読み:コフィディス・ソリュションクレディ
国籍:フランス
略号:COF
創設年:1997年
使用機材:Kuota (イタリア)
2017年ヨーロッパツアーランキング:2位
(以下記事における年齢はすべて2018年における数え年表記となります)
2018年ロースター
フランスの名門チームでありながら、バイクサプライヤー*1とメインスポンサーの意向によってブエルタ・ア・エスパーニャにも皆勤で出場する、西仏連合チーム。最強クラスの実力をもったスプリンター・ブアニと、山岳逃げが得意なスペイン人クライマーたちによる活躍はワールドツアークラスのチームに引けを取らない。
・・・はずだったのだがここ数年は若干イマイチ。相変わらず1クラスやHCクラスでは無類の強さを誇るものの、ツール・ド・フランスではめっきり目立たなくなってしまったブアニ。そして、ナバロ&マテのスペイン人クライマーコンビも、逃げでは目立つものの勝利には繋がらず、昨年はその逃げでもそこまで覇気がなかったような・・・。
今期からは元モビスターの実力者エラダ兄弟も加わり、更なる強化が図れるか。北のクラシックが得意なベルギー人たちもそれなりにいるので、そちらでも活躍を期待したいところ・・・。
注目選手
ヘスス・エラダ(スペイン、28歳)
脚質:クライマー
2016年にドーフィネでワールドツアー初勝利を遂げ、2017年に2度目のスペインロード王者に輝いた、今まさに登り龍のスペイン人「90年世代」の1人。
しかし彼はこのタイミングで、プロデビュー以来7年間在籍し続けてきたスペインチームを離れることに決めた。それは前向きな思いで。
「僕はもう27歳だ。新たな責任を背負い、そしてより巨大なレースで到達しうる自分の限界を伸ばしていくには、今が最も大切なタイミングなんだ*2」
つまり、彼は「エース」になることを望んだのだ。そして、コフィディスというチームは、ツール・ド・フランスも、ブエルタ・ア・エスパーニャにも出場できる可能性の大きなチームであり、そこでエースとして走れる可能性は、おそらくモビスターよりもずっとずっと大きい。そこで、自らの限界を拡張する可能性に、彼は賭けたのである。
私は彼の挑戦を全力で応援したいと思う。2016年ドーフィネ第2ステージの山頂フィニッシュで、ダニエル・モレーノやトニー・ギャロパンたちの後ろから、もう一段階の加速を見せて華麗にゴールした彼の姿を忘れていない。
そんな彼が主役になれるチームがここならば、彼をもっと応援していきたいと思う。
兄であり、バルベルデなど歴代のエースたちを力強く支えてきた兄ホセも共に移籍を決めた。彼のアシストもまた、ヘススを輝かせる重要な鍵となるだろう。
ナセル・ブアニ(フランス、28歳)
脚質:スプリンター
かつてはフランス最強と言っても過言ではない程の実績を叩き出していたが、最近ではめっきり・・・とはいえ、ヨーロッパツアー1~HCクラスのレースでの勝率は非常に高く、UCIヨーロッパツアー個人ランキングでは堂々の首位。チームのランキング2位に対する貢献度も大きい。
よって、プロコンチネンタルチームのエースとしては申し分のない存在ではあるのだが、やはりツール・ド・フランス出場常連チームのエースとしては、ツールでの勝利をしっかりと獲れるようになってほしい。出場しただけで褒められるようではダメなのである。
頑張れブアニ! でも手はあまり出さないように・・・。
クリストフ・ラポルテ(フランス、26歳)
脚質:スプリンター
基本的にはブアニ発射台だが、ブアニが出場できなかった2年前のフランスでは代わりにエースを任され、区間上位を何度か記録した。2017年シーズンはブアニはちゃんと出場するものの不調で、このときもやはり、1ステージだけ区間5位を記録した。
そんな彼の2回だけあるプロ勝利は、いずれも「ツール・ド・ヴァンデ」。そして、今年のツールはヴァンデ県で始まる・・・これは、チャンスか? もしかして・・・?
ジュリアン・シモン(フランス、33歳)
脚質:パンチャー
実力はあるのにプロコンチネンタルチーム一筋。アシストもできるベテランだが、アルデンヌ・クラシックへの適性は高く、いつか勝利を狙いたいところ。2017年シーズンはグランプリ・ワロニーで3位、グラン・プレミオ・ブルーノ・ベゲッリで8位など。リエージュで10位以内を狙うことは十分可能だろう。
*1:2018年からはサプライヤーがイタリア籍に変更。
*2:Jesus and Jose Herrada leave Movistar for Cofidis | Cyclingnews.com