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【全ステージレビュー】ツール・ド・スイス2019

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ドーフィネと並ぶ「ツール前哨戦」。「第4のグランツール」と呼ばれていたこともある、厳しい山岳の連続する9日間のステージレース。

前半戦はサガンとヴィヴィアーニとの連日の激しいスプリントバトルが展開。とくにドゥクーニンク・クイックステップのトレインの強力さは印象的で、ヴィヴィアーニもかなり良いコンディションで5年ぶり2度目のツール参戦に挑むことができそうだ。

サガンも勝てただけでなく、第8ステージでランパールトとのやり取りの中などに久々の「彼らしさ」を見ることもでき、色んな意味で安心してツールを見ることができそうだ。

 

そして、後半戦で巻き起こる総合争い。ドーフィネでのクリス・フルーム重大事故により、一躍単独エースの座に登り詰めたゲラント・トーマス。しかしそんな彼も、本格的な山岳ステージに入る前に落車によって即時リタイアとなってしまった。

幸いにも骨折などはなく、ツールには問題なく出場できる様子ではある。しかし彼が本当はどんな状態なのかを確かめることもできず、代わってエガン・ベルナルが、予定通りの強さを発揮し続ける終盤戦となった。イネオスのチーム力も問題なく機能し、なんだかんだで、今年もこのチームがツールを制してしまうのか?

 

いや、そうとも限らない。そもそも今回のスイスは、ツールをエースで走る予定の(少なくとも当初は)選手はそう多くはなかった。

そんな中、普段はアシストとして活躍することの多い選手や、若手の選手たちの意外な活躍を連日見ることのできた1週間でもあった。

 

総合優勝以外の選手たちがいかにして活躍していったのか。

9日間のレースを詳細に確認していく。

 

↓各ステージの詳細についてはこちら↓

www.ringsride.work

 

 

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第1ステージ  ラングナウ I.E.〜ラングナウ I.E  9.5㎞(個人TT)

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ほとんど起伏もカーブもない高速短距離TT。

悪天候を懸念して序盤での出走を選んだ世界王者デニスが待望の今期初勝利。年初の国内選手権ですら勝利を取りこぼし、不調にあえいでいた彼が、ようやくつかんだ勝利だった。

 

昨年9月以来、ずっと待ち望んでいた勝利を手に入れることができた。それは僕にどんな機材でも問題なく勝つことができるという自信を与えてくれた。そしてこの半年勝てなかったのは機材のせいではないということも証明できた

 

そう語るデニスの表情には、喜び以上に安心の気持ちが浮かんでいるように見えた。

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ツール・ド・フランス個人TT優勝経験のあるボドナールがコンマ差の2位。短中距離TTに強いマシューズが1秒差、昨年最終日TT2位のクラーウアナスンが2秒差の4位など、順当な面子が上位を占めた。

総合優勝候補の中ではゲラント・トーマスが17秒差13位が最高で、ベルナルはトーマスから6秒差。ソレルが12秒差。アルが13秒差。コスタが20秒差。マスが25秒差となった。ポッツォヴィーヴォに至っては35秒差と、距離の割には大きくタイムを失う形に。

とくにマスは、昨年のブエルタの個人TTでは好成績だっただけに、少し不安な発進。

TTだけの不調ならばまだ良いのだが・・・。

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第2ステージ  ラングナウI.E.〜ラングナウ I.E.  159.6㎞(丘陵)

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2級山岳シャレンベルクパス(登坂距離8km、平均勾配5.1%)と2級山岳クダーヒュイ(登坂距離3km、平均勾配9.2%)の2つの2級山岳を含んだ周回コース(1周53.2km)を3周するという、非常にタフなコース。獲得標高も2,600mに達する。

よって、最後が集団スプリントになるとしても、それは登りに強いスプリンターやパンチャーたちによるもの、と予想された。

 

逃げ集団(4名)

  • ギヨーム・ファンケイルスブルク(CCCチーム)
  • ギャビン・マニオン(ラリーUHCサイクリング)
  • ファビアン・グルリエ(トタル・ディレクトエネルジー)
  • クラウディオ・インホフ(スイスナショナルチーム)

 

このうち、インホフ以外の3名は早々に脱落し集団に吸収され、1周目後半のクダーヒュイから2周目のクダーヒュイまですべて山頂を先頭通過。最初のシャレンベルグパスも2番手通過している彼は、この日だけで山岳賞ポイントを21ポイント獲得。大会最初の(ITTによるものではない)山岳賞ジャージを獲得した。

