自転車ロードレースシミュレーションゲーム「Pro Cycling Manager 2020」を用いて、2020年シーズンのツール・ド・フランスを「本来の期間」で「本来のスタートリスト」を再現しながら実況する企画の、そのスタートリストを紹介していく。
スタートリスト作成の基になったのは、ProCyclingStatsに「新型コロナウイルスの影響で中止になる直前」に掲載されていた仮スタートリスト。
そこだけでは埋まらなかった部分については、昨年のツール・ド・フランス出場者などを埋めていき、できる限り信憑性のあるスタートリストを再現してみた。
注目は「フルーム・トーマス・ベルナル・カラパス」のイネオスや「ログリッチ・デュムラン・クライスヴァイク」のユンボ、「ユアン・ジルベール・デゲンコルブ」のロットなど。
その他ツール初出場のロペスやイギータ、ポガチャル。移籍後の活躍に期待したいサム・ベネットやダン・マーティン、エンリク・マス、キンタナブアニなど・・・。
新UCIカレンダーにおける現実の「ツール・ド・フランス2020」では再現されえない「幻のスタートリスト」を手に、ぜひYouTube企画を楽しみにしてほしい。
※国籍の太字はその国のナショナルロードチャンピオンであることを示します(特別ジャージ着用)。また、年齢はすべて2020/12/31時点のものとなります。
- 1~.アスタナ・プロチーム(AST)
- 11~.ドゥクーニンク・クイックステップ(DQT)
- 21~.ロット・スーダル(LTS)
- 31~.ボーラ・ハンスグローエ(BOH)
- 41~.チーム・ユンボ・ヴィズマ(TJV)
- 51~.チーム・イネオス(INS)
- 61~.バーレーン・マクラーレン(TBM)
- 71~.イスラエル・スタートアップネーション(ISN)
- 81~.トレック・セガフレード(TSF)
- 91~.モビスター・チーム(MOV)
- 101~.グルパマFDJ(GFC)
- 111~.CCCチーム(CCC)
- 121~.UAEチーム・エミレーツ(UAD)
- 131~.ミッチェルトン・スコット(MTS)
- 141~.NTTプロサイクリング(NTT)
- 151~.AG2Rラモンディアル(ALM)
- 161~.EFプロサイクリング(EF1)
- 171~.チーム・アルケア・サムシック(ARK)
- 181~.コフィディス・ソルシオンクレディ(COF)
- 191~.トタル・ディレクトエネルジー(TDE)
- 201~.チーム・サンウェブ(SUN)
- 211~.B&Bホテルス・ヴィタルコンセプト(BBH)
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1~.アスタナ・プロチーム(AST)
ツール初出場のミゲルアンヘル・ロペスで総合上位を狙う
満を持してツール初出場となる「スーパーマン」ミゲルアンヘル・ロペス。
17ブエルタ総合8位、18ジロ総合3位、18ブエルタ総合3位、19ジロ総合7位、19ブエルタ総合5位と、直近出場のグランツール5大会連続で総合TOP10に入っている安定感の高さが魅力的。それゆえにこのあたりで殻を破ってほしいところ。
チームの層の厚さもこのチームの強み。その筆頭はもちろん、フルサン。今年はオリンピックを最大の目標とするためこのツールではロペスのアシストに徹することを宣言しているが、シーズン緒戦のブエルタ・ア・アンダルシアでは安定した走りで危なげなく総合優勝。今年もまた、昨年に引き続き調子が良いことを伺わせる。
ヒルト、ツェイツ、ヴィレッラなどの強力なアシスト陣が軒並みチームを去ってしまったのは痛手だが、それでもサンチェスやイサギレ兄弟など、まだまだ山岳アシストは豊富だ。
11~.ドゥクーニンク・クイックステップ(DQT)
最強スプリンターズチーム
最強スプリンターチームは今年も最強を揃えて来ている。
昨年ブエルタで強さを見せつけたサム・ベネットをエースに据え、最強発射台のモルコフに、ベネットの盟友で今年のニュージーランド王者アーチボルド、ゴール前数㎞からの高速展開を生み出すユンゲルスやアスグリーン、さらには集団牽引を一手に引き受けるデクレルクまで。
