今年もいよいよシーズンが終了。
今年もおよそ10か月にわたるシーズンの中から、印象的なガッツポーズ写真を20枚選出し、そのエピソードも交えて紹介していきます。
例年のことですが非常に選ぶのに苦労するくらい、今年も感動的なフィニッシュシーンが多く・・・20枚の中以外からでもおススメのものがあればそれもご紹介ください!
投票は以下のGoogleフォームから
☆ルール☆
- 1位~3位にそれぞれ3ポイント~1ポイントを加え、最終的に獲得ポイントを合計して順位を決めます。
- 2位・3位については「空欄」も可ですが、1位を空欄で2位・3位を回答したり、1位と3位を回答して 2位を空欄にした場合は、それぞれ順位繰り上げを行います。
- 1位~3位で2つ以上、同じ回答を行った場合は無効票とします。
- あなたのおススメのガッツポーズを選んで書いていただいてもかまいません。その場合は選手名とレース名(ステージレースの場合はステージ数)を必ず添えてください。
締め切りは11/26(金)終日を予定!
お早目の回答をよろしくお願いいたします。
- 1.リッチー・ポート&ルーク・プラップ(サントス・フェスティバル・オブ・サイクリング第3ステージ)
- 2.ジャスパー・ストゥイヴェン(ミラノ~サンレモ)
- 3.ディラン・ファンバーレ(ドワースドール・フラーンデレン)
- 4.アレハンドロ・バルベルデ(GPミゲル・インドゥライン)
- 5.ミケルフローリヒ・ホノレ&ヨセフ・チェルニー(イツリア・バスクカントリー第5ステージ)
- 6.タコ・ファンデルホールン(ジロ・デ・イタリア第3ステージ)
- 7.ジャコモ・ニッツォーロ(ジロ・デ・イタリア第13ステージ)
- 8.エガン・ベルナル(ジロ・デ・イタリア第21ステージ)
- 9.アンドレ・グライペル(ブエルタ・ア・アンダルシア第5ステージ)
- 10.マーク・パデュン(クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第7ステージ)
後編はこちらから
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1.リッチー・ポート&ルーク・プラップ(サントス・フェスティバル・オブ・サイクリング第3ステージ)
King of Willunga Hill, @richie_porte, retains his crown!
— Santos Tour Down Under 🚴🚴♀️ (@tourdownunder) January 23, 2021
Read our race recap here: https://t.co/sORD4TcXSJ pic.twitter.com/UNrZTkvP0f
「ウィランガの王」リッチー・ポートのウィランガ・ヒル勝利。そしてこれを背後で祝福するのがそのチームメートであり今最も注目すべき若手選手の1人であるルーク・プラップ。新旧オージースターのワンツーフィニッシュがシーズン冒頭から演出された。
新型コロナウィルスの影響により中止となってしまったツアー・ダウンアンダー。その代替レースとして、国内選手に限定して開催されたのがこのサントス・フェスティバル・オブ・サイクリングである。
非UCIの代替レースとはいえ、出場選手はルーク・ダーブリッジやルーカス・ハミルトン、そしてリッチー・ポートなど豪華な顔ぶれで、もちろん「ダウンアンダーの華」ウィランガ・ヒルも登場する。
そんな、ウィランガ・ヒルをフィニッシュに置いたのが全4ステージ中の第3ステージ。全長88.2㎞のステージは9名の逃げが形成されるも、ポートが所属する特別チーム、「チーム・ガーミン・オーストラリア」がサム・ウェルスフォードやケランド・オブライエンといった強力な(クリテリウム王者やトラック代表などの)ライダーたちに牽引させ、ウィランガ・ヒルの麓までにこの逃げをすべて吸収。
一度ユンボ・ヴィスマ所属(今大会はサーヴェロ・トンズリーヴィレッジというチームで参加)のクリス・ハーパーがアタックするも、これも集団が飲み込んで、そこから「ウィランガの王」ポートが飛び立った。
しかし、驚くべきはそこからだった。
ポートを見送ったあと、ハーパーやダーブリッジがこれに反応できずにいることを確認し、ポートのチームメートで前日に鮮烈な逃げ切り勝利を決めていたわずか20歳の新鋭、ルーク・プラップが、この日もその強さを見せつけた。