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普段はトラック選手として走り、2016年の世界選手権ではスクラッチ種目で銅メダルを獲得している。長らくアマチュアチームに所属していたが、今年はスイスのコンチネンタルチーム、アクロス・テューモスに所属。5月のローヌ・アルプス・イゼール・ツアーで区間1勝・総合2位を取るなどしているが、基本的には目立った成績を持たない選手ではある。

そんな彼の執念の山岳賞ジャージ獲得。母国の大舞台で、しっかりと名前を売った。

 

そんな彼も最終周回に入って間もなく集団に吸収され、その後は集団の中からオマール・フライレ(アスタナ・プロチーム)やカスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)などが飛び出し、アスグリーンはスプリントポイントでのボーナスタイム3秒も獲得する。

クダーヒュイの最後の登りも終え、下りを経る中で、少しずつ、千切れていたペテル・サガンやマイケル・マシューズといった登れるスプリンターたちが復帰。

なんとかこのまま、集団スプリントで終わりそうだ――と思った矢先、残り11kmでルイスレオン・サンチェス(アスタナ・プロチーム)が不意打ち気味のアタック。

まさかのこの鋭い攻撃に、優勝候補を抱えるボーラ・ハンスグローエなども十分な追走体制を敷けず、30秒のタイム差がなかなか縮まらない。そして、そのままサンチェスは驚きの逃げ切り勝利を成し遂げた。

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今年36歳のベテラン、サンチェス。決してチームのエースを担うような存在ではないものの、その高い実力は突如として今回のようなサプライズを生み出す。

チームの頼れる大黒柱であり、信頼のできる存在だ。

 

6秒後に雪崩れ込んできたメイン集団の先頭を捉えたのはサガン。しっかりとサンチェスを捕まえていれば、彼の17回目のツール・ド・スイス勝利を得られていただろうに、追走体制が十分ではなかったのは残念。また、ボーナスタイムも6秒しか得られず、コース途中のボーナスタイムも獲得しているアスグリーンが、初日タイムトライアルのわずかなタイム差もあって、この日の最後に総合リーダージャージを獲得することとなった。

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北のクラシックでの活躍に続き、5月のツアー・オブ・カリフォルニアでは山岳での適性の高さも見せつけ、総合3位に入り込んだアスグリーン。

今回もその登坂力の結果手に入れた途中のボーナスタイムもあり、総合リーダーという栄誉を手に入れることができた。

スプリント力の高さも魅力で、今後もたとえばブエルタ・ア・エスパーニャでのポイント賞など、より大きな舞台での活躍が期待できる存在だ。

 

そしてステージ優勝も総合リーダーの座も目の前で失うこととなったサガンだったが、彼自身もチームのスポーツディレクターも、レース後にサガンの状態が復調しつつあることへの手応えを感じるコメントを出している。

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第3ステージ  フラマット〜ムルテン  162.3㎞(平坦)

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序盤は丘陵地帯が続くが、終盤はムルテン湖の周りを巡る平坦レイアウト。この日は問題なく集団スプリントになるだろうことが予想されるも、最後の200mが石畳の登りスプリント(平均勾配5%)であることから、やはり登れるスプリンター向きとされた。

 

逃げ集団(4名)

  • ウィリー・スミット(カチューシャ・アルペシン)
  • ベルトヤン・リンデマン(ユンボ・ヴィズマ)
  • ライアン・アンダーソン(ラリーUHCサイクリング)
  • シモン・ペロー(スイスナショナルチーム)

 

前日に逃げ切りとなってしまった反省からか、この日はボーラ・ハンスグローエを中心にメイン集団が猛牽引。4名の逃げの逃げ切りは望み薄ではあったものの、チームメートのインホフの山岳賞ジャージを守るためにペローが2つの3級山岳を先頭通過。さらにラスト10kmを切ってからも、単独で抜け出して残り6kmまでは執念で逃げ続けた。

元IAMサイクリングでブエルタ・ア・エスパーニャも走ったことのあるペロー。現在はIAMエクセシオールに走りつつ、来年からはアンドローニジョカトリに移籍することがすでに決まっている。もしかしたら来年のジロ・デ・イタリアなどでも、その姿を見ることができるかもしれない。

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IAMといえば思い出されるのはヤルリンソン・パンタノの存在。ドーピング違反に問われ、反論する資金もなくそのまま引退に追い込まれたという悲しい結末を迎えた彼ではあるが、その笑顔はいつも印象的だった。

国籍は違えど同じように魅力的な笑顔を見せる彼が、今後も活躍する姿を見れることを楽しみにしている。

 

さて、前日のような危険な飛び出しもなく、予定通りの集団スプリントに向けてゴール前200mの左カーブに突入してきた大規模プロトン。その先頭は、トレック・セガフレードのジャスパー・ストゥイヴェン。