エースからアシストまで一級品が揃っている。
もちろん登りではアラフィリップとデヴェナインスのコンビが少数精鋭で結果を出してくれるはず。流石に昨年のように、マイヨ・ジャーヌを狙ってくるようなことは、ない、とは思うけれど。
しかし相変わらず、各国チャンピオンが集まっているチームである・・・。
21~.ロット・スーダル(LTS)
昨年最多勝利のカレブ・ユアンが今年も爆発するか
昨年のツール最多勝&シャンゼリゼの男ユアンが、今年も「最強の男」となれるか。
シャンゼリゼを得たという意味で、彼にとっての最大のライバルであるガビリアを一枚上回ることができたが、一方で彼が得た「マイヨ・ジョーヌ」はまだ獲得できてない。実際、ユアンも今年の目標をそこに置いている。初日スプリントステージ。登りも多く含まれる一筋縄ではいかないステージだが、是非ともここで、マイヨ・ジョーヌを手に入れてほしい。
弱点は安定感のなさ。位置取りで失敗することも多い。アシストたちの力量が問われるが、デゲンコルプは最近素晴らしい「運び屋」としての活躍が目立つため、期待したい。
また、登りスプリントには強いが、途中の登りには弱い印象。今年のツールのレイアウトは彼にとって吉と出るか凶と出るか。
その他のメンバー・・・デヘント、ウェレンス、ジルベール、ワライスはいずれも逃げに強いメンバー。ユアン以外のステージ優勝にも大きく期待だ。
31~.ボーラ・ハンスグローエ(BOH)
サガンのスプリントとブッフマンの総合の二枚看板
サガンの8枚目のマイヨ・ヴェールはもちろんのこと、昨年総合4位のブッフマンのさらなる躍進もまた、このチームの楽しみである。
パリ〜ニース覇者マキシミリアン・シャフマンの名がここにいないことは残念ではあるが、昨年のブエルタでラファウ・マイカを支えたグロスチャートナーや、昨年ツールで積極的な山岳逃げを見せていた元サンウェブのケムナなど、人材がいないわけではない。
とはいえやっぱり、まだまだ山岳アシストは足りない気がする。うーん、大丈夫か。
41~.チーム・ユンボ・ヴィズマ(TJV)
隙のない完璧な総合狙いの布陣
総合という観点においては今年最も完璧な布陣を用意してきたのがこのチーム。
昨年のブエルタ覇者、昨年のツール総合3位、2017年のジロ覇者で2018年のツール総合2位が揃う。そこにヘーシンク、クス、デプルスと、申し分のない実力派アシストが揃い、平坦はファンアールトとマルティンという、1人で2〜3人分の働きをしてしまうTTスペシャリストたちが揃っている。
これが、フルーネウェーヘンを外し、総合に完全シフトしたユンボの恐ろしさ。バランスにおいてはイネオスを上回っていると言える。
51~.チーム・イネオス(INS)
グランツール覇者4名が揃うグランツール最強チーム
ベルナル、フルーム、トーマスとツール・ド・フランス覇者3名を揃え、そこにジロ・デ・イタリア覇者のカラパスも加わる。まさにグランツール最強チームである。他のチームであれば逆にそのチームワークに不安を抱えそうなものだが、このチームであればそういった懸念も感じさせないところが凄い。表彰台独占なんて事態もあり得てしまうかもしれない。
昨年はあまり振るわなかったクヴィアトコウスキーが今年どこまで走れるかが、結構重要なポイントだとも思っている。
61~.バーレーン・マクラーレン(TBM)
ランダ、プールスのダブルエース体制
ランダ、プールスのダブルエース体制。トゥーンスとビルバオも準エース級で総合TOP10も狙える実力者。カルーゾは昨年のニバリのジロ総合2位の最大の立役者だった。非常にバランスがよく見えるが果たして。
ランダに関しては、2月のブエルタ・ア・アンダルシアで、怪我明けながらもフルサンに次ぐ総合2位につけるなど悪くなかった。
モホリッチ、ガルシアの山岳逃げにも注目。もちろん、ガルシアは、パリ〜ニースの登りスプリントでサガンを降して勝利した男。いつかブエルタは取ると思っているが、一足先にツールで勝利なんて可能性も・・・?
