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ブエルタ・アル・パイスバスコ2017 プレビュー

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日本語では「バスク1周」の名でも知られる歴史あるワールドツアークラスのステージレース。英語では "Tour of the Basque Country" 

例年、北ヨーロッパがモニュメント・クラシックで湧く4月頭に、南ヨーロッパで最も自転車熱の高い地域と言っても過言ではないバスク地方で行われる。

 

今年の日程は4月3日(月)からの6日間。

 

過去の総合優勝者の顔ぶれを見ると、ブエルタ・ア・エスパーニャおよびツール・ド・フランスで活躍する名クライマーたちの名前がずらりと並ぶ。

 

  • 2012年 サミュエル・サンチェス
  • 2013年 ナイロ・キンタナ(同年ツール総合優勝)
  • 2014年 アルベルト・コンタドール(同年ブエルタ総合優勝)
  • 2015年 ホアキン・ロドリゲス(同年ブエルタ総合5位)
  • 2016年 アルベルト・コンタドール(同年ブエルタ総合4位)

 

昨年はわずか数秒の差で争われる中、最後の個人TTで逆転したコンタドールが総合優勝。2位以下にセルヒオ・エナオ、ナイロ・キンタナ、ティボー・ピノ、ホアキン・ロドリゲスと錚々たるメンバーが並ぶ激戦となった。

 

今年もツール・ド・フランスを狙う総合ライダーたちを中心に豪華なメンバーが揃っており、より熱い戦いが期待できるはずだ。

 

 

目次

 

 

 

コース詳細

第1ステージ イルーニャ~エゲシバル・サリグレン 153.3km 

2017年バスク1周はバスク州のお隣、ナバーラ州の州都イルーニャからスタートする。

イルーニャはバスク語での呼称で、スペイン語では「パンプローナ」。

かつてこの地に存在した「ナバーラ王国」の首都であり、「牛追い祭り」で有名なサン・フェルミン祭のほか、アーネスト・ヘミングウェイの「日はまた昇る」の舞台としても知られている。

そしてもちろん、自転車界としてはかの伝説の男ミゲル・インドゥラインの故郷としても非常に有名である。

(個人的には敬愛する歴史上の人物チェーザレ・ボルジアが司教を務めた地として思い入れがある)

 

パンプローナを出発したプロトンはそのまま北上し、まずは2級山岳Erro(登坂距離5.6km、平均4.81%、最大5.8%)を登り小さな周回コースを回る。その後、再びErroを登ったあとは、大きな周回コースを回ってゴール地点のサリグレンに向かう。

 

サリグレンはパンプローナ盆地の東部(だからスタート地点のすぐ東)に位置する、エゲシバルの中の1地区であり、スペインを代表する2つのエネルギー企業アクシオナ社とガメサ社が本拠を置いている。

このエゲシバルもバスク語の呼び名であり、スペイン語ではバリェ・デ・エグエスと呼ばれている。このようにこの地方にはスペイン語とバスク語の両方で表記される例が多く、そのどちらもが公式の呼び名とされ、優劣が存在しないようになっている。

カタルーニャ地方と共に、我々日本人からは馴染み深い、しかし興味深い事例である。

 

そんなパンプローナの第1ステージは、山岳の難易度も高くなく最後は平坦(下り基調)のままゴールを迎えるため、集団スプリントが見込まれる。

今大会に参加するメンバーの中では、2015年の初日ステージで勝利したマイケル・マシューズ(チーム・サンウェブ)を筆頭に、2014年に区間勝利を得ているベン・スウィフト(UAEチーム・エミレーツ)、フアンホセ・ロバト(ロットNLユンボ)、サイモン・ゲランス(オリカ・スコット)、ジェイ・マッカーシー(ボーラ・ハンスグローエ)、ホセホアキン・ロハス(モヴィスタ―)などが上位に入ってきそうである。 

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第1ステージのレースレポートはこちら。

suzutamaki.hatenablog.com

 

 

第2ステージ イルーニャ~エルツィエゴ 173.4km

昨日の戦いの舞台となったパンプローナから出発したプロトンは、南西に進路を移し、いよいよバスク州に突入。スペイン名「エルシエゴ」で知られる地にフィニッシュする。

ここはかの有名な「リオハ・ワイン」の産地でもあり、奇抜なフォルムの「マルケル・デ・リスカル・ホテル」などでも知られる。

 