その番手はエースのデゲンコルプが取っていたはずだったのが、そこを肩で押しやって無理やり奪い取ったサガンが一枚上手だった。残り150mで彼がアクセルを踏んだ瞬間から、もうデゲンコルプには追いつく方法などなかった。

出遅れたヴィヴィアーニも鬼気迫る勢いで追いすがるも、間に合うことなく、最後は2位でゴールに飛び込むのが精いっぱいだった。

ペテル・サガン。これにてツール・ド・スイス、9年連続でステージ優勝。そして通算ステージ勝利数は17を数えることに。

不調と思われていた今年のサガンだったが、前日の集団先頭ゴールと並び、ツール・ド・フランス直前のこの時期になって、その本領を発揮し始めた。

今年もマイヨ・ヴェールは、彼の手に渡ることになるのか?

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そして気になる走りを見せているのが、スイスナショナルチームのファビアン・リーンハルト。前日の10位に続き、この日も8位と、健闘中。

彼もまたペローと同じくIAMエクセシオールに所属している選手。過去にはBMCレーシングのトレーニーだったこともあり、昨年はアメリカのプロコンチネンタルチーム、ホロウェスコに所属していた。

来年の所属チームは現時点では未定。先日のカントン・ダルゴヴィでも7位に入るなど、調子の良さを最近見せている選手だけに、彼の今後の活躍にも期待しておきたい。

 

逆に前日に続き上位に入ってきておらず不安になるのがクリストフ。中東レースや春のクラシックでは大活躍していた彼が、再びガビリアとの良きコンビネーションを発揮することが期待されているツール・ド・フランスに向けて、少し不安になるリザルトを出してしまっている現状だ。

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第4ステージ  ムルテン〜アルレスハイム  163.9㎞(丘陵)

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中盤には2級山岳パスワング(登坂距離3.3km、平均勾配8.9%)、ゴール前19km地点には3級山岳アイヒェンベルク(登坂距離3km、平均勾配7.5%)が用意された獲得標高2,000m弱の丘陵ステージ。ピュアスプリンターが残れるかどうかは微妙なところではあったが、結果として80名以上の大集団でゴールを迎えることに。

 

逃げ集団(4名)

  • サイモン・ゲシュケ(CCCチーム)
  • タコ・ファンデルホールン(ユンボ・ヴィズマ)
  • ロビン・カーペンター(ラリーUHCサイクリング)
  • ジャン・フリーゼク(スイスナショナルチーム)

 

トラブルも発生。残り30km地点で、ゲラント・トーマスがアスタナのアンドレイ・ツェイツと一緒に落車に巻き込まれ、即時リタイア。

幸いにも鎖骨骨折などはなく、ツール・ド・フランスには出場できるとのことだが、落車直後の呆然としたトーマスの表情は恐ろしい不安を覚えた。万全の態勢(身体的にも、精神的にも)で、ツール本戦に臨めるか?

また、共に落車したツェイツの方は鎖骨骨折含め状態は悪い。ジロにも出場しており、元々ツール参戦予定はなかった選手かもしれないが、ブエルタでもロペスのアシストで活躍できること間違いなしの選手なので、なんとか早期の復帰を望みたいところ。

逃げ集団は今日も最後まで粘りの走りを見せたのはスイスナショナルチームのフリーゼク。コンチネンタルチーム所属のスイス人選手たちを集めたこのナショナルチームは、地元の最高峰レースへの出場というまたとないチャンスを全力で活かし切る走りを連日見せる結果となった。

 

そして、最後の集団スプリント。主導権を握ったのはその最強ぶりを完全復活させたドゥクーニンク・クイックステップだった。

アスグリーンから先導を引き継ぎ、残り350mまで集団先頭を長く長く伸び切らせてイヴ・ランパールトが牽引する。ライバルチームはその横につくこともできず、この時点でチームのエースのヴィヴィアーニと、その背後につけていたサガンにしか勝利の可能性は残されていない形に。

そして、残り350mから200m過ぎまでモルコフのリードアウト。このとき、左手に1人がわずかに入れる隙間をつくり、そこにヴィヴィアーニが突入。サガンは右手から行かざるを得なかったが、そこに被さるようにしてモルコフがよけたため、サガンはわずかに回り道をするほかなかった。

その先は、もう絶好調のヴィヴィアーニのスプリントに対し、サガンが喰らいつくことは不可能だった。

ヴィヴィアーニ、完全復活。ジロで斜向による降格処分を受けて以来、どこか歯車の噛み合わない状態の続いていた彼が、厳しい山岳が待ち受けるこのスイスにあえて出場を選んだことは、間違いではなかったようだ。

