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サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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ツール・ド・フランス2019 コースプレビュー 第3週

パリ・シャンゼリゼのフィニッシュまであと969.5km。

獲得標高は18,348m。

アルプスの山々を越え、栄光の黄色ジャージを着てパリに足を踏み入れる新たな時代の英雄は、果たして誰か。

そして、今年まだ誰も果たしていない「2勝目」と、勲章たるシャンゼリゼとを手に入れるスプリンターは。

 

2つの「最強」を決める激動の6ステージ。

近年稀に見る興奮を連日届けてくれている今年のツール・ド・フランスの、最後の6ステージをプレビューしていく。

 

↓全チームスタートリストと、各チームのプレビューはこちらから↓

www.ringsride.work

 

 

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第16ステージ ニーム〜ニーム 177㎞(平坦)

獲得可能な合計山岳ポイント:1

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南仏ガール県の街ニームを発着する移動ステージ。残る2つの集団スプリントステージの1つである。

今大会ここまで6回の集団スプリントをこなしてきたが、その中に1人として2勝を挙げた選手はいない。

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第16ステージに至るまで2勝しているスプリンターのいない年は、2002年にまで遡るようだ。この年はオスカル・フレイレ、ロビー・マキュアン、エリック・ツァベル、トル・フースホフトなどが勝利を分け合っていた。この年ですら、シャンゼリゼにてマキュアンが2勝目を飾っている。

今年も最終日まで「2勝目」はお預けか?

なお、ここまでTOP5には3回入っていながらも、いまだ勝ちがないのがソンニ・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)。次に勝利を手に入れる新しいスプリンターとしては、最有力候補かもしれない。

 

フィニッシュは3kmにわたるひたすらまっすぐな道のりの先にあるゴール。トレインの力が最大限に発揮されるこの王道コースで、最強トレインの持ち主が2度目の勝利を掴むと予想しておこう。マイヨ・ジョーヌも、再びアシストに励んでくれることだろう。

優勝予想:エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)

 

 なお、南仏のこの地域はミストラルと呼ばれる北向きの強風がよく吹き荒れる。レース展開にも影響を与えたこと多数だ(2016年のサガン、フルーム抜け出しなど)。

一応天気予報では明日のこの地域の風速は秒速5メートル程度ということでそこまで危険ではなさそうだが、何が起きるか分からない、油断せず警戒を怠らないようにグルパ・・・各チーム。

むしろ最高気温37度の方が危険かもしれない。ここまでは30度いかないような日が続いており、そこまで暑さが話題にならなかったツールだが、3週目はこれが選手たちの走りに思わぬ影響を与える可能性も。

 

世界遺産として有名なローマ時代の水道橋ポン・デュ・ガールも通過するが、スタートから23km地点と序盤も序盤。日本語放送では映らず、生で見るならオンデマンド限定の英語放送を見るしかないが、第17ステージのスタート地点にもなっているので、まあ、別に無理して見る必要はないのかなとも思う。

Embed from Getty Images

 

 

第17ステージ ポン・デュ・ガール〜ギャップ 200㎞(丘陵)

獲得可能な合計山岳ポイント:3

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スタート地点はポン・デュ・ガールの上!  なんて贅沢な、そして美しいスタート地点なのか。しかしやっぱりオンデマンドの英語放送でなければ、生で見ることは叶わない。ただ、なかなかお目にかかれない珍しいスタートとなるはずなので、ぜひオンデマンドで見ておきたいところ。

 

レース自体はいよいよアルプスへ。お馴染み「アルプスの麓町」ギャップへ。2015年のツール・ド・フランスでは下りでのサガンの猛攻を振り切ったルーベン・プラサが見事な逃げ切り勝利。その年のブエルタも大逃げ勝利をかましている彼の、強さが際立った年だった。

もちろんサガンも強かった。直前の2級山岳でプラサ追走集団の先頭を自ら牽いて山頂2番手通過。そこからの高速ダウンヒルで鬼神の如き追い上げを見せた印象的なステージだった。この年、何度目かわからないステージ2位。前年に続く0勝マイヨ・ヴェールを決定づけた年でもあった。

