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獲得UCIポイントで見る ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 全チームランキング&レビュー(22位~12位)

ジロ、ツールに続き、ブエルタ・ア・エスパーニャでも「獲得UCIポイントランキング」を発表します。

今回は12位から22位までの下位12チーム。基本的にプロコンチネンタルチームはこの下の方に沈むことが自然なのだが、今回のブエルタでは4チームともがそこそこの順位に。何しろ、4チーム中3チームがステージ優勝、勝ってないカハルラルも、アランブルが2位を2回だからね。

 

全体的に新人選手から「遅れてきた新人」、あるいは勝ててこれなかったベテランまで・・・幅広いドラマが演じられた今回のブエルタ・ア・エスパーニャ。下位12チームとはいえ、みんな素晴らしい走りをしたぞ! 

 

ジロ編はこちら

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11位~1位はこちら

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第22位 グルパマ・FDJ 68pt.

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逃げ一覧

  • ブルーノ・アルミライル(第6・13・19ステージ)
  • トビアス・ルドヴィクソン(第8・18ステージ)
  • ロマン・セイグル(第9・16ステージ)
  • バンジャマン・トマ(第11ステージ)

 

エースナンバーを着けたサローは、昨年のブエルタに続き、エーススプリンターとして挑む2回目のグランツール。昨年の最高位である5位を超える結果を今年は出せたものの、正直、彼はそこまでグランツールでの結果にこだわるべき選手ではないと思っている。

ピュアスプリンターにとってはサバイバルな展開となった登りスプリントの第14ステージで4位。今年の他のレースでいうと、1クラスやHCクラスの北のクラシックやダンケルク4日間レースで好成績を出しているので、これかも非ワールドツアーレースでの勝ち星を稼げる選手になってほしいと思っている。

その他の結果については、まあ、今回のメンツでは厳しいとは予想していたので仕方ないかなと思う。FDJにとってはグランツールで結果を出せるレベルの選手がピノ、ゴデュ、デマールくらいで層が薄いのがチームとしての弱点か。 

 

 

第21位 チーム・ディメンションデータ 68pt.

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逃げ一覧

  • ベン・オコーナー(第9・11・15・19ステージ)
  • アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(第9・11・16ステージ)
  • ルイス・メインチェス(第13・18ステージ)
  • ニコラス・ドラミニ(第8ステージ)
  • エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(第17ステージ)
  • ベンジャミン・キング(第17ステージ)
  • ラスムス・ティレル(第17ステージ)

 

グランツール獲得UCIポイント常連のディメンションデータは今回も大失敗。ポイントはグルパマと同点だが、20点獲得者の含まれるこっちはランクを1つ上にした。

ツールでは最下位を免れていたが、ツール最下位だったカチューシャは今回、ゲレイロの山岳ステージ終盤までの逃げや総合順位で稼いでいた。

ディメンションデータにもそういう選手がいないわけではない。オコーナーは昨年のジロでの活躍からずっと期待されているが今年はずっと空回り。昨年2勝したキングも今年はパッとせず。ボアッソンハーゲンもドーフィネでは良かったのだけど・・・

何より、ルイス・メインチェスの不調が切ない。かつては、ツール新人賞候補としても注目され、シャンゼリゼにおける特別賞ジャージをアフリカ勢として初めて着ることができるのではないかと期待もしていたのだが・・・。

今後の復活を切に願う。まだ若いのだから。

 

 

第20位 CCCチーム 72pt.

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逃げ一覧

  • ヨナス・コッホ(第8・17・18ステージ)
  • パトリック・ベヴィン(第9ステージ)
  • フランシスコホセ・ベントソ(第12ステージ)
  • ネイサン・ファンフーイドンク(第17ステージ)

 

ここもメンツ的に結果を出せないことは仕方ないと思っている。

その中でも、マドリードでも3位に入り込んだスプリンター、サイノックの成長には眼をみはるものがある。プロコンチネンタルチーム時代からの叩き上げのポーランド人で、まだ22歳と若い。期待されたマレツコが今年なかなか結果を出せずに終わってしまった中、チームのこれからを引っ張る中心的な存在となってほしい。

同じく叩き上げのスプリンター、コッホの方はより山岳適性のある選手で、アルントが勝った第8ステージで5位。逃げにも積極的で、それこそアルントと同じく、山を越えた先の小集団スプリントの局面でこれからも活躍に期待できるかも。来期加入のトレンティンのアシストとしても信頼の置ける存在だろう。

今回は結果を出せなかった。しかし、来年以降への希望は残せたブエルタだった。

 

そしてベヴィン。今回は相手が悪すぎたが、それでもTT2位は素晴らしい。そして、世界選手権を見据えて早めのリタイア。ブエルタの疲れが残っていないはずのないログリッチェ、おそらく欠場するデュムランに、チームとの不和が囁かれるデニス。

今年、世界王者ベヴィンが誕生する可能性は、十分にある。頑張れ!  頑張れ!

 

 

第19位 トレック・セガフレード 104pt.