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この日もリーンハルトは10位に入る好調ぶりを披露。一方、クリストフは相変わらずTOP10に姿を現さない不調。

また、昨年のトレーニーから昇格し、今年プロ1年目を走る新人デウルフもついにワールドツアーのシングルフィニッシュを記録。昨年のU23パリ~ルーベ覇者でもある彼の存在は、ロット・スーダルの北のクラシックの未来を支える重要なものとなるだろう。


Tour de Suisse: Stage four highlights


  

第5ステージ  ミュンヘンシュタイン〜アインジーデルン  177㎞(丘陵)

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公式サイトではスプリンターたちにとっての最後のチャンスと謳われていたこのステージ。終盤に2級山岳ハウプトシュトラッセ(登坂距離14km、平均勾配3.5%)が控え、獲得標高も2,750mに達するステージではあるものの、スプリンターたちはきっちりと最後まで生き残った。

 

逃げ集団(4名)

  • マテイ・モホリッチ(バーレーン・メリダ
  • シュテファン・キュング(グルパマFDJ)
  • ベルトヤン・リンデマン(ユンボ・ヴィズマ)
  • ファビアン・グルリエ(トタル・ディレクトエネルジー)

 

2級山岳でライバルたちを振り切ったモホリッチが独走を続けるも、残り14kmであえなく吸収。勝負は集団スプリントに。

今日もまた、ドゥクーニンク・クイックステップの完璧なトレインが機能した。

残り1.5kmから700~800m付近までアスグリーンが強烈に牽引し、そこから残り500mを切るまでランパールトが、次のモルコフは残り200m付近までリードアウトを完了し、今日はさらにそこからマキシミアーノ・リケーゼが。その間、ライバルたちは誰もこのトレインの横に並ぶこともできず、ただただ、ヴィヴィアーニの番手を争いをしながらチャンスを窺うしかできなかった。

それでも、これだけ長い距離の牽引では、他チームならばその途中でトレインが崩壊するのが関の山である。それが、このチームは1人1人が牽引する距離があまりにも長い。アスグリーンとランパールトという、TT能力も高いリードアウターを残せていることも、大きな勝因だろう。

そして、残り150mで放たれたヴィヴィアーニ。背後にはサガンがぴったりとくっつく。

石畳の登りは彼が得意とする戦場のはずだった。しかし目の前のヴィヴィアーニはそれ以上だった。その一踏み一踏みが、踏み込まれる度に力を増していくように思えた。サガンが頭に描いた勝利パターンは、目の前のライバルの想像以上のパワーを前にして、霧散してしまったようだ。

敵なし。何者をも寄せ付けない勝ち方とは、まさにこの通りだった。

前日は歓喜を表現するような力強く勢いよく広げられた両腕も、今日の勝利においては、まるで神聖なる天からの光をすべて受け止めるような厳かさでゆっくりと広げられた。

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クリストフがようやく、TOP10に入ってくる。しかし勝負に絡める存在ではまったくなかった。

また、デゲンコルプも第3ステージ以降姿を現しておらず、その第3ステージも、リードアウトのストゥイヴェンの方が足の調子がよかったように思える走りだった。それを反映してか、この日はストゥイヴェンがエースを担い、3位に入る。ツール出場も許されず、チーム移籍の可能性も出てきているデゲンコルプ。もはや、エースを担うことは厳しいのか。

リーンハルト、デウルフも引き続きTOP10に。そして今や、カヴェンディッシュに代わるディメンションデータのエーススプリンターになりつつあるヤンセファンレンズバーグもきっちりと存在感を示している。


Tour de Suisse: Stage five highlights

 

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第6ステージ  アインジーデルン〜フルームスベルグ  120.2㎞(山岳)

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連日のスプリンター向けステージを終え、いよいよ総合争いの舞台へ。その最初のステージは、全体的にフラットなレイアウトが続き、最後に1級山岳フルームサーベルク(登坂距離8.4km、平均勾配9.2%)の山頂フィニッシュという、まだまだ難易度は抑えめのステージ。総獲得標高も2,000m未満である。

 

逃げ集団(25名)

