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サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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2020年シーズンを振り返る⑧  UCIワールドツアー全チーム 勝利数ランキング(9位〜1位)

 

今年最強のチームはどこだ? 勝利数1位はやっぱりあのチーム・・・だけどUCIチームランキング1位は?

各チームの勝利数だけでなくチームランキング、ここ数年の勝利数(および順位)との比較、さらには来期への展望も含め、「全チームガイド」としてもぜひ。

※勝利数が同数の場合、2位の数で比較して順位付けしております。

 

目次

 

↓19位~10位はこちらから↓

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【参考:過去の「振り返る」シリーズ】

2016年シーズンを振り返る カテゴリーの記事一覧 - りんぐすらいど

2017年シーズンを振り返る カテゴリーの記事一覧 - りんぐすらいど

2018年シーズンを振り返る カテゴリーの記事一覧 - りんぐすらいど

2019年シーズンを振り返る カテゴリーの記事一覧 - りんぐすらいど

 

【参考:過去の「全チーム勝利数ランキング」シリーズ】

2017年シーズンを振り返る④ チーム勝利数ランキング(前編) - りんぐすらいど

2017年シーズンを振り返る⑤ チーム勝利数ランキング(後編) - りんぐすらいど

2018年シーズンを振り返る④ チーム勝利数ランキング(前編) - りんぐすらいど

2018年シーズンを振り返る⑤ チーム勝利数ランキング(後編) - りんぐすらいど

2019年シーズンUCIワールドツアー全チーム 勝利数ランキング(18位〜10位)

2019年シーズンUCIワールドツアー全チーム 勝利数ランキング(9位〜1位)

 

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第9位 ミッチェルトン・スコット 16勝

UCIチームランキング:11位(昨年8位)

2019年:35勝(5位)

2018年:37勝(3位)

2017年:29勝(6位)

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  • サイモン・イェーツ 2勝
  • アダム・イェーツ 2勝(移籍)
  • ダミアン・ホーゾン 2勝
  • カデン・グローブス 2勝
  • ルーカス・ハミルトン 1勝
  • ダリル・インピー 1勝(移籍)
  • ジャック・ヘイグ 1勝(移籍)
  • キャメロン・マイヤー 1勝
  • ルーク・ダーブリッジ 1勝
  • ディオン・スミス 1勝
  • バルナバス・ピーク 1勝
  • チームタイムトライアル 1勝

 

ここ数年、スプリント中心の「若いチーム」から、エステバン・チャベスやサイモン・イェーツといった選手で総合を狙う「強いチーム」へと転換を図り、実際それはある程度成功してきたミッチェルトン。

しかしこの2年、チャベスの不調やサイモンの噛み合わなさが手伝い、ユアンも抜け、今年に関してはかなり苦しい戦いが予想されていた。

実際、過去の実績と比べれば決して満足のできないリザルト。来年はアダム・イェーツとジャック・ヘイグ、ダリル・インピーといった非常に重要な選手たちが抜け、さらなる苦戦を強いられることだろう。

だが、希望がないわけではない。今年2勝のネオプロ、カデン・グローブスは期待しかない若手オージースプリンター。ルーカス・ハミルトンも、サイモン・イェーツに次ぐチームの総合エースとして、期待十分である。今年はティレーノ〜アドリアティコで1勝、そしてジロ・デ・イタリアでも、新型コロナウイルスの影響でチームごと撤退してしまったものの、テイオ・ゲイガンハートと同じような走りができていてもおかしくはないアグレッシブさを第9ステージで見せていた。

そして、マイケル・マシューズが帰ってくる。今年はツールへの出場が叶わず、ジロでも新型コロナウイルス陽性で早期リタイアと辛い経験を味わいながらも、ブルターニュ・クラシック勝利は非常に大きな成果だ。

この新生マシューズがどう暴れ回るのか、好きな選手だけに、実に楽しみだ。

 

 

第8位 チーム・サンウェブ 16勝

UCIチームランキング:5位(昨年15位)

2019年:9勝(15位)

2018年:11勝(15位)

2017年:19勝(11位)

