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獲得UCIポイントで見る ツール・ド・フランス2021 全チームランキング&レビュー(11位~1位)

 

前回に引き続き、獲得UCIポイントでランキングしたツール・ド・フランス2021出場全23チームのうち、上位11位~1位までの11チームを見ていく。

基本的には総合上位選手を率いるチームが入り込んでいるわけだが、その中でも4勝したマーク・カヴェンディッシュや3勝したバーレーン・ヴィクトリアスなど、総合だけではない活躍をしたチームたちも当然、入り込んでいる。

 

決してエースだけではない。1人1人の選手がどんな働きをして見せたのか。

「逃げ一覧」データと合わせ、参考にしていただければ幸い。

 

Podcastでも全21ステージの感想を語り合っています。

 

全21ステージのレビューはこちらの記事でも

【全ステージレビュー】ツール・ド・フランス2021 第1週(前編) - りんぐすらいど

【全ステージレビュー】ツール・ド・フランス2021 第1週(後編) - りんぐすらいど

【全ステージレビュー】ツール・ド・フランス2021 第2週 - りんぐすらいど

【全ステージレビュー】ツール・ド・フランス2021 第3週 - りんぐすらいど

 

 

目次

 

23位~12位はこちらから

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第11位(昨年10位) EFエデュケーション・NIPPO 400pt.

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逃げ一覧

  • ルーベン・ゲレイロ(第7・9・15ステージ)
  • セルジオ・イギータ(第9・14ステージ)
  • ニールソン・ポーレス(第9・15ステージ)
  • ミケル・ヴァルグレン(第19・21ステージ)
  • マグナス・コルトニールセン(第7ステージ)
  • シュテファン・ビッセガー(第12ステージ)
  • ヨナス・ルッチ(第19ステージ)

 

ツール・ド・スイスの個人TTで優勝し、総合成績でも2位につけていたリゴベルト・ウラン。その調子の良さはこのツールの前半でも継続し、第2週が終わるまでは総合2位を維持し続けていた。

しかし、第3週、最後の第17・18ステージで大失速。一気に総合10位にまで転落することとなる。

プロ16年目、34歳でいまだツール総合2位に手が届きそうなところまで走れていること自体は本当に素晴らしいが、さすがにキャリアも晩年が近づいてきており、難しいか。

むしろこのチームはもっと若手に頑張ってほしい・・・期待のイギータも、なかなか伸び悩んでいるのが現状だ。

今年個人タイムトライアルで活躍するビッセガーも、第5ステージでは悪天候の中落車しかけるなどの不運もあり、この大舞台ではそこそこの成績に落ち着いた。今後のさらなる進化に期待。

 

 

第10位(昨年5位) アスタナ・プレミアテック 430pt.

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逃げ一覧

  • ヨン・イサギレ(第8・15・19ステージ)
  • ユーゴ・ウル(第7・10ステージ)
  • オマール・フライレ(第9・14ステージ)
  • アレックス・アランブル(第9・16ステージ)
  • ヤコブ・フルサン(第9ステージ)

 

アレクセイ・ルツェンコが結局総合7位に残ったというのが最大の驚き。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合2位は決してフロックではなかったということ。2018年・2019年のツアー・オブ・オマーン総合2連覇など登れる姿は近年見せていたけれども、まさかここまでとは。

おそらく今年はさすがにアスタナから離れそう。新天地がどこかはまったく不明だが、元・逃げ屋はこれから本格的にステージレーサーとして進化していくのか。 

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その他は正直期待値・実力と比較するとちょっと残念な結果。アランブルとか、そろそろビッグレースでの勝利を果たしても良さそうなんだけどね。

 

 

第9位(昨年7位) モビスター・チーム 570pt.

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逃げ一覧

  • イマノル・エルビティ(第7・12ステージ)
  • アレハンドロ・バルベルデ(第8・15ステージ)
  • イバン・ガルシア(第7ステージ)


なんだかんだでエンリク・マスがこの位置。

色々不安が大きかっただけに嬉しい気持ちはあるものの、一方で2018年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位、アルベルト・コンタドールの後継者とまで言われた男としてはもちろんまだまだ物足りない。

第18ステージは最後まで食らいつく強い走りを見せられたが、それまでは結構落ちるのも早く、第一線に立てる存在ではまだまだ、ない。

 

