いよいよ今年のツールも開幕直前。
今回はそのツールの「予習」を兼ねて、先日発売されたばかりのProCyclingManager(以下、PCM)最新版、「PCM2019」をプレイしながらレポートしていきたいと思う。
使用するチームはEFエデュケーション・ファースト。
当然、本来はリゴベルト・ウランをエースとするチームではあるが、今回はあえて総合リーダーをティージェイ・ヴァンガーデレンに設定。
彼がかつて夢見たツール表彰台を、この手で実現することが今回の目標となる。
今回選んだ8名は以下の通り。
- ティージェイ・ヴァンガーデレン(オールラウンダー)
- セバスティアン・ランゲフェルト(ルーラー)
- ダニエル・マルティネス(オールラウンダー)
- アルベルト・ベッティオル(パンチャー)
- ローソン・クラドック(TTスペシャリスト)
- タイラー・フィニー(TTスペシャリスト)
- リゴベルト・ウラン(オールラウンダー)
- マイケル・ウッズ(クライマー)
ヴァンガーデレンをエースに、その脇をマルティネス、ウラン、ウッズのチーム最強格のクライマーたちで固める。マルティネスは新人賞候補でもある。
現実の世界ではマルティネスは怪我によりツール出場ができなくなってしまったが、ここではきっちりと活躍させてあげよう。
そして平坦アシスト・第2ステージのチームTT要員としてランゲフェルト、クラドック、フィニーをセレクト。ステージ勝利も狙えるパンチャーとして、ロンド覇者ベッティオルもメンバーに加えた。
バランスの取れた最強布陣。
この8名で、ヴァンガーデレンの総合表彰台を目指していく。
↓各ステージの詳細はこちら↓
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第1ステージ ブリュッセル~ブリュッセル 192km(平坦)
第1ステージは北のクラシックの聖地を舞台としたフラットステージ。
レース序盤に伝説の「カペルミュール」が登場するがステージの勝敗を決定付けるものではなく、3級山岳として登場し、初日の山岳賞を決めるうえでの重要なポイントとなる。
この日は集団スプリントで決まるため、ヴァンガーデレンら総合勢は静観の構え。余計な遅れが出ないことに気を遣うのみだ。
一方、初日の山岳賞というのはやはり取っておきたい。それがカペルミュールであればなおさらだ。
ということで、今日の作戦は、ロンド覇者ベッティオルを逃げに乗せ、カペルミュールとボスベルグを1番乗りさせて山岳賞を獲得すること。
それでは、レーススタートだ。
スタート地点に並ぶ選手たち。緊張の瞬間。
結構みんなバラバラ。ベッティオルが後ろの方にいるので、スタート直後はすぐに前の方に出さないといけない。
スタートから6kmほどでファーストアタック。カチューシャ・アルペシンのアレックス・ドーセットが積極的。そこにベルンハルト・アイゼル(チーム・ディメンションデータ)とマキシム・ブエ(アルケア・サムシック)が追随する。
なかなかプロトンも逃がそうとしてくれず、一瞬捕まりそうにもなったため、そこからアタック。その後も高速域でローテーションを回し、なんとか1分以上のタイム差を維持したまま、残り145km地点のカペルミュール(ミュール・ド・グラモン)へ。
カペルミュールへの登り突入と共に、ベッティオル、アタック。
教会に至る石畳の劇坂を独り駆け上がるベッティオル。
残る3名はすぐそこにまで迫っていたメイン集団に一気に飲み込まれた。
ベッティオルの勢いはすさまじく、メイン集団とのタイム差を1分40秒近くにまで広げながら、カペルミュールの頂上を通過。山岳ポイント2ポイントをゲットする。
続くボスベルグも独走のまま先頭通過し、この日の山岳賞獲得を確実なものとした。
一方その頃、エースのヴァンガーデレンはというと、カペルミュールの登りで完全に遅れ始めていた。
先頭のベッティオルに集中するためにプロトンの選手はすべてオート操作にしていたのだが、よりによって突入直前にプロトンの後方にいたこともわざわいし、狭い石畳の登りで前につっかえながら時速5kmとかで登る羽目になったヴァンガーデレン。
