りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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2019-2020注目移籍情報まとめ(随時更新)

いよいよ8月1日をもって正式に解禁となった移籍市場。

すでにいくつかの話は噂として出てはいたが、その中でも公式で発表された移籍ニュースのうち、一部の注目選手たちについて紹介していく。

 

最新情報は随時更新していく予定。来年のロードレースシーンを展望するうえでも、ぜひ参考にしていただきたい。 

※年齢はすべて2019/12/31時点のものとなります。

 

 

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AG2Rラモンディアル(フランス)

ヴェンドラーメを獲得

今年のジロ・デ・イタリアで活躍したアンドローニ・ジョカトリの有力選手の1人、アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、25歳)

脚質としてはパンチャータイプで、今年はGPインダストリア&アルティジアナート3位、GPデュ・カントン・ダルゴヴィ5位、イタリア国内選手権ロード5位など、パンチャー向けレース各種で成績を残している。

一方、ジロでは山岳逃げに積極的。チャベスの勝った第19ステージでも、一度遅れたと思ったら最後には復活して区間2位。メカトラにもめげずの驚きの成績だった。

また、ツアー・オブ・スロベニアでも(チャベスより上位の)総合5位と、クライマーとしての素質も見せている。まだ今年25歳と若いのに、有望である。

どちらかというと元気に山岳エスケープを試みる、ある意味、AG2Rにはぴったりなタイプと言える。役割はもしかしたらあまりアンドローニ時代と変わらないかも。ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアで積極的に逃げ、今度は勝利を掴み取って見せよう。 

 

 

バーレーン・メリダ(バーレーン)

ランダを獲得

今年イサギレ兄弟を放出し、来年ニバリを放出するこのチームにとって、次のエースとして考えて手に入れるのが現モビスターのミケル・ランダ(スペイン、30歳)だ。ランダにとっても、自らが唯一絶対のエースになれる念願のチャンスと言えるだろう。

バスク人のランダは2011年にエウスカルテル・エウスカディでプロデビュー。2014年からは2年間アスタナ・プロチームに在籍し、2015年にはエースのファビオ・アルのアシストとして、ジロ・デ・イタリアでは区間2勝と総合3位、ブエルタ・ア・エスパーニャでも区間1勝を成し遂げている。

2016年にはチーム・スカイに移籍。エースとして出場したジロではなかなか結果を出せなかったものの、2017年のツールではクリス・フルームのアシストとして目覚ましい活躍を見せ、総合4位に登りつめる。

2018年からはモビスター・チーム。今年はジロでエースとして走りつつ、後半では総合首位に立ったリチャル・カラパスをアシストしつつ自らも総合4位に入った。ツールでも総合6位。

これまでなかなか唯一のエースとして走る機会に恵まれずにいた彼が、今度こそ、エースとして最も優先される存在になることを認められそうだ。ただこれまで、アシストとして走ったときのほうが良い走りを見せられている男なので、果たしてどうなるか。

また、バーレーンのアシスト体制にはやや不安が残る。アスタナ所属のペリョ・ビルバオの移籍なども噂されているが、そういった補強が合わせて必要となるだろう。

 

 

CCCチーム(ポーランド)

トレンティンを獲得

昨年シーズン途中の突然のスポンサー離脱、そしてそこからの新スポンサー獲得難航の経緯もあり、大量の戦力流出と移籍市場での大幅な出遅れを経験したこのチームは、今年の移籍市場においてはどのチームよりも強い意欲を持っているはずだった。

その第一報として出てきたのが、ミッチェルトン・スコットのクラシックエース、マッテオ・トレンティン(イタリア、30歳)である。これは正直、絶妙な補強だったように思われる。

CCCチームのエース、グレッグ・ファンアーフェルマートはすでにパリ〜ルーベも制しており、非常に優れたクラシックハンターであることは疑いようがない。そして、ファンケイルスブルクやウィシニオウスキーなど、CCCチームの抱えるクラシックスペシャリストたちも高い能力を持った選手たちが揃ってはいる。

しかし、それでもやはり力不足だった。ドゥクーニンク・クイックステップやその他の有力ワールドツアーチームに対抗するためには、せめてもう1人、ファンアーフェルマートと並ぶだけの実力をもったクラシックハンターの存在が必要不可欠であった。

それはトレンティンにとっても同様だった。ミッチェルトン・スコットも、その意味でクラシックスペシャリストに不足していた。ルーク・ダーブリッジも期待できる存在だったが、彼も負傷により今年の北のクラシックは欠場することとなった。

ゆえに、CCCチームもミッチェルトン・スコットも、今年の北のクラシックは「エースは強いのに・・・」という状態が続いていた。

その中での、トレンティンのCCCチーム移籍。そしてファンアーフェルマートとの合流。これは、双方にとって益を生み、そしてチームに大きな成果をもたらしうる完璧な補強だったように思う。

ただ、まだまだ力不足は否めない。総合系選手の不足もまだまだ深刻だ。CCCチームの更なる戦力補強が待たれる。

 

ザッカリンを獲得

そして移籍情報第2弾は、チーム待望の総合エース、イルヌール・ザッカリン(ロシア、30歳)! 