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  • ジェイ・ヒンドレー 4勝
  • セーアン・クラーウアナスン 4勝
  • マルク・ヒルシ 2勝
  • マイケル・マシューズ 1勝(移籍)
  • ティシュ・ベノート 1勝
  • カスパー・ピーダスン 1勝
  • ケース・ボル 1勝
  • ニコ・デンツ 1勝
  • アルベルト・ダイネーゼ 1勝

 

このチームは本当に不思議なチームだ。5年前まではキッテルやデゲンコルプを中心としたスプリンターチームで勝利を量産し、3年前くらいにはデュムランやケルデルマンで総合上位を獲得し勝利数は少ないながらもUCIチーム・ランキングでは上位にくるというようなチームに。

そして失意の昨シーズンを経て、今年はまた一気にキャラクターを変えた印象だ。どこよりも強いチームワーク、誰が強いというわけではなく、誰かが勝つ。クイックステップと似ているようでまた異なった個性。そして、平均年齢は他チームと比べて圧倒的に低い。

そんな彼らが、今年はガシガシ勝利を掴んだ。それだけでなく、ジロ・デ・イタリアでは総合表彰台に2人も乗せた。だから今年は、勝利数でも、チームランキングでも上位に。

決して最強ではない。それなのにとても印象的なチームである。

 

一方でベテランが居づらいチームなのも変わらない。キッテル、デゲンコルプ、バルギル、デュムラン、ケルデルマン、マシューズ・・・それぞれの時代を担ってきた選手たちが次々と去っていく。今年活躍し、来年のエースとして期待されるヒルシやヒンドレーも、また?

それはわからないが、いずれにせよ次々と有望な若手が輩出されていくこのチームなのは間違いない。

ボル、ダイネーゼ、勝ってはいないがブエルタで存在感を示したアレンスマン、マシューズを勝たせた「幻の2019U23世界王者」ニルス・エークホフ。

誰もが主役になりうる不思議なチーム。サンウェブは来年、どんな新ヒーローを生み出すのか。

 

 

第7位 EFプロサイクリング 17勝

UCIチームランキング:10位(昨年9位)

2019年:17勝(11位)

2018年:6勝(17位)

2017年:14勝(17位)

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  • ダニエル・マルティネス 4勝(移籍)
  • セルジオ・イギータ 3勝
  • マイケル・ウッズ 2勝(移籍)
  • マグナス・コルトニールセン 2勝
  • ヒュー・カーシー 1勝
  • ルーベン・ゲレイロ 1勝
  • アルベルト・ベッティオル 1勝
  • サイモン・クラーク 1勝
  • ヨナタン・カイセド 1勝
  • チームタイムトライアル 1勝

 

キャノンデール時代の末期はチーム消滅すら見えていた中でやばすぎる順位。そしてEF初年度もまた、ひたすら勝てない、勝てない・・・と続いてきたこのチーム。

しかひEF2年目となる昨年から段々と雰囲気が変化。全体的にTTが強くなったほか、チームワークを活かしたアルベルト・ベッティオルのロンド制覇やセルジオ・イギータのブエルタ勝利など・・・。

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そして今年はさらに進化を遂げる。マルティネスとイギータによるコロンビア選手権制覇、イギータのパリ〜ニース総合3位、マルティネスのクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合優勝、ツール1勝(マルティネス)、ジロ2勝(ゲレイロ、カイセド)&山岳賞(ゲレイロ)、ブエルタ3勝(ウッズ、カーシー、コルトニールセン)+総合2位(カーシー)と、逃げでも総合でも目立ちまくった。名実ともに強豪チームと言って間違いない。

とはいえここも、経済的には決して楽ではないはず。結果、ウッズ、マルティネス、ファンマルクといったチームの「顔」がいきなりいなくなる。とくに若手最有力ライダーだったマルティネスの離脱はかなり痛い。

だがもちろん、まだカーシーがいる。イギータがいる。ゲレイロがいる。来年新加入のヴァルグレンもこのチームならそのポテンシャルを最大限に発揮できるような気もする。

そして中根英登の移籍。

弱体化の可能性もあるし、さらなる活躍もありうる。とにかくその未来がとても楽しみなチームである。

 

 

第6位 イネオス・グレナディアーズ 19勝

UCIチームランキング:4位(昨年6位)

