りんぐすらいど

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ガッツポーズ選手権 写真で振り返る2021年シーズン(後編)

 

毎年恒例!のガッツポーズ選手権後編。

前後編で合計20枚選出したガッツポーズ写真から、あなたのお気に入りのベスト3を選んでいただき、以下の投票フォームから投票してください!

あるいは、20枚の中にはない、あなたのおススメのガッツポーズ写真がありましたら、それを選ぶこともできます!

 

締め切りは11/26(金)終日を予定!

お早目の回答をよろしくお願いいたします。

 

投票は以下のGoogleフォームから

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☆ルール☆

  • 1位~3位にそれぞれ3ポイント~1ポイントを加え、最終的に獲得ポイントを合計して順位を決めます。
  • 2位・3位については「空欄」も可ですが、1位を空欄で2位・3位を回答したり、1位と3位を回答して 2位を空欄にした場合は、それぞれ順位繰り上げを行います。
  • 1位~3位で2つ以上、同じ回答を行った場合は無効票とします。
  • あなたのおススメのガッツポーズを選んで書いていただいてもかまいません。その場合は選手名とレース名(ステージレースの場合はステージ数)を必ず添えてください。

 

締め切りは11/26(金)終日を予定!

お早目の回答をよろしくお願いいたします。

 

 

前編はこちら

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11.マチュー・ファンデルプール(ツール・ド・フランス第2ステージ)

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今年も数多くの印象的なガッツポーズを見せてきたマチュー・ファンデルプール。毎年一つに選ぶのが大変なのだが、ここはやはり彼にとって初となるツール・ド・フランスでのいきなりの勝利と、2年前に天国へと旅立った祖父に向けた小さなガッツポーズを選ぶことにした。

フランス北西部ブルターニュ地方からスタートした今年のツール・ド・フランス。前日は祖父レイモン・プリドールへのリスペクトを表現した特別ジャージをチーム全体で着用していた。そして迎えたこの2日目は、「ブルターニュの壁」を2回登るパンチャー向けステージ。その1つ目の「壁」からアグレッシブに攻撃を仕掛けたマチュー・ファンデルプールは、一度集団に捕まえられたものの、それでもなお、2回目の登坂においても強烈に加速。先行していたソンニ・コルブレッリを抜き去って、前日覇者ジュリアン・アラフィリップも突き放して、6秒差をつけてフィニッシュした。

これによって彼は、祖父がついぞ手に入れることのできなかったマイヨ・ジョーヌへと袖を通した。これまでも数多くの栄誉を掴み取り、その規格外ぶりを見せつけてきた彼も、この勝利はその中でもとくに格別な瞬間だったことだろう。

 

 

12.ティム・メルリール(ツール・ド・フランス第3ステージ)

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アルペシン・フェニックス2連勝。そして、ファンデルプールと共にこのチームをプロチームだと思わせない強さを見せ続けている男、ティム・メルリールの、ジロ・デ・イタリアに続く「初日スプリントステージでの勝利」。ジロ・デ・イタリアのガッツポーズもとても良かったのだが、このツールでの勝利の、独特な姿が印象的だったので選ぶことにした。

全体の構図がまずいい。どういう意味をもったポーズなのかはわからないが、メルリールという男の底知れぬ強さを感じさせ、さらにその両脇には、彼を発射させ自らも2位に入り込みワンツーを達成したジャスパー・フィリプセン、そして今年勝てはしなかったものの好調さを見せつけていたナセル・ブアニという配置。背後にはコルブレッリとケース・ボル、そしてマイヨ・ジョーヌに身を包んだマチュー・ファンデルプール。

1枚の写真としての完成度の高さと合わせて評価したい。

なお、これはエントリー対象外とするが、この直後の風景を背後から撮った次の1枚もお気に入りである。

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13.マーク・カヴェンディッシュ(ツール・ド・フランス第4ステージ)

