f:id:SuzuTamaki:20220208215953j:plain

f:id:SuzuTamaki:20220208220005j:plain

ベール湖の西端、イストルの街から、西に進路を取ってアルル郡の街サント=マリー=ド=ラ=メールへ。

総獲得標高400mという超がつくほどのド平坦ステージ。ただし、海沿いを走るということで、この地域特有のミストラルには十分に注意が必要だ。

実際、似た地域を使用したエトワール・ド・ベセージュではその横風で初日から大混乱。サウジ・ツアーでも横風分断が総合争いに影響をもたらした。

その首謀者の候補はもちろん、クイックステップ・アルファヴィニルだろう。サウジ・ツアーの分断も彼らが巻き起こしている。

イネオス・グレナディアーズもその手の技を得意としており、逆にグルパマFDJやモビスター・チームは被害者になりやすいので十分に注意すること。

 

2ステージ アルル〜マノスク 183㎞(丘陵)

f:id:SuzuTamaki:20220208220151j:plain

古代ローマの重要な都市であり、近世では画家フィンセント・ファン・ゴッホゆかりの街として広く知られる街アルルから出発し、一気に東に進路を取り、アルプ=ド=オート=プロヴァンス県の街マノスクへ。

今大会最初の山岳ポイントとして3級・3級・2級の3つが登場。まだ大きなタイム差がついている状況ではないため逃げ切りは難しいかもしれないが、山岳賞ジャージを求める果敢なエスケーパーたちが飛び出すことになるだろう。コンチネンタルチームの中にもたとえばジェイソン・テッソン(ミッシェル・オーベル93)やクレモン・カリセイ(ゴースポート・ルーベリールメトロポール)などの生きのいい選手はちらほらおり、期待したい。

最後の2級山岳コル・ドゥ・レア・デマスコ(登坂距離6.6㎞、平均勾配4.8%)からフィニッシュまでは27.5㎞もあるため、最後はスプリンターに全くチャンスがないわけでもなさそうだが、最後も多少登っている(登坂距離2㎞、平均勾配3%前後)。

f:id:SuzuTamaki:20220208220330j:plain

よって、パトリック・ベヴィンやアンドレア・ヴェンドラーメ(AG2Rシトロエン・チーム)などの登れるスプリンターか、もしくは総合優勝候補でもあるジュリアン・アラフィリップ(あるいはステージ勝利だけならばダヴィデ・バッレリーニ)やイーサン・ヘイターなどがこの日の優勝候補にもなるだろう。エトワール・ド・ベセージュの結構厳しい登りスプリントを制したブライアン・コカール(コフィディス)も、期待してよいかもしれない。

モビスターは・・・ホセホアキン・ロハスが今更スプリントは狙わないだろうから、それよりはゴルカ・イサギレの方が可能性があるか。

 

3ステージ マノスク~モンターニュ・ド・リュール 169㎞(山岳)

f:id:SuzuTamaki:20220208225312j:plain

ここ2年程、ツール・ド・ラ・プロヴァンスはその目玉として名峰モン・ヴァントゥを使用してきた。

しかし、今年のプロヴァンスはそこに変革をもたらした。同じく厳しい山頂フィニッシュではあるものの、モン・ヴァントゥではなく、その東70㎞ほどに位置する山モンターニュ・ド・リュール。

標高はほとんど同じ1900m前後。ただし、その知名度はモン・ヴァントゥに比べるとずっと低く、おそらくツール・ド・フランスには未登場。山頂フィニッシュとしては、2008年のパリ~ニースと2013年のパリ~ニースの2回使用されていたと記録には残っている。

但し、2009年はアルベルト・コンタドールが、2013年はリッチー・ポートがそのフィニッシュを制しており、最強クライマーの証明とも言うべきフィニッシュであることは間違いない。

そのレイアウトは以下の通り。

f:id:SuzuTamaki:20220208230217j:plain

登坂距離13.4㎞、平均勾配6.74%。昨年までのモン・ヴァントゥ(シャトー=レイナード)は登坂距離9.7㎞、平均勾配9.1%なので、モン・ヴァントゥよりも平均勾配は小さいが、その分長くなっている。