バルベルデもさすがに今回は比較的大人しく3週間を過ごすことに。

とはいえ第15ステージのアンドラで2位、第18ステージでも10位と後半にかけて調子を上げてきており、これはオリンピックを意識したか?とオリンピックの方に期待していたが、一説ではチーム内コロナ陽性者発覚からのバタバタでスペインチーム寝てない説もあったりと、結局実力を発揮できないまま落ちていく姿が捉えられていた。

 

あとはチームに久々にやってきた純粋(?)スプリンターのイバン・ガルシアにも個人的に期待していた。さすがにツールのピュアスプリントに絡むことはできなかったものの、やや登り基調となっていた第13ステージではラスト良いタイミングで抜け出しにかかっていた。

あそこで怪物ミケル・モルコフさえいなければ、大勝利もありえたかもしれないが・・・めげずにまたどんどんチャレンジしてほしい。でもやっぱ個人的には、彼はブエルタ・ア・エスパーニャの方が向いていると思うんだよなぁ。

 

イマノル・エルビティについては以下のPodcastの第12ステージのところ(1:40:25〜)で語っているのでぜひ。

 

第8位(昨年-位) アルペシン・フェニックス 675pt.

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逃げ一覧

  • クサンドロ・ムーリッセ(第7・11ステージ)
  • マチュー・ファンデルプール(第7ステージ)
  • クリスティアン・ズバラーリ(第11ステージ)
  • シルヴァン・ディリエ(第19ステージ)

 

ツール初出場のUCIプロチームだがしっかりと荒らしまくる。

マチュー・ファンデルプールは期待通りのステージ優勝とマイヨ・ジョーヌだが、勝ち方がとにかく凄い。

前日にアラフィリップに勝利され18秒のビハインドを抱えた状態からマイヨ・ジョーヌを手に入れるには第2ステージの最初のミュール・ド・ブルターニュから先頭通過しないといけないのは確かに理論的にはそうだけど、それを実際にやってのけるとは。誰もが彼が動くと分かっていても止めることはできなかった。

しかも1回目の登りでのアタックで脚を使ってるのに、2回目の登りでもまた一人で抜け出す。誰もが狙っていたはずのその勝利を、誰よりも動いていた男が一人奪い取るその姿には脱帽しかない。伝説の男を継承する自転車界の天才が、最強を示すジャージを掴み取った。

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そして、そのジャージを守るためにもがき粘り切った第5ステージの個人TT。

さらにはマイヨ・ジョーヌを着たまま逃げに乗り集団を大混乱に陥れた第7ステージ。

とにかく自転車界の常識を常に破壊し続ける男。オリンピックのマウンテンバイクでは悔しい結果に終わったが、そこからすぐさままた挽回するのがファンデルプールという男。今度は世界選手権あたりに期待したい。

 

そして、そんなファンデルプールに引けを取らない凄さを見せるのがティム・メルリール。なんと、ジロ・デ・イタリアに続き、最初の平坦ステージで勝利を掴み取る。グランツール参加初年度に2つのグランツールでステージ勝利するって何? 今回のツールも早めにリタイアしたし、このままブエルタにも出て、ユアンが成し遂げられなかった年間グランツール全勝利を達成してくれないかな。

そんなファンデルプールとメルリールに率いられたアルペシン・トレインは最強以外の何者でもなく、第6ステージではなんとこのトレインがドゥクーニンク「最強」トレインを凌駕する瞬間も。

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しかし、今年はカヴェンディッシュが、個人の力としても強すぎた。

とくにフィリプセンは、ツアー・オブ・ターキーの頃から対カヴェンディッシュでの相性が悪すぎる。

結果、ジャスパー・フィリプセン。2位と3位が3回ずつと、ある意味凄すぎる、しかしあまりにも悔しい結果に終わった。

シャンゼリゼでも、ようやくカヴェンディッシュを倒したのに、その目の前にはワウト・ファンアールトという前日TTで勝ってたはずの男がいて・・・。

 

フィリプセンに幸あれ。

 

 

第7位(昨年15位) AG2Rシトロエン・チーム 785pt.