ただし今回はあのときに使用したマンス峠は使われず、ゴール前8.5㎞で山頂を迎えるのは3級山岳センチネッレ(登坂距離5.2㎞、平均勾配5.4%)。

スプリンターは厳しくともちょっと登れるスプリンターやパンチャーたちは問題なくこなせそうで、そこを狙ってくるチームがしっかりと逃げを捕まえるか、それとも逃げ集団を簡単に容認する展開となるか、予想が難しい。

実際、マシューズやサガン、ファンアーフェルマートなどがチャンスを掴みうるステージでもある。その中でも個人的に期待したいのは、ここまで登りスプリントでもそれなりの存在感を示しつつあるコルブレッリ。

ただ、彼が勝てばうれしいだろうが、現実的なことを考えればこの選手が最も有力。次いでマシューズといったところだ。

優勝予想:ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)

 

総合勢では動きが起こることのないステージとなるだろう。

ただしアラフィリップは優勝候補の1人であり、もしかしたらボーナスタイムを数秒稼ぎ取ることができるかも。逃げ切りが決まらなければ、だけれども。

 

 

第18ステージ アンブラン〜ヴァロワール 208㎞(山岳)

獲得可能な合計山岳ポイント:102

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200㎞超えのロングステージに、超級イゾアール(登坂距離14.1㎞、平均勾配7.3%)、そして超級ガリビエ(登坂距離23㎞、平均勾配5.1%)の2連戦という紛れなきクイーンステージ。

総獲得標高は5,215m。そして2つの超級山岳の山頂の標高はほれぞれ2,360mと2,642m。史上最標高のツールの2つ名は伊達ではない。

 

ここまで想像を超える走りを見せつけてきたアラフィリップにとって、最後の試練とも言うべき日となるだろう。昨年、フレーシュ・ワロンヌ勝利やツール山岳賞獲得など、覚醒を遂げた走りを見せつけていた彼も、優勝候補に挙げられていたインスブルック世界選手権ーー総獲得標高4,681mの本格クライマー向けコースーーでは最後に失速。シーズンの疲れもあっただろうが、彼がそれでもまだ真のクライマーではないことを証明するような日であった。

だが、今年の彼はさらなる進化を遂げている。彼が本当に、マイヨ・ジョーヌを着る資格があるのかどうかを判定するのは、この日のイゾアール、そしてガリビエであることだろう。

 

残り43.5㎞から登り始めるガリビエの登りは、頂上が近づくにつれ、その勾配を増していく。

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勝負所は残り4kmからの9%区間と、ラスト1kmの9%区間の2つ。

まずは残り4kmから、今大会最強の登坂力を見せるティボー・ピノ、エマヌエル・ブッフマンといった選手たちが攻撃を仕掛けていくことだろう。ここまでに、イネオスやユンボ・ヴィズマがどれだけのアシストを残せているかが鍵となる。

残り3kmから1kmにかけては比較的緩やかな勾配が続く。先のアタックで十分に引き離せていない場合、ペースで登るゲラント・トーマスやジュリアン・アラフィリップらが追いついてしまう可能性はある。

そして、ラスト1kmからさらなるカウンターアタック。

もしここで、トーマスがすでに遅れて復帰が難しいような状態であるならば、エガン・ベルナルがその実力を発揮する瞬間が訪れることだろう。

ここについていけるのはピノ、クライスヴァイク、ブッフマンといったところ。

そしてこの4名だけが、頂上からゴールまでの9kmの下り――激しく曲がりくねったテクニカルな下り――を突き進んでいくことだろう。

そして、最後の瞬間、スプリントでライバルたちを突き放すのはこの男。

今年のツールでは正直、期待以上の走りをいまだ見せられていないこの男が、ついにその真価を発揮することになるだろう。

優勝予想:エガン・ベルナル(チーム・イネオス)

 