2015年より「ロシア籍」チーム、カチューシャで活躍し、2017年にはジロ・デ・イタリア総合5位、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位と、グランツール総合争いに加わる実力の高さを見せつけた。ステージ優勝もジロで2回、ツールで1回。

しかし近年のカチューシャがマルセル・キッテルをうまく使いこなせなかったように、もう1人のエースであった彼もまた、十分にその力を発揮させることができなかった。それが彼の問題なのか、チームの環境なのかはわからない。いずれにせよ今回彼は移籍を選んだ。それが彼にとって、大きなプラスになればよいのだが。

CCCチームは山岳アシストは地味ながら良い選手が揃ってはいる。ゲシュケ、テンダム、ツォイドル、アントゥネス、デマルキ、デラパルテ、パウェルス、ロスコフ・・・。ただ、中心となるべき選手だけが欠けていた。

このザッカリンが新生CCCチームを引っ張り上げ、新たな希望の星として輝くことを強く強く願っている。

 

 

コフィディス・ソルシオンクレディ(フランス)

ヴィヴィアーニとサバティーニを獲得

プロコンチネンタルチーム最強格の一角であるこのチームにとって、ツール・ド・フランスでの勝利は悲願であった。高いサラリーを払いながらナセル・ブアニを抱え続けていたのはそのためであったが、彼はそれを成し遂げることができなかった。ブアニを超える存在としてのクリストフ・ラポルトにも期待したが、彼の2年間のチャレンジも結果を残すことはできなかった。

そこでこのチームは、ブアニを放出することで得た資金的余裕を用いて、世界トップスプリンターの1人エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、30歳、現ドゥクーニンク・クイックステップ)とその最強発射台の1人ファビオ・サバティーニ(イタリア、34歳)とを獲得することに決めた。

ヴィヴィアーニは2018年シーズンはジロ4勝ブエルタ3勝といずれも最多勝を獲得。年間18勝と、シーズン通して最強であることを示した。2019年シーズンはジロ・デ・イタリアの降格処分を受けてからどこか歯車が噛み合わない感じがしてジロ0勝ツール1勝に留まるが、年間勝利数では8まで伸ばしており、先日のライドロンドン・サリークラシックも昨年に続く連勝を記録している。

もちろん、この成績はクイックステップというチームにいたからというのはあるかもしれない。だが、今回は盟友サバティーニを連れ立っての移籍であり、キッテルのような悲劇には陥りづらいとは思っている。

また、UAEチーム・エミレーツから同じイタリア人の若手有望スプリンター、シモーネ・コンソンニも獲得するという噂も立っており、ヴィヴィアーニのための体制作りはしっかりと進められそうだ。コフィディスのワールドツアー化の可能性もある。

 

マルタンを獲得

こちらも注目のニュースである。元ワンティ・グループゴベールのフランス人エース、ギヨーム・マルタン(フランス、26歳)。昨年・一昨年は正直、期待されていたほどの活躍はできていなかったが、今年はついにツール・ド・フランスで総合12位と躍進。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでも勝利まであと一歩というところにまで迫っており、成長著しい男だ。

そんな彼がいよいよフランスチームのエースに。コフィディスもこれまで、フランス人総合エースにはなかなか恵まれてこなかった。今年もスペイン人のヘスス・エラダがエースだ。だからこそ来年は、しっかりと実力と実績のあるフランス人エースを迎え入れることは非常に重要。目指すは総合TOP10入りである。

 

コンソンニを獲得

こちらも噂が真実となった。イタリアの若き野心家のスプリンターであり、今年は新加入のフェルナンド・ガヴィリアの発射台としても活躍してくれたシモーネ・コンソンニ(25歳、現UAEチームエミレーツ)の獲得である。 

彼の面白いところは、十分にエースを張れるだけの足を持っているがゆえに、単純な発射台としては留まらず、隙あらば自ら勝利を狙って行こうとする姿勢である。つい昨日まで開催されていたツール・ド・ポローニュでも、そんな場面が見られていた。