  • ダニエル・オス(ボーラ・ハンスグローエ)
  • ベルトヤン・リンデマン(ユンボ・ヴィズマ)
  • アントワン・トールク(ユンボ・ヴィズマ)
  • ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ)
  • アレクサンドル・クリストフ(UAEチームエミレーツ)
  • ルイス・マス(モビスター・チーム)
  • ロバート・スタナード(ミッチェルトン・スコット)
  • マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
  • ニキアス・アルント(チーム・サンウェブ)
  • ケヴィン・ジェニッツ(グルパマFDJ)
  • マテイ・モホリッチ(バーレーン・メリダ)
  • ジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)
  • フランソワ・ビダール(AG2Rラモンディアル)
  • オレリアン・パレパントル(AG2Rラモンディアル)
  • トム・スカリー(EFエデュケーション・ファースト)
  • スタン・デウルフ(ロット・スーダル)
  • トッシュ・ファンデルサンド(ロット・スーダル)
  • パトリック・ベヴィン(CCCチーム)
  • ネイサン・ハース(カチューシャ・アルペシン)
  • ベンジャミン・キング(ディメンションデータ)
  • ピム・リヒハルト(トタル・ディレクトエネルジー)
  • コリン・ジョイス(ラリーUHCサイクリング)
  • ジャン・フリーゼク(スイスナショナルチーム)
  • クラウディオ・インホフ(スイスナショナルチーム)
  • シモン・ペロー(スイスナショナルチーム)

 

大規模な逃げ集団も、最後の登りへと突入すると同時に、一気に零れ落ちていき縮小する。

きっかけを作ったのはトールク。残り7.4kmで飛び出した彼に、モビスターのルイス・マスが喰らいつく。少し遅れてベヴィンが追いついて、先頭は3名に。

追走は少しずつ零れ落ちていき、最終的にはルイ・コスタとフランソワ・ビダールがマスとベヴィンに追いつく。しかしその直前、トールクが軽やかに独走を開始した。

残り3km。メイン集団とのタイム差は1分13秒。

チーム・イネオスが牽引するメイン集団は登り始めてから1kmで10秒ずつタイム差を詰めてきているが、このペースではトールクを捕まえることは難しそうだ。

 

残り1.5km。メイン集団から、ベルナルを引き連れたケニー・エリッソンドがバイクを左右に振りながら得意の超牽引を開始。1年前のジロ・デ・イタリア第19ステージで、伝説的な80km独走勝利を成し遂げたクリス・フルームを撃ち出した「エリッソンド砲」である。

そして放たれたエガン・ベルナル。このとき、先頭のトールクとのタイム差は1分。普通に考えればこの距離でこのタイム差を埋めることはかなり難しい――が、ベルナルの勢いは想像を超えるものだった。

 

あっという間にベヴィン、コスタ、ビダールの追走集団に追いつき、これを追い抜いていくベルナル。メイン集団からは当然のことながら、誰1人追随することなどできていなかった。

残り1kmのゲートをトールクから遅れること40秒で通過したベルナル。ここまでの500mでそのタイム差を20秒詰めたことになり、この勢いであれば、ありえないこと――先頭のトールクに追いつくということ――が起きてしまいかねない状況であった。

 

しかし、トールクも粘った。最大勾配12.4%の劇坂区間を越え、残り300mをベルナルから20秒リードした状態で通過。あとは緩斜面。ここで初めて後ろを振り返り、勝利を確信した。

 

アントワン・トールク。昨年のクラシカ・サンセバスティアンの最後の勝負所でも力強い走りを見せていた若手の才能の1人。しかし、同じく若手クライマーたちと共に挑んだ今年のジロ・デ・イタリアでは、エースのログリッチェのために最後の局面まで残ることが敵わず、大きな課題を背負うこととなった。

しかしもちろん、彼らが弱いわけではない。むしろ、彼らは間違いなく強く、そのうえで今回のジロの経験は、彼らをさらなる高みへと登らせるうえでの重要なピースであったことは疑いようがなかった。

 

そして、そんな彼らの強さを証明するかのような、今回の勝利。

プロ初勝利。そしてそれは、世界最高峰のワールドツアーレースでの勝利であった。

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そして、ライバルたちをあっという間に置き去りにした、あまりにも鮮烈なアタックを見せつけたベルナル。

メイン集団の面々が失ったタイム差は多くとも30秒程度に過ぎないが、その数字以上のインパクトを、ライバルたちに植え付ける結果となった。何せ、誰一人彼の1.5kmの走りについていくことはできなかったのだから。

 

この日、総合リーダージャージに袖を通したベルナル。残り2つの山岳ステージと個人タイムトライアルが残されてはいるが、このまま彼がジャージを着続けたまま、最終日のポディウムに到達するであろう未来は、誰しもが容易に思い描けそうな姿であった。 

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果たしてこの圧倒的なる存在に対抗できる選手は現れるのか。 

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第7ステージ  ウンターターツェン〜ゴッタルド峠  216.6㎞(山岳)