アラフィリップはかろうじてマイヨ・ジョーヌを守り切る。

しかし、総合2位のクライスヴァイクに対し、そのタイム差は1分近くにまで迫られていることだろう。

 

 

第19ステージ サン・ジャン・ド・モーリエンヌ~ティニュ 126.5㎞(山岳)

獲得可能な合計山岳ポイント:69

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史上最標高とも言われる今年のツール・ド・フランス。それを象徴するのがこの日、訪れることになる超級山岳コル・ドゥ・リズラーン(登坂距離12.9km、平均勾配7.5%)。

一般にはイズラン峠の名で知られているこの登りは、アルプス地方で最も標高の高い舗装された道路であり、その最高地点の標高は2,770m。当然、今大会最標高地点である。

 

しかしこのイズラン峠の山頂からゴールまでは37km。最後は1級山岳の山頂フィニッシュではあるものの、ここはそこまで破壊力のある登りではない。

よって、この日は、厳しすぎる2ステージに挟まれているということもあって、総合勢の戦いは一旦落ち着きを取り戻すように予想される。

となれば、絶好のエスケーパーズステージである。ここまで、膨れ上がるときは際限なく膨れ上がっている逃げ集団。この日も、40名近い大規模な逃げが生まれるかもしれない。

 

その中には、ヴィンツェンツォ・ニバリやロマン・バルデ、ワレン・バルギル、そしてダニエル・マーティンなどもその名を並べていることだろう。

もちろんこの男も忘れてはならない。ここまで2度の逃げ切り勝利を果たしているサイモン・イェーツ。彼もまたきっとこの日も逃げに乗るだろうし、やはりそうなると、最大の優勝候補であることは間違いない。

 

山岳賞の行方も気になるところである。第2週終了時点で首位はティム・ウェレンスで64ポイント。ピレネーでもコツコツとポイントを重ねていた彼ではあったが、第14ステージのトゥールマレーでピノが一気に50ポイントも稼ぎ取り、それだけで一気にウェレンスのすぐ近くにまで迫っていってしまった。

第18ステージも2つの超級山岳で100ポイントも獲得できてしまい、ウェレンスにとってはちゃぶ台をひっくり返されるような思いを感じているかもしれない。

 

そしてこの日のイズラン峠もまた、50ポイントを手に入れられる山。

ウェレンスも逃げに乗って意地でもこれを取りに行こうとするか、あるいは総合勢に取らせまいと逆転を狙ってデヘントやチッコーネなどが取りに行くか。

また、残り58km地点の中間スプリントポイントを狙って、サガンが駄目押しの一撃を加えるべく逃げに乗る可能性も十分にあるだろう。そこまでしなくとも、安泰の位置にいるとは思うが・・・。

 

では、結局優勝予想は誰だ?

個人的な思い入れで語らせていただければ、それはロマン・バルデであってほしいとは思う。実はこの日のスタート地点のサン・ジャン・ド・モーリエンヌは、2015年に彼がツール初優勝を遂げた舞台である。もちろんそのときはゴール地点で山の上ではあったが、この記念碑的な街からスタートする、今年、総合争いから完全に脱落してしまった男は、最後の最後で爪痕を残すべく、トニー・ガロパンやマティアス・フランクといったチームメートたちの助けを借りながら、この日の勝利を手に入れることになるかもしれない――それは、ちょっと理想的な勝ち方である。

あるいは、同様に総合争いから脱落したアダム・イェーツが、サイモンの助けを借りながら最後の1級山岳を駆け上り、見事なリベンジ勝利、というのも涙腺が緩みそうだ。そのとき、サイモンとのワンツーなんて形になれば、なおさら。

 

だが、現実的に言って最も可能性が高いのは、ここまで絶好調のこの男だろう。

優勝予想:サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)

 

3勝もできるのか? いや、それくらいやってのけてもおかしくないのがこの男である。 

 

 

【変更後】第20ステージ  アルベールビル〜ヴァル・トランス  59.5㎞(山岳)