若くアグレッシブなその姿勢は、チームにとっても大きな刺激となるだろう。同じイタリア人のヴィヴィアーニ&サバティーニを支えつつ、ラポルトなど既存のエーススプリンターたちともうまく絡み合いながら、チーム全体でスプリント勝利を量産していってほしい。コフィディスがワールドツアーに昇格すれば、ジロ・デ・イタリアなどでエースを任される可能性はあるだろう。

2020年はコフィディスがツール・ド・フランスでのステージ勝利を量産する年になれるか。

 

 

ドゥクーニンク・クイックステップ(ベルギー)

カッタネオを獲得

今年のジロで活躍したアンドローニの強力クライマー陣の1人、マッティア・カッタネオ(イタリア、29歳)。今年のジロのイル・ロンバルディアステージ(第15ステージ)で、アスタナのカタルドに惜しくも敗れるも、2位につける大健闘を見せた。

そんな彼が来季はクイックステップの手薄な山岳アシストに。アラフィリップやエヴェネプールなど、総合を狙う選手も増えていく中で、彼の存在は貴重だ。

あるいは、シャフマンが今年からチームを離れてしまったのに対し、グランツールでの山岳逃げ要員の新たな可能性としても期待できるかも。そのあたりはイギリス人若手ノックスなどにも期待したい役回りだ。

 

 

ミッチェルトン・スコット(オーストラリア)

ゼイツを獲得 

衝撃のニュースである。アスタナを離れることはないと思っていたカザフスタン人が、まさかの他チーム移籍。とくにこのアンドレイ・ゼイツ(33歳)という男、アスタナでプロデビューを飾ってから12年にわたり、18回のグランツールに出場し、ヴィンツェンツォ・ニバリの2回のジロ制覇とファビオ・アルのブエルタ制覇とを支えたチームの超重要アシストなのである。 

噂にはカザフスタン車連との不仲という話もあるようだが・・・果たして。

 

もちろん、ミッチェルトン・スコットにとってはこの上ない大きな獲得である。経験も実力も申し分のないこの名アシストの獲得により、イェーツ兄弟やチャベスのグランツール総合優勝に向けて更なる補強が完遂される。

トレンティンの放出もあり、さらなるグランツール集中型チームへの変貌を狙うミッチェルトン。果たして、うまくいくか?

 

 

モビスター・チーム(スペイン)

マスを獲得

個人的には今回の移籍の中でも特に注目したいディールの1つ。エンリク・マス(スペイン、24歳)の獲得。モビスターとしてもキンタナ、ランダ、カラパスを輩出し、丹念に育ててきたマルク・ソレルと共にこの若き才能をエースに据える。純スペイン、そして若手を中心にした新総合体制にベテランアシスト陣を添えて、新たな気持ちでグランツールを狙いにいく。そしてそれは成功する確信をもっている。トリプルエースとか、ウンスエも正直持て余してる感あったからなぁ。

マスにとってもこれは大きなチャンス。クイックステップはとても良い環境だったが、やはり総合を狙うには不向き。いつかは輩出されるだろうし、それが早いか遅いかの違い。じっくり腰を据えて経験を積み、数年後のグランツール頂点を確実に目指していこう。

 

カタルドとヴィレッラを獲得

ソレル、そして新獲得のマスと、新たな若手エースを中心にグランツール総合狙いの態勢を組み上げなおしつつあるモビスターが、彼らを支える超強力なアシストを2名獲得した。いずれもアスタナ・プロチームからのイタリア人、ダリオ・カタルド(34歳)ダヴィデ・ヴィレッラ(28歳)だ。

カタルドはリクイガス→クイックステップ→スカイそしてアスタナと変遷し、ジロ・ブエルタを中心に合計で19回のグランツールに出場。主に山岳アシストに徹するも、今年のジロの「ロンバルディア」ステージで念願のジロ初勝利を遂げた。イル・ロンバルディア本戦でも13位や16位といった成績を残している。

ヴィレッラはU23版イル・ロンバルディアの覇者としてキャノンデールでプロデビューを果たし、以後イタリアの秋のクラシックでは好成績を連発。イル・ロンバルディアも2016年に5位に入り込んでいる。

その2016年にはジャパンカップを制したことで日本での人気も高い。2017年にはブエルタ・ア・エスパーニャで山岳賞を獲得し、解散危機に揺れるチームを励ます働きをしてみせた。