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逃げ一覧

  • ジャンルーカ・ブランビッラ(第6・7・12・13・16ステージ)
  • ニクラス・イーグ(第9・13・16ステージ)
  • ピーター・ステティーナ(第8・19ステージ) 
  • ジョン・デゲンコルブ(第12・17ステージ)
  • ジャコポ・モスカ(第12ステージ) 
 
ドーフィネ、そしてツアー・オブ・ユタと好調の続いていたイーグだが、今回のブエルタでの大覚醒には至らず。残念。グランツールステージ優勝請負人のブランビッラも、常に逃げ集団の中に姿を見せていいところまではいくのだが、結果には繋がられなかった。
ただ、それ以上に印象的だったのが、第3ステージのジョン・デゲンコルブによる超牽引。残り1㎞で25番手くらいだったトゥーンスを、ゴール前では一気に先頭にまで引き上げていた。
同じようなリードアウトの凄さは、ビンクバンクツアーでも見られていた。あのときはマッズ・ペデルセンとトゥーンスのコンビで、ときにトゥーンスがリードアウト役を担っていた。
ここ最近、スプリントでトレックの姿がやけに目立っているような気がする。もちろん、勝てなければ意味がないのだけれど、結果以上に期待したくなる気持ちはある。
 
 

第18位 チーム・カチューシャ・アルペシン 136pt.

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逃げ一覧

  • ルーベン・ゲレイロ(第8・9・13・15・20ステージ)
  • マッテオ・ファブロ(第9・11・13ステージ)
  • ウィリー・スミット(第2・12ステージ)
  • ステフ・クラス(第13ステージ)
  • ダニエル・ナバーロ(第15ステージ)

 

解散の危機に瀕したチームは突如として結果を出し始めることがままある。IAMサイクリングしかり、キャノンデール・ドラパックしかり、BMCレーシングしかり。

しかしカチューシャはその例に当てはまらなかったのか。結果らしい結果は何も持ち帰ることができないまま、今年のグランツールを終えた。

ルーベン・ゲレイロは、名門育成チームのアクセオン・ハーゲンスバーマン出身。在籍当時は、ニールソン・パウレスやタオ・ゲオゲガンハートと共にツアー・オブ・カリフォルニア新人賞の上位を独占したものだ。

今回も、強さは見せつけた。誰よりも積極的に逃げに乗り、ステージ優勝を果たすだけのポテンシャルは確かにあった。

これほどの才能が、来期の契約未定なのは勿体ない。どこか、彼の才能をより進化させてくれるチームはないものか。

パンチャー的な素質もあり、スイスで開催される来年の世界選手権で、コスタに次ぐポルトガル人世界王者の可能性もある男だ。

 

 

第17位 チーム・イネオス 140pt.

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逃げ一覧

  • タオ・ゲオゲガンハート(第9・15・16・17・18・20ステージ)
  • ダビ・デラクルス(第6・8・9・13・19ステージ)
  • ワウト・プールス(第9・13・17・18ステージ) 
  • セバスティアン・エナオ(第7・9ステージ)
  • イアン・スタナード(第17ステージ)
  • ヴァシル・キリエンカ(第15ステージ)
  • オウェイン・ドゥール(第17ステージ)
  • サルヴァトーレ・プッチョ(第14ステージ)

 

グランツールで彼らの姿を見ないのは不思議な感じがする、と繰り返し言われ続けてきたけれど、彼らもただ漫然と勝ってるわけではない。彼らはどのチームよりも丹念に準備を重ね、臨んでいるからこそ勝てる。

今年のグランツールは彼らにとってアクシデント、トラブル続きだった。ジロではベルナルとゲオゲガンハートが怪我をして欠場。ツールでもフルームが同様の目にあった。

そんな中、年初の計画通りでは決してない形で挑んだ今回のブエルタ。珍しくイネオスの首脳陣も、弱気な発言をしていたと聞いている。 

 

それでも、なんとか結果を出そうともがいた証が、このタオ、プールス、デラクルスの3人の全力の連日エスケープである。それが実らなかったことは彼らのコンディションが不十分であったことを示しているが、彼らの闘志が決して消えていなかったことは示している。

最強であり続けることは多大な困難を伴う。そこに並ぶ者たちが背負うプレッシャーも責任感も重大だ。

その中で、信念を持って戦い続けることのできるものたちがイネオスの名前を背負うことができる。2020年も、引き続き彼らが時代を引っ張っていくことだろう。

 

 

第16位 カハルラル・セグロスRGA 160pt.

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逃げ一覧

  • ヨナタン・ラストラ(第2・8・11・12ステージ)
  • アレックス・アランブル(第8・11・12ステージ)
  • セルゲイ・チェルネツキー(第13ステージ)
  • ゴンサロ・セラノ(第17ステージ)

 

このランキングでこの位置になって初めてプロコンチネンタルチームの名前が出てくることが驚きである。それだけ、今回のブエルタは、全てのプロコンチネンタルチームが何かしらの大きな結果を残した、ということを示している。

その中でこのカハルラルは唯一勝利のなかったプロコンチネンタルチームだ(その表現自体がまず驚きだ)。それでも、アランブルは2つの2位を獲得。あのジルベールを相手取って、決して引けを取らない走りを見せつけた。

そんなアランブルは来期からアスタナ・プロチーム入り。アルデンヌではフルサングのアシストが第一目標だろうが、彼自身の勝利も狙える逸材。期待していきたい。ラストラは来期どうするんだろう?

