りんぐすらいど

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ブエルタ・ア・アンダルシア2019 コースプレビュー

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Class:ヨーロッパツアー HCクラス

Country:スペイン

Region:アンダルシア州

First edition:1925年

Editions:65回

Date:2/20(水)~2/24(日)

 

アンダルシアとはスペイン南部、アフリカに接する位置にある地域である。

完走し、気温の高いこの地域を走るこのレースは、別名「ルタ・デル・ソル(太陽への道)」とも呼ばれ、本格的なロードレースシーズンが始まる前のこの時期、寒い地域から離れて少しずつ体を慣らしていこうとするトップレーサーたちにとって最適なウォーミングアップレースとなる。

 

今年も昨年総合優勝者のティム・ウェレンスのほか、ジロ・デ・イタリアでのリベンジに燃えるサイモン・イェーツや先日バレンシアナで勝ったばかりのヨン・イサギレなど、有力選手が多数出場。

シーズン序盤ゆえにどんな展開が起こるか予想できないところもあり、今年思わぬ活躍を見せる可能性をもつ選手を見つけ出すきっかけにもなりそうだ。

 

今回はこのアンダルシアのコースプレビューを行っていく。

 

注目チーム&選手プレビューはこちら!

www.ringsride.work

 

 

 

第1ステージ サンルーカル・デ・バラメーダ~アルカラ・デ・ロス・ガスレス 164km(丘陵)

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http://www.vueltaandalucia.es/altimetria-etapa1

アンダルシアは平穏なフラットコースで開幕することはない。とくに今年は、昨年のクイーンステージとなったアルカラ・デ・ロス・ガスレスの石畳激坂を初日のフィニッシュに持ってきた。

ラスト1.3kmの平均勾配は10%以上。最後の300mは石畳区間となり、最大勾配は18~19%に達するという。

昨年は山頂フィニッシュで勝利してリーダージャージを身に纏っていたワウト・プールスが脱落し、ミケル・ランダが先行していたところを、シッティングでするすると駆け上がってきたティム・ウェレンスがまさかの勝利。

そのまま総合リーダージャージを手に入れ、最終日TTも難なくこなしての総合優勝を果たした。

 

今年ももちろん出場するウェレンスは、やはり優勝候補の1人に数えるべきだろう。

しかし一方で、激坂といえば過去にフレッシュ・ワロンヌで3位の経験をもつディラン・トゥーンス(バーレーン・メリダ)や、激坂に強く今年はバレンシアナでバルベルデに競り勝ったアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)などにも注目。

そして、ピュアクライマーというよりはパンチャーに近い脚質をもち、今年もチャレンジ・マヨルカなどで調子の良さを見せているギヨーム・マルタン(ワンティ・グループゴベール)などにも期待しておきたい。

初日から見逃せない注目ステージ。この日以外に山頂フィニッシュはないため、TTを除けばもしかしたらこの日が総合を占う重要な日となるかもしれない。 

 

 

第2ステージ セビリャ~トレドンヒメノ 216km(平坦)

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http://www.vueltaandalucia.es/altimetria-etapa2

アンダルシア州の州都セビリャをスタートする第2ステージは、今大会最もフラットで、最も長距離なコースとなる。よって、前日の激戦の疲れを癒すべく、プロトンはゆったりとしたペースで逃げを追いかけることになるだろう。

終盤は少しずつ山がちに、ゴール25km手前には登坂距離4.3km、平均勾配5%の3級山岳が。そしてゴールに向かっても平均勾配3%程度の緩やかな登りがだらだらと続く。

よって、この日は集団スプリントで決着する、と考えても良いだろう。一応は登りスプリントということを考えれば、バレンシアナで強さを見せたマッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)やイバン・ガルシア(バーレーン・メリダ)、あるいはオドクリスティアン・エイキング(ワンティ・グループゴベール)あたりにチャンスがと言えるだろう。

 

 

第3ステージ マンチャ・レアル~ラ・グアルディア・デ・ハエン 16.2km(個人TT)

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http://www.vueltaandalucia.es/datos-principales-3