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逃げ一覧

  • ミヒャエル・シェアー(第3・7ステージ)
  • グレッグ・ファンアーヴェルマート(第6・11ステージ)
  • ドリアン・ゴドン(第7・17ステージ)
  • オレリアン・パレパントル(第8・15ステージ)
  • ブノワ・コヌフロワ(第11ステージ)
  • ベン・オコーナー(第9ステージ)

 

このチームの「グランツールでのステージ勝利率」は一体。むしろ「誰か勝つやろ」の安定感が凄すぎて、その期待通りの結果をオコーナーが叩き出してくれた。

いや、いや期待以上だった。それも、遥かに。

(ファンアールトやマルタンのように)大逃げからの一時的な総合上位だと思っていたオコーナーがその後も残り続け、むしろ第15ステージや第17ステージではトップクライマーたちと互角以上に張り合う。クイーンステージの第17ステージでは「3強」に迫る走りで、最終的な総合4位はたまたまでも何でもない。実力相応の結果だと言えた。

当初、チームはオコーナー獲得時に「総合狙いの要員として」手に入れたと語っていた。「いやいやリップサービスが過ぎるでしょ」と思っていたが、首脳陣はこの姿を予見できていたのか。

もちろん、ディメンションデータ所属時代からジロ・デ・イタリアの総合上位に入り込みかけていたりと、才能の片鱗はあった。そこから一時沈んだように見えていたが、見事な再浮上。この勢いが、今年限りにならないことを願う。

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そして今年シーズン初戦グランプリ・ラ・マルセイエーズでスプリンターたちを跳ね除けて驚きの勝利を遂げたプロ3年目の若手パレパントルが総合15位と健闘。ドーフィネも12位で、総合系としての将来が嘱望される。

一方のコヌフロワはやや不調気味か? 彼は総合系というよりは、ワンデー向きなのかもしれないけれど・・・。

 

 

第6位(昨年11位) イネオス・グレナディアーズ 835pt.

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逃げ一覧

  • ディラン・ファンバーレ(第7・9・15ステージ)
  • ジョナタン・カストロビエホ(第8・15ステージ)

 

昨年総合3位、今年ドーフィネ総合優勝のリッチー・ポートは初日から落車に巻き込まれタイムを失い、本エースのはずだったゲラント・トーマスは第3ステージ序盤の落車で肩を脱臼。第1週の週末から大きく遅れてしまう。

テイオ・ゲイガンハートも、第3週までまったく調子が上がらなかったようだ。

 

だが、このチームの強みは大量のエースの存在。

4人中3名が脱落した中で、今年のツール・ド・スイス覇者リチャル・カラパスが台頭してくる。

トーマスも脱臼しながら最後まで走り抜き、カラパスのためのアシストに徹する。そしてジロからの連戦のカストロビエホはまったくそうとは感じさせない走りで強烈にアシスト。

結果、カラパスは総合3位。上2人が強すぎただけで、4位以下に大差をつけたカラパスは十分にこのイネオスのエースに相応しい男だ。

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それでも悔しいは悔しいだろう。

そんな悔しさを、東京で晴らした。エクアドル史上2人目のメダリスト。故国の英雄はピドコックと共にチームにもメダリストという実績を持ち帰ったことになる。

 

来年からは金カラパスが見られる?

 

 

第5位(昨年12位) ボーラ・ハンスグローエ 875pt.

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逃げ一覧

  • イーデ・スヘリンフ(第1・2・3・21ステージ)
  • パトリック・コンラッド(第7・9・14・16ステージ)
  • ニルス・ポリッツ(第9・11・12・19ステージ)
  • ルーカス・ペストルベルガー(第15・17ステージ)

 

サガンは第3ステージの落車の影響があったのだろう。ジロでの好調さは見る影もなくなり、最後は早期リタイア。怪我は手術の必要まで出てきて、オリンピックも欠場することとなってしまった。

だが、それである意味、枷が外れた。最強のアシストチームは、最強のアタッカーチームへと変貌。実力はありながらもなかなか勝ちに恵まれずにいたポリッツとコンラッドが立て続けに勝利を掴んだ。

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そして、昨年ジロ・デ・イタリア総合3位。苦難を乗り越えながらも着実にステップアップしつつあるケルデルマンが総合5位。これは十分に期待通りの成果だ。

個人的には期待していたスヘリンフが初日から積極的に動いて山岳賞ジャージ着用で目立ってたのは嬉しい。キャラもいい感じで、今後も楽しみだ。

 

 

第4位(昨年4位) バーレーン・ヴィクトリアス 960pt.