2019年:26勝(7位)

2018年:43勝(2位)

2017年:36勝(3位)

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フィリッポ・ガンナ 6勝

テイオ・ゲイガンハート 3勝

ヨナタン・ナルバエス 3勝

エガン・ベルナル 2勝

リチャル・カラパス 1勝

イバン・ソーサ 1勝

ミハウ・クフィアトコフスキ 1勝

オウェイン・ドール 1勝

イーサン・ヘイター 1勝

 

今年はイネオスの強さに翳りが見えてきた・・・と思ってからのジロでの大爆発。ブエルタでもカラパスがログリッチに食らいつく走りを見せて、やっぱりこのチームは強い。

来年もアダム・イェーツ、リッチー・ポート、ダニエル・マルティネス、ローレンス・デプルス、トム・ピドコックと、とにかく豪華な新加入選手たちばかりである。

チーム内の若手選手たちも次々と活躍。とくにガンナは、このチーム特有の「2年目のジンクス」で大当たり。ジロ4勝に、ついには念願の世界チャンピオン。ジロでは登れる姿も見せており、今年のジロ終盤のデニス(そして以前のキリエンカのような)山岳列車としての活躍も期待できそうだ。

 

一方、少し不安になるのはイバン・ソーサ。

「得意レース」のブルゴスで1勝、ブエルタ1週目のカラパスのアシストでも活躍してはいたものの、その後は沈黙。

有力選手の濃度はこれまでのこのチームの中でも随一になるかもしれないが、それだけにそこから「漏れる」選手たちの存在も気にかけていきたいところ・・・。

 

 

第5位 グルパマFDJ 20勝

UCIチームランキング:9位(昨年12位)

2019年:24勝(8位)

2018年:33勝(6位)

2017年:27勝(7位)

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  • アルノー・デマール 14勝
  • シュテファン・キュング 2勝
  • ダヴィ・ゴデュ 2勝
  • ケヴィン・ゲニッツ 1勝
  • アレクシー・ブルネル 1勝

 

新型コロナウイルスの影響でレース数も少なくなり、例年と比べ勝利数が伸びきらない傾向がある中で、圧倒的な14勝を記録したのが今年最強スプリンター、アルノー・デマール。ジロ4勝はもちろん、得意なツール・ポワトゥシャラントでは区間3勝と総合優勝、ツール・ド・ワロニーでは区間2勝と総合優勝、ミラノ〜トリノに国内選手権制覇と、ステージレースからワンデーまで取りこぼすことなく稼いでいった。

一方、ビッグクラシックとは縁がなく、グランツール総合でもそこまでの成績は出せずにいる結果、勝利数の割にUCIランキングが高くならないのは例年通り。キュングも今年はTTヨーロッパ王者の座を勝ち取るなど順調に躍進しているが、クラシックのビッグタイトル制覇にはまだ遠そうだ。

来年は今年の好調を引き継いでデマールがツールに出場するか。本人も意欲は高く、あとはピノをどうするか。

そしてゴデュもそろそろアシスト専門ではなく、自らの総合を狙っていけるか。マデュアス、アルミライル、ブルネルなど、若き才能の飛躍にも注目していきたい。

 

 

第4位 ボーラ・ハンスグローエ 21勝

UCIチームランキング:6位(昨年2位)

2019年:47勝(3位)

2018年:33勝(4位)

2017年:33勝(4位)

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パスカル・アッカーマン 8勝

グレゴール・ミュールベルガー 3勝(移籍)

レナード・ケムナ 2勝

マキシミリアン・シャフマン 2勝

マーティン・ラース 2勝

ペテル・サガン 1勝

ユライ・サガン 1勝

フェリックス・グロスチャートナー 1勝

エマヌエル・ブッフマン 1勝

 

順位は例年とさして変わらないものの、サム・ベネットの離脱、ペテル・サガンの不調、そしてアッカーマンも勝利数はそれなりに稼いだものの、決して十分に満足のいくシーズンではなかったと言えるだろう。それだけにUCIランキングもやや降下。

