りんぐすらいど

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Team Dimension Data 2019年シーズンチームガイド

読み:チーム・ディメンションデータ

国籍:南アフリカ

略号:DDD

創設年:2007年

GM:ブライアン・スミス(スコットランド

使用機材:BMC(スイス)

2018年UCIチームランキング:18位

(以下記事における年齢はすべて2019年12月31日時点のものとなります) 

 

 

 

2019年ロースター

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カヴェンディッシュ・ファミリーは無事残留するものの、多くの新加入選手を迎え、小さな生まれ変わりを見せているディメンションデータ。

とくに、ガスパロット、クロイツィゲル、ヴァルグレンの3名はいずれもアルデンヌ・クラシックで大きな成果を挙げている実力者であり、アルデンヌでの上位獲得を目指し、万年UCIランキング最下位からの脱出を狙う強い意志を感じとることができる。また、ニッツォーロの加入は、カヴェンディッシュだけに頼らないスプリンター強化への狙いを感じさせる。バクも元グライペル親衛隊の1人であり、スプリンター強化の一環と言えるだろう。

若手も数名獲得。とくにマーダーは2018年のツール・ド・ラヴニールでも活躍したスイス若手期待の星である。彼とウィスの加入は、やはりバイクサプライヤーがBMCに変わったことによる影響?

退団選手では引退のアントン含め、比較的登れる選手たちが多く去っているのが気になる。スウェイツは落車もあってか自転車業界からの完全引退を発表しており、それ以外の選手は現時点で行先不明。デベセイは期待されていたエリトリア人ライダーだったのだが・・・ランカウイでの骨折が響いたか。同じエリトリア人としてはダニエル・テクレハイマノも行先不明となっており、いくらアフリカ人への支援厚いディメンションデータとはいえ、プロの世界は厳しいということを思い知らされる。

 

 

注目選手

ベンジャミン・キング(アメリカ、30歳)

脚質:クライマー

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2018年の主な戦績

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かつては逃げスペシャリストとして、2016年のツアー・オブ・カリフォルニアにおける鮮やかな逃げ勝利も記憶に新しい。国内選手権ではロード優勝に加えて、個人TT2位の記録ももち、独走力は十分に高い選手だ。

そして、2018年ではブエルタ・ア・エスパーニャの山岳ステージで2度にわたる逃げきり勝利を果たした。これにより、単なる平坦エスケーパーとしてだけでなく、山岳エスケーパーとしての可能性を大きく広げたこととなる。チームとしては、さすがに引退も近づいているであろう、スティーヴン・カミングスの後継者といったところか。

2019年も、ステージレースでの総合争い、というのはさすがに厳しいし、各種クラシックでの成績、というのも望むのは難しいかもしれないが、積極的な逃げで勝利を掴む姿勢を見せ続けてほしいところ。目指すは、ツールでの逃げ切り勝利だ!

 

 

ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、27歳)

脚質:パンチャー

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2018年の主な戦績

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オムロープにおける再三・再四のアタックはついに実り、「最強」でない男が勝利を掴んだ。

しかし、まさかその後も、次々と成果を出すとは思わなかった。アムステルでは、2016年にゴール直前で焦り過ぎてしまったがゆえの敗北への、リベンジを果たした。カナダ2連戦や世界選手権ロードレースでも上位に入り込み、基本的にはパンチャータイプの脚質をもってはいるが、先のオムロープやロンド・ファン・フラーンデレンでも成績を出しており、フランドルからアルデンヌまで、クラシック全体を得意とするスペシャリストである。その意味で、ジルベールやヴァンアーヴェルマートに近いタイプの選手と言えるだろう。

アルデンヌに関してはクロイツィゲルやガスパロットもいるため、唯一のエースというわけにはいかないだろうが、北のクラシックでは他に匹敵する選手がいないため、必然的にエースを任される可能性は高い。

 

 

ロマン・クロイツィゲルチェコ、33歳)

脚質:クライマー

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2018年の主な戦績

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アムステルゴールドレースではヴァルグレンの後塵を拝した。しかし、アルデンヌ・クラシック全体における安定感はより高く、世界選手権ロードレースでもヴァルグレンの上をいった。基本的に登りはクロイツィゲルに分があり、石畳などが加わるとヴァレグレンが上を行くといったところか。

だがいずれにしても、2019年のディメンションデータにおけるアルデンヌ・クラシック(およびイル・ロンバルディアなどクライマー向けワンデーレース)は、この2名にガスパロットを加えた3名のいずれかが勝利を狙う体制でいくことになるだろう。いわばトリプルエース。果たしてうまくいくかどうか。

