りんぐすらいど

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ハンマーシリーズ スポートゾーン・リンブルフ2017 第2ステージ ハンマースプリント

ファンマルクしょう・・・り?

 

ハンマーシリーズ第1弾「スポートゾーン・リンブルフ」第2戦は、オランダ・リンブルフ州中部のシッタート・ヘレーンで開催された12.4km×8周のクリテリウム形式のレース「ハンマースプリント」。

その最終周回をトップでゴールしたのは、キャノンデール・ドラパックのセップ・ファンマルク

北のクラシックでいつもいい成績を出すもののなかなか勝てずにいる彼が、悔しさを晴らすが如き先頭ゴール。

しかし、これが彼の、新チーム移籍後の初勝利、という風には記録されない。今日のハンマースプリントでの勝者はあくまでも、8周回で獲得した総合系ポイントトップのトレック・セガフレードなのだ。

左から順にボーイ・ファンポッペル、マティアス・ブランドル、ジャスパー・ストゥイヴェン、グレゴリー・ダニエル、ジャコモ・ニッツォーロ。

 

 

本日の合計ポイントは以下の通り。

  1. トレック・セガフレード(70.7)
  2. ロット・スーダル(60.9)
  3. キャノンデール・ドラパック(59.6)
  4. チーム・スカイ(50.9)
  5. チーム・サンウェブ(43.6)
  6. ニッポ・ヴィーニファンティーニ(40.4)
  7. チーム・ロットNLユンボ(35.4)
  8. バーレーンメリダ(26.5)
  9. クイックステップ・フロアーズ(24.3)
  10. オリカ・スコット(23.1)
  11. UAEチーム・エミレーツ(19.9)
  12. モビスター・チーム(16.7)
  13. BMCレーシングチーム(11)
  14. ロームポット・ネーデルランゼロタレイ(10)
  15. カハルラル・セグロスRGA(6.6)
  16. イスラエル・サイクリングアカデミー(5.6)

 

全チームが何らかのポイントを獲得できたというだけでも、昨日と比べて、出入りの激しいレースになったことが伺える。

 

ちなみに各周回の1位獲得者は以下の通りである。

(太字はポイント2倍)

  1. セップ・ファンマルク(キャノンデール)
  2. ジャスパー・ストゥイヴェン(トレック)
  3. ラモン・シンケルダム(サンウェブ)
  4. マルコ・カノーラ(ニッポ)
  5. エリア・ヴィヴィアーニ(スカイ)
  6. ロジャー・クルーゲ(オリカ)
  7. マルコ・カノーラ(ニッポ)
  8. セップ・ファンマルク(キャノンデール)

 

11周のうち6周をベタンクールが獲得してしまった昨日と比べると、本当に激しいレースだったことがわかる。

ファンマルクも1位をしっかり2回獲得しており、チームへの貢献は著しい。

さらに特筆すべき活躍を見せたのがマルコ・カノーラである。

終盤でファンマルクと共に逃げに乗り、合計で2回の1位を獲得。

フィニッシュでも頑張って逃げ切ったが、最後にファンマルクに差されてしまった。7周目で無理をせずポイント2倍の最終周回をしっかり取り切ったファンマルクの作戦勝ちだろう。にしても、快挙である。ツアー・オブ・ジャパンの3勝+ポイント賞に続き、来期はワールドツアーチーム入りも?と噂されているカノーラの、実力を見せつけた活躍となった。

昨日のフィロージの活躍と合わせニッポはこれで、総合4位の大健闘。ほかのプロコンチネンタルチームを圧倒的に凌ぐ成績を出した。

 

上記は2位以下を記していないが、ここで頑張ったのがトレックとスカイだ。

トレックはジャコモ・ニッツォーロとジャスパー・ストゥイヴェンの2人のエーススプリンター、そしてスカイはエリア・ヴィヴィアーニとダニー・ファンポッペルという2人のエーススプリンターがしっかりと先頭集団に入り込み、たとえ1位を獲れない周回であっても、確実にポイントを稼ぎ切った結果であった。

 

そのレースの特異さゆえに、「トレインを組んでエースを勝たせる」という本来の「スプリント」はまったく発動せず、団子状態となった集団の中にどれだけのスプリンターを送り込めるか、という物量戦に成り代わった。

いかにエーススプリンターを用意できるか、がこのレースの軸となったのだ。

 

その意味で、レース序盤に酷い落車に見舞われたカレブ・ユワン、そしてレース途中でリタイアを決めたフェルナンド・ガヴィリア擁する2チームは、厳しい結果となってしまった。

とくにクイックステップは昨日も優勝候補ジルベールを先頭に送り込めなかったこともあり、総合優勝も期待されていた中で明日の第1グループにも入り込めないという散々な結果に終わってしまった。レース終了後のチームカーの中の様子からも、その悔しい思いがひしひしと伝わってきた。

 

とにかく、第1回目の開催ということもあり、各チームがどのような戦略が適切かまったく手探りな状態であったがゆえのカオスの連発であった。

その中ですぐさま適応したスカイやトレックなどが有利となったわけだが、明日も多くの波乱が巻き起こりそうなので、まだまだ優勝を想像するのは難しい。

 

 

 

 

ちなみに、明日のスタート順と、スタートの際のタイム差は以下の通りである。

計算式:1日目+2日目の順位の合計が少ない順にスタート(同点の際はより上位の順位を獲得しているチームが上位に)し、2位以下はそれぞれ30秒、55秒、1分15秒、1分30秒、1分45秒、2分、2分15秒遅れでスタートする。さらに1日目・2日目それぞれの着順に応じてボーナスタイムを得る。ボーナスタイムは1位から順に15秒、12秒、10秒、8秒、6秒、5秒、4秒、3秒、2秒、1秒である。

  1. チーム・サンウェブ  
  2. チーム・スカイ(+31秒) 
  3. ロット・スーダル(+58秒) 
  4. ニッポ・ヴィーニファンティーニ(+1分22秒)  
  5. モビスター・チーム(+1分32秒) 
  6. キャノンデール・ドラパック(+1分51秒) 
  7. オリカ・スコット(+2分8秒) 
  8. トレック・セガフレード(+2分17秒)

 

自分で計算して出したものなのでミスがある可能性もあります。

世界選手権TTTの状況を考えるとスカイが圧倒的有利か。オリカも強いが、スカイとの差が1分30秒もあると厳しい気がする。モビスターも1分差は結構きついだろう。

 

 

明日はチームTTだが、5人だけで40km。しかも、タイム差があるとはいえ全チーム同じコースの中で実質的に同時に走り、競い合う。

昨日と今日のレースは、選手自体も戸惑っているようにも見え、事前に期待していたようなレースにはならなかった部分もあったかもしれないが、これらがある意味「予選」であり、明日が「決勝」だと思うと、盛り上がる部分もある。

実際明日のレースは結構面白そうだ。

本当の意味での「チーム戦」を見ることができそう。

期待しています。

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