 

 

第15位 ブルゴスBH 180pt.

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逃げ一覧

  • アンヘル・マドラソ(第2・3・5・11・13・16ステージ)
  • イェツ・ボル(第5・17ステージ)
  • ディエゴ・ルビオ(第3・14・21ステージ)
  • ホルヘ・クベロ(第4ステージ)

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今大会、最も実績のないプロコンチネンタルチームだった。数年前にはドーピング問題に揺れていた。

そんなチームが、まさかすぎる活躍。それも、大ベテラン、言うなれば「旬を過ぎてしまった」はずの男が、涙のグランツール初優勝と山岳賞ジャージ14日間の着用。若手新人の台頭、27歳からの突如のプロデビューと活躍、なんかも良いが、こういうドラマもすごく良いよね。

しかも、第1週だけで力尽きてしまったと思っていたマドラソが、後半、アストゥリアス山脈でもまだ粘り続けていたのは実に印象的であった。最終的にも2位に留まったのは僥倖。本当におめでとうマドラソ。あなたの走りは、このチームの若手選手たちに大きな勇気と道を示してくれただろう。

 

 

第14位 コフィディス・ソルシオンクレディ 188pt.

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逃げ一覧

  • ヘスス・エラダ(第6・8・9・13ステージ)
  • ホセ・エラダ(第5・15ステージ)
  • ステファヌ・ロセット(第7・14ステージ)
  • ニコラ・エデ(第8・20ステージ)
  • ダルウィン・アタプマ(第9・13ステージ)

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今年は例年以上に調子の良かったヘスス・エラダ。しかしツールでは思ったような走りができず。今回のブエルタは、その借りを返すことができた。

さらに、ベテランのエデが1日間とはいえマイヨ・ロホを着用。最終的な総合順位も18位と、悪くない結果だ。

 

ただ、相変わらずアタプマがうまくいかない・・・実況ではふるわないベテランコロンビア人の話をしていたけれども、その際に名前を呼ばれることすらない状況となってしまった。

かつてはマイヨ・ロホを着たこともある男。いつかは必ずグランツールでの勝利を果たせると信じていたが・・・まだまだ応援することを諦めない。

 

 

第13位 エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス 200pt.

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逃げ一覧

  • フェルナンド・バルセロ(第8・12・16ステージ)
  • ミケル・ビスカラ(第9・13・16ステージ)
  • セルヒオ・サミティエ(第9・15・20ステージ)
  • エクトル・サエス(第3・13ステージ)
  • シリル・バルト(第7・12ステージ)
  • オスカル・ロドリゲス(第15・18ステージ)
  • アリツ・バグエス(第17ステージ)
  • ミケル・イツリア(第11ステージ)

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イツリアの逃げ切りもまた、感動的であった。地元バスクで駆け抜けた25キロメートル。そのとき彼は確かに、ワールドツアーの選手たちよりもずっと強かった。

一方、昨年ステージ1勝、今年も前哨戦ブエルタ・ア・ブルゴスで総合2位と好調だったオスカル・ロドリゲスは、高まり過ぎた期待ほどの活躍はできずに終わった。

ここで輝けば、来期のワールドツアーは今頃確定していたかもしれないが、果たして。もちろん今後も十分に期待し続けられる選手だ。

 

 

第12位 AG2Rラモンディアル 224pt.

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逃げ一覧

  • シルヴァン・ディリエ(第8・14・17・19ステージ)
  • ジェフリー・ブシャール(第9・13・16・18ステージ)
  • カンタン・ジョレギ(第7・15・17ステージ)
  • ピエール・ラトゥール(第9・13・17ステージ)
  • クレモン・ヴァントゥリーニ(第13・17ステージ)
  • ドリアン・ゴドン(第6ステージ)
  • フランソワ・ビダール(第11ステージ)

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ピエール・ラトゥールは今年、調子が上がり切らないままに来てしまった。今回のブエルタも、序盤から積極的にアタックし、ロス・マチュコスでも確かに強かった。が、そこから先はまたずるずると崩れ落ちていき、後半ではまた目立たなくなってしまった。

気持ちを切り替えて、また来期の活躍に期待したい。まだまだ若く、可能性に満ち溢れている。第10ステージのタイムトライアルでは6位に入り込んでおり、不調時でも安定して高いTT能力は信頼できる。

そして何よりも、ブシャール。昨年まではアマチュアチーム所属。しかしフランス国内選手権アマチュア部門で優勝し、過去多くのオールラウンダーを輩出しているツール・アルザスでも、アマチュアチームで走りながら総合優勝を果たした。

まだまだ、これで終わる男ではない。それこそラトゥールを中心としたAG2Rの「次」を支える男となってほしい。

 

 

11位~1位はこちら

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