獲得可能な合計山岳ポイント:40 

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天候不順による災害発生の恐れもあり、実質的な総合争いの最終ステージとなるこの第20ステージも、大幅なコース短縮が行われた。

スタート地点のアルベールヴィルは変わらないが、そこから川沿いにまっすぐゴール地点のスキーリゾート、ヴァルトランスへと向かう。

よって、超級ヴァルトランス(登坂距離33.4km、平均勾配5.4%)の一発勝負となった。

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これがどんな影響を及ぼすのかは、想像するのがなかなか難しい。

単純な登坂力勝負であれば、昨日鮮烈な走りを見せたベルナルやサイモン・イェーツに有利と言えるだろう。

イネオスにとっても、トーマスを含め各アシストが全力で勝負所までプロトン全体を抑え込める役割を果たせるという意味でも。

 

しかしジュリアン・アラフィリップにとっても、乏しいチーム力によるデメリットが少なくなるコース変更であるともいえる。昨日も、登りはマイペースに走り、下りと最後の登りで逆転するつもりが十分にあったはずで、その有り余る闘志でもって、この日はイネオス列車を存分に利用し、最後の最後で強烈なアタックを繰り出してみせてほしいところ。

ベルナルとアラフィリップとのタイム差は48秒。なかなか逆転は難しいタイム差ではあるが、それがゆえに激しいバトルを期待したい。各チームとも、総合1位以外は価値がないものと信じる走りでもって。

 

 

山岳賞の行方も混沌としている。現在首位を走るのはロマン・バルデの86ポイント。しかしこの日のゴール地点は40ポイントがどーんと手に入る。2位以下についても、30、24、20、16、12、8、4ポイントと続く。

よって、たとえばバルデがこの日、山岳ポイントをまったく獲れなかったとしたら、以下の選手たちに逆転のチャンスが訪れる。

ティム・ウェレンス・・・現在74ポイント。6位同点。5位以上逆転。

ダミアーノ・カルーゾ・・・現在67ポイント。4位以上。

サイモン・イェーツ・・・現在59ポイント。2位以上。

エガン・ベルナル・・・現在58ポイント。2位以上。

ナイロ・キンタナ・・・現在58ポイント。2位以上。

 

とくに下3名、そのうちサイモンとベルナルは昨日の走りを見るに、十分可能性がありそう。なお彼らが2位を獲ったとしても、バルデが8位を獲れれば逆転なし。1位を獲ったとしても、バルデが5位以上を獲れれば確実に逆転なしとなる。

また、ベルナルやキンタナが今日を優勝し、バルデが山岳ポイントを獲れなかった場合そのポイント差は2となるが、明日のパリステージでも実は4級山岳が2つあり、先頭通過で最大2ポイント獲れる・・・そんな勝負のもつれこみ方、ありうるだろうか?

 

いろいろな面で注目すべき実質的最終ステージ。

果たしてどんな事態が待ち受けているのか。

 

 

【変更前】第20ステージ  アルベールビル〜ヴァル・トランス  130㎞(山岳)

獲得可能な合計山岳ポイント:55

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今年のツール・ド・フランスの総合を決める最後の戦いの舞台は、超級山岳ヴァル・トランス(登坂距離33.4km、平均勾配5.5%)のひたすら長い登坂の先の山頂フィニッシュである。近年、下りフィニッシュで最終日を迎えるというパターンも多かったが、とにかく山岳、というのを重点においた今年のコンセプトを象徴するようなレイアウトとなっている。

 

ヴァル・トランス自体はひたすら長い登りではあるが、そこまで厳しい登りではない。頂上に向けて散発的なアタックが繰り返されるかもしれないが、そこまで決定的な差をつけることができるわけではないだろう。

たとえば第18ステージを耐え抜くことができていれば、ジュリアン・アラフィリップがマイヨ・ジョーヌを着たままこの日を終えることができるかもしれない。

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が、それは、そこまでに何事もなければの話である。

我々はすでに、昨年のジロでサイモン・イェーツが第19ステージで突如の失速をする姿を見ている。2015年のブエルタで、トム・デュムランがアスタナのチームワークによって完全に勝機を奪われてしまった場面を目の当たりにしている。