それでも、シャフマンのパリ〜ニース制覇、レナード・ケムナの執念のツール勝利など、若手ドイツ人総合系ライダーの躍進が光った。ブッフマンも今年は噛み合わなかったが、まだまだこれからがピークの選手である。そしてクラシックでは、来期新加入のニルス・ポリッツの存在が楽しみである。

確実に脱サガン化・ドイツ化が進む。サガンと共にチームに来たラファウ・マイカやジェイ・マッカーシーが来期一足先にチームを離れるのも象徴的だ。

また、ドイツ人以外でも、今年はマッテオ・ファッブロの急成長がトピックとなった。来季もイタリア人のジョヴァンニ・アレオッティやベルギー人のジョルディ・メーウス、イギリス人のマシュー・ウォールスなど若手新加入の即戦力級の選手たちが期待でき、このチームは着実に変化しつつある。

  

 

第3位 チーム・ユンボ・ヴィズマ 23勝

UCIチームランキング:1位(昨年3位)

2019年:51勝(2位)

2018年:33勝(5位)

2017年:26勝(8位)

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  • プリモシュ・ログリッチ 12勝
  • ワウト・ファンアールト 6勝
  • ディラン・フルーネウェーヘン 3勝
  • ジョージ・ベネット 1勝
  • セップ・クス 1勝

 

ギリギリまで今年のUCIチームランキングの首位はドゥクーニンク・クイックステップだったが、最後の最後、プリモシュ・ログリッチのブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝によって、ユンボ・ヴィズマが逆転で1位になった。

ラボバンク時代まで遡ると分からないが、少なくともロットNLユンボと呼ばれていた時代は、決して今のようなチームではなかった。どちらかといえば逃げにアグレッシブな選手たちが多いような、マニアックな魅力のあるチーム、そんなイメージ。

しかし、TTスペシャリストのような評判とともに現れたプリモシュ・ログリッチが突然の最強オールラウンダー化したあとは、あれよあれよという間に、今やイネオスを凌駕するグランツール最強チームに。トム・デュムラン、ステフェン・クライスヴァイク、トニー・マルティンのようなベテランから、ワウト・ファンアールト、セップ・クス、ジョージ・ベネットなどの若手まで。

タレント揃い、あるいは才能を花開かせるに長けた集団か。紛うことなき最強チームとして君臨した。

ただ、勝利数という観点においては残念ながら順位を下げる結果に。要員の1つは、今年も稼ぎ頭になるはずだった、ディラン・フルーネウェーヘンの長期出場停止処分。

その代わりを務めたのがファンアールトだったわけだが、この「2人が稼ぐ」構図自体はここ数年変わっておらず、あとは細々とした勝利を集められるだけの小さなレースが今年はほとんどなくなってしまったのが響いたようだ。

来年はオラフ・クーイやダヴィド・デッケルといった若手ながら実力のあるスプリンターも加わり、コロナの状況次第で小さなレースの復活などもあれば、また状況が変わってくるだろう。今年振るわなかったテウニッセンの復調も待たれる。

 

 

第2位 UAEチーム・エミレーツ 33勝

UCIチームランキング:3位(昨年4位)

2019年:29勝(6位)

2018年:12勝(14位)

2017年:18勝(12位)

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  • タデイ・ポガチャル 9勝 
  • フェルナンド・ガビリア 6勝
  • ディエゴ・ウリッシ 5勝
  • ジャスパー・フィリプセン 3勝(移籍)
  • フアン・モラノ 3勝
  • ルイ・コスタ 2勝
  • アレクサンダー・クリストフ 1勝
  • ダヴィデ・フォルモロ 1勝
  • ヴァレリオ・コンチ 1勝
  • スヴェンエーリク・ビストラム 1勝
  • イヴォ・オリヴェイラ 1勝

 

元「ランプレ・メリダ」のこのチームは、決して大量に勝利を稼ぎ出して目立ちまくるようなチームではなかった。しかし、昨年から今年にかけて、タデイ・ポガチャルという存在を中心に、大きく変わりつつあるように思える。

