読み:コレンドン・サーカス
国籍:ベルギー
略号:COC
創設年:2008年
GM:クリストフ・ルードホフト/フィリップ・ルードホフト(ベルギー)
使用機材:Canyon(ドイツ)
2018年UCIヨーロッパツアーランキング:32位
(以下記事における年齢はすべて2019年12月31日時点のものとなります)
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2019年ロースター
まずもって、マチュ―・ファンデルプールのためのチームと言っても過言ではない。
2018年の8勝中7勝がマチュ―によるものというデータも出ている。
とはいえ、プロコンチネンタルチームへの昇格にあたり、かなりの数の新加入選手を迎え入れた(代わりに放出した選手も数多い。昨年残り1勝を成し遂げているアダム・トゥパリックなど)。
その中には合併によって人数縮小の憂き目にあったヴェランダス・ウィレムスクレラン(現・クレラン・チャールズ)や、そもそもチームが消滅したアクアブルー・スポートからのメンバーもおり、彼らは当然、プロコンチネンタルチームに耐えられるだけの実績と実力を兼ね揃えている。
今までのように、ただマチュ―のためだけのチームであれば、いくら彼の実力をもってしても、北のクラシックを勝ち抜くことは難しかっただろう。
しかしこの補強により、本気でマチューがワールドツアーのレースを勝ち取ってしまう可能性を感じられるようになった。また、マチュー以外の勝利も十分に稼ぎ取ることができるだろう。
とはいえ、最大のライバルであるワウトは、ワールドツアーの名門であるユンボ・ヴィスマ所属。やはりそのチーム力の差は圧倒的ではある。
果たして、2019年の北のクラシック、マチューとコレンドン・サーカスはどれだけの存在感を示すことができるか。
注目選手
マチュ―・ファンデルプール(オランダ、24歳)
脚質:ルーラー
現代シクロクロス界の生んだ怪物。祖父は伝説的選手のレイモン・プリドール、父もシクロクロス世界王者かつロードレースでも世界選手権銀メダルを獲得しているアドリ・ファンデルプールというサラブレッドである。
無尽蔵な体力とテクニックで、もはや敵なしといった様相を呈している。3大シリーズ戦と呼ばれる、シクロクロスにおけるグランツールみたいなレースで、出場したレースほぼ全てで勝利している。それも、2位以下に圧倒的な差をつけた独走で。
今回、チームは彼のためにプロコンチネンタルに昇格。GMは、マチューが望むのであればワールドツアー入りも目指す、と宣言している。
マチュー自体はしばらくはシクロクロスと、そして2020年東京オリンピックに向けて、マウンテンバイクに重点を置きたい様子だ(2018年はロード、シクロクロス、マウンテンバイク全てで国内王者のタイトルを獲得している)。
コレンドンとは2023年までの長期契約を結んでおり、そのあとであってもまだ29歳。
ロードで結果を出すのはそれからでも十分間に合う、と考えているようである。
2019年の彼のスケジュールは以下の通り。
3/20 ノケーレ・コールス
3/31 ヘント~ウェヴェルヘム
4/3 ドワースドール・フラーンデレン
4/7 ロンド・ファン・フラーンデレン
4/17 ブラバンツ・ペイル
4/21 アムステルゴールドレース
4/24 ラ・フレッシュ・ワロンヌ
パリ~ルーベがリストに入っていないが、別に招待されなかったわけではなく、「スケジュール過密のため」マチュー自ら辞退したらしい。半端ない。
注目すべきは、シクロクロス選手が得意そうな北のクラシックだけでなく、アムステルやフレッシュ・ワロンヌのようなのようなアルデンヌ・クラシックがリストに入っていること。
平坦だけでなく、ある程度の登りもこなせるオールラウンドな脚質を持っているのであれば、本当に将来が楽しみで仕方ない。
と、いうわけで2019年の春のクラシックはとにかく、彼と彼のチームの動向に注目をしていきたいところ。
ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、27歳)
脚質:スプリンター
アクアブルー・スポート所属の2018年にはワウト・ヴァンアールトが総合優勝しているポストノルド・デンマークルント(デンマーク1周レース)で区間1勝、総合3位。
その他、ヘラルド・サンツアーでスティール・ボンホフやキャメロン・マイヤーを破ってスプリント勝利するなど、彼にとってはキャリア最大の成績を収めるシーズンとなっていた。
あとはチームがあんな状態にさえならなければ・・・。
しかし心機一転。
2019年はマチュ―のための発射台の役割を担いつつ、ワウトへのリベンジを目指す。
また、マチューがパンチャー向けステージに対応できないときは、代わりに彼が勝利を目指すこととなるだろう。
ステイン・デヴォルデル(ベルギー、40歳)
脚質:ルーラー
元カンチェラーラの右腕。
自らも過去2度、ロンドを制しているベテラン中のベテラン。
さすがに自前の選手だけでは厳しいだろうと考えてチームが用意した、最高のアシストである。
とはいえ、さすがにもう御年40歳。
ここ数年は実績らしい実績も残せていないし、実際の戦力というよりは、その経験からくる的確なアドバイスやチームのキャプテン役としての活躍が期待されることだろう。
実際、まだまだロードは未知数なところが多くあるはずのマチューにとって、これほど頼りになる存在はいるまい。
ロード界の怪物を間近で見てきた男が、次の世代の怪物を育て上げる役割を担うか。
その他注目選手
ロイ・ヤンス(ベルギー、29歳)
脚質:スプリンター
元はワンティやWBフェランクラシックに所属しており、2018年はコンチネンタルチームのシベル・セボン所属ながら、ノケーレ・コールス4位、デパンヌ3日間レース7位、ベルギーツアーでも区間3位など申し分のない成績。
過去にもスパルカッセン・ミュンスターラントジロで2度2位になったり、ブリュッセル・サイクリングクラシックでボーネンやコカールを降して2位になったりしている。
マチューにとっては頼れるスプリントアシストであると共に、彼自身が自ら勝利を掴めるサブエース候補となりうるだろう。
ヨナス・リッカールト(ベルギー、25歳)
脚質:スプリンター
スポートフラーンデレン・バロワーズから移籍。2018年はユーロメトロポールで6位、ダンケルク4日間で区間6位、シュヘルデプライスで8位など、トップ選手たちに混じって存在感を示していた。
トロ・ブロ・レオン8位、ドワースドール・ヘットハヘラント9位など、北のクラシックにも対応できる素質を持ち、ルーラー役としても重宝されることだろう。
ジャンニ・ヴェルメールシュ(ベルギー、27歳)
脚質:ルーラー
シクロクロスでも現在、3大シリーズ戦の1つであるスーパープレスティージュで総合6位につけている実力者。
ロードでは、ドワースドール・ヘットハヘラントでヴィヴィアーニに喰らいついての3位に入り込む足をもっている。
トム・メーウセン(ベルギー、31歳)
デイヴィッド・ファンデルプール(オランダ、27歳)
脚質:ルーラー
デイヴィッドはマチューの兄。
2人とも、普段のシクロクロスにおいてはマチューに次ぐ実力者であり、よく彼を助けている。
ロードレースでの経験は決して多くない2人ではあるものの、普段から日常的に接していることから、マチューにとっては息のあったコンビネーションや精神的支柱となりうる存在だ。
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