ダーブリッジはもちろんこれに追いすがろうとするも、敵わず。そのまま先頭のポートに追い付いたプラップは、しばらくポートに前を牽かれたうえで、最後の最後、彼を前に出し、そして「王の凱旋」を背後で拍手しながら祝福した。
(下記記事に詳細を本人が語るインタビュー、および映像あり)
最終的に総合2位でレースを終えることとなるプラップ。しかも直後の国内選手権「エリート」個人TTで優勝したこともあり、各ワールドツアーチームからオファーの電話が鳴り響いたとのことだが、最終的に彼が選んだのはポートのいるイネオス・グレナディアーズであった。
世界選手権でもU23TTで2位など、好調を継続しているプラップ。来年もツアー・ダウンアンダーは中止のままで再びこのサントス・フェスティバル・オブ・サイクリングが開催されるとのことだが、またこの2人の活躍を楽しみにしていたい。
2.ジャスパー・ストゥイヴェン(ミラノ~サンレモ)
最後の10㎞でほぼ全ての動きが完結するシンプルなレースながら、毎年のようにドラマを生み出すミラノ~サンレモ。今年、その栄光を掴み取ったのは、誰もが予想していなかった男、ジャスパー・ストゥイヴェンであった。
もちろん、純粋なスプリントでは勝ち目がない。彼の最大の武器は昔も今も変わらず、残り数㎞からのレイトアタック。今回も、ラスト3㎞からの勇気ある飛び出しと、ラスト1㎞で追い付いてきたセーアン・クラーウアナスンをうまく利用した冷静な走りとで、キャリア最大の勝利を手繰り寄せた。
フィニッシュ後、倒れこんでスタッフに囲まれながら両手を天に突き上げる姿も感動的。
だが、これが奇跡ではなく十分な伏線の元で辿り着いた結末であることは、以下の記事に詳しい。
なお、ストゥイヴェンの背後で2位フィニッシュとなっているのはカレブ・ユアン。彼は2018年、ヴィンツェンツォ・ニバリが逃げ切ったときにも集団の先頭を獲っての2位と、悔しい敗北が続いている。
それでも今回はポッジョ・ディ・サンレモでのアタックに食らいつき(というか先頭でここに入り)、セレクションされた小集団の中での先頭を獲れはしたため、着実に強くなっている。
今年は悔しい思いを味わっていた彼が、2022年もより大きな成果を出していくことを期待している。
3.ディラン・ファンバーレ(ドワースドール・フラーンデレン)
ロンド・ファン・フラーンデレン直前の水曜日、タイエンベルグやノケレベルグなどの石畳急坂を越えながらワレヘムにフィニッシュする中難易度北のクラシックレース。
過去にも小集団による逃げ切りなどがよく決まっているこのレースで、残り52㎞から抜け出してそのまま独走勝利を果たしたのがこのディラン・ファンバーレ。2018年からスカイ/イネオス入りし、2年前のロンド・ファン・フラーンデレンでも積極的な走りを見せていたクラシックスペシャリストが、今年はついに勝利を手繰り寄せた。
その喜びがストレートに表現された綺麗なこのガッツポーズを、最終的にロンド・ファン・フラーンデレンのカスパー・アスグリーンのそれと比べて激しく迷いながらも、ノミネートすることに決めた。
ディラン・ファンバーレはその後、世界選手権ロードレースでも2位に入り込むなど、大きく飛躍を見せている。
イネオスもトム・ピドコックの加入やイーサン・ヘイターの活躍、来年はベン・トゥレットなども加入するなど、カラーの変化が見られつつある。
その中でファンバーレは、これまで以上に重要な役割を果たすことになるだろう。
4.アレハンドロ・バルベルデ(GPミゲル・インドゥライン)
ロンド・ファン・フラーンデレン前日のスペインで開催された、スペインの英雄ミゲル・インドゥラインの名を冠したパンチャー向けワンデーレース。
残り10㎞の2級山岳で集団から飛び出したアレハンドロ・バルベルデが、逃げていたルイスレオン・サンチェスに合流。後方からはアレクセイ・ルツェンコも追いついてくるが、ラスト2㎞の短い激坂で彼らを突き放し、終始攻撃的かつ強い走りで2年ぶりの勝利を掴み取った。
御年41歳。過去2回勝利しているProシリーズのレースとはいえ、恐ろしい記録を作ることに。その後のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでも1勝し、ツール・ド・フランスでも区間2位に入るなど、相変わらず年齢を感じさせない強さを発揮し続けているバルベルデ。このガッツポーズからも、年齢を感じさせないというか・・・なんか若くない?
