いよいよ今夜開幕、イル・ロンバルディア。
今回は、その「ロンバルディア」の優勝予想シミュレーションを、自転車ロードレースシミュレーションゲーム「ProCyclingManager2019」を使用して行っていきたい。
過去にはツール・ド・フランス、クラシカ・サンセバスティアン、ブエルタ・ア・エスパーニャなどでシミュレーションを行ってきたが、今回はクラシカ・サンセバスティアンのときのように、あくまでも「優勝予想シミュレーション」。
よって、優勝候補チームは選択せず、ちょっと勝つのは難しいだろうと思われるチームを使用していくことにする。
よって、今回選択していくのは「ヴィタルコンセプト・B&Bホテルス」を選択。
エースはピエール・ローラン。かつて、ラルプ・デュエズを制し、ツール・ド・フランス新人賞も獲得した男。
将来のマイヨ・ジョーヌ候補と期待されていたところもあったものの、そのあとはなかなか芽が出ず。今年からはプロコンチネンタルチームのヴィタルコンセプト所属になったものの、やはりなかなか結果を出せていない。
今回はこのローラン率いるヴィタルコンセプトを使用し、なんとか上位入賞を狙って行くこととする。
※このゲームでは、BenjiNaesen氏のMOD「WorldDB 2019」を使用しております。
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コースプロフィールは以下の通り。
ここ数年と同じベルガモからコモまで。
終盤にかけてマドンナ・デル・ギザッロ、ムーロ・ディ・ソルマーノ、チヴィリオなどの重要な登りが連続する個人的にも大好きなレイアウトである。
詳細は下記の記事を参照のこと。
ゲームが能力値から算出した優勝予想は以下の通り。
終盤が下りからスプリントで決することが多いため、スプリント力の高いバルベルデ、フルサングが上位に。
ただ、実際に直近で開催されたイル・ロンバルディア前哨戦の様子を見ていると、今年のブエルタ・ア・エスパーニャを制したプリモシュ・ログリッチェがかなり絶好調な様子。
そのほか、EFエデュケーション・ファーストのマイケル・ウッズや、今年のツール・ド・フランス覇者エガン・ベルナルなどに注目しておきたいところ。
実際のレースの注目選手については以下の記事を参照のこと。
いよいよレース開始。
ローランのコンディションはかなり好調で、能力値は非常に高くなっている。
それでも山岳能力はようやくウッズと同等。丘陵能力やスタミナについては最初に上げた優勝候補たちにはまったく及ばないものではあるのだが・・・
セカンドエース、サードエースを期待したいシリル・ゴチエやカンタン・パシェの能力値は上記の通り。
やはりチーム力はワールドツアーと比べるとどうしても低い。ローラン自身の頑張りがかなり重要になるだろう。
アクチュアルスタートから5kmほどを消化して、早速8名の逃げ集団が生まれる。
チーム・イネオスのディエゴ・ローザ、グルパマFDJのスティーヴ・モラビト、ロット・スーダルのトマシュ・マルチンスキーなどなかなかに強力な面子。
ネーリソットーリやガスプロムなどのプロコンチネンタルチームを中心にさらなる逃げ狙いのアタックが生まれるが、これらはユンボ・ヴィズマやEFエデュケーション・ファーストなど優勝候補を抱えるチームが中心となって抑え込み、最終的には先の8名の逃げが確定。