今年はそこに、「キング・オブ・ジロ」ディエゴ・ウリッシが絶好調でジロ・デ・イタリアでも2勝、さらにはツール・ド・ルクセンブルクでも区間2勝と総合優勝。勝利に結びついていないレースでも軒並み上位に入り込むなど絶好調で、ガビリア/フィリプセン/モラノらスプリンター勢がそこに加えたことでクイックステップに追いすがるような成績を積み重ねることとなった。

ポガチャルは来年さらに飛躍していくことになるだろう。あとは、そのアシストを本格的に、信頼できる存在を増やしていかなければならない。ツール・ド・フランスでは3週目にダビ・デラクルスが良い走りをしていたのは確かだが、3週間にわたって彼を支える存在がいないことには、今後の安定した成績は望むべくもない。

また、スプリントでも、フィリプセンの離脱は結構痛い。ジロ・デ・イタリアではフアン・モラノとマキシミリアーノ・リケーゼのコンビはドゥクーニンクのミケル・モルコフに匹敵する素晴らしいリードアウトを提供したが、ガビリアは決して好調とは言えない状態。

来年はラファウ・マイカとマッテオ・トレンティンという、強力なメンバーが仲間入りするものの、それをどう生かせるか。チームの手腕が問われる。

 

 

第1位 ドゥクーニンク・クイックステップ 39勝

UCIチームランキング:2位(昨年1位)

2019年:68勝(1位)

2018年:73勝(1位)

2017年:56勝(1位)

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  • レムコ・エヴェネプール 9勝
  • サム・ベネット 7勝
  • ファビオ・ヤコブセン 4勝
  • カスパー・アスグリーン 3勝
  • ジュリアン・アラフィリップ 2勝
  • レミ・カヴァニャ 2勝
  • ヤニック・ステイムル 2勝
  • アンドレア・バジョーリ 2勝
  • イヴ・ランパールト 1勝
  • ゼネク・スティバル 1勝
  • ボブ・ユンゲルス 1勝(移籍)
  • ドリス・デヴェナインス 1勝
  • シェーン・アーチボルド 1勝
  • フロリアン・セネシャル 1勝
  • ダヴィデ・バッレリーニ 1勝
  • チームタイムトライアル 1勝

 

 今年も文句なしの最多勝利のドゥクーニンク・クイックステップ。これで8年連続の最多勝チームである。

しかもこのチームのすごいところは、チーム内最多勝選手が毎年違うこと。2017年はガビリアとキッテル(14勝)、2018年はエリア・ヴィヴィアーニ(18勝)、2019年はジュリアン・アラフィリップ(12勝)、そして今年はエヴェネプールである。アラフィリップ以外の過去の最多勝選手が皆いなくなってもなお、というところがまた凄いところだ。

その秘訣の1つは、たとえ年俸の高騰するエースがいなくなっても、その屋台骨たるベテランのアシストたちがしっかりと残り続けていること。ミケル・モルコフ、ティム・デクレルク、ドリス・デヴェナインス。決して目立たずとも、エースの勝利に間違いなく貢献している彼ら一流のアシストたちの存在が、このチームの「最強」を支えている。

そしてもちろん、「誰もが主役」という若手のチャンスの多さもまた、このチームの魅力であり強さである。昨年トレーニーでありながらいきなりの勝利をもたらしたヤニク・ステイムルは、今年もオコロ・スロベンキアというスロバキアの1クラスレースではあるもののTTステージでの優勝と総合優勝の計2勝を稼ぎ出した。アンドレア・バジョーリ、レミ・カヴァニャなど、実力ある若手たちも。

一方で、本来であればもっと勝っていたであろう才能ーーエヴェネプールに、ヤコブセンなどーーが、悲劇的なシーズン中断の憂き目に遭ったのは悔しいことである。

彼らがまた来期復活し、より強くなった姿を見せてくれれば幸いだ。

メンバーの入れ替わりは大きくない。北のクラシック、アルデンヌ、スプリント、総合とあらゆる面で活躍してくれたボブ・ユンゲルスの離脱は痛いが、期待のTTスペシャリストのヨセフ・チェルニーと、そして驚きのマーク・カヴェンディッシュ復帰。

来年もまた、「最強」を魅せ続けてくれるか。また、来年は今年ギリギリで奪われてしまったUCIチームランキング首位の座を、奪い返したいところだ。

 

 

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