ツール・ド・フランスのとき同様、自転車ロードレースシミュレーションゲーム「Pro Cycling Manager 2019」を使用して、コースのプレビューと共にブエルタの展開を「シミュレート」していく。
今回は前回と違い、スタートリストも実際のものを反映。ゼッケンNoまではさすがに同じにはできないが、全22チーム176名を再現したプロトンの中で、よりホンモノに近いシミュレーションをしていく。
今回選んだチームは「ミッチェルトン・スコット」。
3年ぶりに単独エースとしてグランツールに臨むエステバン・チャベスの総合を狙いつつ、最近調子の良いメスゲッツによるスプリント勝利も狙えるバランスの取れたチームだ。
エステバン・チャベス、悲願の3年ぶりグランツール表彰台を目指せるか。
それでは、やっていこう。
参考リンク
スポンサーリンク
第1ステージ ラス・サリナス・デ・トレビエハ 〜 トレビエハ 13.4㎞(チームTT)
初日はバレンシアナ州の保養地トレビエハを舞台とするオールフラットのチームTT。
全体的に直線基調ということもあり、純粋なTT能力が試されるシンプルなステージである。
ゲーム内で行われる勝利予想ではアスタナが1番。イネオスとユンボがそこに並び、ミッチェルトンは9番手となっている。
レース中は基本的に、チームのほぼ唯一の純粋平坦アシストであるビューリーにひたすら頑張ってもらう作戦。
ビューリーとホーゾンという2人のTT能力の高い選手に最大の25秒間牽きを命令し、その体力が尽きるまで頑張ってもらう。
おかげで中間計測段階では、第1中間計測で1位のアスタナに0秒差の2位、第2中間計測でアスタナ、CCCに次いで3秒差の3位とかなり好調を維持した。
だが、さすがに1kmを残してビューリーの体力が底を尽き、脱落。
しかしまあ、よく頑張ってくれた。
最終リザルトは以下の通りに。
最後の失速は全体のスピードにも影響をしてしまったのか、第2中間計測までの勢いからはぐっと落ち込んでしまった。
それでも総合におけるライバルであるアスタナ、ユンボ、イネオス、モビスターといった面々に、そこまで大きな差をつけられることなくゴールできたのは十分な成果だったと思う。
ホーゾンの体力がまだ残っていたので、他の選手の牽く時間はもうちょっと短くして、彼に振る時間をもう少し比重を高めてもよかったかもしれない。
総合優勝候補チームは概ねタイムを落とさずに済んだ初日のチームTT。
続いて、いきなりの丘陵ステージである第2ステージを見ていく。
スポンサーリンク
第2ステージ ベニドルム 〜 カルペ 199.6㎞(丘陵)
初日のチームTTに続き、いよいよラインレースが開幕する。
その初日からいきなりの、起伏多めの丘陵ステージ。
スタート直後に長めの2級山岳を登り、終盤にも登坂距離3㎞、平均勾配9.5%なんていう結構な厳しさを誇る山岳ポイントが用意されており、スプリンターたちが生き残るのは正直厳しいと思われるステージ。
ゲームが算出する優勝予想でもやはりバルベルデが1位。実際、こういったピュアスプリンターが残らない集団でのスプリントとなれば彼が最大の優勝候補であることは間違いない。
だが、ミッチェルトン・スコットとしてはここでメスゲッツによる勝利を狙って行く。
ピュアスプリンター同士のスプリントでは分が悪くとも、彼らが引きちぎられた先でのスプリントであれば十分に勝機がある。実際、今年のツアー・オブ・スロベニアも似たような感じだった。
ということでチームオーダーとしても、エースのチャベスとセカンドエースのニエベをグルマイとシュルツで守りつつ、メスゲッツにもパンチャーのスミスをつけて護衛させる。
スタート直後に生まれた逃げは6名。
カハルーラルのヨナタン・ラストラとクリスティアン・ロドリゲス、ロット・スーダルのカールフレドリク・ハーゲン、ブルゴスBHのアンヘル・マドラソ、ディメンションデータのルイス・メインチェス、コフィディスのジャスパー・ハンセン。
一応ディメンションデータの総合エースと思われていたメインチェスがいきなり逃げたことが少々驚きではあるが、エウスカディ・バスクカントリー以外のプロコンチネンタルチームも逃げに乗せた、初日らしい逃げのメンバーである。
序盤の2級と3級はいずれもハーゲンが先頭通過し、この日の山岳賞ジャージを確定させる。
ハーゲンは昨年までチーム・ジョーカーにいた、年齢は28歳ながら今年からワールドツアーデビューという遅咲きの選手である。
しかしそのパンチャー寄りの脚質はさすがノルウェー人といった感じで、今年のツール・ド・ロマンディの登りスプリントステージでも連日上位に入り込んでいた。
個人的に今大会注目の選手の1人。ゲーム内での早速の活躍が少し嬉しい。
最大で4分台までついていた逃げと集団とのタイム差も、後半に近づくにつれて徐々に縮小。
そして勝負所となる残り25km地点、登坂距離3㎞、平均勾配9.5%の強烈な2級山岳を前にして、そのタイム差は30秒近くにまで迫った。
13%を超える勾配を含むこの激坂で、メスゲッツも今にも千切れそうになりながらなんとか持ちこたえる。
集団も一時は30名程度にまで絞り込まれるが、やがて登り切ったあとの下りで合流し、80名程度は生き残ることができた。
逃げを完全に吸収したあと、残り10kmでピエール・ラトゥールがアタック。しかしこれはホセホアキン・ロハスを先頭にしたモビスター・トレインが逃がさない。
実際のレースでも、このあたりの距離からのアタックは起きそうだ。
あとは大きな動きが起きないままゴール前に。
南国の雰囲気を感じさせるトレビエハの街中を、シュルツ、そしてニエベに先導されながらメスゲッツも先頭に上がっていく。
そして、残り1kmを切って、スプリントを開始!
勝ったのは、CCCチームのパトリック・ベヴィン。
たしかに彼もまた、今年のツアー・ダウンアンダーでの活躍などからも分かるように、こういったシチュエーションのスプリントには強い選手だ。
2位はドゥクーニンク・クイックステップのゼネク・スティバル。ヤコブセンは脱落したのだろうか。
そして3位にメスゲッツが入賞! バルベルデも退けて、なんとか上位には食い込むことに成功した。
ハイライトを見てみると、早めのスプリントを開始したバルベルデの後ろに、このベヴィンがきっちりとついていたようだ。
そこからの2段階加速で、先頭を突っ切ることとなった。CCCチームに嬉しい6勝目をもたらす彼の勝利は、実際のレースでも実現するのだろうか。
本日のリザルトは以下の通り。
ロペスやフォルモロ、マイカといった総合勢も上位に入り込むリザルトは、この日がいかにスプリンターにとって厳しいステージだったかを物語っている。
なお、チャベスは終盤のカテゴリのついていない登りで一瞬後ろに取り残される事態に陥ったが、その後の下りと平坦でなんとか追い付き、タイム差なしでゴールできている。
毎回のゲームのコンディションはランダムで決定されるが、今回のゲームではチャベスのコンディションがやや落ち気味で、もしかしたらエースはニエベに交代した方が良いかもしれない。
このあたりはこの先の状況を見て判断していこう。
次回は平坦スプリントステージ。
スポンサーリンク