とりあえず今年の引退はなさそうだが、どこまで最前線で走り続けるのか・・・。50歳まで走ると言われても、あまり驚かない気さえしてくるほどである。
5.ミケルフローリヒ・ホノレ&ヨセフ・チェルニー(イツリア・バスクカントリー第5ステージ)
実に「クイックステップらしい」ガッツポーズ写真。昨年のミハウ・クフィアトコフスキ&リチャル・カラパスのように、トレック・セガフレードのジュリアン・ベルナールと合わせて3人で逃げていた中で、残り5㎞の登りでまずホノレがアタック。さらにこれについていけなかったベルナールの背後についていたチェルニーが、自らもそこから飛び出して先頭のホノレと合流した。
最後はチェルニーが年下のホノレに先を譲り、ワンツーフィニッシュ。疲れを感じさせない余裕ぶりと笑顔とで、見ていて微笑ましくなる一枚だ。
ホノレもチェルニーも、決して「勝って当たり前」の選手ではない。だが、今年も通算65勝と圧倒的なドゥクーニンク・クイックステップ。その強さの秘訣は、30名の登録選手中、実に18名の選手が勝利しているという、その「誰もが強い」という体制。過去にも多くの有力選手が流出しては、それまで無名だった若手選手がすぐさま台頭する土壌も含め、このチームが「チームとして」強いことを象徴している。
まさに、ウルフパック。これからも彼らはそのマインドを継承し続けるだろう。そしてこのホノレとチェルニーのように、輝かしい勝利シーンをこれからも見せ続けてくれるだろう。
なおホノレもチェルニーも個人的に好きな選手だ。ホノレはそれまでは不思議な名前の選手、くらいな印象しかなかったところで、昨年のジロ・デ・イタリアの登坂スプリント系フィニッシュで繰り返し上位に入り込む姿を見せていた。
典型的なパンチャー、という自分好みな選手で、近いうちに大きな勝利もあるだろう、と思っていた中でのこのイツリア・バスクカントリーでの勝利。しかも、今年はさらにセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリでも1勝している。
チェルニーも昨年までCCCチームに所属し、今年からドゥクーニンク・クイックステップ入りした選手。というか、今年、マーク・カヴェンディッシュとこのチェルニーだけをクイックステップは獲得している。カヴェンディッシュは自らスポンサー付きで売り込んだ面もあり、その意味でドゥクーニンク・クイックステップが、唯一新たに獲得しようと考えたのがこのチェルニーという点において、チームの期待が非常に高いことが良く分かる。
そして今年のチェルニーはその期待に十分に応えてくれた。自らの勝利は国内選手権TTのみだが、このバスクでのホノレのアシストと合わせ、高い独走力でチームを支え続けてくれた。
ミケル・モルコフなんかもそうだが、このチームの勝利しなかった選手たちもまた、誰もが重要な役割をもってチームに貢献している。
ウルフパック、2022年のその走りにも、期待していよう。
6.タコ・ファンデルホールン(ジロ・デ・イタリア第3ステージ)
昨シーズン終盤に突如としてワールドツアーライセンスを手に入れた旧サーカス・ワンティゴベール。慌てて選手をかき集めるも、すでに移籍市場は閉じかけていたがゆえに、2年前のCCCチーム発足時のような、プロチームの延長線上のようなロースターとなってしまった。
そして、案の定というべきか、シーズン開幕からまったく勝利を得られず。その「無勝」記録は5月まで続き、過去最も遅い初勝利記録を更新する間際となっていた(残り数日で更新、という状況だった)。
が、そこでまさかの、ジロ・デ・イタリアでの勝利。しかも、昨年ユンボ・ヴィスマに所属し、正直その契約更新がなされなかったことが意外だった男、タコ・ファンデルホールンによるまさかの逃げ切り勝利。
彼にとっての初勝利であり、同時にアンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオにとっての初勝利。その喜びが全身からあふれ出たこのガッツポーズは「ザ・ガッツポーズ」といった至高の1枚である。
このあと、チームメートたちに、そして元チームメートたちにもみくちゃにされて喜ぶ映像も最高だった。今年のジロ・デ・イタリアは今シーズンのグランツールで最も面白かったと個人的に思っているが、その理由の1つとも言えるステージである。
なお、タコ・ファンデルホールンはその後もベネルクスツアー、オンループ・ヘット・ハウトラントでも勝利。アントワープ・ポート・エピックでも、マチュー・ファンデルプールと最後競り合っての2位など、チームの筆頭に立つ成績を叩きだすこととなる。
チームとしてもブエルタ・ア・エスパーニャでのマイヨ・ロホ複数日着用など、何だかんだ良いシーズンを過ごしたアンテルマルシェ。そのきっかけを作ったのは間違いなくこの男だった。
やっぱりユンボは手放すべきではなかったのでは?
