いよいよこの週末、今シーズンのシクロクロス「最強決定戦」が開催される。
すなわち、シクロクロス世界選手権。
マチュー・ファンデルポール、ワウト・ファンアールト、ルシンダ・ブラント、セイリン・アルバラードなど、世界トップクラスのシクロクロッサーたちが激突する、今シーズン最高峰の対決である。
今回は、そのシクロクロス世界選手権2021をコース、過去の展開、注目選手などに触れながら、徹底的にプレビューしていく。
記事の最後に記載させていただいているが、この世界選手権は日本語実況がついていない可能性が高く、そもそもGCN Passでは観ることができず、Youtubeで英語実況を聴くしか方法がない可能性もある。
ただ、それでも決して見逃すことは許されないほど、今年のシクロクロス世界選手権はアツい。
何しろ、男子も女子も、本当に「一体誰が勝つのか分からない」状況になりつつあるのだ。その思いは、先日の土日の2レースを経てより一層強まることとなった。
よって、英語実況で視聴するのに備え、準備は万端にしておくべきだろう。
というわけで、今回のこのプレビュー、必見である。
それでは、いってみよう。
目次
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コースについて
今年のシクロクロス世界選手権は、ベルギーのウェスト=フランデレン州、北海沿いの街オーステンデで開催される。
そのコースは大きく分けて3つのパートに分かれており、
- 1.全長135m・高さ8mで両端に21%勾配の傾斜がついた長い橋
- 2.海岸(サンド)セクション
- 3.草地で覆われた競馬場の中のテクニカルなアップダウンコース
の3つである。
その路面構成は、公式サイト(https://www.wkoostende2021.be/en/location/course)によれば
- 草地 =1,326m
- 燃えがら = 404 m
- 砂地 = 565 m
- 橋 = 400 m
- 舗装路 = 205 m
であり、走りづらい砂や草を含んだ適度なアップダウンと激坂、舗装路とバランスよくミックスされたテクニカルかつ総合力が問われるレイアウトになりそうだ。
そして、天気予報によればオーステンデでの週末の天気は、
- 土曜(U23男子、エリート女子):降水確率60%、みぞれ混じりの雨、2℃~6℃
- 日曜(U23女子、エリート男子):降水確率30%、にわか雨、1℃~4℃
ということで、非常に寒く、路面はぬかるみ、草地はスリッピーかつ砂地は重くなりそうな、そんなコンディションが予想される。
(このあたりは私もまだまだ素人なので、より詳しく的確に予想できる方がおられれば、アドバイスを頂けると幸い)
乗車率は決して低くなさそう、という点で、ワウト・ファンアールトがマチュー・ファンデルポールより圧倒的に優勢になるとは考えづらい。
また、スリッピーな路面ということで思いだすのは、トム・ピドコックがマチュー・ファンデルポールに勝利した今シーズンの「ガーフェレ」をやや彷彿とさせる。あのときは草ではなく泥だったが。
雨の状況にもよるが、全体的に、パワーよりもテクニックが重視されそうなコース設定、コンディション。
そういった点を踏まえ、今年の世界選手権の注目選手たちを見ていこう。
注目選手
女子レース編
まず当然、注目すべきはルシンダ・ブラント(バロワーズ・トレック・ライオンズ)である。
今期すでに1/16までの21戦で11勝。
しかもそのすべてで表彰台を逃したことがないという、異様の勝率を誇っていたのであった。
当然、3大シリーズ戦ではすべてにおいて総合首位に立っており、全シリーズ制覇の可能性も非常に高く、これで1/30の世界選手権まで制することになれば、史上3人目、女子だけで言えば史上初となる「グランドスラム」達成者となる、そんな期待がかけられていた。
これまで、ヨーロッパ選手権の銀メダルが2回、世界選手権の銅メダルが2回と銀メダルが1回。3大シリーズ戦も1つも総合優勝したことがないという、実力は高いのに「無冠の女王」であり続けたブラントが今年、女子界最高峰のタイトルを手に入れる間際にまで至っていた。
しかし、そんなルシンダ・ブラントが、実は年明けを迎えた1/1以降、やや不調に沈んでいる。