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今大会最長ステージ。中盤に1級ルクマニア峠(登坂距離16.7km、平均勾配5.4%)、ラストに石畳に覆われた超級ゴッタルド峠(登坂距離12.5km、平均勾配7.2%)が待ち受ける、総獲得標高4,000mの超級山岳ステージである。

総合を懸けた本格的な争いが繰り広げられる。

 

逃げ集団(7名)

  • ウィネル・アナコナ(モビスター・チーム)
  • マティアス・フランク(AG2Rラモンディアル)
  • クーン・ボウマン(ユンボ・ヴィズマ)
  • ミヒャエル・アルバジーニ(ミッチェルトン・スコット)
  • スガブ・グルマイ(ミッチェルトン・スコット)
  • スティーヴ・モラビト(グルパマFDJ)
  • ジーノ・マーダー(ディメンションデータ)

 

チームメートのために平坦を全力で牽引していたアルバジーニは残り30kmを過ぎたところで脱落。そして残り16.6km。まだ公式には最後の登りが始まらないものの、緩やかな登りが続く区間で、ボウマンが独走を開始した。

前日に勝利しているトールクと共にジロでログリッチェを助け、そして力及ばなかった若手の一人。その実力を証明すべく、2日連続でのチーム勝利を目指したが、残り10kmの石畳区間突入と共に失速。後続から追い上げてきたマティアス・フランクが単独で先頭に抜け出した。

しかし、この時点でメイン集団は40秒近くにまで迫っていた。逃げ切りは、かなり絶望的に。

 

そして、集団で最も力を見せつけたのはやはりイネオスだった。残り5.5kmでフランクを吸収した時点で、イネオスはベン・スウィフト、ケニー・エリッソンド、ホナタン・カストロビエホと3名のアシストを残していた。一方、20名ほどに絞り込まれた集団内の他チームはエース含めても2~3名程度しか残っていない。

それまで先頭を牽いていたスウィフトが残り5kmからさらにペースアップ。残り4.7kmで先頭をエリッソンドに交代。前日ベルナルを発射した「死に物狂いの牽引」を今日も見せる。

ここでエンリク・マスが、単身アタック。何かしなければ、の思いと共に、一気に10秒以上のタイム差を開いていく。

エリッソンドは必死にこれを追い、それ以上タイム差を開かないように保ちつつ、残り3.4kmまで牽引。最後はカストロビエホがベルナルをリードアウトする。

そして、残り3kmを切ってベルナルがついに発射。12秒遅れの総合2位ローハン・デニスはすぐには反応できず、まずはドメニコ・ポッツォヴィーヴォがこれに喰らいついていく。

淡々とアウターで踏み続けるベルナルは残り2.1kmでマスをパス。デニスもマイペースで少しずつタイム差を取り戻し、降りてきたポッツォヴィーヴォのアシストを受けながら、ベルナルとの距離を保ちながら追撃する。

 

そしてベルナル、勝利。パリ~ニースでは総合優勝したものの、ステージ優勝としては昨年のツアー・オブ・カリフォルニア以来である。だが今大会最強のクライマーであることを明確に示し、デニスとのタイム差を41秒に拡大。

翌日の個人タイムトライアルでタイムを失うことを考えても、自身3つ目のワールドツアーステージレース総合優勝に向けて王手をかける勝利となった。

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しかし、強かったが、それは決して規格外、というほどではないように感じた。前日のあまりにも鮮烈な走りの方が印象的だったくらいだ。

クリス・フルームの全盛期(2013年・2015年頃)には、残り6~7kmからアタックをかけて、後続を1分以上突き放すような走りが印象的だった。その頃と比べると、スイスの面子がそこまでのトップライダーたちではないことも踏まえて、20~30秒ほどしかライバルたちに差をつけられないというのは、まだまだ満足できる走りではない。

 

これは、彼がそこまで強くない、ということを言いたいわけではない。この時点で彼はまだ、最高の状態に仕上げていない、というだけだ。おそらくツール・ド・フランスではこれ以上の力を発揮してくる。

そうなってしまえば、ツール・ド・フランスでは本当にトーマス以上の走りを見せ、マイヨ・ジョーヌを獲得することすら、想像できてしまう――前日の走りの勢いを考えると、そんな思いが現実味を帯びてくる。

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第8ステージ  ウルリヘン〜ウルリヘン  19.2㎞(個人TT)

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平坦基調の中距離高速タイムトライアル。トップタイムを叩き出したのは、2年前のベルギーTT王者であり、今大会も、エリア・ヴィヴィアーニのための残り1kmから500m近くまでの高速リードアウトを担当したイヴ・ランパールトだった。平均時速は52.443km。チームメートで同じくゴール前のトレイン牽引を担ったアスグリーンが5秒差の2位につけた。