アスタナに入ってからは山岳アシストとして活躍。2017年・2018年はジロ・ブエルタに両方出場し、チームから重宝されている存在だ。

 

カラパスが抜け、ウィネル・アナコナも抜けることがほぼ決まっているモビスターにとって、この2人の加入はかなり心強い。と同時に、チームのスペイン語圏中心主義からの脱却も象徴しており、このチームは今、確実に変革の時を迎えようとしている。

 

 

チーム・サンウェブ(ドイツ)

ズッタリンとデンツを獲得

デュムランを頂点に置くドイツ籍総合系チームは、2020年に向けた補強の第一手として2人のドイツ人を手に入れた。モビスター・チームに所属していたヤシャ・ズッタリン(27歳)と、AG2Rに所属していたニコ・デンツ(25歳)である。

ズッタリンはTTスペシャリストとして高い才能を持つほか、終盤アタックからの独走などを得意とする。そして2人とも、タイプとしては北のクラシック向け。北のクラシック要員に乏しいサンウェブにとっては的確な補強とは言える。

ただ、2人とも北のクラシックにおいてはまだまだ即戦力ではない。ニューウェンハイスやヒルシ、クラークアナスンらと共に、しっかりと育てて使い物にできるかどうか、チームの力量が試されている。

 

ベノートを獲得

こちらも驚きの移籍。ロット・スーダルの柱の1つとして、チームが手薄の北のクラシックやステージレースを支えるものと思われてきたティシュ・ベノート(ベルギー、25歳)が、 サンウェブへの電撃移籍を決めた。

ベノートはネオプロ時代の2015年にいきなりロンド・ファン・フラーンデレンで5位に入り大注目を浴びた選手。しかし以後、高まりすぎた期待に対し、なかなか勝利を得られずにいたところで、2018年についにプロ初勝利。しかも、ストラーデ・ビアンケでの勝利というビッグウインとなった。

その脚質は北のクラシック向きともアルデンヌ・クラシック向きとも判断がつかず、さらにいえば昨年のティレーノ~アドリアティコ総合4位や今年のツール・ド・スイス総合4位など、本格的な山岳を含むステージレースでも上位に入り込めるというさらに謎な脚質をもっている。

今後、サンウェブがどういう方向を目指して彼を育成していくのか、興味が尽きない。その溢れ出る才能を扱うのは一筋縄ではいかないはず。うまく大成させてくれよな!

 

 

トレック・セガフレード(アメリカ)

ニバリ兄弟を獲得

兼ねてより確定的な噂となっていた3大グランツール覇者ヴィンツェンツォ・ニバリ(イタリア、35歳)のトレック入りが公式発表された。2010年にブエルタ、2013年にジロを制覇し、2014年にはツールも制して史上6人目の3大グランツール制覇者となった(現在はフルーム含め7名)。

2016年には2度目のジロ制覇を果たし、今年も総合2位。モニュメントも2015年・2017年にイル・ロンバルディアを制して2018年にはミラノ〜サンレモも優勝するなど、各方面で活躍する現代イタリア最強の選手である。ジロからの連戦となった今年のツールでも最終山岳ステージで絶妙な逃げ切り勝利を果たすなど、とにかく勝負の運び方が上手い。

トレックにはすでにリッチー・ポートがいるため、おそらくジロはニバリ、ツールはポート、のように棲み分けはすると思う。チッコーネやベルナールなどの若手クライマーも少しずつ育ってきているので、彼らの育成役としての役割にも期待したい。

また、バーレーン時代に合流した弟アントニオ・ニバリ(イタリア、27歳)も一緒に移籍。元々はプロコンチネンタルチームのNIPPOで走っていた彼だが、山岳ステージでの逃げやジロ・デッレミリアでの強力な牽引など、一定の成果を上げている。昨年のツアー・オブ・オーストリアではついにプロ初勝利。

今年も第一線とまで言わなくとも活躍に期待したい。「ヴィンツェンツォの弟」としてではなく、「アントニオ・ニバリ」として。

 

 

UAEチーム・エミレーツ(アラブ首長国連邦)

マクナルティとビョーグを獲得

現代アメリカ若手最有力選手の1人、ブランドン・マクナルティ(21歳、現ラリーUHCサイクリング)。すでに今年からワールドツアーチーム入りを囁かれていたが、本人のもう少し母国チームでの経験を積みたいという意思もあり、プロコンチネンタルに留まっていた。

そんな彼を手に入れたのはUAEチーム・エミレーツ。今年、ラヴニール覇者タデイ・ポガチャルを獲得し、早速ツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝など目覚ましい成果を出しているこのチームで、マクナルティもまた、大きく羽ばたくことができるか。