しかも、ラスト5㎞からは3回の10%超え区間が。全体的に長く、平均的に高い勾配で厳しく足を削った末に、最後の最後はしっかりと勝負所を残すという、チーム力と個人の実力と両方を問われる「フランスらしい」本格的な山頂フィニッシュと言える。

f:id:SuzuTamaki:20220208230443j:plain

 

最終日にしてクイーンステージとなるこの日。この登りを制したものこそが、今大会の総合優勝となる可能性は非常に高い。

そのうえで、どんな選手が総合優勝候補として見ることができるのか――以下、注目選手として、見ていこうと思う。

 

 

注目選手(総合優勝候補)

ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴィニル

Embed from Getty Images

昨年総合2位。昨年はイバン・ソーサに総合優勝を奪われたが、それはエガン・ベルナルとのコンビネーションによるもので、今年はベルナルも欠場しソーサもモビスターに移籍した中で、最有力候補はこのアラフィリップであると言えそうだ。初日のプロローグ、そして第2ステージの登りスプリントとの相性の良さも高ポイントである。

そして、昨年の総合2位の立役者とも言える存在が、マウリ・ファンセヴェナント。2020年のフレーシュ・ワロンヌでも果敢な逃げを見せて目立っていた若き才能が、昨年のこのツール・ド・ラ・プロヴァンスでは山岳アシストとして覚醒し、モン・ヴァントゥステージで精鋭しか残っていない最終局面においても、しっかりとアラフィリップのアシストをこなしてくれていた。

今年、そのファンセヴェナントは出場しない。代わりに、チームDSMからやってきたイラン・ファンヴィルダーがその役目を担ってくれそうだ。ネオプロ3年目の21歳で、2019年ツール・ド・ラヴニール総合3位。TT能力も非常に高く、今年のプロヴァンス最終日モンターニュ・ド・リュールの一定ペースの登りでは重要な存在となるだろう。

出場人数が5人という少なさは気になるが、「2年目の世界王者」がいきなり結果を持ち帰ることはできるか。

 

イバン・ソーサ(モビスター・チーム

Embed from Getty Images

2018年ツール・ド・ラヴニールの山頂フィニッシュで、ブランドン・マクナルティとタデイ・ポガチャルとのマッチスプリントを制して勝利。当時アンドローニジョカトリ所属で翌年にイネオス入りをしたということで、エガン・ベルナルに次ぐ才能、もしくはベルナル以上の逸材とまで言われていた男であったが、その後は思うように成績を伸ばせず。

昨年のこのツール・ド・ラ・プロヴァンスではベルナルとのコンビネーションの末に総合優勝を果たしたが、そのうえでイネオスからは放出され、モビスターへの移籍が決まった。

移籍後は先日のトロフェオ・ポレンサ(バルベルデが優勝したレース)で11位と状態は悪くはない。ただ、バルベルデもエンリク・マスも調子が良い中で、チーム内での立ち位置を有利にするためにも、単独エースを任されているこのプロヴァンスではしっかりと結果を出したいところ。

アシストはゴルカ・イサギレにオスカル・ロドリゲス、あるいはホセホアキン・ロハスなど、悪くはないが超一軍でもない中で、どれだけの戦いを見せることができるか。

 

イーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ

Embed from Getty Images

もちろん、純粋な登坂力だけで言えば、昨年の東京オリンピック覇者にしてツール・ド・フランス総合3位のリチャル・カラパス一択なのだろうが、直近のエトワール・ド・ベセージュではなかなか調子が上がらない様子を見せた末に落車の影響でリタイア。万全とはいえなそうで、エースナンバーも今回、スプリンターのエリア・ヴィヴィアーニがつけている。

と、なったときに、このヘイターがエースとして走る可能性は十分にある。初日プロローグと第2ステージの登りスプリントではジュリアン・アラフィリップに十分に対抗できる脚質の持ち主であり、あとは最終ステージの登坂距離13.4㎞、平均勾配6.74%の本格的山岳をこなせる力があるかどうか。昨年のヴォルタ・アン・アルガルヴェやブエルタ・ア・アンダルシアでは、これよりは短いものの、一応本格的な山頂フィニッシュでも勝利しているだけに、可能性は十分にあるが、果たしてその殻を打ち破れるかどうか。

