ベタンクール強かった!
一時はジロの新人賞を獲得し、パリ~ニース総合優勝など輝きを見せていたコロンビア人。
しかしホームシックにかかり突然のコロンビア帰郷。AG2Rを離脱し、モビスター入りした彼は、なかなか芽を出せないまま不遇の時を過ごしていた。
だが、アルデンヌクラシック中心に積極的な走りを見せ、今年のフレッシュ・ワロンヌでは、飛び出す選手たちを次から次へと捕まえる、厳しい役回りを見事果たし切り、バルベルデの4連勝を支えた。
だがこのときの経験が、今回のハンマー・クライムに活きたのかもしれない。
結局、逃げ集団の中で圧倒的なスプリント力を見せ、全11周回のうち、6周回で1位のポイントを獲得。ポイント2倍の3周目と最終周回も獲得しているため、彼だけで合計102ポイント? モビスターは彼以外にも2名、逃げに乗せていたために合計で144.8ポイントを獲得した。
参考リンク
全体のポイント状況は以下のような形。()内は合計ポイント。
※ちなみに各周回、1位から順に10、8.1、6.6、5.3、4.3、3.5、2.8、1.9、1.5ポイントを獲得する。3周目・7周目・11周目はポイント2倍。
- モビスター・チーム(144.8)
- チーム・サンウェブ(98.9)
- チーム・スカイ(84.7)
- オリカ・スコット(83.3)
- BMCレーシングチーム(75.2)
- ニッポ・ヴィーニファンティーニ(53.6)
- クイックステップ・フロアーズ(53)
- チーム・ロットNLユンボ(27.7)
- ロット・スーダル(23.7)
- キャノンデール・ドラパック(2.3)
(これ以外のチームはポイントなし)
この上位10チームが、3日目の「チェイス」でのボーナスタイムを得ることができる。1位から順に15秒、12秒、10秒、8秒、6秒、5秒、4秒、3秒、2秒、1秒である。TTTの強いBMCやオリカから7~9秒のボーナスを得られたのは決して小さくはない。モビスター自体もTTTは強く、今回のメンバーも独走力の高いメンバーも揃えているので、明日のスプリントはそこまで得意じゃなさそうだが、大きなリードを得ることができたと言えるだろう。
2位のサンウェブは、とにかくデュムランの頑張りの賜物だった。周回を1位ゴールすることこそなかったが、2位を何度かとってのこの結果。ジロ総合優勝を果たしたばかりとは思えない走りである。地元のファンも大喜びだろう。
絶好調のベタンクールの後ろにしっかりと貼りつくデュムラン。積極的に前を牽いたりアタックする動きも見られた。
また、チーム3位のスカイは、逃げ集団に乗り込んだタオ・ゲオゲガンハートの成果。
彼も2位を多く取っていたが、ポイント2倍の7周目ではしっかり1位を獲得。
だがこの直後に、カーブでミスをして落車。勿体ないミスだったが、この後も執念で追走に加わり、最後までポイントを稼ぎ切った。
カリフォルニアで2年連続新人賞2位を獲得しているゲオゲガンハート。今後が楽しみなイギリス人選手の1人だ。
落車して傷つきながらも、しっかりと追走集団で走り切ったゲオゲガンハート。執念を見せてもらった。後遺症がなければいいが。
そしてプロコンチネンタルチームの中では唯一ポイントを獲得することができたのがニッポ・ヴィーニファンティーニ。
その立役者がイウリ・フィロージ。25歳のイタリア人。6周目では1位通過も果たした。
ただそのときにゲオゲガンハートを腕で押してしまったり、その直後に間違えてなのかクイックステップのボトルを取ろうとしてしまったりなど、ちょっと微妙なシーンが多かった。あとでペナルティつかなければいいが・・・
昨年のジロでは山本選手にブログで「ローテーションをさぼる」などと言われているフィロージ、ちょっと悪なスタイル?
レース全体の感想としては、まさか、こんな展開になるとはというのが正直な感想である。
各周回ごとにアタックがかかり、出入りの激しい展開になるかな・・・と思ったら、最初のアタック合戦を乗り越えた十数名程度の逃げが最後まで続き、逃げ集団の中でのスプリント合戦となってしまった。
クライム最強と思われていたジルベールもプロトンの中に埋もれたまま何もできず。
クラシックレースの終盤「だけ」を見たような感触だった。
明日はここが変わってくる可能性はある。
クリテリウム形式のレースであるため、今日よりも中盤でのアタック合戦、逃げを飲み込んでからの再アタックなどが見られる可能性は十分にある。
まずはそっちを楽しみにしていよう。
何はともあれ今日が第1回のレース。
評価を下すのはあまりにも早すぎる。
来年以降のさらなる進化のためにも、柔軟な姿勢で楽しんでいこう。
明日のスプリントは、クリテリウムが得意なユワン、乱戦上等のガヴィリアなどに期待。