とくに、アラフィリップには彼を守る仲間が近くにいない。エンリク・マスの調子が良ければその役割を果たしうるかもしれないが、基本的にはアラフィリップは彼自ら彼を守らなければならない立場である。極限状態においてそれはかなり難しいことである。

 

逆を言えば、この日もまだ黄色ジャージをアラフィリップに預けてしまったままスタートラインを切っているであれば、ライバルチームたちがやらなければならないのは、スタート16km地点から始まる最初の1級山岳コルメ・ド・ロゼラン(登坂距離19.9km、平均勾配6%)。

巨大で美しいダム湖を横目にしつつ、メイン集団の先頭はモビスター、アスタナ、そしてこの時点で「攻撃側」に回ることが珍しいがゆえになかなか見ることのできないチーム・イネオスによる攻撃的牽引がこの最初の登坂から繰り出されることだろう。ピュアスプリンターたちにとっては、なんとか振り落とされないようにしっかりとしがみつくようにして最初の1時間を過ごすことになりそうだ。

アラフィリップがこの時点で1人になっているとかなり厳しい。

 

だがライバルたちが攻撃を仕掛けられるとしたら、ここが本当に最初で最後となるかもしれない。途中に挟まれた2級山岳はさすがに規模が小さく、あとは最後の超級山岳山頂フィニッシュに向けたペースアップ次第である。

アラフィリップがそこをしっかりと耐え抜いていれば、最後までジャージを守る可能性はぐっと高まる。

そこまでの足の突然のストップや、次々とかかるアタックを集団後方で見逃してしまい、後手に回ってしまうような展開さえなければ、フランス人「脱走兵」はここに新たな歴史を刻み込むことになるだろう。

 

そして最後の超級決戦。総合争いが白熱し、すべての逃げを飲み込んで彼らがゴールするか。もしくは今年最後の逃げ切りツール初勝利を掴む者が現れるか。

 

優勝予想についてはメイン集団がゴールを迎えると予想。

先だっての第18ステージでエース交代を果たしたイネオスのトーマスが、ベルナルのために全力牽引し、そこからベルナルが発射。

これにピノやクライスヴァイク、フルサングといった面々が何とかついていこうとするも、最後はこれらを突き放し、ベルナルによる2度目のステージ優勝。

優勝予想:エガン・ベルナル(チーム・イネオス)

 

そして、マイヨ・ジョーヌの行方は・・・?

 

 

第21ステージ ランブイエ~パリ・シャンゼリゼ 128km(平坦)

獲得可能な合計山岳ポイント:2

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そしてエピローグは、毎年恒例のパリ・シャンゼリゼ周回コース。

周回突入後、石畳の登りや凱旋門の周りの180度ターン。そしてトンネルを潜ってジャンヌダルク像に謁見するアップダウン。

プロトンの面々はそれぞれの思いを噛みしめながら、各チームのエーススプリンターのために少しずつ緊張感をもって集団内での位置取りを開始していく。

 

最後のスプリントの決めてとなるのは、ゴール前400mの石畳直角カーブ。

見事なトレインもここでバラバラになることも。最後は力と力のぶつかり合い。最もパワーを発揮できた選手が、逃げ切るかのように凱旋門前の栄光のフィニッシュを先着する。

 

今大会、最後の優勝予想はこの男。今年のツールはいろいろあって思うように力を発揮できなかったけれども、やはりその単独の力量としては最強であることを示した。ワウトを欠きながらも、トニー・マルティン、ヤンセン、そしてテウニッセンといったアシストたちによるラスト数kmの集団支配も功を奏し、2度目のシャンゼリゼを手中に収める。

優勝予想:ディラン・フルーネウェーヘン(ユンボ・ヴィズマ)

 

 

そして、この最終日のポディウムの真ん中に立つのは、30年ぶりのフランス人か、それともディフェンディングチャンピオンか、あるいは新たな時代のヒーローか。

 

 

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