7.ジャコモ・ニッツォーロ(ジロ・デ・イタリア第13ステージ)
今年のジロ・デ・イタリアでのキュベカ・ネクストハッシュ(当時はまだキュベカ・アソスだったか)の活躍は素晴らしかった。なにせ、3勝。しかも、そのすべてが別の選手で。
そのいずれもが素晴らしい勝利、ガッツポーズではあったが、その中でも今回はこのニッツォーロに(Twitter上での推薦もあり)。何しろその笑顔が最高だ。意外にも彼にとっては待望のジロ・デ・イタリア初勝利。2016年には最終日のトリノのフィニッシュラインを先頭で通過はしたものの、斜行判定を受け降格したことで勝利とはならず。その後、ポイント賞ジャージを着て表彰台に立ったときの彼のあの仏頂面が強く印象に残っているだけに、この勝利の笑顔はまぶしすぎた。それも(イタリアチャンピオンジャージの上に重ね着をした)ヨーロッパチャンピオンジャージを着ての凱旋である。
所属チームのキュベカは現在消滅の危機の真っ只中。元々契約最終年だった彼は、来年イスラエル・スタートアップネーションへの移籍が確定している。アンドレ・グライペルが去ったあとのイスラエル。良いスプリンターは数あれど、グランツールで確実に勝てるそれはなかなか見当たらないこのチームにとってはとても重要な補強のはずだ。
ツールでは難しいかもしれないが・・・来年もまた、ジロ・デ・イタリアでの勝利、そしてあるいは3度目のポイント賞ジャージを狙っていきたい。
8.エガン・ベルナル(ジロ・デ・イタリア第21ステージ)
エガン・ベルナルの「再生」と「再起」の物語、それが今年のジロ・デ・イタリアであった。
いかにして彼が栄光を掴み、そしてそこから失墜し、このジロ・デ・イタリアの第16ステージで勝利、再び「スタートライン」に立ったのかについては以下の記事を参照していただきたい。
このときのガッツポーズも実に素晴らしいものであった。非常に迷ったが・・・しかし、今年のジロ・デ・イタリアのベルナルの戦いは、この「第16ステージ」で終わりではない。
その先の第3週も簡単ではない戦いであった。そしてそのとき彼を支えたのはイネオスというチームであった。そのいきさつは以下の記事を参照していただきたい。
だから、そんな今年のエガン・ベルナルを象徴する1枚は、その21日間――いや、2年前のツール・ド・フランスを終えてからの672日間の集大成として選ぶべきは、ミラノの大教会堂の前で掲げられた「個人タイムトライアルでのガッツポーズ」である。
それは3年前のツール・ド・フランス第20ステージの個人TTでゲラント・トーマスが見せたガッツポーズとも通じる部分があるように思う。
もちろん、あのときのゲラント・トーマスは、2007年の初出場から12年目に掴み取った、夢のような初勝利を決めた瞬間であった。
一方のベルナルは、あくまでも「すでにツール・ド・フランスを獲った男」のガッツポーズである。
にも関わらず、それがあのときのゲラント・トーマスと重なるように思えてしまうのは、それだけ、ベルナルにとってこの勝利が(ある意味であのツール・ド・フランスでの勝利以上に)大きな意味を持つ瞬間だったのだろう。
2020年代はエガン・ベルナルの時代となる――その予想は、おそらく外れたと言っていいだろう。彼は今や、早くも挑戦者としての立場にいる。
だが、それは彼の新たなる魅力的な物語の始まりを意味しているようにも思える。
このガッツポーズと歓喜の叫びは、その始まりを告げるものとなるはずだ。
9.アンドレ・グライペル(ブエルタ・ア・アンダルシア第5ステージ)
2006年からT-モバイルで走り始め、数多くの伝説を作り上げた、積み上げたプロ勝利数は実に158。現時点での現役では最大の勝利数を誇った男が、ついにその16年のプロキャリアに幕を閉じる。