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今年はこの男の年でもあったであろう。マーク・カヴェンディッシュ。2007年にT-モバイルチームでプロデビュー。2008年にはツール・ド・フランスでいきなりの4勝。2009年から2012年にかけてのシャンゼリゼ4連勝と数多くの伝説を積み上げてきた男。

2016年に4勝したときにそのツール・ド・フランス勝利数を30にまで積み上げ、エディ・メルクスの記録まであと4勝——に迫ったところで、次第にその強さに陰りが見え始め、以後ツールで勝利することはおろか、普通にスプリンターとして活躍することすら厳しくなりつつあった。

昨年のシーズン終盤には、なかなか翌年の契約が決まらないなかで「これが私の最後のレースだったかもしれない」とこぼしてみたり、自身のバイクに取り付けられたナンバープレートを外して仕舞う仕草を見せたりと、かなり感傷的になっていたカヴェンディッシュ。

このまま消えていくように引退してしまうのか―—そう思っていた中での、電撃的なドゥクーニンク・クイックステップへの移籍。

そして、ツアー・オブ・ターキーでの実に3年ぶりの勝利。

その「復活」はただそれだけで十分に感動的なものであった。

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だが——その後のまさかのベルギー・ツアーでの、ティム・メルリールを打ち破っての勝利。まるでデビューしたての若者であるかのようにはしゃぎ、インタビューでは完璧なリードアウトを見せてくれたミケル・モルコフのリードアウトを全力で褒めちぎる。

状態は間違いなく良くなっていた。クイックステップというチームが彼に大きなチャンスを与えていることは間違いなかった。

 

それでも——それでもまさか、まさかまた、このツールの地で、彼のこの特徴的な両腕を突き出すガッツポーズを見れるなんて。

 

しかもこのときの彼のスプリントは、決して「モルコフのおかげ」ではなかった。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ初日ステージで鮮烈な逃げ切り勝利を果たして見せたブレント・ファンムールが予想外の粘りを見せ、集団はアシストの足を使い切る勢いでこれを猛追。

結果、モルコフも残り500mで脱落し、カヴェンディッシュは1人になった。

そして主導権を握ったのはアルペシン・フェニックスだった。集団内で唯一生き残っていたアシストとも言えるティム・メルリールがジャスパー・フィリプセンのための強烈なリードアウトでファンムールとの距離を一気に詰め、残り200mでこれをついに捕まえる。

と、同時にメルリールが脱落。フィリプセンがスプリントを開始。

カヴェンディッシュはそのフィリプセンに進路を塞がれ、左からはケース・ボルが上がってきたことで一度、包み込まれるかのような状況となった。

 

だが、ここで彼は冷静に状況を判断し、再加速したフィリプセンとボルとの間にわずかに空いた隙間めがけてアクセルを踏み、5年ぶりの「31勝目」に向けて足を進めた。

2年前であれば、彼はここで失速していた。最後のスプリントに絡むことすらできないほどに、彼は力を失っていた。

しかしこの日は違った。冷静に判断し、見つけ出した隙間に向けて、彼は世界最強のスプリンターであることを思い出したかのような加速で、人生で152回目のフィニッシュラインへと突き進んだ。

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もちろん、彼の物語はこの後も続く。さらに彼は3勝を重ね、ついにエディ・メルクスに並ぶ34勝に達した。

残念ながらシャンゼリゼでは勝利を逃し、「メルクス越え」は達成できなかったが——もちろん彼は、これで諦めてはいないだろう。

これからもまた、夢を見せ続けてくれるのか。誰よりも強く、誰よりも苦しんだ男の、誰よりも幸せな瞬間を、また。

 

 

14.セップ・クス(ツール・ド・フランス第15ステージ)

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ユンボ・ヴィスマでプロデビューを果たした2018年、いきなりのツアー・オブ・ユタでのステージ3勝と総合優勝で我々を驚かせ、直後のブエルタ・ア・エスパーニャでも、とくに第1週は素晴らしいアシスト力を見せつけてくれた。