これまで、表彰台を逃すことなく勝ちを重ね続けてきたブラントだったが、1/1以降に参戦した4レースのうち、勝利はたったの1回だけ。しかもその1回は3大シリーズ戦のレースではないので、3大シリーズ戦に絞れば全敗なのである。
しかも、1/23(土)のX2Oトロフェー第6戦「ハンメ(フランドリアンクロス)」では、今シーズン初となる表彰台脱落。
そのうえ、総合争いで2位につけているライバルのデニーセ・ベツェマにも25秒差をつけられ、残り2戦残っているX2Oバドカマー・トロフェーの総合争いにおいて、ベツェマとの総合タイム差は38秒。
余裕と思われていた3大シリーズ戦制覇に、黄信号が灯り始めたのである。
しかも、このところのブラントの敗北は、別に妙にパンクが多かったり落車が多かったり、が原因ではない。
いつも早々に集団先頭にいるはずの彼女が、なぜか序盤〜中盤にかけて集団の後ろの方に後退しており、アルバラードやベツェマたちからタイム差をつけられて追走集団の中を走っている姿すら目立つようになっていた。
最終的には前の方に上がってくることがほとんどではあったのだが、それでも先頭を独走するアルバラードには追いつかない。
元日の「バール」では最後の最後までアルバラードと先頭を獲ったり獲られたりの激しい攻防戦を見せていたのが彼女の彼女らしい強さを見せていた最後の姿で、その後はどこかちぐはぐな状態が続いていた。
これが、3大シリーズ戦全制覇の可能性が高くなってきたことによる余裕の表れであるならばまだ良い。
しかしこれまでにない絶好調のシーズンを過ごしていた中で、やや息切れが発生しつつあるのであれば、それは今週末の世界選手権に向けて、かなり危険な兆候であると言えるだろう。
そんなブラントを尻目に、調子を上げてきているのが世界王者セイリン・アルバラード(アルペシン・フェニックス)である。
セイリン・デルカルメン・アルバラード。
ドミニカ共和国生まれのオランダ人で、今年23歳。
2018年にU23ヨーロッパ王者に輝くと、翌年にそれを連覇。
そして2020年においては、国内・欧州・世界すべてのエリート世界王者に君臨するという、文句なしの世界最強女子シクロクロッサーである。
昨年は3大シリーズ戦のうち唯一ワールドカップだけ2位で終わってしまったために、グランドスラムまであとわずか一歩、届かなかったが、その素質は十分にある選手である。
そんな彼女は今シーズン、最序盤こそルシンダ・ブラントに2連勝するなど良い滑り出しを見せていたのだが、11月後半から段々と勝ちきれなくなっていた。
常に上位に入り込み、2位や3位を連発するという意味では十分に強いのだが、妙にミスが多かったりと若さゆえの不安定さがまだ残っており、現在ワールドカップとスーパープレスティージュでは総合2位、X2Oトロフェーでは総合3位と、昨年と比べるとかなり振るわない結果に終わってしまっている。
だが、そんな彼女が、元日のレース、X2Oトロフェー第5戦「バール(GPスヴェン・ネイス)」にて勝利。
続く1/3のUCIワールドカップ第4戦「フルスト」では3位といつも通りな結果に終わるが、この先週末のX2Oトロフェー第6戦「ハンメ(フランドリアンクロス)」とUCIワールドカップ最終戦「オーベレルエイセ」で立て続けに勝利。
いずれも、完全に力でライバルたちをねじ伏せる、圧倒的な強さを発揮しての勝利は、彼女が昨年世界王者を手にしたときを彷彿とさせる。
「世界王者」セイリン・アルバラードが、ついに戻ってきたのだった。
果たして、ルシンダ・ブラントは女子界初となる「グランドスラム」達成への王手をかけることができるのか。
それとも、世界王者セイリン・アルバラードが、最後の最後でしっかりとそのタイトルを防衛し2連覇を果たすことができるのか。
この年末までは圧倒的なブラント有利と思われてきたアルカンシェル争いが、俄かに予想のつかない混沌へと陥りつつある。
男子レース編
「予想がつかない」という点では男子も同様。
いやむしろ、男子の方がより一層、何が起きるか分からない状況になりつつある。
まずは最有力優勝候補は昨年・一昨年の世界王者マチュー・ファンデルポール(アルペシン・フェニックス)。
プロ通算141勝。2018-2019シーズンは34戦中32勝、2019-2020シーズンは25戦中24勝という圧倒的な勝率を誇っている現役シクロクロス界最強の男。
今シーズンに関してもすでに13戦中9勝で、勝利を逃したときですら2位は確実に獲っており、その圧倒的な強さには微塵も陰りを感じさせない。