しばらくは5分を超えるタイム差で推移することとなる。
55kmに位置する。この日最初の登り「コッレ・ガッロ」に突入する。
ゲーム中でも、路肩には落ち葉があしらわれている。
画質レベルをさらに上げればもうちょっと詳細に、落葉始まる木々が道のわきに表現されるのだろうけれど、自分のPCではこれが限界。
実際のレースでは、より美しい「落ち葉のクラシック」を楽しめればよいのだが。
そして、残り70km台に入り、いよいよイル・ロンバルディアの「本番」が始まる。
まずは、マドンナ・デル・ギザッロ教会への2段階の登り。
ここまで平坦を中心に牽引してきてくれていたマキシム・カム(Maxime Cam)、ジュスタン・モチエ(Justin Mottier)はここで脱落。
才能ある若き実力者パトリック・ミュラーも本来はこんなところで脱落するような選手ではないのだが、この日はコンディションが悪いこともあって、すでに限界気味。
元FDJのアルノー・クールテイユも厳しそうだ。
マドンナ・デル・ギザッロの頂上。実際のレースでは、教会の鐘の音が鳴り響く頃、カンタン・パシェも脱落。
先頭の逃げ集団はジャスパー・ハンセン(コフィディス)、モラビト、マルチンスキー、エフゲニー・シャルノフ(ガスプロム)の4名だけが残り、そのタイム差もすでに40秒弱。
これを追うプロトンの人数も37名にまで絞り込まれた。
そしていよいよ、ロンバルディアで最も厳しい登り「ムーロ・ディ・ソルマーノ(ソルマーノの壁)」。
「世界で最も過酷な自転車道」「不可能の怪物」などとも呼ばれるこの激坂は、わずか2kmの長さで300m以上の標高を駆け上がる。
すなわち、平均勾配は15%超。そして、最も厳しい区間で27%にまで達する。
昨年はここをユンボ・ヴィズマのロベルト・ヘーシンクが強力に牽引し、プリモシュ・ログリッチェがアタック。
そこに追随したヴィンツェンツォ・ニバリとティボー・ピノがこれを追い抜いて先行し、後に追い付いてきたログリッチェとエガン・ベルナルの合計4名が最後の勝負に挑むこととなった。
ゲームにおいて、この登りでハイ・ペースを刻んだのは、ゲームが算出した最大の優勝候補である元世界王者(現スペイン王者)アレハンドロ・バルベルデ。
このバルベルデの攻撃に、過去2度優勝しているヴィンツェンツォ・ニバリが追随。その後ろにはヤコブ・フルサングやマキシミリアン・シャフマン、プリモシュ・ログリッチェなどがついていく。
すでに最後のアシストとなるゴチエも失い、一人になったローランもできるだけ先頭付近に位置し、置いていていかれないようにする。
しかし、ただついていっているだけなのに、ローランの体力は着実に削られていく。
そして・・・
あああ・・・
やはり、厳しかったようだ。
ここでローランの戦いは終了。
あとはオート操作に切り替え、集団先頭の動きに集中することにする。
バルベルデの猛牽引の末、先頭は10名に。
バルベルデ、クライスヴァイク、ログリッチェ、ディラン・トゥーンス、ヴィンツェンツォ・ニバリ、フルサング、シャフマン、マイカ、ベルナル、ダニエル・マーティンの10名だ。
これを44秒差でランダ、モレマ、アダム・イェーツ、ゴデュ、コスタ、トレンティンの6名が追いかける。
といったところで、突如として先頭集団からバルベルデが脱落。
なぜ?
