Class:ワールドツアー
Country:ベルギー
Region:ウェスト=フラーンデレン州
First edition:1958年
Editions:62回
Date:3/29(金)
3月最後の金曜日は「ロンド・ファン・フラーンデレン前哨戦」E3!
昨年までは「E3・ハーレルベーケ」と呼ばれていたこの大会は、ロンド・ファン・フラーンデレン本戦でも勝負所となる「オウデクワレモント」や「パテルベルク」などが登場する。
昨年はまさにロンドを占うかのような展開が巻き起こった今大会。
今年も、ロンドに向けた各選手の状態を見るうえでも必見のレースだ。
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レースについて
長年、ロンド・ファン・フラーンデレンの前哨戦として注目を集め、数多くの有力クラシックハンターに勝利を導いてきた名レース。
E3とは60年代に建設されたフランスとアントワープを結ぶ主要高速道路の名前(現在はA14)で、かつてはE3・プライス・フラーンデレンと呼ばれていた時期もあった。
同時期・同地域で行われている各種クラシック(ロンド、オンループ、ヘント~ウェヴェルヘムなど)は「フランダース・クラシック」という共通の主催者によって開催されているが、このE3は別の主催者による。
名称は変わったものの今回もハーレルベーケの街を発着するのに変わりはない。
今年の全長は204km。
毎年の最初の勝負所となるのは残り80kmを過ぎたところで現れる「タイエンベルク(登坂距離650m、平均勾配9.5%)」。
かつての名選手トム・ボーネンが好んでアタック所にしていたポイントで、「ボーネンベルク」とも呼ばれている。
昨年・一昨年はクイックステップの動きによってここで決定的な集団が形作られており、それはおそらく今年も変わらないだろう。
ここで(逃げを除いた)先頭集団に入り込めなければ、そこでレースが終了してしまうと言っても過言ではない。
タイエンベルクに入る直前の位置取りにも注意しておきたい。
昨年はランパールトとテルプストラがここで抜け出し、テルプストラの逃げ切りのきっかけとなる。
残り43kmから始まるパテルベルク(登坂距離700m、最大勾配20%)とオウデクワレモント(登坂距離2.2km、最大勾配11%)の連続登坂はさらなる集団絞り込みの舞台となる。
2年前はここでジルベール、ファンアーフェルマート、ナーセンの3人に絞り込まれ、最後のスプリント勝負となった。
3年前はこことその後の残り30.5km地点カルネメルクベークストラート(全長1.5km、最大勾配7.3%)でサガンとクウィアトコウスキーが抜け出した。
上記の3~4つの勝負所で大きな動きができたうえで、最後に残った小集団によるスプリント勝負が期待されるE3。
今年も、昨年同様にクイックステップがレースを支配してしまうのか。
それとも、そこにテルプストラやファンアーフェルマートらが喰らいつけるか。
以下、注目の7チームを紹介していく。
注目チーム
1~.ディレクトエネルジー(DEN)
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昨年優勝者テルプストラがエースナンバー。プロコンチネンタルになったとはいえ、今年も北のクラシックで積極的な動きを見せる。さすがに古巣クイックステップの組織的な動きには苦戦するようで、クールネ~ブリュッセル~クールネ、ル・サミン共に3位。しかしチーム体制は決して悪くないことはうかがえる。
元ルームポットのリヒハルトは今年ロンド・ファン・ドレンテで優勝。ゴダンは昨年テルプストラにしてやられて3位になった男で、「プティ・パリ~ルーベ」の異名でも知られるトロ・ブロ・レオンでも2位になっている。
11~.ドゥクーニンク・クイックステップ(DQT)
ランパールト・・勝利は昨年のドワースドール連覇と国内選手権勝利以来ないが、今年もオンループ7位、 クールネ~ブリュッセル~クールネ5位と勝負所に必ず残る安定感が素晴らしい。
ジルベール・・彼自体がいつ爆発するか分からない危険物にも関わらず、彼に警戒しすぎると他の選手に行かれるしそれを全力でサポートする。チームメートには嬉しいライバルには憎らしい。ゴール前アタックにも注意。
ユンゲルス・・一度独走を開始するともう手がつけられない。スプリンターズクラシックとか北のクラシックの定石を覆して自分の勝ち方に染め上げる。危険物。
スティバル・・仲間のためにライバルのアタックを率先して封じ込める役割。オンループではこれが功を奏して最終列車に。そこでしっかり勝つんだから彼もやっぱりエースだ。チームではNo.1ではないけれど、油断できない相手だから怖い。
デクレルクもセネシャルも仕事人。今回もクイックステップ劇場が期待できる。
21~.ロット・スーダル(LTS)
昨年5位のベノート。今年はオンループで悔しい落車を経験するも、昨年3位だったストラーデビアンケを今年も5位と悪くない。
またクークレールも今年オンループ11位、KBK7位。オリカ・スコット時代はストラーデビアンケの終盤で前に出たことも。今大会も終盤でアタックする姿を楽しみにしたい。
若手・・とはそろそろ言えなくなってきているフリソンは昨年のドワースドール・ウェストフラーンデレンで3位。
31~.CCCチーム(CPT)
図らずもチームの大黒柱な存在となったファンアーフェルマート。へし折れれば家屋全体が崩れるという意味でも。
残念ながらここまでのクラシックではほぼファンアーフェルマートの単騎での戦いとなっている。そこまでの道程で力を尽くしてくれている結果なんだろうけれど、どうしてもドゥクーニンクのチーム力と比べると差を感じてしまう。
ファンアーフェルマートの選択肢を広げるためにも、昨年オンループ2位のヴィシニオウスキーや、ファンアーフェルマートの推薦で加入した元ワンティのファンケイルスブルックなどがしっかりと終盤まで残ってほしいものだ。
41~.AG2Rラモンディアル(ALM)
なかなか勝ちきれないナーセン。しかしミラノ~サンレモではきっちりと最終列車に飛び乗った。 勝負所への入り方は上手くなっており、昨年のブルターニュ・クラシック優勝、パリ~ツールでも追走集団の先頭を取り、今回のミラノ~サンレモでもサガンに勝った。小集団スプリントでは十分に勝機のある男だ。
昨年ルーベ2位のディリエにも注目。基本はアルデンヌ系に強い彼だが、突然の爆発力は脅威なので、オウデクワレモントなどでのライバルチーム攪乱に期待できる。
ファンデンベルフは今年ル・サミン6位。
51~.ボーラ・ハンスグローエ(BOH)
ボドナール、ブルグハート、ドリュケール、オスと最強ルーラーたちを従えた万全の体制。
あとは、サガンのやる気次第。
61~.チーム・ユンボ・ヴィスマ(TJV)
オンループでは苦しいところを見せていたファンアールトが、ストラーデビアンケでは一度遅れたところからまたさらに追い付くなどの執念を見せ、さらにはミラノ~サンレモでも最終集団に喰らいつく! 昨年以上の走りを見せていると言っても過言ではない。
テウニッセン、ファンデルホールン、ファンポッペルと、スプリント力の高い選手も揃っているのが印象的。とはいえその力が発揮される場面は今大会では難しいだろう。。。一応みんな、クラシックも走れるタイプのスプリンターではあるけれど
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