個人的にはトム・ピドコックより期待している存在だけに、ぜひ頑張ってほしい。

 

ナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック

Embed from Getty Images

2020年覇者。昨年は出場していないが、この時期のステージレースにはめっぽう強いキンタナ。今回も、総合優勝は難しいかもしれないが、上位にはしっかりと入り込む気はしている。

と、キンタナ自身についての言及はそれくらいで、それ以上に実は個人的に期待しているのがミゲル・フローレスの存在。元アンドローニジョカトリのコロンビア人という、エガン・ベルナルやイバン・ソーサと同じ経歴を持ち、2020年のブエルタ・ア・サンフアンではステージ1勝と総合5位。昨年アルケア・サムシックにてワールドツアーデビューを果たした彼には多大な期待を寄せていたが、昨年はイマイチな結果に終わってしまった。

今年もここまでチャレンジ・マヨルカに出場しているが、結果は決して目を瞠るようなものではない。が、今回のこのプロヴァンスの山岳ステージで、キンタナをアシストする強い姿を見せてくれないものか・・・

個人的な願望ではあるが、彼以上のアシストになりうるメンバーもロースターの中には少ないのも事実なので、チームとしても期待はされているはず。頑張れ!

 

ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ

Embed from Getty Images

2018年ツール・ド・フランス新人賞。AG2Rのロマン・バルデに続くエース候補として十分に期待されていた男だったが、昨年、バルデと共にAG2Rを脱退。新天地トタルにて新たな可能性を目指す。

そのスタイルはグランツールでの総合を狙うというよりも、果敢なアタックでステージ優勝を狙いに行くという、たしかにプロチーム風味の強いものではあるため、向いているかもしれない。なかなかうまくはいかず勝利自体も昨年の5月にスペインの1クラスレースで挙げているほかは、2018年の国内選手権TT以外での勝利はない。プロシリーズ以上のラインレースでの勝利は2016年のブエルタ・ア・エスパーニャでのあの鮮烈な勝利以来はないという、なかなか勝利に恵まれない男だ。

だが、その実力が衰えているわけでは決してない。今年も先日のエトワール・ド・ベセージュの最終ステージでもしっかりと主力集団に残りステージ5位。総合でも4位と健闘した。

今回も勝利はないかもしれない。だが、なんとか上位には入り込んで、新チームでの2年目での成功に向けての良い足掛かりとしてほしい。

 

 

注目選手(スプリンター)

彼らの出番は正直、第1ステージの1ステージしかないかもしれない。しかし、それでもそれなりに良いメンバーが揃ってきており、アルノー・デマールも今シーズンの初戦ということで、注目度は高い。

サウジ・ツアーでは早速カレブ・ユアンとディラン・フルーネウェーヘンの頂上対決が繰り広げられており、こちらのメンバーの調子はいかに。

 

エリア・ヴィヴィアーニ(イネオス・グレナディアーズ

Embed from Getty Images

コフィディスでの苦い経験を経て、イネオスに復帰。その初戦となったボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナでは、今や世界トップスプリンターと言ってよいファビオ・ヤコブセンには敵わなかったものの、2位・3位・4位と決して悪くないコンディション。第2ステージの、マテイ・モホリッチなどが上位に来ているようなやや登り基調のスプリントでも3位だったため、今回の第2ステージを制するほどではないかもしれないが、イレギュラーな展開にも強いかも。

ポイントは第1ステージだが、イネオスの横風対応力を考えると、荒れた展開になればなるほど有利かもしれない。

再び世界の頂点に返り咲くことができるか。特にこのチームではツール・ド・フランスなどでチャンスを得ることは不可能なため、こういったレースではしっかりと取りこぼしのないようにしていきたい。

 

アルノー・デマール(グルパマFDJ

Embed from Getty Images

2020年はジロ・デ・イタリアで4勝するなど絶好調だったが、昨年はツール・ド・フランスでも初出場のブエルタ・ア・エスパーニャでも、自身やアシストが落車に巻き込まれるなどの不運もあり、悔しい結果に終わった。

今年再びツールではなくジロを選んだデマール。そんな彼の、昨年の悪い流れの払拭をかけた今シーズン初戦となるこのプロヴァンス。母国レースということもあり、絶対に負けるわけにはいかない。