と思ったら、ランダが含まれる追走集団の牽引役となるために降りてきたようだ。
ムーロ・ディ・ソルマーノは非常に強力な登りだが、そこから最後の勝負所のチヴィリオとサン・フェルモ・デッラ・バッターリアに至るまでの間には15km以上の下りと平坦が待ち構えている。
過去のレースにおいても、ムーロ・ディ・ソルマーノを先頭で越えた集団がその後の下りと平坦とで追走集団に追い付かれるパターンは多い。
今回も、そのパターンのためにスペイン王者バルベルデは自らの足を犠牲にして動いたようである。
第3集団も、アダム・イェーツのためにマッテオ・トレンティンが牽引。
ただ、アダムはさきほどからすでに体が上下左右に揺れており、いまにも千切られそう。かなり厳しい状態のようだ。
下り切ったところでバルベルデがランダを引き連れて集団に復帰。
トレンティンもアダム・イェーツと、そしてボブ・ユンゲルスも引き連れて集団に復帰。
しかしこのあと、アダム・イェーツが再び遅れ、トレンティンもこれを救出すべく戻り、結局ユンゲルスだけが先頭にブリッジ。
最終的に先頭集団は15名となったまま、最後の勝負所へと突入していく。
なお、ローランも先頭から1分41秒遅れの第3集団と悪くない位置。
同行者はミケル・ヴァルグレン、ダヴィデ・フォルモロ、パトリック・コンラッド。
目の前にはすでにアダム・イェーツのグループが近づいてきている。
現実のレースでは調子の良かったマイケル・ウッズやティシュ・ベノートなどはすでに絶望的な位置に。
残り22kmを切って、最後の勝負所、チヴィリオの登りに。
ユンゲルスは登り始めで早々に遅れ、続いてバウケ・モレマも。
集団の最後尾につけてなんとか耐え抜いていたダヴィ・ゴデュも、山頂付近の最も厳しいエリア(昨年、ピノがニバリを突き放したところ)でいよいよ遅れ、先頭は12名に。
12名と、例年よりもずっと大きな集団のままチヴィリオの登りを攻略した先頭集団はそのままゴール直前の最後の登りサン・フェルモ・デッラ・バッターリアへ。
ここで集団先頭でペースアップを図ったのはディラン・トゥーンス。
過去2度、ロンバルディアを制しているヴィンツェンツォ・ニバリのための動きか?
と思ったら、そのニバリが遅れ始める。
そしてゴールまで6.6kmで、今度はヤコブ・フルサングがアタック。
これに、ミケル・ランダが喰らいつき、少し距離を開けてダニエル・マーティン、プリモシュ・ログリッチェ、ディラン・トゥーンス、エガン・ベルナルが追いかける。
そして、頂上を越えた段階で、フルサングとランダが完全に抜け出す。
勝負は決まった。
あとはもう、先頭2名による最後のスプリント勝負となる。
ゴール前。スプリント力ではフルサングに分がある。
それを熟知しているランダは、最後の最後まで前には出ず。
フルサングも構わず、先にスプリントを開始。ランダはそこに喰らいつき、チャンスを狙う。
ゴール前200m。ランダがフルサングの背中から飛び出し、スプリントを開始。
果たして勝ったのは――。
――フルサング!
今年、ストラーデ・ビアンケ、アムステルゴールドレース、フレーシュ・ワロンヌと常にジュリアン・アラフィリップとの熾烈な争いを繰り広げていた男。
そして、リエージュ~バストーニュ~リエージュではついに勝利を掴んだ、新アルデンヌの帝王。
その勢いを継承し、ゲームの中ではこのイル・ロンバルディア、彼にとって今年2つ目のモニュメントを制することとなった。
ランダも健闘した。元世界王者のアレハンドロ・バルベルデがムーロ・ディ・ソルマーノで勝負を動かし、その後ランダのためにわざわざ追走集団に降りてきてこれを牽引し、このチャンスを掴み取った。
だが最後は一歩、届かなかった。
そして、後続集団で行われる、3位表彰台争いのスプリント。
これをバルベルデを破って制したのは、ボーラ・ハンスグローエのマキシミリアン・シャフマン。
シーズン序盤のイツリア・バスクカントリーなどでは絶好調だったこの男。ツール・ド・フランスでの落車でしばらく戦線離脱していたものの、うまくいけば、実際のレースでもこれだけの成績を出すことができるかも?
最終的なリザルトはこちらの通り。
レース後、リプレイを保存しようとしたらそこでクラッシュしてしまい、タイム差付のリザルトやローランの最終結果などを見ることはできなかったが、なかなか面白い結果にはなった。
もちろん、実際のレースとゲームは大きく異なる。コンディションの差も違いがあるだろう。
それでも、レース中の展開など、参考になれば幸い。
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