2019年にはさらに進化した登坂力で再びブエルタのプリモシュ・ログリッチをアシストし、自らもここで自身初のグランツール勝利。そして2020年。ツール・ド・フランスで、ときにログリッチ以上の走りを見せる瞬間もあり、それはまさにクリス・フルームにとってのリッチー・ポートやワウト・プールスを思い起こさせるかのような名アシストであった。

そんな彼も順風満帆ではなかった。当然、その活躍に見合うものとして与えられたUAEツアーやボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャでのエースの座は、それこそプールスにも近い安定感の不足によるものか結果を出すことはできず。一方、昨年のブエルタから台頭してきたヨナス・ヴィンゲゴーの強さとTT能力の高さに押され、チームの「セカンドエース」の座はあっという間にこの若きデンマーク人に奪われてしまったかのようだった。

だが、そこで意地を見せたのがこのツールでの勝利だった。いろんな思いを抱えながらの勝利だったからこそ、感情豊かにサングラスを投げ飛ばし、かみしめるように目を閉じて空を仰ぎ、そして信じられないとでもいうように両手で顔を包み、はにかむような笑顔を見せた。

2年前にブエルタ・ア・エスパーニャで観客たちとハイタッチしながらフィニッシュに飛び込んできたあのときとは全く違った印象のその勝利の瞬間。

こういう瞬間が見れるときこそ、自転車ロードレースを観ていて良かったと思える瞬間だ。

 

 

15.ワウト・ファンアールト(ツール・ド・フランス第21ステージ)

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彼もまた今年の主役の1人だった。年間13勝はプリモシュ・ログリッチとタデイ・ポガチャルと並ぶシーズン1位(というか、この3名が最多勝っていうのがまず凄い・・・)。

しかもその勝利の種類が個人TT2回、純粋スプリントが2回、得意の登りスプリントからパンチャー向けレース、北のクラシック、果ては超級山岳ステージと、とにかく誰よりも「何でも勝ちまくった」。それを繁栄して自転車ロードレースシミュレーションゲーム「Pro Cycling Manager」では全てのパラメータで「色付き(非常に優れたパラメータであること)」にされてしまうというチートキャラに。

そんな「異様な選手」ぶりを証明したのがこの日、ツール・ド・フランス最終日シャンゼリゼでの勝利だろう。

元々、ティレーノ~アドリアティコ第1ステージでカレブ・ユアンとフェルナンド・ガビリアを下して勝利するなど、ピュアスプリンターたちと互角以上に渡り合う力は見せつけていたファンアールト。しかし、このツール・ド・フランスでは第11ステージの「モン・ヴァントゥ2回登坂ステージ」でジュリアン・アラフィリップとバウケ・モレマを手玉に取って独走逃げ切り勝利を決めていたり、このシャンゼリゼの前日の平坦30㎞超個人TTで優勝していたりするのだ。それでいてこのシャンゼリゼで今大会4勝しているマーク・カヴェンディッシュも、2位を2回3位を3回獲っているジャスパー・フィリプセンを退けて優勝? ここは「スプリンターの世界選手権」だというのに・・・凄いを超えてライバルたちがかわいそうになってくるレベルである。

それでいて、彼はまだモニュメントを1つしか獲れていない。滅茶苦茶凄いのに、ものすごいのに、なんだか派手さではマチュー・ファンデルプールやタデイ・ポガチャルに遅れを取っているように見えるのは本当に不思議なところだ。

この笑顔の「3」のサインを、今度はモニュメントのフィニッシュ地点で見たいものだ。しかもそれが、「3」ではなく、「5」となれば本当に凄いのだが・・・。

 

 

16.ジャスパー・フィリプセン(ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ)

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さて、そんなマーク・カヴェンディッシュに敗れ続け、最後の最後シャンゼリゼでカヴェンディッシュの前にようやく出たかと思えば今度はファンアールトに敗れ、結果今年のツール・ド・フランスで2位が3回、3位が3回というあまりにも悔しい思いを味わい続けてきたジャスパー・フィリプセン。

