前回のツールの予想は散々な結果に終わったが、性懲りもなく今回も予想をしたいと思う。
ただし、ステージ勝利予想に関しては、1週分ずつ行うことにする。
表彰台予想
総合優勝:クリス・フルーム(スカイ)
フルームのダブルツール達成を予想している人は多い。ツールにおける登りでの不調がやや不安ではあるが、終盤の長距離タイムトライアルで彼に匹敵する選手はやはりいないのではないか、というのが強い。
ダブルツールを見てみたくもあり――意外な選手が彼を越える姿もまた、見てみたくもある。
総合2位:イルヌール・ザッカリン(カチューシャ)
ここ数年、「実力はあるが前年まではグランツール表彰台に立つことはなく、ツール表彰台に立つほどの実力はまだない選手」が表彰台に立つパターンが多い気がする。2年前のマイカ、昨年のチャベスのような。今年のロシアTTチャンピオンであることもふまえた。同じ条件に当てはまる選手としてクライスヴァイクにも期待したいところ。
総合3位:ダビ・デラクルス(クイックステップ)
ブエルタではスペイン人がいつも以上の力を発揮する。これは間違いない。デラクルス以外の候補としてはフェルナンデス、モレーノあたりも力を発揮しそうだ。いずれにしてもスペイン人の中で誰かが表彰台に立つ気はしている。また、ここ数年の「前年にいいところまでいきながら表彰台に立てなかった選手が、翌年にリベンジを果たす」というパターンを踏まえた。2年前のアル、昨年のチャベスなど。
総合4位:ヴィンツェンツォ・ニバリ(バーレーン)
総合5位:マルク・ソレル(モビスター)
総合6位:ミケル・ニエベ(スカイ)
総合7位:ファビオ・アル(アスタナ)
総合8位:スティーヴン・クライスヴァイク(ロットNL)
総合9位:ラファウ・マイカ(ボーラ)
総合10位:ボブ・ユンゲルス(クイックステップ)
実力者はわずかに表彰台を落とす、若手で今後伸びる可能性のある選手が総合5位あたりに入る、スペインやっぱり強い。などなど。
また、チャベスをあえて外した。ツールのときの不調からの復活が実はできなかった、と想定して。
ポイント賞:ジュリアン・アラフィリップ
ブエルタのポイント賞に最も相応しい男はバルベルデだと思っているのだが、今回は欠場。ならばバルベルデに脚質が近い男、としてこの人物の名前がやはり挙げられる。
山岳賞:オマール・フライレ
ぜひ3連覇を成し遂げてほしい。ライバルはデヘント、バルギルかと思うが、バルギルはツールの疲れが残っていて、デヘントはブエルタとは相性があまり良くないと予想してみる。
複合賞:イルヌール・ザッカリン
総合表彰台の選手が獲ることは間違いないだろうが、その中で積極的な走りを見せてくれそうな彼を選出。
ステージ優勝予想(第1週目)
第1ステージ:BMCレーシング
既に終わってしまったが、元々BMCを予想はしていた。まあここは順当といったところだろう。
第2ステージ:サッシャ・モドロ(UAE)
今大会最初のピュア平坦ステージを制するのはこの人物。ジロでは散々だったが、シーズン後半に向けて調子が上がってきているはずだ。
第3ステージ:ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ)
厳しいステージではあるが、序盤だけに総合勢もある程度固まってゴールするはずだ。その中で、春以降苦しい時期を過ごしてきたアラフィリップが復活の勝利を成し遂げてくれるはず。
第4ステージ:ジョン・デゲンコルブ(トレック)
この日は若干の登りゴール。登りスプリント最強の彼が勝利を掴むだろう。
第5ステージ:ルーベン・フェルナンデス(モビスター)
本格的な総合争いが起こりそうなステージ。2年前ならチャベスが勝利していたステージ。昨年で言えば第3ステージで、そのときはジェニエが勝利し、2位にこのフェルナンデスが入った。マイヨ・ロホも着用。今年はいよいよステージ優勝も飾りそうだ。
第6ステージ:マチェイ・モホリッチ(UAE)
初の逃げ切りステージとなりそう。ゴール直前に石畳区間があるとか? プロコンの選手が勝利しそうな気もするが、プロコンの選手のことはほとんどわからないので、自由度の高いチームでクラシック風味の逃げが得意そうな選手ということでこの選手を挙げる。
第7ステージ:マッテオ・トレンティン(クイックステップ)
スプリント勝負になりそう。その中で、混戦を制して勝利するのがこの人物。もちろんデゲンコルブも優勝候補にはなりそうだ。
第8ステージ:ジョー・ドンブロウスキー(キャノンデール)
2016年のブエルタではプールスが勝利したステージ。下りゴールだが、しっかりと登れる選手が飛び出してそのまま抜け出すイメージ。
ニバリやアルを予想したい気持ちもあるが、ここでドンブロウスキーが苦しい時期を乗り越える衝撃的な勝利を!
第9ステージ:クリス・フルーム(スカイ)
2年前、デュムランがフルームとホアキン・ロドリゲスを下して勝利したステージらしい。今年はフルームがきっちり決めてくると予想。
ただし、ツールの時のような不調が続くのであれば、それは変わってくるのかもしれない。アル、バルデなど、激坂にも強い総合系が有利になるか。
ステージ優勝予想(第2週目)
第10ステージ:ボブ・ユンゲルス(クイックステップ)
ここも逃げ切りになりそう。しかも、それなりの規模の集団に。ユンゲルスが総合に色気を出さなければ、マルティンばりの逃げ切り勝利を見せると予想。
第11ステージ:エステバン・チャベス(オリカ)
総合争いが巻き起こるステージになるのは間違いない。調子のいいチャベスが、ここで一歩先んじることができるかもしれない。とはいえフルームと差をつけるのは難しいだろう。
第12ステージ:エドワード・トゥーンス(トレック)
結構厳しい山岳があるが、こういうステージでもスプリンターが勝つのがブエルタだと思っている。元々はデゲンコルブを予想していたが、悔しくもリタイアしてしまったので、その意志をつぐ形でこの人物を予想。実際、ここまで実質的なスプリント勝負が繰り広げられた2つのステージでともに4位。十分優勝争いに食い込めている。
第13ステージ:フアンホセ・ロバト(NLユンボ)
断面図を見る限り、登りフィニッシュになってそうなスプリントステージ。同じように登り基調のゴールだったはずの第4ステージで2位となっているロバトを勝利と予想。実際、今大会のロバトは結構調子が良い。
あるいは、来年の去就が気になるキャノンデールのトム・ファンアスブロックが執念の勝利の可能性も。
第14ステージ:イルヌール・ザッカリン(カチューシャ)
厳しい山岳の末に、下りと登り返しが用意されている。総合系と張り合えるクライマーの中でも、攻撃的な走りができる選手が予想できる。ということで、ジロでも攻撃的な走りを見せていたザッカリンをここで予想。
第15ステージ:マイケル・ウッズ(キャノンデール)
短くて厳しい山岳ステージ。しかも頂上ゴール。大きな総合争いが起きる可能性あり。6年前にはダニエル・モレーノが勝利している。
総合勢が分裂したとして、前集団で混戦の中抜け出した選手が勝つと予想。ウッズがここで念願の勝利を得られるか。総合順位も上を目指したいところ。
来週末に3週目の予想を掲載予定。