りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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フレッシュ・ワロンヌ2020(Youtube実況動画)  プレビュー

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Class:ワールドツアー

Country:ベルギー

Region:ワロン地域

First edition:1936年

Editions:84回

Date:4/22(水)

 

ユイ! ユイ! ユイ!

今年もあの激坂バトルがやってくる。

まるであのバルベルデから完全なる世代交代をしてしまったかのように、ジュリアン・アラフィリップが過去2年を連覇。その勢いは今年も留まらないのか? それとも昨年は(度重なる)悔しい思いをしてきたフルサンが逆襲を見せるか。

今年はあのマチュー・ファンデルポールもフレーシュ・ワロンヌに初挑戦。北のクラシックやアムステルでは圧倒的な力を見せ続けてきたマチューは、このユイの激坂にも対応できるのだろうか。

 

最後の1.4㎞に集約される実にシンプルな「最強激坂王決定戦」。

今年もきっと、予想のつかないドラマが待っている。 

 

↓実際の動画はこちらから↓

youtu.be

 

 

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コースについて

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今回のプレイでは、2019年のコースを使用する。

スタート地点は、2年前までのリエージュ~バストーニュ~リエージュのゴール地点として使われていたアンスの街。

 

188.6kmと、クラシックレースとしては短い距離の中に詰め込まれた11個のカテゴリ登坂の中で、重要になるのは次の3つの登り。

 

① コート・デレッフ

登坂距離2㎞、平均勾配5.0%、最大勾配8.9%

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② コート・ド・シュラーヴ

登坂距離1.4㎞、平均勾配7.7%、最大勾配10.8%

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② ミュール・ド・ユイ(ユイの壁)

登坂距離1.4㎞、平均勾配8.9%、最大勾配18.4%

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2019年のコース(=今回のコース)では、この3つの登りを含んだ周回コースを最後に3周する。

例年、そのとくに2周目から大きな動きが巻き起こる。3年前は「2回目コート・ド・シュラーヴ」でアレッサンドロ・デマルキが単独で抜け出して、「2回目ユイの壁」でボブ・ユンゲルスがここに単独ブリッジ。

のちにユンゲルスがデマルキを突き放し、そのまま一人で最後のユイの壁に挑んだ。

Embed from Getty Images

 

また、2年前は「2周目コート・デレッフ」でヴィンツェンツォ・ニバリやジャック・ヘイグ、マキシミリアン・シャフマンといった強力な逃げ集団が形成され、最終的にはヘイグとシャフマンが最後のユイの壁に先頭で飛び込んだ。

Embed from Getty Images

 

 

だがいずれも、結局は「ミュール・ド・ユイ」の前にあえなく失速し、集団に捕まえられる。

激坂王の選定場は、今年も決して逃げを許さないのか。

それとも意外な逃げ切りが今年こそ生まれてしまうのか。 

 

伝統と非伝統のせめぎ合い。

今年もまた、想像を超えるドラマを期待したい。

 

 

注目選手

ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)

まるでそれまでのバルベルデの勢いをそっくりそのまま受け継いだかのように、2018年・2019年と連勝。新時代の激坂ハンターだ。

今年はここまでなかなか調子が上がりきらない様子も見せている・・・のは現実世界でのお話。ゲームの中では相変わらず絶好調なのは、前回のアムステルゴールドレースでも明らか。

その勢いのまま3連覇してしまうか?

 

ヤコブ・フルサン(アスタナ・プロチーム)

昨年は尽くアラフィリップと競い合い、このフレーシュ・ワロンヌもストラーデビアンケに続き2位。だが、その後のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで見事リベンジを果たした。

現実世界では開幕戦となったブエルタ・ア・アンダルシアで安定した走りを見せて難なく総合優勝。ただゲームの中ではここまで、あと一歩のところで力不足になる場面が目立ち、昨年ほどの勢いは見られない。

ここで本来の強さを取り戻してくれるか? それとも?

 

マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ)

昨年の「アルデンヌの皇子」は、現実世界でもゲームでも絶好調続き。ストラーデビアンケでも、アムステルゴールドレースでも・・・

クイックステップ時代の2018年は終盤でアタック、独走を開始して、モビスターチームに焦らせたことが、アラフィリップの最初の勝利のきっかけとなった。2019年は自らエースとして走り、見事に5位。今年はさらなる高みを目指せるか。

  

セルジオ・イギータ(EFプロサイクリング)

今年初出場となるこの男は、今最も勢いのある若手と言って良い。コロンビア国内選手権やツアー・コロンビアでは、チームメートのダニエル・マルティネスらとのコンビネーションも駆使しながらリチャル・カラパスやイバン・ソーサ、エガン・ベルナルなどを擁するチーム・イネオスを見事に打ち負かしてみせた。3月のパリ〜ニースでは、横風にも負けない意外な強さを見せながら、最終的には総合3位。チームメートが次々と離脱していくトラブルさえなければ、もっと上を目指せていたかもしれない。

今年ツール・ド・フランス初出場を目指し、その新人賞候補ともすでに囁かれるこの逸材は、昨年のジロ・デッレミリア3位やトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ5位など、クライマー向きワンデーレースでも上位に入る成績を残している。

ならばこのフレーシュ・ワロンヌも。初出場枠最大の期待株だ。

 

マチュー・ファンデルポール(アルペシン・フェニックス)

初出場枠ではもちろんこちらも期待。アムステルゴールドレースで終わった昨年と違い、今年はこのフレーシュ・ワロンヌをクラシック最終戦と定めたファンデルポール。将来のグランツールでの活躍も見据え、まずはどこまで走れるか、だ。

本来であれば北のクラシックや、せめてアムステルレベルの丘陵系クラシックまでを得意とするファンデルポール。ユイの壁のような激坂にどこまで対応できるか。

たとえば昨年のアークティックレース・オブ・ノルウェーでは、クイーンステージの激坂ではさすがにずるずると崩れ落ちる姿を見せていた。あのときは、体調を崩しかけていた、というのもあるだろうけれど。

今後の彼の可能性を見据える上でも重要な一戦。・・・それだけに、現実世界でのこのレースをぜひ見てみたかったけれど。

 

 

もちろんかつての王バルベルデや、激坂にも強い次代のグランツールライダー・ポガチャルなどにも期待。

今年の「最強激坂王」の座は、誰の手に?

 

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