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第1ステージを制した世界王者デニスは、今回は「失敗」というべき結果に終わった。昨年個人TTで7勝していることを考えると、まだ彼の「不調」は続いていると見るべきだろう。

一方、エガン・ベルナルは、昨年のコロンビアTT王者であり、昨年のツール・ド・ロマンディ個人TTで優勝、今年のパリ~ニース個人TTでも6位に入るTT適性を持つ。もちろんいずれも登りを含んでのTTであったが、今回のスイスの第1ステージも、総合勢ではトーマスに次ぐ成績を叩き出していた。

よって、TTスペシャリストたちには敵わず38秒遅れの11位ではあったものの、デニス以外の総合勢の中では文句なしのトップタイム。デニスかあも遅れを19秒に抑え、総合成績でも22秒差に留めた。翌日に総合リーダージャージを守れる可能性が大きく広がった。

デニス、ベルナル以外の総合系選手の成績は以下の通り。

(タイム差はベルナルとの比較)

  • マルク・ソレル(モビスター) +4秒
  • ヒュー・カーシー(EFエデュケーション) +22秒
  • サイモン・スピラック(カチューシャ) +27秒
  • パトリック・コンラッド(ボーラ) +33秒
  • エンリク・マス(ドゥクーニンク) +36秒
  • ヤン・ヒルト(アスタナ) +36秒
  • ウィルコ・ケルデルマン(サンウェブ) +1分15秒
  • ピエール・ラトゥール(AG2R) +1分18秒
  • ファビオ・アル(UAE) +1分24秒
  • ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン) +1分39秒
  • ルイ・コスタ(UAE) +1分40秒

 

第1ステージに引き続き、マスの調子が非常に悪い。昨年のブエルタのような調子の良さは現時点では発揮できていない。登りの状態は決して悪くないので、TTの総距離が短い今年のツールであれば、なんとかなるか?

それ以上に不安なのがケルデルマンとラトゥール。いずれもTTは大きな武器のはずなのに、ほかにエースがいてアシストに徹するための力のセーブが必要というわけでもないのに、この結果はかなり危険なのでは? すでに総合争いから脱落しているから抑えている?

とくにケルデルマンは、今回のツール、トム・デュムランもサム・オーメンも出場できない中で、彼自身が強く望んでいたはずのエースを担える千載一遇のチャンスとなっている。

にも関わらず、今回のスイスで全く結果が出せていない――この状態のままツールに突入してしまうのは、悲劇以外の何物でもない。

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第9ステージ ウルリヘン~ウルリヘン 101.5km(山岳)

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積雪による通行止めが解除されないということで、当初予定されていたグリムゼル峠の通過をキャンセル。代わりに直前に通行止めが解除された超級ヌフェテン峠(登坂距離13.3km、平均勾配8.5%)をスタート直後に登らせ、2番目の山として第7ステージのフィニッシュ地点にも使われていた石畳の超級ゴッタルド峠(登坂距離12.1km、平均勾配7.4%)を再度通過、そして最後は元々最初に上る山として設定されていた超級フルカ峠(登坂距離11.5km、平均勾配7.7%)を最後に用意するなど、距離は短くなったものの厳しさは全く変わらない、文句なしのクイーンステージとなった。

スタート直後はセオリー通りのアタック合戦。しかし、なかなか決まらない逃げ合戦のさなか、単独で抜け出した男がそのまま、一人で孤独な戦いを開始した。

男の名はヒュー・カーシー。元カハルラル、その後キャノンデール(現EFエデュケーション・ファースト)にてワールドツアーデビューを果たした異色の経歴をもつイギリス人クライマーで、その才能は確実なものと見られつつもなかなか芽が出ない日々を過ごしていた。

そんな中、今年のツール・ド・ロマンディにて、常に攻撃的な走りを繰り返す姿に強い印象を覚え、そのままの勢いをジロ・デ・イタリアでも継続。後半の山岳ステージでカラパスやランダ、ニバリと互角に渡り合う走りを連日見せていた。

その疲れが完全に消えていないはずの今回のスイスでは、この日まではやはり、その存在感を消していた。しかし、まるでそれが、この日のために足をずっと貯めていたかのように――溢れ出る才能が形となって、この日の伝説的な走りを生み出した。

すなわち、スタートからゴールまで、約100kmの単独エスケープ逃げ切り勝利の実現。

24歳の俊英は、新たな伝説をロードレース界に打ち立てた。

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そして総合争いは、最後のフルカ峠の登りで巻き起こった。まず動いたのはヤン・ヒルト、そしてエンリク・マス。マスは前日に引き続き、早めの積極的な仕掛け。