71~.イスラエル・スタートアップネーション(ISN)
マーティンは新チームで輝けるか
ツール総合TOP10には常に入るような安定感の高さを持ちつつも、クイックステップ、UAEと、常にアシストに恵まれない環境で孤独に戦い続けていた男、マーティン。
今回もイスラエルという、その意味ではこれまでとあまり変わらないような環境にいるけれど・・・さて、どこまで頑張れるか。
もちろん、メンバーが悪いわけではない。元BMCのヘルマンスは昨年のツアー・オブ・オーストリアとツアー・オブ・ユタで総合優勝している。ピッコリはそのユタで覚醒し、惜しくも2位になった男。
そしてスプリントの方ではもちろんグライペルに大きな期待を寄せたい。アルケア時代の昨年は散々だったが、今年は一応、ツアー・ダウンアンダーで何度か上位に入る走りは見せていたので・・・。
昨年ヨークシャーで1勝しているツァベルはカチューシャ時代のクリストフの強力なリードアウターでもあった。ポリッツはルーベ2位の印象が強いだろうが、丘陵ステージでのスプリントにも強いパンチャータイプでもあり、昨年のドーフィネなどでもボアッソンハーゲンやワウト・ファンアールトらと共に強力なスプリントを見せていた。
逃げにも積極的に乗るタイプなので、逃げてからの小集団スプリントなどで勝機を見出せそう(昨年ブエルタのアルントみたいなパターン)。
81~.トレック・セガフレード(TSF)
モレマとポートのダブルエース体制
モレマとポートのダブルエース。実績から言えばポートが本エースと見て良いだろうが、彼の不安定さを思えば、いつでもモレマがその役割を担うつもりでいなければならない。
かつてと比べるとここ最近のモレマはグランツール総合はすっかり諦めているように見えなくもないが、昨年はイル・ロンバルディアで優勝するなど終盤で活躍。その勢いに期待したい。
そもそも、今年のトレックはかなり好調なシーズン序盤を過ごしていた。世界王者ピーダスンのダウンアンダーとパリ〜ニースでの鬼牽き、オンループを制したストゥイヴェン、パリ〜ニースでリッチーと共にニバリを強力にアシストしたエリッソンド、ついにプロ初勝利を果たしたベルナール。
そして、エイは近いうちに大きな勝利を成し遂げること間違いなしな期待の若手クライマー。結果的に総合では目立たないかもしれないが、ステージ勝利など、なんらかの結果は持ち帰ってくれそうなメンツだ。
91~.モビスター・チーム(MOV)
新トリプルエースは成功に至れるか?
昨年は彼のためのチームを作るという話もあったように思いつつ、結局はヴィヴィアーニのためのチームでのツール参戦となったマス。しかもそのあと、アラフィリップがまさかの覚醒をしてしまい・・・マス自身も、昨年はその前の年と比べるとコンディションが出ていなかったので、仕方ないが。
そんな、「アシスト不足」のチームから、「アシスト豊富だけどエースがバラバラ」なモビスターへ。しかもそのエース格が2人、すでに抜けており、あとはベテランのバルベルデと、同じく若手のソレルだけ。ある意味トリプルエースだが、昨年までよりはずっと、状況はよい、はず・・・。
昨年のツールで鬼牽きを見せたアマドールの離脱は痛いが、代わりにアスタナからカタルドも獲得し、アシスト体制は十分。
もちろんソレルにとっても大きなチャンス。昨年のブエルタではエースとして走れないことへのフラストレーションを爆発させていたからね・・
なんだかんだマスの調子は読めないし、今年、ソレルが一気に躍進する可能性も。
101~.グルパマFDJ(GFC)
今年もピノのためのチームに
昨年はマイヨ・ジョーヌさえ夢見ることのできた絶好調の中で、第19ステージであまりにも悲痛な終幕を迎えざるを得なかったピノ。しかしチームは、それでも彼を信頼し、再び、デマールをジロに追いやっての「ピノだけのロースター」を作り上げた。
であればピノもそれに応えざるを得まい。ゴデュ、モラール、ライヒェンバッハらも、この絶対の君主のためにその全てを犠牲にしてくれるだろう。ゴデュの山岳猛牽引が今年も完璧な働きをしてくれるか。
そんな中、マデュアスの才能にも期待を寄せたい。彼はステージレーサーとアルデンヌハンターのあいの子のような脚質の持ち主で、どちらに進むにせよ、まずはグランツールでのステージ優勝くらいは近いうちに実現しそうである。
111~.CCCチーム(CCC)
スポンサー危機を乗り越える活躍を見せられるか
