りんぐすらいど

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【レースレポート】ブエルタ・ア・アンダルシア2020 第1ステージ

各種メディアで日本語のレースレポートがなさそう?なのでのちに全ステージレビューの一部にする予定の第1ステージのレポートを暫定的にアップ。

のちに全ステージレビュー作成した際にこの記事は削除する可能性があります。

 

↓各ステージの詳細はこちら↓

www.ringsride.work

 

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第1ステージ アラウリン・デ・ラ・トレ〜グラサレマ 174㎞(山岳)

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第1ステージからいきなりの獲得標高3,740m。

5つの山岳ポイントが含まれ、最後のそれは、ゴール前6.5㎞で頂上に到達する登坂距離12.7㎞、平均勾配6.5%の1級山岳。

長くはあるものの、勾配はそこまで厳しくないはず・・・ということで、ここでいきなり総合が決することはないだろう、と考えていた。

だがまさか、あのような展開になるとは。

 

ゴールまで残り11.3km。1級山岳の山頂まで残り4.8km。

単独で先頭を走っているたロイック・ヴリーヘン(サーカス・ワンティゴベール)をプロトンが飲み込もうとした瞬間に、一人でそこから飛び出す選手がいた。

バーレーン・マクラーレンのエースナンバーをつけた選手。今大会が今シーズンの開幕戦となるミケル・ランダだ。

そして、彼をさらに集団から追いかける水色のジャージを着た選手。

アスタナ・プロチームの・・・ディフェンディングチャンピオンの証、ゼッケンNo.1をつけた選手、ヤコブ・フルサンである。

 

いきなりの総合優勝候補2名の飛び出し。プロトンからはミッチェルトン・スコットのアンドレイ・ツェイツが単独で追いかけるも、2人には届かない。

やがて彼が戻ったメイン集団には、彼が戻るべきチームのエース、ジャック・ヘイグのほか、脱落したアントワン・トールクの代わりにエースを務めるクリス・ハーパー、元ラヴニール覇者のルーベン・フェルナンデス、ロット・スーダルの22歳若手クライマーのハーム・ファンフック、UAEチーム・エミレーツのダビ・デラクルス、そして地元スペインのモビスター・チームのエース、マルク・ソレルが今にも千切れそうな様子で集団の後ろに張り付いている。

その集団の中に、フルサンのチームメートであり昨年総合2位のヨン・イサギレと、ランダのチームメートであるディラン・トゥーンスと昨年総合4位ペリョ・ビルバオ。

合計10名の追走集団は、先頭2名から45秒遅れで山頂を通過した。

 

結局、2人は追いつかれることなくグラサレマの街中に突入。

狭い石畳の激坂を制したのは、昨年のアルデンヌ・クラシックで圧倒的な強さを誇ったヤコブ・フルサン。ワンデーレース巧者がランダを余裕で突き放し、シーズン最初のレースで勝利を掴み取った。

Embed from Getty Images

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絶叫と共に両手を前に突き出した感情豊かなガッツポーズ。

シーズン開幕を前にして、突然のドーピング疑惑にも巻き込まれ、精神的にも混沌とした思いを抱えていたに違いないフルサン。

そのすべてを打ち払い、今年の成功に向けた幸先の良いスタートを切ることができたようだ。

 

一方、敗北したランダも他のライバルたちに20秒以上のタイム差をつけてゴールしており、交通事故の後に迎えたシーズン開幕戦として悪くない走りができたことに、自らも「満足」とコメントしている。

実際、チームとしても十分な出来だった。下りで飛び出して先頭2名とのタイム差を2~30秒にまで縮めることのできた4名の中には、バーレーン・マクラーレンの選手が2名。とくに激坂に強いトゥーンスがその先頭を取り、先日のボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ総合2位のジャック・ヘイグが4位。ビルバオ、イサギレと続いた。

 

一方、ソレルは山頂付近で遅れを喫し、フルサンからは1分21秒遅れの12位。

そのチームメートでソレルと共にダブルエースを演じるはずだったエンリク・マスは3分58秒遅れの31位と、総合争いからはあまりにも早すぎる脱落となってしまった。

 

このまま、総合優勝争いはフルサンとランダの2名に絞り込まれるのか?

それともバレンシアナの勢いをそのままにヘイグが逆転を狙うか。

 

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