2017年世界選手権U23個人TT銀メダリスト。2018年にはドバイ・ツアーのハッタ・ダムステージで「残り50m」まで逃げたことで一躍有名に。今年も大逃げによりジロ・デ・シチリアを制しており、その独走力が最大の武器である。

また、登坂力においても才能を見せ、昨年のツアー・オブ・カリフォルニアではサウスレイクタホ山頂フィニッシュなどでアダム・イェーツやタオ・ゲオゲガンハートに食らいつき区間4位。総合でも7位。その年のツール・ド・ラヴニールの山頂フィニッシュではイバン・ソーサやポガチャルと勝利を争い、気の早いガッツポーズさえなければ彼らを差していたはずだった。

よって、オールラウンダーとして類稀なる才能を持つ男と言える。ポガチャルと並ぶ次代のエース候補だ。

もう1人、注目を集める移籍情報が、ミッケル・ビョーグ(デンマーク、21歳、現ハーゲンスバーマン・アクセオン)の獲得である。彼もまた若手の有力選手であり、2017・2018連続でU23世界選手権個人TTを制している。すなわち、マクナルティを倒した男である。

ロードではまだ大きな成果を残していない彼ではあるが、今後のチームにとっても欠かせない機関車役として育ってくれることだろう。目指すは世界選手権エリートでの王者獲得である。

UAEは他にも、ジャスパー・フィリプセンやファンセバスティアン・モレーノ、トラック種目で活躍しているオリヴェイラ兄弟など、若手の才能を多く獲得している。

どうしてもダニエル・マーティンやファビオ・アル、フェルナンド・ガビリアなどの大物の存在が注目を浴びるが、プロトン随一の若手育成マインドを持つチームとして今後も期待していきたい。

 

リケーゼを獲得

昨年のツール・ド・フランスでガビリアの右腕として活躍したクイックステップの最強発射台の1人マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、36歳)。今年も、ともすればサバティーニ以上の強さを見せていた彼が、ガビリアのためにUAEに。チームとしては、コンソンニを失って空いてしまった穴を埋めるのに、十分すぎる戦力の増強となった。
今年は年初こそコンソンニやクリストフとのコンビネーションを発揮して、チーム移籍による急激な戦績ダウンからは免れていたように感じていたガビリアだったが、春の怪我が影響してジロを早期リタイア、ツールも欠場。そこから戻ってきた先日のツール・ド・ポローニュでも、何かかみ合わないというか、駆け出しが早すぎてゴールまで届かず失速する姿が目立った。
結果として今年は不調の年となってしまいつつあるガビリアだが、来年はこのリケーゼの力を借りて大復活を遂げられるか。

 

フォルモロを獲得

若手の超補強が目立つUAEだが、中堅どころの実力者もしっかり獲得。今年イタリアロード王者に輝いたアルデンヌ・クラシック・スペシャリスト、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、27歳、現ボーラ・ハンスグローエ)の獲得だ。
もちろん、ステージレースでの総合における活躍も期待できる選手。すでにダニエル・マーティンもファビオ・アルも在籍しているチームではあるが、いずれも安定感はなく絶対の総合エースとして据えるには不安が残る。むしろポガチャルの方が安心できるレベルだ。
フォルモロも総合エースとしてはまだまだトップクラスではないものの、これだけ総合を狙うメンツが揃っていれば、あとは噛み合いさえすれば大きな成績を期待することはできる。
そしてもちろん、本領発揮はアルデンヌ系クラシック。ダニエル・マーティンとタッグを組んで、荒稼ぎしてもらいたいところ。

 

 

イスラエル・サイクリングアカデミー(イスラエル)

マーティンを獲得

これも非常に驚きの移籍。マーティンは確かに今年のツール・ド・フランスは振るわず、総合18位と近年稀に見る大失敗を犯してしまったものの、それでもイツリア・バスクカントリー総合2位などまだまだ衰えない実力の高さを見せつけていたように思う。

だから今回のこの移籍は、彼の能力がピークを過ぎたからというネガティブな移籍ではなく、イスラエルが本気で獲りたいと願って無理をしてでも手に入れた移籍、と考えた方が良いのかもしれない。マーティンとしてもポガチャルやフォルモロなど次から次へと現れるチームへの総合系の新たな風に対し危機感を持っていたのもあるだろう。

問題はイスラエルが来期、グランツールへの出場権を得られるかが不透明なところ。

  

 

(以後、随時更新予定・・・)

 

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