それは今回のX2Oトロフェー第6戦「ハンメ(フランドリアンクロス)」も同様で、開始から15分が経過した全8周中の3周目から独走を開始。
以後、その影もワウト・ファンアールトにすら踏ませぬままに、圧勝。
世界選手権に向けて、誰が見ても万全であるかのように思われていた。
しかしその翌日、UCIワールドカップ最終戦「オーベレルエイセ」。
序盤からワウト・ファンアールトと共に抜け出したファンデルポールだったが、2周目でその後輪がパンク。
以後、先頭を独走するファンアールトに追い付くことはできず、ずるずるとタイム差を広げられて最終的には1分以上の差を開いての2位フィニッシュとなった。
今期、ワウト・ファンアールトに対して3度目の敗北。
1回目はX2Oトロフェー第4戦「ヘーレンタルス」。
このときもまた、6周中の4周目に後輪をパンク。そのままファンアールトに突き放されて2位フィニッシュとなった。
もう1つの敗北がUCIワールドカップ第3戦「デンデルモンデ」。
このときはハリケーン級の嵐「ベッラ」が上陸していたこともあり、激しい暴風雨とそれによってここ数年見ないレベルでの重く深い泥が敷き詰められた激悪コンディションが選手たちを苦しめた。
そしてそれはファンデルポールについても同様で、7周中の3周目から少しずつ先頭のワウト・ファンアールトに突き放されながら、そのタイム差を30秒、1分、1分半、2分・・・と周回を重ねるごとに広げていった。
それでもファンデルポールの後ろにはさらに遅れている選手たちがおり、結局ファンデルポールはファンアールトから2分49秒差でのフィニッシュとなったわけだが、それでも2位を死守することにはなった。
それ以外では、今期ワウト・ファンアールトと対決している8戦中、勝ったのは5戦と勝ち越しており、敗北は上記の「パンク」か「かなりレアリティの高い超マッドコンディション」でしか経験していないことになる。
結局のところ、実力で言えばマチュー・ファンデルポールが上。
世界選手権でも、基本的にはファンデルポールが勝つ可能性が高いだろう。
――と、果たして単純に言うことができるのだろうか。
過去、世界選手権においてマチュー・ファンデルポールとワウト・ファンアールトは、ジュニア時代に1回、U23時代に1回、そしてエリート時代に6回、対決している。
ジュニア時代にはファンデルポールが、U23時代にはファンアールトが勝っており、エリート時代にはそれぞれ3勝3敗。互角の戦いを繰り広げている。
ところで、2016年~2018年の3年連続、ファンデルポールがファンアールトに敗れたのは一体どういう理由だったのだろうか?
振り返ってみると、概ね以下のような展開があったようだ。
2016年(ヒュースデン=ゾルダー)
ダブルキャンバーでスリップして失速、足を地面に着こうとしたそのとき、前にいたファンアールトの前輪のスポークの間に、ファンデルポールのシューズがはまり込んでしまった。
大きくタイムロスした2人は先頭を走るラース・ファンデルハールを追いかけるが、ファンデルポールはすでに集中力を欠いておりミスを連発。一方のファンアールトはその差を埋めてファンデルハールを追い抜き、優勝した。
ファンデルポールは最終的に3位争いも放棄。最終的にはケヴィン・パウエルスとスヴェン・ネイスにも抜かれ、5位に沈むこととなる。
2017年(ベルヴォー)
1周目終了時点から独走態勢を築いたファンデルポールに対し、膝に懸念を抱えていたファンアールトは序盤から遅れ気味。しかし痛みに耐えながらも徐々にファンデルポールとのタイム差を縮めていき、30分経過したタイミングでファンデルポールがパンク。バイク交換のタイミングで2人が合流した。
さらに、ラスト3周といったところでファンデルポールの後輪が再びパンク。しかもピットまでも遠く、このタイムロスが決定的なものとなった。
2018年(ファルケンブルフ)
27戦26勝という圧倒的な勝率を誇りながら臨んだファンデルポール。だが、序盤からオーバーライドやバランスを崩しかけるなどの大小のミスを連発。2周目には泥区間を利用して一気にファンアールトが抜け出しにかかり、そのまま独走を許してしまう。
そうして、ファンデルポールは精神的に大崩れ。最終的には3位に沈む結果となってしまう。
何か、今期の敗北と共通する部分を感じないだろうか?