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逃げ一覧

  • マテイ・モホリッチ(第7・9・18・19ステージ)
  • ワウト・プールス(第8・9・14・15ステージ)
  • ディラン・トゥーンス(第8・9・15ステージ)
  • ソンニ・コルブレッリ(第9・16ステージ)
  • フレッド・ライト(第16ステージ)

 

ジロでランダの早期リタイアからまさかのカルーゾ総合2位という結果同様、今回のバーレーンも、序盤調子が良さそうだったヘイグが第3ステージでリタイアして・・・そこからの、トゥーンス&モホリッチのステージ2連勝に、モホリッチはさらに1勝を積み上げ、プールスも(最後はポガチャルがあまりにも強すぎて頂点は奪われたものの)山岳賞2位と大健闘。

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ビルバオも最後まで粘り続けて本人としてもツール初の快挙となる総合TOP10入りを果たし、大満足の3週間となった。やっぱり今年のバーレーン、強い。そのせいかフランス警察の捜査入ってしまったけれど・・・。

そしてコルブレッリである。純粋スプリントではなかなか勝負に絡めなかったものの、第16ステージでは終盤の登りでダヴィド・ゴデュに食らいつき他のクライマーたちを突き放す異様な走りを披露。

中間スプリント争いでは幾度となくマイケル・マシューズを斥けるなど、勝てはしなかったがひたすらに強かった。

あとは、スプリント自体で勝ち切るだけ。そこが難しくはあるのだが、これからもチャレンジを重ねていってほしい。

 

第3位(昨年6位) ドゥクーニンク・クイックステップ 1115pt.

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逃げ一覧

  • ジュリアン・アラフィリップ(第9・11・12・15・18ステージ)
  • マッティア・カッタネオ(第8・9・14ステージ)
  • カスパー・アスグリーン(第7・9ステージ)
  • ダヴィデ・バッレリーニ(第15・19ステージ)
  • マーク・カヴェンディッシュ(第7ステージ)

 

マーク・カヴェンディッシュ、誰もが(もしかしたら本人も)期待はしながらもさすがに無理だろうと思っていたはずの「伝説」エディ・メルクスに並ぶツール通算34勝の達成。「超え」のための、そして自身9年ぶりのシャンゼリゼ勝利も狙っていたが、ここはライバルたちの熱量の中で、チームとしても全力を尽くしながら、届かなかった。

しかし本当に、そのチームの思いが凄まじかった。モルコフが神がかっていたのはもちろんだが、そこまでのトレインも完璧だった。世界王者ジュリアン・アラフィリップ、デンマーク王者カスパー・アスグリーン、オンループ・ヘットニュースブラッド覇者ダヴィデ・バッレリーニ、そしてモルコフへと続く「黄金の4人」がカヴェンディッシュのためにすべてを尽くした。

普段はラスト1㎞までひっそりと身を潜め、そこから突如として現れるのが彼らの戦法だったはずが、今回はラスト3㎞くらいからかなり早い段階で集団先頭を支配し続ける。それだけ完璧に、あらゆる想定外を排除して、確実に勝ちを狙っていたというわけだ。

そして、そんな彼らが最終局面でカヴェンディッシュの周りから離れても、あるいはアルペシン・トレインが彼らを超える走りを見せたとしても、カヴェンディッシュが最後の最後は自らの力で勝ち切った場面があったのも凄い。

今回はチームもカヴ自身もしっかりと強かった。その中で掴み取った4勝。ツールで一人の選手が4勝以上稼ぎ出すのも2017年以来4年ぶり。ユアンやデマールやメルリールが早々に去るなどライバルたちも少ない中だったとは言え、実に素晴らしい走りだった。

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そして、決してカヴェンディッシュ班だけではない。さらに言えば、エース1人が活躍したわけではない。

上記表を見てもらえれば分かるように、8人中6人がステージTOP5に入っているとか普通に考えて強すぎる。「誰もがエース」をまさに体現しているチームである。

その中でもその成長が実に頼もしく感じられるのがマッティア・カッタネオ。元ランプレで一時はアンドローニ・ジョカトリに所属し、昨年からドゥクーニンク入り。プロ9年目の今年31歳と決して若手ではないものの、今年のツールでは2つのTTステージでTOP10入りし、山岳ステージの逃げで区間2位に入り、最終的な成績も区間12位とチーム最高位。

彼もまた、最近流行りの「万能人」の一員。まだ来季の契約は未定だが、これからどんな活躍をしていくのか楽しみである。

 

 

第2位(昨年1位) チーム・ユンボ・ヴィズマ 1665pt.