ただ、気になるのは、FDJの強みであるトレイン力が発揮されるような面子ではないということ。トビアス・ルドヴィグソンはコノヴァロヴァスの代わりになるかもしれないし、アントニー・ルーもスプリント力がないわけではないけれど・・・発射台としては、今年、「ジェイク・スチュアートの専属アシストとして」加入してきたという育成チーム出身のルイス・アスキー20歳がいるくらいか。

このアスキーの覚醒が見られるのか、それともアシスト無しで苦しい戦いを強いられるデマールとなってしまうのか・・・。

 

ブライアン・コカール(コフィディス)

Embed from Getty Images

本当にうまくいくのか? チームにとっても個人にとっても・・・という不安が拭えなかった今回のコカールのコフィディス移籍。だがそんな不安をいきなり吹き飛ばす、エトワール・ド・ベセージュでの鮮烈な勝利が炸裂した。

2020年の8月以来、実に1年半ぶりの勝利は、結構勾配の厳しい登りスプリントを、前日勝っている好調のマッス・ピーダスンとの競り合いに粘り勝ちし、掴み取った実に強い勝ち方であった。

チームにとっても、昨年同じような勝ち方をしてみせたクリストフ・ラポルトの放出の穴を埋めるという意味で、実に嬉しい結果だったのではないだろうか。

と、いうことで、その勢いに任せて今回も期待している。とくにそれだけ登れることが確かなら、他のスプリンターでは太刀打ちできなさそうな第2ステージの登りスプリントももしかしたら可能性があるかも。相手はジュリアン・アラフィリップやイーサン・ヘイターなので、さすがに厳しいかもしれないが・・・。

今年のコカールは一味も二味も違う。そんなところを見せてほしい。

 

ルディ・バルビエ(イスラエル・プレミアテック

Embed from Getty Images

イスラエル・スタートアップネーションには良いスプリンターが揃っていて、このバルビエ以外にもパトリック・ベヴィン、イスラエル人として急成長中のオメル・ゴールドスタイン、登りや荒れた展開に強いトム・ファンアスブルックなど。

その中でも実績的にピュアスプリントで最も優れているのがこのバルビエである。勝利自体は2020年のオコロ・スロベンスカ以来ないものの、上位には頻繁に入っており、今回も勝てはしないかもしれないが安定した上位を狙える可能性はある。一方、第3ステージの登りスプリントではベヴィンやファンアスブルックの方が向いているだろう。

個人的にはゴールドスタインの成長に期待したいけれども・・・。

なお、B&Bホテルス・KTMから出場する弟のピエール・バルビエも強力なスプリンターで、こっちも合わせて活躍に期待できるだろう。

 

アンドレア・ヴェンドラーメ(AG2Rシトロエン・チーム

Embed from Getty Images

アンドローニジョカトリ出身の才能の1人で、2020年からAG2R入り。その脚質はなかなかに謎で、昨年もジロ・デ・イタリアの山岳ステージやルート・ドクシタニー初日丘陵ステージで逃げ切り勝利するなど。明確に登れる。が、スプリントでもしばしば上位に入る。本当の意味でどっちでもいける男である。

ゆえに今回も普通に第1ステージのスプリントで上位に入りながら、翌日の登りスプリントでも勝利すら狙えるタイプだと思われる。第2ステージが逃げ切り展開になった場合の優勝候補にもなりうるだろう。

TTで目立つことはないが悪くもなく、今回のプロローグのような超短距離であれば、パンチ力を活かして上位に入る可能性はありうる。

今回のAG2Rはジロ山岳賞のブシャールや昨年ブエルタの山岳逃げで活躍したニコラ・プロドム、昨年のグランプリ・シクリスト・ラ・マルセイエーズで勝利しているこれも謎脚質のオレリアン・パレパントルなど、総合というよりもいろんなパターンでのステージ勝利や逃げで結果を出そうとするいかにもAG2R「らしい」布陣。

結果はともかく、楽しませてくれる走りは期待してもよさそうだ。

 

 

ほか、普通にイーサン・ヘイターやジュリアン・アラフィリップが第1ステージのピュアスプリントから上位に入ってきてもおかしくはないだろう。

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

スポンサーリンク