「パンク」と、「彼らしくないミスの連発」。
実力によって敗北したわけではない、ということもできるだろう。
一方で、世界選手権という最も重要な局面で、その実力を出し切れないことがあまりにも多すぎるのではないだろうか?
もちろんこれは、彼がオランダ人であり、男子シクロクロス界の上位をほとんど占有するベルギーチームがその組織力を生かすことで、通常のレースと比べても世界選手権においてはファンデルポールに対して優位に立てている、という事実もあるだろう。
しかし、果たして本当にそれだけか?
どんなに順調でも、どんなに強くても、これまでの実績を踏まえ、世界選手権という舞台においてこの「勝率90%の男」がその10%を引いてしまう、そんな予感すら感じさせている。
一方、ワウト・ファンアールト(チーム・ユンボ・ヴィズマ)は、着実にその調子を取り戻しつつある。
元々、今シーズンはマチュー・ファンデルポールよりも一足先にシクロクロス入りしたものの、その当初の成績は決して望ましいものではなかった。
初戦のX2Oトロフェー第2戦「コルトレイク(アーバンクロス)」とその翌日のUCIワールドカップ初戦「ターボル」ではエリ・イゼルビットやマイケル・ファントーレンハウトといった、シクロクロス専属ライダーの中ではトップクラスの選手たちに完膚無きまでに叩きのめされ、連日3位。
さらにその翌週のスーパープレステージュ第5戦「ボーム」では、2年前のUCIワールドカップやベルギー選手権で鎬を削ったトーン・アールツにも敗れ、4位。表彰台すらも失う結果となってしまった。
激動のロードレースシーズンからシクロクロスシーズンへの切り替わり直後という意味では、仕方のない結果のようにも思えた一方、その1週間後のX2Oトロフェー第3戦「アントウェルペン(スヘルデクロス)」では同じ状況にあったはずのマチュー・ファンデルポールがいきなり強さを見せつけて圧勝したことを思うと、「今年もファンアールトはファンデルポールには敵わず、世界王者の座も結局また奪われてしまうのではないだろうか」と、この時点では多くの人が感じていたはずだ。
しかしその後、ファンアールトが例年のルーチンとして行っているスペインでのミニキャンプを経て12/20のUCIワールドカップ第2戦「ナミュール(シタデルクロス)」に帰ってきたとき、彼は彼本来の力を取り戻していた。
このときの一戦は、今シーズン最高峰の一戦であった。ロードレースと合わせても、今期記憶に残る激戦だったと言えるだろう。
その後のワウト・ファンアールトは、マチュー・ファンデルポールに匹敵する勢いを持ち始めた。
すなわち、12/20からの10戦中、5勝。勝てなかったときも2位を確保。前述の通り、ファンデルポールに対しても3度、勝利している。
その勢いは、安定感は、年が明けてなおより増しているようにすら見える。1/10のベルギー国内選手権でも3年ぶりに勝利し、世界選手権に勝った年では常に来ていたベルギーチャンピオンジャージを着用するという、ジンクス的にも望ましい状況に。
この間に彼の第一子が誕生したことがまた、精神的に彼を高みに登らせているのかもしれない。
そしてこのワウト・ファンアールトにはマチュー・ファンデルポールを上回っているものが1つある。
それは、勝利への執念。ときに、勝ち負けが決まってしまっているときでさえ、なおも食らいつこうとするその貪欲さである。
たとえば、かつて彼が世界選手権でマチュー・ファンデルポールに敗北した2015年。このとき彼は度重なるメカトラブルに見舞われてかなりのビハインドを抱えていたものの、最終周回にはファンデルポールに追い付くほどの気迫を見せていた。
2019年にも彼は敗北したが、このときは元所属チームとの法的ないざこざが年末まで続いており、精神的にも疲弊。3大シリーズ戦でも苦戦を強いられていたことは当時の記事からも読み取れる。
そんな中迎えた世界選手権では細かなミスを連発し、対するファンデルポールは絶好調のシーズンそのままの無駄のない完璧な走りでファンアールトを突き放していった。
しかしこのときもまた、ファンアールトは執念を見せる。大会最速ラップを記録し、一時はファンデルポールに迫る瞬間を迎えたのである。
結局はまたミスが細かく発生し、最後には敗れることになるのだが、ファンアールトという男の執念を見た瞬間だった。
そして何よりも、2020年。半年前のツール・ド・フランスで、選手生命すら脅かされかねない大事故を経験した彼は、その後辛く苦しいリハビリを経て、奇跡の復活を遂げた。
当然、全力など出せるはずもない。だがそれでも彼は、2月のシクロクロス世界選手権で4位に入る走りを見せてくれた。