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逃げ一覧

  • ワウト・ファンアールト(第7・11・15ステージ)
  • セップ・クス(第8・9・15ステージ)
  • マイク・テウニッセン(第7・19ステージ)
  • ステフェン・クライスヴァイク(第15ステージ)

 

プリモシュ・ログリッチは昨年のあまりに悔しい敗北のリベンジを果たせるか・・・と思っていた中での、まさかのリタイア。第1ステージの落車のときは「落車した方が成績良くなるらしいしラッキーだね」と楽観的な言い方をしていた中で、第3ステージの落車のときには「走れていることが嬉しい」とかなり弱気な発言をしていたことが気にかかっていたが、やはり駄目だった・・・。

が、そこからすぐオリンピックに切り替え、TTでまさかの金メダル。転んでもただでは起きない不屈の精神力は今年も健在。次回はブエルタ・ア・エスパーニャ。この勢いのままであれば、まさかの3連覇も夢ではない!?

そして、ログリッチが去った中での、残った選手たちのまさかの大活躍。

まずは急成長中の天才ヨナス・ヴィンゲゴーの躍進。今大会唯一、ポガチャルを力で突き放した選手となった。

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そしてモン・ヴァントゥ、TT、シャンゼリゼの3つで勝つという前代未聞のハットトリックを決めたワウト・ファンアールトの異様すぎる強さ。

そしてセップ・クスも勝利をもぎ取る。彼も彼で、少し思うような結果を出せない時期があっただけに、この勝利はとても嬉しかったようだ。アイウェア投げからの、実にエモーショナルな勝利だった。

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エースを失ってなお、この強さ。

言うまでもないことだが、このチームは、今はもう間違いなく、イネオスやドゥクーニンクと並ぶ、世界最強チームの一角である。

 

 

第1位(昨年2位) UAEチーム・エミレーツ 1930pt.

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逃げ一覧

  • ルイ・コスタ(第9ステージ)
  • ヴェガールステイク・ラエンゲン(第11ステージ)

 

圧倒的&圧倒的。

最初の山岳ステージとなった第8ステージ。そこで彼は決して、30㎞独走勝利をしようとは思っていなかったであろう。ただ、彼のアタックに、誰とついていけなかっただけなのだ。

翌第9ステージも、むしろコンサバティブに走りすぎて、本当はもっと早くアタックしていればもっとタイムをライバルたちから奪えるかもしれなかった。

第3週はチームの力も借りて、超級山岳山頂フィニッシュ2連戦で共に勝利を掴んだ。しかしこのときも、カラパスやエンリク・マスのアタックに対し、これを難なく捕まえて、最後に勝利だけを奪い取るといった、かなり「余裕」を感じられる勝ち方であった。

最大のライバルたるプリモシュ・ログリッチが早々にリタイアしたことなども相まって、彼にとっては「本気」を見せる必要がないツールだったのかもしれない。

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結果としては上記表にある通り、ポガチャルのワンマンショーであった。多くの選手が活躍したドゥクーニンク・クイックステップやユンボ・ヴィスマとは対照的に、全チーム中1位の獲得ポイントの実に98%のポイントをポガチャル1人で稼ぎ出している。

個人獲得ポイントランキングでも2位のヴィンゲゴーに対し2倍近いポイントとなっている。

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だが、だからといって、2年前のブエルタでも昨年のツールでも叫ばれていたような、「チーム力は弱く、ポガチャル1人だけの力で勝った」わけでも決してない。

たしかに1週目のアルプスでは圧倒的な力を見せつけていたポガチャルだが、2週目・3週目では(圧倒的リードからの余裕があったがゆえかもしれないが)アタックしてもライバルたちを引き千切ることはできない様子を見せており、そして3週目はラファウ・マイカを中心とするアシストたちに最終盤までアシストされたうえで攻撃をする姿を見せていた。

それは、ポガチャルのピークを前半に持ってきてマージンを稼ぎ、そのコンディションが落ちていく後半にアシストたちのピークを持ってきてこれを安全に支える、というチームの明確な戦略であり、忠実なるアシストたちがそれをそのまま実行して見せた結果なのかもしれない。

そしてこの戦略は、エースに対する絶対的な信頼がなければ成り立たない。

この黄金戦略は、それこそ2010年代、クリス・フルームという最強のエースを擁したチーム・スカイが成し遂げてきたことであり、その意味で2020年代のUAEチーム・エミレーツは、このスカイの正統なる後継者と言えるかもしれないのだ。

 

彼らは、スカイが成し遂げられなかった「5勝クラブ入り」を果たすことができるのか? 

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かくして、2021年のツールは終わりを迎えた。

 

波乱の中で多くの有力選手が失意と共に大会を去る一方、新たなヒーローやドラマの誕生もあった。

何が起こるか分からない。だが最後には多くの魅力を残してくれるツール・ド・フランス。

 

来年の夏もまた、きっと見たことのない風景を見せてくれるだろう。 

 

 

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