総合優勝争いに大きく影響を及ぼすであろう個人タイムトライル。ここも実にアンダルシアらしく、個人TTでありながら平坦では決してないレイアウトである。

スタート直後から始まる緩やかな登り基調は6km地点でようやく頂上に達する。そこからは下りでペースは上がるものの、ラスト1.8kmで再び登り。しかもフィニッシュまで、平均7.6%の勾配だ。下り区間の前半も結構曲がりくねっているため、微妙なテクニックの差でタイムに影響が及ぼされそうだ。

下りとTTの組み合わせという意味では、バレンシアナでも個人TTの能力の高さで総合優勝を掴み取ったヨン・イサギレ(アスタナ・プロチーム)に注目が集まる。また、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャの個人TTで好タイムを記録したスティーヴン・クライスヴァイク(チーム・ユンボ・ヴィスマ)の走りにも期待したい。

 

 

第4ステージ アルミラ~グラナダ 120km(山岳)

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http://www.vueltaandalucia.es/altimetria-etapa4

今大会のクイーンステージ。120kmの短いコースに2つの1級山岳。しかも最後の登りは登坂距離7.3km、平均勾配9.6%とかなり本格的な登りだ。

ただしその山頂からゴールまでは22.5kmと結構長い。登坂争いで先頭に躍り出た有力クライマーも、そのあと最後まで追い付かれずに逃げ切れるかどうかは微妙なところだと思われる。ダウンヒルで繰り広げられる、トップクライマーとそれを追うライバルたちとの熾烈な追いかけっこは実に魅力的な展開を生み出してくれそうだ。

 

今大会出場のクライマーで最も注目すべきは、昨年ブエルタの覇者で今年のジロ・デ・イタリアでのリベンジを狙うサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)。今回はアダム・イェーツにエステバン・チャベス、ミケル・ニエベと、グランツールですら実現しないような超豪華メンバーを揃えていて敵なしの様相。

また、アスタナ・プロチームについては、最近ヨンと並んで調子の良いペリョ・ビルバオの存在が気になるところ。あとは、今年プロコンチネンタルチームのヴィタルコンセプト・B&Bホテルスに移籍したピエール・ローランがどこまでの走りを見せてくれるか。

 

もしも抜け出したクライマーが追い付かれ、クライマー同士でのスプリント争いになった場合、有利なのは今期ここまでスプリントにおいて存在感を示しているルイスレオン・サンチェス。 そして昨年総合優勝者のティム・ウェレンスも、最後まで残ればスプリントで勝てる可能性のある選手だ。

 

 

第5ステージ オトゥラ~アラウリン・デ・ラ・トレ 163.9km(丘陵)

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http://www.vueltaandalucia.es/altimetria-etapa5

レースの前半はひたすらアップダウンが続き、ゴール前33km地点に登坂距離2.3km・平均勾配9.9%の激坂。更にその直後にもう1つ、登坂距離800m・平均勾配9.8%のミニ激坂が連続する。

しかしその後は急勾配の下りを経てマラガ近郊のフラットエリアに。さすがのアンダルシアも最終日は集団ピュアスプリントステージを用意してくれているのだな、と思いきや、ラストは緩やかな登りスプリント。アンダルシアにピュアスプリンターの出番などない。

今年のここまでの状態を見ても、マッテオ・トレンティンが最強なのは間違いがなさそうだ。しかしバレンシアナと違い、メズゲッツを連れてきていないことと、さすがに厳しい登りが連続することで、足が削られてしまっている可能性がある。その場合はサンチェスやウェレンスにチャンスが与えられることだろう。

ただ、個人的に注目しているのはイバン・ガルシア(バーレーン・メリダ)。ルーラーともパンチャーとも言えない彼は昨年はスプリンターとしての才能を開花させつつあった。ブエルタ・ア・エスパーニャではバルベルデとサガンにも喰らいついていた彼が、このアンダルシアで見事な覚醒を遂げてくれる可能性はあるだろう。 

 

 

 

次回は注目「チーム」および選手たちをプレビュウ予定。 

 

 

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