その半年後の、ストラーデビアンケ、そしてミラノ~サンレモでもまさかの勝利と、ツール・ド・フランスでの活躍。
彼は、彼こそはあらゆる逆境を乗り越え、そしてさらに強くなっていく「執念の男」である。
そしてそれは、直近のX2Oトロフェー第6戦「ハンメ(フランドリアンクロス)」でも見せてくれた。
このときは、序盤から早々にマチュー・ファンデルポールに突き放されてしまい、一時はフィニッシュラインで20秒近いタイム差をつけられてしまっていた。
しかしそこから、ファンアールトは追い上げを見せる。届かないのは分かっていても、それでも彼は1秒でもタイム差を縮めることに全力を尽くし、結果、最終的にはわずか7秒差でのフィニッシュを果たすこととなった。
一方のマチュー・ファンデルポールが翌日のUCIワールドカップ最終戦「オーベレルエイセ」でパンクもあってファンアールトに勝てないと悟った瞬間にずるずるとタイム差を開いていき、最終的に1分差にまで広がってしまっていたのとは、対照的である。
どちらがいいとは言えない。勝てない勝負に無駄な力を使う必要はないだろう。また、ファンデルポールもまた、2019年の世界選手権で見せたような、執念の走りができる男である。今期最大の目標である世界選手権に向けたクレバーな走りに徹したと見ることもできる。
あくまでもフィジカルでは、マチュー・ファンデルポールの方が上手であるように思える。
しかし、どこか、最後のピースを埋めるのは、もしかしたらフィジカルな部分だけではないものなのかもしれない。
そのとき、勝利の女神はこの男、ファンアールトに微笑む可能性は、十分にあるのではないだろうか。
まとめ・日程と視聴可能メディアの確認
結局、世界選手権ではブラントが勝つのか、アルバラードが勝つのか。
ファンデルポールが勝つのか、ファンアールトが勝つのか。
最後の最後、世界選手権前の最後の2連戦を経て、より一層、その行方が分からなくなってしまった、そう思わざるを得ない。
もちろん、デニーセ・ベツェマ、あるいはトム・ピドコックといった、「第3軸」の存在もありうる。ただ、ちょっと男女ともトップ2が圧倒的過ぎていて、彼女らは3位争いに終わってしまうような気もする。
その分、このトップ2のどっちが勝つのか、本当に分からない。今年のシクロクロス世界選手権は、実に楽しみすぎる状況になりつつある。
さて、そんな大注目のシクロクロス世界選手権だが、日程と視聴可能メディアを最後に確認しておこう。
まずは日程は以下の通りである。
1/30(土)
- 日本時間21時35分~ U23男子
- 日本時間23時15分~ エリート女子
1/31(日)
- 日本時間21時35分~ U23女子
- 日本時間23時15分~ エリート男子
※今年はジュニアは開催されず。
日本での視聴についてだが、まずは例年通りUCIの公式Youtubeにて、英語実況ではあるが無料で視聴できるはずである。
また、GCN Race Passに有料で登録することによって、小俣 雄風太氏による日本語実況を聴けるかもしれない・・・と思っていたのだが、GCN Race Passを見ると、これまでのシクロクロスレースには "Available in Europe and Japan"と記載されているところが、世界選手権については "Available in Europe"としか書かれておらず、もしかしたらGCN Race Passでは世界選手権までは観られないかもしれない。
また、小俣氏のTwitterでも、以下のような、まるで今期の実況はこれで終わりであるかのようなツイートをしているため、やはり観られないし、観られたとしても日本語実況はなさそう・・・な気がしている。
大好きなシクロクロスを、それもワールドカップの実況機会をシーズンを通していただき、また #GCNJapan でご視聴いただきありがとうございました。色々拙く課題も多いですが、もっとこの競技の魅力を伝えられるよう努力します。まずは自分がレースに出るところから… ありがとうございました!
— yufta omata (@yufta) January 24, 2021
それでもたぶん、Youtubeでは観られるので、日本語実況がなかったとしても、ぜひ視聴してほしい。
それくらい、今年のシクロクロス世界選手権には価値がある。
そんな皆さんにとって、このプレビュー記事が少しでも参考になれば、幸い。
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