本日開催予定のウィメンズ・ワールドツアー第3戦「トロフェオ・アルフレッド・ビンダ(別名コムーネ・ディ・チッティーリオ)」。
このレースについてのプレビュー記事がCyclingnewsに掲載されていたため、今回はこちらを翻訳してみたいと思う。
女子レースについてはズブの素人である自分が、勉強も兼ねての試み。
女子レースに興味はあるけれど、なかなか情報が少なくて・・・という人の助けにもなれば幸い。
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レースについて
2019年のウィメンズ・ワールドツアーは、日曜日に開催される第42回トロフェオ・アルフレッド・ビンダ(コムーネ・ディ・チッティーリオ)で再び幕を開ける。
これはジロ・ディタリア・インテルナチオナーレ・フェミニレ*1を除けば最も古い女子レースの1つである。
このレースは最初の世界チャンピオンであるアルフレッド・ビンダにちなんで名づけられた。彼はこのレースのゴール地点であるチッティーリオの街で生まれ、合計3回の世界王者に輝き、ミラノ~サンレモも2回制している。
トロフェオ・アルフレッド・ビンダは1974年に創設され、最初は地元のローカルレースであったものが、1999年には国内の主要レースの1つとして認められ、やがて2007年には国際的な地位を獲得した。
2008年から2015年にかけてはかつてあったワールドカップの中に位置付けられ、2016年以降は現在に至るまで、ウィメンズ・ワールドツアーのレースの1つとして加えられた。
アップダウンの激しいコースレイアウトは、パンチャーやクライマー、TTスペシャリストやスプリンターなど、ほぼ全てのタイプの脚質に向いているコースということができる。
1974年の最初のレースはジュゼッピーナ・ミケローニが勝利し、最近で言えばファビアーナ・ルペリーニ、ニコーラ・クック、マリアンヌ・フォス、エリザ・ロンゴボルギーニ、リジー・ダイグナン、コリン・リベラ、そして昨年優勝者のカシア・ニエウィアドマなどが優勝者に名前を連ねている。
タイーノからチッティーリオまでの131.1kmのコースは丘陵コースとなっており、最後の1周20km弱の周回コースを4周回する。
この周回コースはオリノへの3.1kmの登坂(登坂距離3km、平均勾配5.6%)を含んでおり、ゴール前にも小さな登り(登坂距離450m、平均勾配2.2%)が用意されている。
優勝候補たち
ウィメンズ・ワールドツアーは3月9日にイタリアのとても人気な(しかしアルフレッド・ビンダに比べると歴史の浅い)ストラーデビアンケで開幕した。そこではミッチェルトン・スコットのアネミエク・ファンフルーテンが勝利し、最初のリーダージャージ着用者となった。
ウィメンズ・ワールドツアーは続いてオランダのロンド・ファン・ドレンテに移り、そこではヴィルトゥサイクリングのマルタ・バスティアネッリが勝利。シリーズ総合順位において300ポイントのリードを持つこととなった。
イタリアの名レースを、女子レース界の「女王」が制した。
泥に塗れた激戦をヨーロッパ王者のバスティアネッリが征服。
バスティアネッリはオンループ・ファンヘット・ハヘラントの勝利とストラーデビアンケの4位と好調のシーズン入りを果たしている。
今回のアルフレッド・ビンダのコースレイアウトはこの現ヨーロッパ王者にして元世界王者によくマッチしたコースであるが、残念ながら彼女は今回不出場となっている。
ファンフルーテンもまた、参加せず。しかしミッチェルトン・スコットは、別の優勝候補としてアマンダ・スプラットを参加させる予定だ。彼女はストラーデビアンケでの落車による怪我からの復帰戦となる。
アマンダ・スプラットは今年ダウンアンダー3連覇を果たした最強のオージーライダー。
ニエウィアドマもまた、キャニオン・スラムのサポートを受けて連覇を狙う。彼女もまた、ストラーデビアンケ3位に入り、調子の良いシーズン入りを果たしている。
昨年、彼女はこのアルフレッド・ビンダの最終周回コースで2度にわたりアタックをかまし独走勝利を遂げている。彼女の後方では9名の小集団が23秒遅れでフィニッシュし、ブールスドルマンスサイクリングのシャンタル・ブラークがマリアンヌ・フォスをスプリントで打ち破っていた。
キャニオン・スラムはまた、クラシックスペシャリストのエレーナ・チェッキーニを出場させる予定だ。
「昨年の勝利は私にとってとても、とても幸せな瞬間だった」とニエウィアドマは言った。
「私たちは他のチームがどんなに攻撃してきたとしても、完璧にレースを支配していた。私は独走を開始したとき、私は頭を下げて、フィニッシュまで全力でプッシュし続けた。私は決して振り返らなかった」
アメリカ人のケイティ―・ホールはブールスドルマンスサイクリングに合流してから最初のウィメンズ・ワールドツアーに挑むこととなる。
ただしチームにはもう2人、今年のオンループ・ヘットニュースブラッド覇者であるシャンタル・ブラーク(トロフェオ・アルフレッド・ビンダ昨年2位)とル・サミン覇者のジップ・ファンデンボスといった強力な選手も揃えている。
昨年2位のシャンタル・ブラークは今年のオンループを制した。
ビグラプロサイクリングのセシリーウトラップ・ルドヴィグは2017年の3位となった選手で、モビスターのエイダー・メリノと共に、オリノへの登坂の有力選手となるだろう。
CCCリブはこのレースを3回制していて昨年も3位のマリアンヌ・フォスを連れてきているが、彼女らはアシュリー・モールマンパシオ、シャン・クーレファーといった選択肢も有している。
トレック・セガフレードは過去優勝者で今回のようなパンチャー向けレイアウトに最適なロンゴボルギーニをエースとして置いているが、マウンテンバイクスペシャリストで2016年3位のヨランダ・ネフ、ルース・ワインダーなども有力だろう。
元世界王者のタチアナ・グデルツォ(Bepink)はこのレースと相性の良いイタリア人レーサーの1人であり、彼女としてもホームレースである今回、良い結果を出したいところ。彼女は昨年のインスブルック世界選手権でも3位に入っている。
アルフレッド・ビンダは4つの周回コースに厳しい登りを用意してはいるが、それぞれの登りの間には平坦セクションも用意され、チッティーリオへのフィニッシュ登坂では小集団でのスプリントも十分に期待される。
2017年の覇者コリン・リベラと彼女のチームメートで今月初めのオンループ・ファンヘット・ハヘラントで3位に入ったリア・キルヒマンは共に、こういった地形での最有力スプリンターであると言えるだろう。
2017年2位のアレニス・シエラ(アスタナ)も強力な優勝候補と言えるだろう。
その他、注目すべきイタリア人として、次のような選手たちが挙げられる。
- エレナ・ピローネ(アスタナ)・・元ジュニア世界王者
- ソフィア・ベトリッツォロ(ヴィルトゥ)・・昨年のウィメンズ・ワールドツアーユースチャンピオン
- マルタ・カヴァッリ(ヴァルカー・サイレンス)・・イタリア王者
- エリーザ・バルサモ(ヴァルカー・サイレンス)
- ソラヤ・パラディン(アレ・チッポリーニ)
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*1:女子版ジロ・デ・イタリア。通称「ジロ・ローザ」。