りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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ブエルタ・ア・アンダルシア2020    コースプレビュー

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Class:UCIプロシリーズ

Country:スペイン

Region:アンダルシア州

First edition:1925年

Editions:66回

Date:2/19(水)〜2/23(日)

 

またの名を「ルタ・デル・ソル(太陽の道)」。スペイン南部のアフリカにほど近い乾燥地帯アンダルシア州を舞台にしたステージレースである。

 

ヨーロッパ各地での開幕戦を終え、いよいよ本格的なロードレースシーズンが始まろうとしている。

このアンダルシアでのレースは、1月末のマヨルカ島でのレースから始まり、バレンシア、ムルシア、アルメリアと転々としてきた「スペイン組」にとっての、ウォーミングアップのクライマックスと言えるレースである。

 

日程は5日間。いずれも、厳しい山岳ステージで、平坦とは無縁の5日間。

そのコースの詳細を確認していく。

 

↓注目選手プレビューはこちらから↓

www.ringsride.work

 

 

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第1ステージ アラウリン・デ・ラ・トレ〜グラサレマ 174㎞(山岳)

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第1ステージからいきなりの獲得標高3,740m。5つの山岳ポイントが含まれ、最後のそれは、ゴール前6.5㎞で頂上に到達する登坂距離12.7㎞、平均勾配6.5%の1級山岳。

総合優勝候補たちが決定的なセレクションをかけられるような登りではないが、第1ステージから「誰が勝てないか」を炙り出すには十分だ。

なお、-9.5%勾配の下り坂を越えたあと、ラスト1㎞も約8%の登りフィニッシュ。

ヨン・イサギレのようなダウンヒラーが抜け出して逃げ切るか、ディラン・トゥーンスのような激坂巧者が最後に先頭に出るか。

いずれにせよ、総合争いに大きな影響はまだ、及ばさないはずだ。

 

 

第2ステージ セビリア〜イズナハル 194㎞(丘陵)

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今大会最長ステージ。ゴール前に登りがあり降った後にも最後に小さな登りフィニッシュになるのは第1ステージ同様。ただし1つ1つの登りの厳しさやその数は第1ステージよりは小さく、難易度は低くなっている。

ただしフィニッシュは残り1.5㎞で8.5%の登りで第1ステージ以上。クライマーというよりは、アルデンヌ系に強い純粋パンチャー向きか? バーレーン・マクラーレンのディラン・トゥーンスや、昨年覇者のヤコブ・フルサン、あるいはガスプロムに移籍した元NIPPOのマルコ・カノラにも期待したいところ。

 

 

第3ステージ ハエン〜オベダ 177㎞(山岳)

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スタート直後から登り始め、1級山岳を2つ含む5つの山岳ポイントをひたすら登るか降るかを繰り返すジェットコースターのようなステージ。今大会のクイーンステージと言われている。総獲得標高は3,160m。

強烈な登り一発で勝負が決まるというよりは、度重なる登りに耐え抜けるかどうかが重要になる。その意味でチームワークは非常に重要そうだ。昨年のこの時期、まさにそのチームワークでウェレンスを逆転して総合優勝してみせたアスタナは今年もフルサンとヨン・イサギレのダブルエースで強力。アレクサンドル・ウラソフもそこに加わる強力な選手だ。

対抗馬になるのはバーレーン・マクラーレン。ミケル・ランダをエースに据え、ディラン・トゥーンス、ダミアーノ・カルーゾ、マテイ・モホリッチ、そしてペリョ・ビルバオ。アスタナに負けない層の厚さを誇る。

また、スタート直後に登るのは逃げ有利なレイアウトでもある。山岳賞を巡るエスケープ合戦からの、まさかの逃げ切りも十分に考えられるステージとなるだろう。

 

 

第4ステージ ビジャヌエバ・メシア〜グラナダ 125㎞(山岳)

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距離は短いが、ゴール前17.7㎞に1級山岳の山頂を用意する、決して簡単ではないステージ。しかもこの1級山岳の登りは登坂距離9㎞、平均勾配7.5%と、第1ステージのゴール前にある登りよりも厳しい。ある意味で前日よりも、総合に影響を与えるステージとなるかもしれない。

ただしこの日も山頂フィニッシュではない。ゴールまでは長い長い下り。登りで決定的な差をつけた小集団が逃げ切るか、それとも。

なお、この最後の1級山岳プルチェ峠は昨年のクイーンステージでも登場した。そのときは2つある1級山岳の1つ目でゴールまでも70㎞近くあったけれど、ウェレンスから総合リーダーの座を奪わんとするアスタナやミッチェルトンが序盤からペースを上げていった。

今回も総合を占う一戦が繰り広げられるか。

 

 

第5ステージ ミハス〜ミハス 13㎞(個人TT)

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2年前のブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージでも使用したマラガ県のミハスで発着する短距離個人タイムトライアル。白壁の美しい街並みが広がる海岸線から内陸部に入り、そこからまた海岸線へと戻っていく。

非常に曲がりくねったルートを選んでおり、純粋なパワー勝負にはなりにくい。TTスペシャリストとしてはミッチェルトン・スコットのエドアルド・アッフィーニなんかに期待したいが、経験値の差が出てしまうかもしれない。トム・ボーリもTT能力に定評のある選手だ。

総合争いでももちろん重要。ヨン・イサギレやブランドン・マクナルティ、エンリク・マスなんかは総合系の中でもTT能力が高い選手たち。もちろんヤコブ・フルサン、マルク・ソレルも決して苦手ではない。

逆にミケル・ランダなんかはここが正念場となるかもしれない。

 

なお、中間計測地点まではひたすら登り勾配であることに注意。中間計測地点での順位と、下りと海岸沿いの平坦路が中心となる後半戦を含んだ最終順位とでは、顔ぶれが異なる可能性が結構ある。

最後の瞬間までどうなるかわからない1日となりそうだ。

 

次回は注目選手たちを確認。

 

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