りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

スポンサーリンク

Arkéa Samsic 2019年シーズンチームガイド

読み:アルケア・サムシック

国籍:フランス

略号:PCB

創設年:2005年

GM:エマニュエル・ヒューバート(フランス)

使用機材:BH(スペイン)

2018年UCIヨーロッパツアーランキング:14位

(以下記事における年齢はすべて2019年12月31日時点のものとなります) 

 

 

 

2019年ロースター

f:id:SuzuTamaki:20190110005609p:plain

f:id:SuzuTamaki:20190110005638p:plain

 

昨年はたったの2勝。2勝て。しかも、1クラスと2クラス。

2018年はひたすらバルギルのためのチームといった感じだったと思うが、そのバルギルが何も結果を残せなかったために残念な感じ。むしろツール直前に自転車メーカーを急遽変える(Look→BH)とか、ゴタゴタしまくっていた感しか覚えがない。

とはいえ、そのツールでの、バルギルを勝たせるためのチーム一丸となった動きはなかなか良かった。とくに元BMCのモワナールの山岳での徹底したアシスト巧者っぷりはとても美しかった。

 

2019年はアンドレ・グライペルを加え、チームの武器を2つに強化。しかし、ツールででは勝てるかというと微妙。というか、ツールに出られるかも微妙。

ただ、せっかくのプロコンチネンタルチームなので、無理に大きなレースを狙うより、1クラスでもいいのでフランスの小さなレースでの勝利を量産してヨーロッパツアーの上位を目指したい。2020年から、そのランキングによってワイルドカードが変わる可能性があるし。

 

せめて2勝なんて成績からは復活しよう。

 

 

注目選手

アンドレ・グライペル(ドイツ、37歳)

脚質:スプリンター

Embed from Getty Images

T-モバイル時代から数えて14年目。プロ通算155勝。ツール・ド・フランス11勝、ジロ・デ・イタリア7勝。

間違いなく一時代を築いてきたトップスプリンターは、今年、フランスのプロコンチネンタルチームへと移籍する道を選んだ。

 

だが、 その矛が錆びついたわけではない。

2018年にも8勝。ツール・ド・フランスでも3位、4位など上位には入り込んでいる。ツール出場の可能性が高いこのチームで、再び輝ける可能性は十分にある。

もちろん、アシストの不足は最大の懸念点。だが、まずは1月のアミッサ・ボンゴで、その格の違いを見せつけてほしいところ。

(ガボンのクーデター騒動が直近で巻き起こっているため、大会自体が中止になる可能性もあるけれど・・・)

 

 

ワレン・バルギル(フランス、28歳)

脚質:クライマー

Embed from Getty Images

2017年はツール2勝と山岳賞を獲得し、意気揚々とプロコンチネンタルチームへと移籍するも、(大方の予想通り)何も成し得ずにシーズンを終える。それでこそバルギル。 

でもまあ、ツールでは前半は積極的に逃げに乗り、アラフィリップと良い勝負はしていたし、悪くはなかったんじゃないかな? 結果的に山岳賞2位だし、期待以上と言えば期待以上である。

とはいえチームとしては、別にツールの成績だけでなく、せめてその他の小さなレースではしっかりと結果を出してほしかったところなんだろうなとは思う・・・。

 

2019年はリベンジを果たしたいところだけれど、そもそもチームがまた呼ばれるかは微妙なところじゃないかな。常連チームではあるけれど、最近ではその他の有力チームも増えてきたところだし。

また、出たら出たで、今年はアンドレ・グライペルのためのトレイン要員にリソースの多くを使われそうで、また孤独な戦いを強いられることになるんじゃないかな。

 

 

その他注目選手

ブラム・ウェルテン(オランダ、22歳)

脚質:スプリンター

オランダ、ティルブルフ出身。20歳の年にBMCのトレーニ―としてジャパンカップにも来ている。

2018年はパリ~ブールジュ4位、ツール・ド・ワロニー区間5位、ベルギー・ツアー区間4位、シュヘルデプライス9位と、勝てはしなかったものの、プロコンチネンタルチームのエーススプリンターとしては悪くない成績。しかも、この年で。 

2019年はアンドレ・グライペルの発射台という超重要な役割を任されることだろう。うまくいけばツール出場も叶う。頑張れ!

 

アマエル・モワナール(フランス、37歳)

脚質:クライマー

かつてはコフィディス・ソリュシオンクレディに所属し、ツール総合14位、ジロ総合15位、ブエルタ総合18位などグランツールで活躍したベテランクライマー。2010年代はずっとBMCレーシングチームで山岳アシストを務めていたが、昨年から現チームに。

そしてツール・ド・フランスでは、プロコンの親分となったバルギルを忠実に補佐する右腕として、彼の山岳賞2位を懸命にアシストし続ける。

2019年も同様に、チーム随一の山岳アシストとしての活躍を期待するとともに、彼自身の5年ぶりの勝利、プロ通算4勝目というのも、楽しみにしている。

それがグランツール初勝利だったりすれば、もう涙が出ちゃうだろうなぁ。そういうの弱い。

 

アラン・リウー(フランス、22歳)

脚質:ルーラー

2017年に現チームのスタジエール(研修生)として所属。しかし2018年には昇格せず、アマチュアチームのペイ・ドゥ・ディナンに所属していた。

しかしそれで出場したツール・ド・ラヴニール第2ステージで逃げに乗り、小集団スプリントを制してステージ優勝。

まだまだ未知数ではあるものの、ドゥラプラスなどを継承し、ジェスベールなどと並ぶ、若手の「実にこのチームらしい」エスケーパーとしての活躍を期待している。

 

 

スポンサーリンク