もちろん、それだけの成績を安定して獲れる時点でものすごく強いのは間違いないだろうが、それでもジロ、ツールと初日平坦ステージで勝利し続けていたチームメートのティム・メルリールのことを考えると、本当に悔しい思いでいっぱいだっただろう。自分はワールドツアーチームから移籍してきたのに・・・と。ツールではあれだけメルリールにもアシストしてもらったというのに・・・と。

そんなあらゆる思いが吐き出されたのがこの日だった。すでに第2ステージで勝利を飾り、メルリールと共に全グランツールの「初日スプリントステージでの勝利」という記録をアルペシンとして確立していたが、この第5ステージではさらに、チームメートたちのアシストを完璧に受けて、2勝目を飾った。

同一グランツールでの2勝以上はこれが初。そしてそれは彼が真の意味で最強スプリンターの仲間入りを果たしたことを意味する。これまで積み重なってきた色々なもやもやをすべて吹き飛ばした瞬間だったことだろう。

昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでも非常にエモーショナルなガッツポーズとシャウトを見せていたフィリプセン。これからもそんな、見るものの心を揺さぶる勝利を決めていってほしい。

 

 

17.プリモシュ・ログリッチ(ブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージ)

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彼もまたザ・苦労人といった感じだ。滅茶苦茶強いのだが、トラブルに巻き込まれることも多く、常に挫折を味わいながら、それでもなおすぐさま復活する、そんな強靭な面たるの持ち主であった。

だからそんな彼が今年、ブエルタ・ア・エスパーニャの史上3人目となる「3連勝」を達成したことも、リザルトだけ見れば圧勝ではあったものの、決して簡単なものではなかった。

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そのことを強く感じさせたのがこの第17ステージでの、感情に満ちたガッツポーズの瞬間だった。

この日、冷たい雨が降りしきる中、フィニッシュまで60㎞以上を残した1級ラ・コリャダ・リョメナの登りの途中でエガン・ベルナルがアタック。そしてこれにログリッチだけが食らいついていった。

最後に待ち受けるコパドンガの登りでベルナルを突き放して独走を開始したログリッチ。そのまま追いかけるメイン集団を1分半以上も突き放してフィニッシュに辿り着いた彼は、決して余裕そうな表情ではなく、その勝利を噛みしめるかのような表情に満ちていた。すでに今大会でも3勝目だというのに。

「自分のブエルタの中で最高の走りだったと思う」とコメントしていたログリッチ。この走りでそれまで35秒差だったエンリク・マスとのタイム差を一気に2分22秒にまで突き放す。そこまでは決して余裕とは言い切れず、昨年のあの逆転されかけるような最終山岳ステージのことを考えると、あくまでも薄氷の上を踏むかのような状況だった。何しろ彼自身もまた、これまでのことを考えると「最後まで何が起こるかわからない」と分かっていただろうから。

それだけに、ここで2分22秒という差をつけられたことで、安心したというのがあるのだろう。彼が決して「最強」ではないことを示すかのような瞬間であり、この超人が少しだけ我々と近づいたようにすら感じられる、そんな瞬間であった。

 

 

18.ブノワ・コヌフロワ(ブルターニュ・クラシック)

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2017年のU23ロード世界王者であり、フランス期待のパンチャーとして台頭してきたブノワ・コヌフロワ。2019年のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルでは終盤にアタックして独走し、追いついてきたジュリアン・アラフィリップと共に残り500mまで逃げ続けた。

そのときは限界を迎えていたアラフィリップの協力を得られずに敗北したものの、この走りを認められて世界戦エリートロードのメンバーにも選ばれるなど、確実に評価され続けてきた男。

そんな彼が、このブルターニュ・クラシックでついに、英雄アラフィリップを真正面から打ち破った。しかも相手はチームメートのミケルフローリヒ・ホノレを従えての、2対1の構図。そこでも彼は臆することなく残り22㎞で一度アタックし、ホノレを脱落せしめるが、あくまでも有利な体制を崩したくないアラフィリップの消極策によりホノレが復帰してしまう。

