1ヶ月近い大型レースの休止期間を挟み、いよいよトップ選手たちも戻ってきての本格的なレースが再開された。
12/15・12/16の土日に開催されたDVVフェルゼクリンゲン・トロフェー第4戦「シュヘルデクロス」およびスーパープレスティージュ第5戦「ゾンホーヴェン」をレビュウしていく。
DVV第4戦「シュヘルデクロス」
DVVフェルゼクリンゲン・トロフェーは、他2つのシリーズ戦と違い総合タイム差によって順位がつけられるシリーズだが、前回の第3戦「フランドリアンクロス」にて、4分差あったタイム差を一気に2分差にまで詰めたマチュ―・ファンデルポール。
今回の「シュヘルデクロス」にて、このタイム差をどれだけさらに詰めることができるか、そして総合首位のトーン・アールツは、どれだけこれを守り切ることができるか、という点に注目が集まった。
There's a big crowd facing the cold today! ❄️👌#crelan #charles #aimhigher #all4goolie @DVVtrofee #Scheldecross #Antwerpen pic.twitter.com/aYfpUvxkpI
— Crelan - Charles (@Snipercycling) December 15, 2018
川沿いの長いサンドセクションが特徴の「シュヘルデクロス」。
スタートダッシュで先行したのはいつも通りファンデルポール。しかし今日はそこにアールツがきっちりと喰らいつく。
その後も何度かアタックしようとするファンデルポールに対し、遅れずについていくアールツ。彼が先頭に出た後もペースが上がり、マイケル・ファントーレンハウトやワウト・ヴァンアールトらは遅れを喫してしまう。
アールツの狙いは、2周目に設定された15秒のボーナスタイムであった。これを取られてしまったら、より逆転の可能性が高まってしまう。逆に自分がそれを取ることができれば、首位を守る可能性を広げることができる。
アールツの狙いは成功した。2周目まで彼の積極的な動きは続き、ボーナスタイム15秒を獲得。ファンデルポールは2位でこのポイントを通過し、10秒のボーナスタイムを獲得。アールツとファンデルポールとのタイム差が5秒、開いた。
ひとまず目的を達成したアールツはペースダウン。ファンデルポールも同様に足を止め、後方よりヴァンアールト、ファントーレンハウトらが追いついてくる。
だが、その後はいつも通りの、ファンデルポール独走だった。
ファンデルポールのアタックの瞬間、アールツは手も足も出なかった。序盤で力を使い過ぎたのか。ヴァンアールトが焦ってこれに喰らいつこうとするが、しかしすでに勢いのついたファンデルポールを止めることはできなかった。
結局、ファンデルポールがヴァンアールト、アールツらに1分以上のタイム差をつけて勝利。
ボーナスタイムによる5秒のリードが焼け石に水のような結果となってしまった。
DVVフェルゼクリンゲン・トロフェーはあと4戦。
このまま大きな問題が発生しない限り、ファンデルポールの逆転勝利はほぼ確実といったところか・・・。
スーパープレスティージュ第5戦「ゾンホーヴェン」
泥の激坂が特徴のゾンホーヴェンに、薄い雪が積もった。
リエージュ北、オランダ国境にも近いゾンホーヴェン(ゾンホーフェン)。
氷点下近くまで気温が下がり、土の上にはうっすらと積雪が見られる。試走やジュニア、女子レースの末にライン上の雪は解け、ドロドロになった地面が自転車の動きを制限し、落車を多発させた。
ただでさえ名物の泥の壁、落車必至の泥のハイスピードダウンヒルが特徴のこのステージの難易度がさらにぐっと上がった形だ。
スタートと共に飛び出したのはコレンドン・サーカスのマチュ―・デイヴィットのファンデルポール兄弟とトム・メーウセン。
弟とチームメートが後続に蓋をしている間に1周目から早くも抜け出したファンデルポールが早くも勝負を決定づけた。
ワウト・ヴァンアールトとラース・ファンデルハール&トーン・アールツのテレネットコンビが追いかけるも、勝負にすらならなかった。
この日も圧倒的な強さを見せつけたファンデルポール。
スーパープレスティージュはポイント制で、かつここまでファンデルポールが全勝しており、もはや逆転はあり得ないというような状況。
ファンデルポールも1周目からトリックを見せるなど、余裕を醸し出しており、正直、レースとしては何の面白みもなかったな・・・。
気になるのが、今期期待していたトーマス・ピドコックが下りで落車する姿を見せるなど、最近あまり調子の良いところを見れていないこと。
U23カテゴリで出場しているUCIワールドカップでは余裕で勝っているし、単に19歳でエリートに参戦しているだけ凄いという話なんだとは思う。結局この日は14位でゴールしてるし、総合成績も11位だし、実際、悪くはないんだし・・・。
逆にヨリス・ニューウィンハイスは安定して10位以内でゴールしており、来期サンウェブでロードを走るときが非常に楽しみである。
激坂を登るニューウィンハイス。
来週12/23(日)はUCIワールドカップ第6戦「ナミュール」。
トーン・アールツがギリギリで総合首位を守り切れるか、それとも連戦連勝を重ね、こちらでもファンデルポールが逆転総合優勝を飾ってしまうのか。
今、最もアツいシリーズ戦がこのUCIワールドカップだ。
また年末は
- 12/26 UCIワールドカップ第7戦「ヒュースデン・ゾルダー」
- 12/28 DVVトロフェー第5戦「アーゼンクロス」
- 12/30 スーパープレスティージュ第6戦「ディーゲム」
と短い間隔でシリーズ戦が次々と開催される。
1/1にはDVVトロフェー第6戦「GPスヴェンネイス」も。
年末年始もシクロクロスで堪能し、新たなシーズンの開幕に備えよう!