今年新加入のザカリン、トレンティンがどこまで力を発揮してくれるか。2人ともツールでの逃げ切り優勝経験者なので、その点は期待できる。
もちろんザカリンには、総合TOP10入りは目標にしてもらいたい・・・今年UAEツアーでは総合7位。悪くはない、けれど。
現実世界ではスポンサー撤退が決定的となったこのチーム。チーム存続のために、少しでも目立つ走りがしたいところ。
121~.UAEチーム・エミレーツ(UAD)
ガビリアの「復活」と初出場のポガチャル
最大の注目はもちろん、昨年のブエルタでグランツールデビューを果たしていきなりの総合3位を記録した、今年まだプロ2年目の若手ポガチャルの存在。
その実績を叩き出すスピードはベルナル以上!? プロ2年目でツール制覇という誰も成し遂げることなどできないかのような偉業を達成した彼に食らいつける男は、やはりこの男しかいない。
ただ、問題は、万全のチーム体制が用意されたベルナルと違い、ポガチャルにはその体制が決して十分ではない。ブエルタ覇者アルに元世界王者コスタ、パリ〜ニース覇者エナオと面子は確かに豪華だが、果たしてどこまで機能するか。そしてこのチームはまた、ガビリアによるスプリント勝利というもう1つの目標も抱えている。
ステージ優勝はするだろう。総合表彰台も決して驚くべきことではない。それでも、やはり彼には「その先」を期待したい。
131~.ミッチェルトン・スコット(MTS)
今年こそアダムは上位に入り込めるか
サイモンはジロとオリンピックを最優先にし、今年もツールのエースはアダム。ここ2年、その役割を十分に全うできなかった彼ではあるが・・・今年は2月のUAEツアーで総合優勝と調子は悪くない。今年こそ!
スプリンター陣では今年のヘラルド・サンツアーで驚きの走りを見せてくれたネオプロのグローブスに注目。基本はインピーやメズゲッツのアシストになるだろうが、まさかの勝利も十分にあり得る。
141~.NTTプロサイクリング(NTT)
総合? スプリント? 逃げ?
総合エースは基本的にはメインチェス。この5年プロ勝利のない彼だが、5月頭のズイフト・ツアー・フォー・オールの最終日アルプ・ズイフト(ラルプデュエズを模した登り)山頂フィニッシュで勝利。復活への伏線となったか?
スプリンターではボアッソンハーゲンと、着実に実績を残しつつあるヤンセファンレンズバーグが中心の体制。ただボアッソンハーゲンも普通に山岳ステージで逃げに乗って逃げ切り勝利してしまうタイプでもあるので、キングらと合わせ、逃げでの活躍が最も期待できそうなチームだ。
151~.AG2Rラモンディアル(ALM)
ラトゥールはバルデの代役を見事に務められるか?
ロマン・バルデがオリンピックに集中すべくツールを回避してジロに参戦。
その代わりにAG2Rのエースを務めるのは、2018年ツール新人賞のラトゥール。紛うことなき、このフランスチームの次代エース候補である。
しかし彼も、2019年は決して良いシーズンではなかった。怪我に悩まされ、前半戦はほぼほぼレースに出られず。
それでも、ブエルタ・ア・エスパーニャの頃には復調しつつあり、勝てはしなかったもののロス・マチュコスのステージでは好走を見せた。
今大会の絶対の優勝候補ではないながらも、総合TOP5に入ることを目標としていきたい。
2017年U23ロード世界王者のコヌフロワも、昨年着実に飛躍しつつある良い選手。逃げ切りステージ優勝などに期待したい。
2015年ブエルタでステージ1勝しているグジャールも最近また力を取り戻しつつある様子なので、注目しておこう。
161~.EFプロサイクリング(EF1)
コロンビアの新星は初のツールでどこまで走れるか
今年のコロンビアロード王者にしてツアー・コロンビア総合優勝者、かつパリ〜ニース総合3位の今最も躍進しつつあるステージレーサー、セルジオ・イギータに最注目。
もちろん、本来最も期待されるべき若手オールラウンダーのマルティネス、2017年総合2位のウラン、このツールを今年の目標の大きなものの1つとして据えるウッズ、さらにはヴァンガーデレンとタレントは揃っており、昨年のブエルタのような悲劇さえなければ、総合力はかなり高い。
アシストとしてはアスタナからやってきたコルトニールセンが近年かなり頼れる山岳アシストとして存在感を高めている。ベテランながら最近またリザルトを残しつつあるクラークも、逃げも含めて期待できる存在だ。