だが、そんな最後のシーズンに2勝。その前の勝利は2年前のラ・トロピカーレ・アミッサ・ボンゴだったのだから、そこからこの最終年にプロシリーズのブエルタ・ア・アンダルシアでの勝利を含む2勝を飾ったのは、「有終の美」といっても良いくらいの結果であった。
その、アンダルシアでの勝利の瞬間がこのガッツポーズである。ドゥクーニンク・クイックステップのアルバロホセ・ホッジも、昨年のシャンゼリゼ覇者マッズ・ピーダスンも、そしてアレクサンダー・クリストフもすべて、退けての堂々たる勝利。発射台のリック・ツァベルとシンクロしたかのようなガッツポーズも美しい。
そして、その表情がまさに「グライペルらしさ」だ。ゴリラという愛称の、溢れるパワーのザ・スプリンター。しかし彼の表情にはいつも柔和な笑顔が刻み込まれてきた。きっとそのキャリアにおいては、辛いことも悔しいことも数多くあったはずだ。だが彼は最後までのその笑みを絶やさずに走り続け、そしてプロサイクリストとしてのキャリアに終止符を打った。
これからはまずは家族への愛を最大限に投資するのだろう。そのうえでまた、自転車界を何らかの形で見守ってくれるなら嬉しい。
なお、彼にとっての最終レースとなった地元ドイツのミュンスターラント・ジロではラスト直前の小さな登りであえなく失速。しかし、そのレースで勝利を掴んだのは、彼と共に長くキャリアを刻み、そして彼にとってのときに相棒であり、ときに最大のライバルであり続けた男、マーク・カヴェンディッシュ。この後、しばらくはキャリアを継続する予定のカヴェンディッシュが、150勝目と共に、グライペルの想いを継いでいくことに期待したい。
10.マーク・パデュン(クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第7ステージ)
今年の驚きの勝利の1つ。25歳のウクライナ人。2017年にバーレーン・メリダのトレーニーとして参加し、翌年正式加入でプロデビュー。同年のツアー・オブ・ジ・アルプスでいきなりの区間勝利するなど最初から才能の高さを見せつけていたものの、その後はそこまで目立った走りを見せられないままキャリアを過ごしていた。
が、今年、ジロ・デ・イタリアでの同郷のアンドリー・ポノマーの走りに触発された、というわけではないだろうが、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第7ステージでいきなりの勝利。のちにツール・ド・フランスで区間勝利する実力者セップ・クスを最後に突き放し、残り5㎞を独走。3年前のツアー・オブ・ジ・アルプスの初勝利のとき同様の独走逃げ切りで初のワールドツアー勝利を掴み取った。そのときの写真がこれだ。
だが、まさか翌日も同様に超級山岳を逃げ切り2連勝するとは。今度は17㎞以上残しての独走。もちろん、調子が良い選手が連勝することは理屈上は理解できるが、明らかに最もマークされた選手が連勝することは言うほど簡単では決してない。それは明らかに強く、圧倒的でないとできないものである。
そんなパデュンはその活躍を認められて一瞬ツール・ド・フランスのメンバーに選ばれかけたが、「無理をさせない」というチームの方針でこれを回避。ブエルタ・ア・エスパーニャのメンバーには選ばれ、チームの総合3位・5位を強力にアシストし、総合59位で3週間を終えた。
おそらく、この調子なら来年のツール・ド・フランスのメンバーに選ばれてもおかしくはない。ウクライナの希望の星。彼のドラマは今まだ始まったばかりである。
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