そして残り3.3㎞。再びコヌフロワのアタック。ホノレも限界を迎え、いよいよ世界王者が自ら反応せざるをえなくなる。

残り2.7㎞。今度はアラフィリップがカウンター。だがこれもコヌフロワは冷静に抑え込み、残り2.3㎞にさらにコヌフロワが3度目のアタックを仕掛ける。

最終的には突き放すまでには至らず、ホノレも戻ってきた中で迎えた最終スプリント。

結局、ここまで終始強かったコヌフロワが最後はアラフィリップをスプリントで抑え込み、勝利を掴んだ。

コヌフロワという男が一つステージを上げた瞬間であった。

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そしてそんなコヌフロワが、続く世界選手権ではこのフランスの英雄のために働くこととなる。

 

 

19.ジュリアン・アラフィリップ(世界選手権エリートロードレース)

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世界選手権はいつも熱いバトルが繰り広げられるが、今年のそれも極上であった。何しろ、最強と思われていたベルギーチームを、不利であることが予想されていたフランスチームが、全体距離の3分の1しか消化していない残り180㎞地点から積極的に攻撃を仕掛け続ける。

最終的には残り60㎞からの2回目ベケストラートから繰り出されたジュリアン・アラフィリップの5回のアタック。その常に攻めて、攻めて、攻め続ける姿勢が、アラフィリップに2枚目のアルカンシェルジャージをもたらした。

歴史に残る名レース、これが今年の世界選手権であった。

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そんな世界選手権から、ジュリアン・アラフィリップのこの「後ろからのガッツポーズ」を選出した。ツール・ド・フランス第1ステージの、新たに生まれてきた命に捧げるガッツポーズも捨てがたかったが、この独特な構図での歴史的な瞬間を選び取ることにした。

腰もとにつけられたゼッケンNo.は1。つまり前年王者であり、誰よりもマークされうる男であることの証明。しかし彼は決して王者としての走りではなく、あくまでも挑戦者としての走りに徹した結果、このゼッケンNo.を付けながらの2回目の勝利を掴み取ったのである。

そのやり切った思いを感じさせる、小さく天に突きあげられた右腕。

「フランスの英雄」は、ペテル・サガンに並ぶ世界戦3連覇を来年、成し遂げることができるのか?

 

 

20.ソンニ・コルブレッリ(パリ~ルーベ)

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最後はやっぱりこの男。20年以上ぶりの大雨の中でのカオスレースとなったパリ~ルーベで、最後まで耐え続けた男による、万感極まったバイク上げ。

フィニッシュした瞬間のあの泥まみれの顔の写真とどちらにするか迷ったが、やはりその感情が最も爆発した瞬間であるこの写真を選ぶことに。

誰もが想像していなかった勝利。それは2016年のマシュー・ヘイマンを思い起こさせる、感動的な瞬間であった。

 

しかし今年のコルブレッリはひたすら強い。ピュアスプリントで勝つことは正直少なかったが、とにかく登れる姿を何度も見せ続け、ヨーロッパ選手権も制することに。

それでもまさか、この世界最難関の石畳レースを制するとは・・・マチュー・ファンデルプールも東京オリンピックマウンテンバイクでの怪我からの回復が十分ではなかったというのはあるだろうが、それでも途中イヴ・ランパールトを突き放すほどだったファンデルプールのアタックを、何度も何度も抑え込んだコルブレッリのタフネスさは素晴らしかった。

最後はフロリアン・フェルメールシュの先行したスプリントを冷静に見極め、ファンデルプールの進路を阻みつつ彼自身の強さをしっかりと生かした勝ち方をしてみせた。

 

今年1年のコルブレッリの走りの集大成となったこの勝利の瞬間。ここから彼がさらにどんなドラマを創っていくかも、実に楽しみだ。

 

前編はこちら

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