激動の1週目を終え、戦いの舞台はいよいよ2周目へ。
総合争いに大きな影響をもたらすITTやオローパの山など、見所は沢山。
1週目の状況を踏まえながら、プレビューしていく。
第10ステージ フォリーニョ〜モンテファルコ 39.8km
総合争いに重大な影響を及ぼす40kmの個人タイムトライアル。
断面図を見るとアップダウンが激しく最後も登りフィニッシュとなってはいるが、いずれも勾配は緩く、登りTTというほどのものでもないだろう。標高差は昨年のキャンティ・クラシコの方が激しい。基本的には長距離TTを得意とするタイムトライアルスペシャリストたちの独壇場となるはずだ。
優勝候補はもちろん、トム・デュムラン。ローハン・デニスが残っていれば白熱した戦いを見られただろうが、彼不在の中では頭一つ飛び抜けている印象。登りは多くないのでガスプロムのフォリフォロフに期待するのも厳しいだろう。
個人的に期待しているのはFDJのトビアス・ルドヴィクソン。優勝までは厳しいだろうが、トップ5に入ってくれれば嬉しい。
そしてもちろん、総合争いにも大注目。デュムランはもちろん、バウケ・モレマ、ボブ・ユンゲルスあたりも速い。ユンゲルスはとくに、マリア・ビアンカをフォルモロに奪われてしまったものの、このステージでの逆転は十分に可能だろう。
キンタナがどこまで、デュムランからタイムを落とさずにすむか。最後の30分間は目が離せない。
第11ステージ フィレンツェ〜バーニョ・ディ・ロマーニャ 161km
ラストは下ってからのゴールだが星4つ。何しろ「登りか平坦しかない」ステージである。逃げ切りが濃厚だとは思うが、最後の下りを利用してニバリがアタックをすると俄然面白くなる。ピノがそれに遅れないことを祈るばかりだ。
今大会で山岳賞を本気で狙う選手が誰なのかも、判明してくるかもしれない。
第12ステージ フォルリ〜レッジョエミリア 229km
今大会最長ステージ。ただし難易度は星1つ。
今大会を通して覚醒しつつあるガヴィリアが3勝目を飾れるか。
第13ステージ レッジョエミリア〜トルトナ 167km
ド平坦。しかもラストも難易度の低いレイアウトとのこと。
アシストの力を存分に発揮できるという点で、ここまで単独になることが多く勝利を逃してきたグライペルが逆襲の勝利を決めるかもしれない。何しろ彼はこのステージの後、リタイアしてしまう可能性が高いので。
アシストの力を発揮できるのであれば、ユワンが必勝の先手攻撃を仕掛けて2勝目を飾る可能性も多いにありうるだろう。
また、意外にもチーム力の高さを見せつけているボーラが念願の勝利を得られるか。いずれにしても、スプリンターたちにとって最後のチャンスとなるこのステージは見逃せない。
第14ステージ カステッラーニア〜オローパ 131km
「パンターニの山」オローパ山頂フィニッシュ。平均勾配は6%ほどだが、少しずつ勾配がきつくなって最後は10%ほどに。過去6回の勝者はすべてイタリア人だという。もしこの日までにイタリア人勝者が出ていなかったとしたら・・・この日はレイアウト的に総合勢による勝負が繰り広げられそうなので、ニバリに期待するほかない。
エトナ、ブロックハウスに続く3回目の山頂フィニッシュステージだが、ここでもキンタナがデュムランに対して決定的なタイム差をつけることは難しいのではないかと思う。たしかに勾配はきついが、登り一発だけではデュムランのペース走行も崩すのは厳しいだろう。
デュムランにとってもここをうまく乗り切ることができれば、タイムトライアルで獲得したマリア・ローザを3週目まで守り抜くことができる。
第15ステージ ヴァルデンゴ〜ベルガモ 199km
第2週最終ステージに主催者がもってきたのは、「イル・ロンバルディア」。
ラスト50kmは昨年のロンバルディアとまったく同じレイアウトなのだ。
これは、ニバリに勝ってほしいという思いの表れなのかもしれない。とはいえ、ニバリが勝った2年前のロンバルディアとは全く違うレイアウトなのだけれど。
今大会に出場している選手で、昨年大会で最も成績が良かったのは2位のディエゴ・ローザ。総合優勝が絶望的となったため、ここで積極的な動きを見せる可能性は十分にありうる。
また、次に成績が良かったのがキャノンデールのダヴィデ・ヴィレッラ。
キャノンデールも、カリフォルニア次第ではあるが、この日までに勝利がない可能性は十分にありうるため、なんとか意地を見せてほしい。ってかそろそろ勝たないとマジでチャンスないぞ。
ジロはもちろん3週目、ドロミテ山塊ラッシュが激しくはあるのだが、この2週目もなかなか一癖二癖あるステージが揃っている。
とくに最終日の「ロンバルディア」ステージは楽しみである。