ウランとフィニーが前に行く中、ヴァンガーデレンとそれを守るランゲフェルトは先頭ベッティオルの通過から4分も遅れてようやく頂上へ。集団は無尽蔵にちぎれ始めていた。
残り127.4kmでようやくウランたちのいるメイン集団に追いついたヴァンガーデレン。
マルティネスやウッズはさらに遅れていたが、残り119.8km地点でなんとかこれも追い付くことができた。
さて、その頃先頭では単独でずっと逃げていたベッティオルに、CCCチームのギヨーム・ファンケイルスブルクとネイサン・ファンフーイドンクが追い付いてくる。
このあとさらにコフィディス・ソルシオンクレディのジーコ・ワイテンスが追いついてきて先頭は4名に。
残り77.6km地点の中間スプリントはそこから抜け出したベッティオルが先頭通過を果たした。
メイン集団の中間スプリント争いも白熱したが、先頭通過はカレブ・ユアン。続いてグライペル、サガン、ヴィヴィアーニ、ワルシャイドの順で通過することとなった。
先頭集団からはファンフーイドンクが脱落し、3名に。
そしてスタートから130km以上を逃げ続けてきたベッティオルも、残り59.2km地点の4級山岳(本番のツールでは存在せず)でいよいよ千切れることに。
先頭はファンケイルスブルクとワイテンスの2人だけとなった。
残り53.3km地点でベッティオル、捕まる。
お疲れ様。
そしてその後もずっと逃げ続けてきた2人も、いよいよ年貢の納め時。
残り21.5kmでファンケイルスブルクがワイテンスを切り離して最後のもがき。
しかしその27秒後方にはすでにメイン集団が迫ってきている。
ファンケイルスブルクの執念の逃げも残り19.2kmで吸収。
しかし、その頑張りを称え、彼には敢闘賞ゼッケンが贈られることになったという(ゲーム内では実装されておらず、妄想)。
しかし、今回、カペルミュールでベッティオルを残しすべて吸収された後に、新たに2名のCCCチームの逃げが生まれるという熱い展開。
本番でもこれくらいCCCチームには頑張ってほしいところ。
さて、すべての逃げを吸収したプロトンはいよいよ集団スプリントに向けた動きを展開していく。
プロトンを縦に長く引き伸ばし支配権を握ろうとするのはドゥクーニンク・クイックステップ。モルコフ、ユンゲルス、セネシャル、アスグリーンといった精鋭たちが全力の牽引。
そこに絡んでくるのはボーラ・ハンスグローエ。ここもボドナール、ブッフマンらがドゥクーニンクプロトンに混じる形で牽引。
そして、残り3.6kmから、今度はヴィクトール・カンペナールツが先頭に出てきて牽引。
残り2kmを切ったところで、先頭に抜け出たのはイェンス・クークレールとジャスパー・デブイストのロット・スーダルコンビ。当然それが率いるのはカレブ・ユアンだ!
このユアンの後ろにアンドレ・グライペル。たしかに、元チームだけどさ!
そしてグライペルの後ろには、なんとトタル・ディレクトエネルジーのニッコロ・ボニファツィオが喰らいつく。
これをに負けじと追いすがるドゥクーニンク・クイックステップの2人は、これもまた驚きの、アルバロホセ・ホッジに牽かれたファビオ・ヤコブセン。
ヴィヴィアーニやサガンといった主役たちは引き離されてしまった。
そして、最後はユアン、グライペル、ボニファツィオが横一線の勝負。
勝ったのはカレブ・ユアン。
ツール初出場にして初勝利。そして、マイヨ・ジョーヌを手に入れた。
(そもそも出場していない選手もいるけれども)現実ではなかなかお目にかかれないようなリザルト。
ただ、ラストはやはり5%ほどの勾配ではあるようで、もしかしたら実際に、単純なピュアスプリンターたちだけが前に並ぶような結果にはならないかもしれない。
以上、第1ステージ終了。
総合争いはまだまだ起こらないものの、ベッティオル山岳賞などしっかりと見せ場を作ることができた。
しかしカペルミュールや石畳区間などで思いのほか集団がばらけ、足を使わされる事態になったのは驚き。
現実でも、意外とこの伝説の激坂で、波乱が待ち受けているかもしれない。
次回は第2ステージをレポート。