ロードレースでも「デパンヌ~コクサイデ3日間レース」で名前が知られている*1ベルギーの街コクサイデ。
シクロクロスでは特に有名なコースで、スタート直後の絶対に自転車に乗りながらは登れない激坂と、アップダウンの激しいサンドセクションが選手たちを襲う。
この日も勝者はマチュ―・ファンデルポール。
1周目から独走を開始した彼を止められるものなど誰一人いなかったが、すでに彼のワールドカップ総合優勝はほぼなくなっている。
リーダージャージを着るトーン・アールツにとっては、17点差で追いかけてくる総合2位ワウト・ヴァンアールトから引き離されないように走ることだけが重要であった。
序盤こそ落車もあり順位を落としていたヴァンアールトは、少しずつ、例年の調子を取り戻していったのか、喰らいつこうとするアールツを引き離す。
しかしアールツにとっては幸いなことに、この日のファンデルポール、ヴァンアールト以外の上位選手はほとんどがチームメートだった。
ヴァンアールトはファンデルポールに追い付くことはないし、アールツもヴァンアールトに次ぐ順位を失うことはない。
総合タイム差で勝敗を決めるDVVフェルゼクリンゲン・トロフェーと違い、重要なのはただ着順のみ。
結果としてこの日、アールツはヴァンアールトに23秒も差をつけられてゴールしたものの、獲得ポイント差はたったの5ポイントに抑えることができた。
最強の3名が表彰台を独占した。
負けたとはいえ、中盤まではヴァンアールトに喰らいつき、サンドセクションではむしろその差を縮めにかかることすらあったアールツは、たしかに例年以上の実力を発揮しているように感じる。
それでも、実力を取り戻しつつあるヴァンアールトが今後もアールツよりも上位でゴールすることを繰り返せば、ワールドカップ総合優勝の座は奪い取られてしまうことだろう。
さて、このあとは12/15のDVV第4戦「シュヘルデクロス」と12/16のSP第5戦「ゾンホーヴェン」まで、3大シリーズ戦の開催はない。
ファンデルポールなんかはこの時期を利用してロードのトレーニングを行うんだとか。
それぞれの選手の来期の走りというのも楽しみになってくるというものだ。
*1:ただし今年は「ブールジュ~デパンヌ3日間レース」というワンデーレース(!)に名前が変わってしまっている。