またクロイツィゲルは、ディメンションデータが不得意とするステージレース総合上位を担うことも期待されているかもしれない。古くより、コンタドールやイェーツ兄弟など、その時代のトップスターたちを支え続けてきた名アシスト。自らも10年前にはツール・ド・スイスツール・ド・ロマンディでの総合優勝を成し遂げている。

まだ33歳。隠居するには早すぎる。新たな舞台で、久方ぶりに主役としての活躍を見せられるか。

 

 

その他注目選手

アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、25歳)

脚質:クライマー

その独特な名前でブエルタ中継において注目を集めた、声に出して読みたいゲブレイグザブハイアー。

ただ、単純に走っているだけではそこまで注目されなかっただろう。実際彼は強かった。マイケル・ウッズが執念の激坂登坂を見せた第17ステージ「バルコン・デ・ビスカヤ」では逃げに乗り、最終的にも48秒遅れの7位でゴールしている。最初、26名いた逃げ集団の中で吸収されずに残ったのは13名のみ。デマルキやザッカリン、ヘスス・エララダの前後でゴールし、ニバリやクドゥスよりも前でゴールした。

そもそも、2018年シーズンが彼のプロ1年目であった。1年目でありながらクリテリウム・ドゥ・ドーフィネやブエルタに出場を許されるほど、彼は期待されている人物であると言うこともできる。まだまだ覚醒しきれていないところもあるだろうが、これから注目すべき選手の1人である。

なお、2018年はアフリカ大陸選手権においてロード・ITTともに制している。

 

ベン・オコナー(オーストラリア、24歳)

脚質:クライマー

プロデューを果たした2017年は、ツアー・ダウンアンダーの顔見せクリテリウムにて果敢に逃げに乗り、単独になってからも粘り強い走りを見せてくれたのが印象的だった。そのときはオーストラリア人によくいるようなルーラータイプなのかな、と思っていたが、2018年に彼は一気に登りに対する適性を見せてくれた。

まずはボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ。クイーンステージとなった第4ステージ、激坂モンジュイックの丘を8回登る難ステージである第7ステージそれぞれで好走を見せた彼は、最終的に総合11位でフィニッシュする。

そして4月のツアー・オブ・ジ・アルプスでは山岳ステージでプロ2勝目も挙げ、新人賞を獲得。総合成績でも7位と健闘した。

そして、初のグランツールとなったジロ・デ・イタリア。終盤の山岳ステージでも総合上位勢と並んでゴールすることを繰り返し、総合12位という好成績のまま、ローマに到達しようとしていた。第19ステージのフィネストーレの下りで、激しい落車に見舞われさえしなければ・・・。

リッチー・ポートの次に来るオージーオールラウンダーは果たして誰? ヘイグ? ハウスン? その次くらいの候補としては、このオコナーが来るはずだ。2019年も彼から目を離すべきではない。

 

ジノ・マーダー(スイス、22歳)

脚質:クライマー

2018年のツール・ド・ラヴニールで2勝。いずれも厳しい山岳ステージであった。第8ステージは逃げ切りで、第10ステージは6名に絞られた小集団スプリントを制した。

同じスイスの若手としては、パトリック・ミュラー、そしてマルク・ヒルシという選手もいる。インスブルック世界選手権U23ロードレースでは、彼らとコンビネーションを組んだうえで、優勝こそヒルシに譲るものの自らも4位、さらにミュラーも9位と、スイス連合の圧倒的な強さを見せつけた。

ヒルシは2019年はサンウェブ、ミュラーは2018年同様ヴィタルコンセプトで走ることが決まっており、2020年代の山岳ステージでは彼らスイスの若手たちの存在感が光ることだろう。

 

 

総評

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強化したアルデンヌ・クラシックでしっかりと結果を出せるか。そしてその先に、UCIランキング最下位からの脱出は果たせるか。北のクラシックでも、ヴァルグレンの頑張り次第である。

あとはカヴェンディッシュ、ボアッソンハーゲン、そして新加入のニッツォーロを中心に、スプリント勝利をどれだけ稼げるか。ステージ勝利という観点だけなら、キングやスラフテルの実績があるほか、ガスパロットもアタッカーとしては頼りになる存在なので、それなりに稼げる可能性はある。

グランツールはメインチェス次第。かつてはアフリカ勢初のツール特別賞ジャージの可能性を感じさせた男だっただけに、2018年の失速は残念。復活なるか。