しかし、これもまた前日と同じく、失速してしまうマス。

なんだろう、自分の出せる力の限界、みたいなものに対する感覚が、まだ十分ではないのだろうか。おそらく、昨年のブエルタの調子であれば、このタイミングでの攻撃で、しっかりと最後まで持たせることは可能だったであろう。しかし、今の彼は確実にあのときの「確変」状態には至っていない。そのことを彼自身が十分に理解できておらず、あのときと同じように攻撃して、思いもかけないほど早く訪れる「限界」に、彼自身が最も動揺してしまっているかもしれない。

今回の経験が生きて、ツール本番では最適なタイミングで仕掛ける走りを見ることができれば良いのだが。

 

フルカ峠、そしてその先の長い下りと平坦は、守勢に回ったチーム・イネオスにとっては最も得意とするパターンのように思えた。

しかし、連日完璧な仕事を成し遂げていたイネオス・トレインが、この日は想定よりもずっと早く崩壊。スウィフトの働きは十分だったが、2日続けてベルナルを発射したエリッソンド砲はこの日は早々に脱落しており、前日の個人TTでは勝利の可能性を捨ててこの日のための温存に徹していたカストロビエホも、ベルナルを残してずるずると遅れていってしまっていた。

よって、残り30km以上を残して、ベルナルは単騎に。一方の22秒遅れ総合2位のローハン・デニスは、頼れるポッツォヴィーヴォをまだ、集団内に残していた。

そして何よりも、デニス自身が非常に調子が良さそうだった。一度は総合ライダーとしての可能性を強く示しつつも、昨年はTTに集中していた様子だった彼だったが、今年はまた、総合系ライダーへの可能性を伸ばそうとする年だったのだろうか。

そして、残り27kmで、デニスがアタック。22秒差をひっくり返すための攻撃を開始する。

 

――しかしさすがに、ベルナルもこれを許すわけにはいかなかった。

デニスの一撃は決して弱くはなかった。コンラッドやベノート、ヒルトといったライバルたちは誰も彼についていくことなどできなかった。

しかしベルナルだけはきっちりとその背中に貼り付いて、離れようとしなかった。そのまま下りに突入するベルナルとデニス。もはや、デニスに逆転の目はなかった。

 

最後はなんとかベルナルを差して2位ゴールを果たすデニス。

後続のライバルたちとのタイム差は50秒。十分に強さを示すことのできたデニスだったが、それでも、表彰台の頂点にはまだまだ足りなかった。

そしてベルナルからすれば、なんとか自らの力で守り切ることのできた総合優勝の座。しかし、ツールに向けて、チームとしてもまだ課題の残る結果となった。 

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デニスと並んで驚きの走りを見せたのがベノート。

かつて、パリ~ニースでも上位に入るなど、確かに1週間のステージレースへの適性は見せていた彼だったが、ここ数年はまた、そういった様子をめっきり失っていたように思えた。

ここで再び浮き上がってくるその才覚。デニスと並び、もうちょっと丘陵系に近いステージレースであれば、総合優勝も十分に考えられるライダーとなるかもしれない。

ヒルト、ポッツォヴィーヴォもまた、カーシーと並び、ジロ明けとは思えない好走を見せた1週間となった。ヒルトはツアー・オブ・アルプスでも総合7位と結果を出しており、今後もアスタナの何人目かのエース候補として活躍できるチャンスはありそうだ。

 

一方、無残な結果に終わったのがチーム・サンウェブのウィルコ・ケルデルマン。たしかにロッシュが総合10位に、最終日もカーシーの追走に頑張っていたレナード・ケムナが総合17位に入ったことも収穫ではあったが、肝心のツールエース候補のケルデルマンが、TTも山岳もからっきしな結果に終わってしまったことは不安しかない。

ツールまでに復調できるのか。それともせっかく手に入れた千載一遇のチャンスを失ってしまうのか。

 

ファビオ・アルもまた、最終日の序盤はカーシー追走の第一人者として期待感の高まる走りを見せていたが、結局後半戦に入る前に脱落し、その後はずるずると・・・。一時は総合8位にまで上り詰めていた中で、最終的には総合21位。

彼は今回のツールもパスする予定ということなので、ゆっくりと、少しずつ調子を取り戻してほしくはある。焦る必要はない。きっと必ずまた戻ってくるはずだから。

 

全体的には、ベルナルの強さが印象的だった今大会の総合争いではあったものの、それ以外のメンバーは、ツール総合優勝候補という観点では、イマイチぱっとしないまま終わってしまったスイスだった。

それはドーフィネも同様で、果たして、今年のツールはどうなってしまうのか・・・。 

 

 

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