クラシックでは揺るぎないエースたるファンマルケも、グランツールでは頼れる平坦アシストに。とくにパリ〜ニースでは序盤の横風地獄においてイギータを護り続けた男であり、彼の総合3位はファンマルケなくしては実現しえなかったと言えるだろう。
171~.チーム・アルケア・サムシック(ARK)
復活のキンタナ、復活のブアニ
バルギル、キンタナ、ローザ、ブアニ・・・最初、その陣容を見たとき、「ただ著名な選手を集めただけで勝てるほど甘くはない。とくに、言っては悪いが落ち目の選手たちを・・・」と感じてしまったのは確かだ。しかしまさか、そんなブアニが、キンタナが、このアルケアで、かつての勢いを取り戻すことになるなんて。
だから今回のツールのアルケアには期待したい。ついにブアニがツールで勝つかもしれない。キンタナも久々に総合表彰台も狙えるかもしれない。
今年もっとも注目すべきプロチーム、それがこのアルケアだ。
181~.コフィディス・ソルシオンクレディ(COF)
ヴィヴィアーニだけには頼れないかも
本来であれば、ヴィヴィアーニのスプリント勝利を十分に狙えるチーム。とはいえ、今期、そのヴィヴィアーニの調子が決して良くはない。絶対の優勝候補とまでは言えないだろう。
総合では昨年ついに総合12位にまで登り詰めたマルタンがどこまで結果を出せるか。アシストも十分ではないにせよエラダやベルハネなど、実力者たちは揃っている。あとは彼らが、ワールドツアーチームとして相応しい走りをできるかどうか。
191~.トタル・ディレクトエネルジー(TDE)
昨年の「最強プロコンチネンタルチーム」としての意地を
衝撃のブエルタ勝利と翌年のツール勝利。ヴォクレールの後継者と目され、大いなる活躍が約束されたように思えていた男カルメジャーヌは、以降3年間、HCクラス以上の勝利から遠ざかり続けている。
早くも斜陽に差し掛かっているのか? いや、そんなことはない、というところを見せて欲しい。再度の大逃げ、そしてステージ勝利を。
昨年のカタールであとわずかで勝利を掴みかけた男グルリエや、ジロ勝利経験者タラマエ、そしてもちろん偉大なるクラシックハンター、テルプストラなど。
ここも実力者揃い。ただ逃げるだけのチームに終わることのないよう、昨年プロコンチネンタルチームランキングNo.1のチームとしての矜持を見せて欲しい。
201~.チーム・サンウェブ(SUN)
突き抜けたものはないが、注目すべき才能たちが集いしチーム
デュムランを失ったチームが選んだ次なるエースは、オランダの若手最有力候補の1人、オーメン。ケルデルマンを差し置いて、ツールの単独エースの座を掴み取った。
彼を支える山岳アシストにはベテランのロッシュにパリ〜ニース総合2位のベノート、ヘラルドサン・ツアー総合優勝のヒンドレーなど、今年活躍している選手たちが揃う。
スプリンターの方ではマシューズはもちろん、昨年から一気にトップクラスに到達しうる足を見せているボルにも注目したい。アルントは・・・昨年のブエルタを見てもわかるように、どちらかというと山岳逃げアタッカーとなりつつある。ボアッソンハーゲンやホセホアキン・ロハス、コルトニールセンのような。山岳アシストもできるかも?(というかパリ〜ニースではしてた?)
ただ、その登れる脚質はマシューズとの相性も良く、実際にかつては彼の良き発射台としても働いていた。
突き抜けたものはないが、注目すべき各方面の才能がバランスよく集まっている。それはある意味、今年のサンウェブを象徴する面子である。
211~.B&Bホテルス・ヴィタルコンセプト(BBH)
帰ってきたコカール
2015年のシャンゼリゼで2位になり、2016年のツールでキッテルにごく僅かの差で敗れた男、コカール。彼はきっとそう遠くない未来において、ツールでの勝利を手にするに違いないーーそう思っていた中で、まさかの翌年、チームとのいざこざによりツールへの出場を許されず、しかも移籍した翌年と翌々年については、チーム自体がツールに出場できない憂き目に会うなんて。
そんなコカールが、4年ぶりにツールに戻ってくる。かつてあとほんの数センチで掴み取るはずだった勝利を再びモノにするために。
同じような思いは、ローランもまた、感じているはずだ。2018年のジロでの勝利は嬉しかったに違いない。しかし、彼はやはりまた、ツールで勝ちたい。
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