スタート直後の2級山岳Etxauriは全長6.8km、平均6.35%、最大7.1%というプロフィール。後半の3級山岳も平均6%の登坂距離5kmと低難易度のため、集団が分裂するような事態にはなりづらいだろう。

むしろゴール前のノンカテゴリーのアップダウンが曲者。そこからの下りフィニッシュということで、昨年下りステージの初日で勝利したルイスレオン・サンチェス(アスタナ)や、ギリギリの逃げ切り勝利を果たしたスティーブ・カミングス(ディメンション・データ)などの動向に要注意だ。

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 第2ステージのレースレポートはこちら。

suzutamaki.hatenablog.com

 

 

第3ステージ ガステイス~ドノスティア 160.5km

バスク1周の3日目は、バスク州の州都ビトリア=ガステイスからスタートする。スペイン語名ビトリア、バスク語名ガステイスだが、正式名称はその2つを繋げたビトリア=ガステイスとなる。

プロトンはそこから一気に北上し、ビスケー湾に面した地ドノスティア、すなわちスペイン語名「サン・セバスティアン」に到達する。

 

全部で6つものカテゴリー山岳を擁する中級山岳ステージ。今大会最初の1級山岳であるSanta Ageda(登坂距離8.3km、平均勾配6.73%)も控えており、ゴール10km手前にも3級山岳が。

しかしこの3級山岳もさほど難易度が高いわけではないので、総合勢がバラバラになるという事態は考えづらいだろう。やはり注目したいのはカミングスの動向であり、またこういったステージでの逃げが得意なティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)の動きも気になるところだ。f:id:SuzuTamaki:20170329143701p:plain

 

 

第4ステージ ドノスティア~ビルバオ

ドノスティアから海岸沿いに西に向かい、バスク最大の都市ビルバオへと向かう平坦基調のコース。しかしゴール14km手前に2級山岳Vivero。登坂距離は5.6kmだが平均勾配が8.19%となかなかの難易度。ここでセレクションがかけられた小集団によるスプリントで終わるか、それとも逃げ切りが決まるか。

 

独走力の高いアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ)やカミングス、ルーベン・プラサ(オリカ)に期待。なお、2年前のビルバオフィニッシュではマイケル・マシューズが、昨年ブエルタの第12ステージで同地フィニッシュとなったときはイェンス・ケウケレールがスプリント勝利を果たしている。

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第5ステージ ビルバオ~エイバル 139.8km

ビルバオから東方に向かい、毎年の恒例山岳ステージの舞台となっているエイバルに向かう今大会クイーンステージ。最後の1級山岳ウサルツァは3.9kmと短めの登りながら平均勾配は驚異の10.77%! ラスト1kmの平均勾配は12.55%に達する。

昨年は当時アスタナに在籍していたディエゴ・ローザが、その前はランダ、ポエルスといった面々がステージ優勝を決めている。・・・今は全員チーム・スカイにいるあたりが恐ろしい。

今年はその3人がすべて出場しない代わりに、スカイからは総合優勝候補のセルヒオ・エナオはもちろん、ミケル・ニエベやミハウ・クフャトコフスキなどが優勝候補となるだろう。また、これも総合優勝を狙う可能性があるロットNLユンボのプリモシュ・ログリッチェ、ブランビッラ(クイックステップ)、アタプマ(UAE)、チャベス(オリカ)、あるいは激坂含みという点でそろそろAG2Rのアレクシー・ヴュイエルモの復活が見てみたい。

 

もちろん総合勢の激しい争いも展開するであろう。ボーナスタイムのないバスクにおいて、ここでの僅差の着順差が総合争いに大きな影響をもたらす可能性は十分にある。

 

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第6ステージ エイバル~エイバル 27.7km(個人TT)

スタート直後に6kmで標高559km地点まで一気に登る。平均勾配6%。

しかしそのあとは比較的フラットで、距離も27.7kmと長いため、ここ数年の中では最もTTスペシャリスト向きのステージか? となると、ここ2年連続でITTで逆転されてしまっているセルヒオ・エナオにとっては不利なステージと言えるか?

 

アルベルト・コンタドールにとっては5度目の総合優勝を飾る最大のチャンスとなるだろう。しかし、彼をパリ~ニースで破ったジュリアン・アラフィリップの存在も忘れてはいけない。しかも彼がコンタドールに勝つ秘訣となった平坦の距離が今回は長い。

また、アルガルヴェ1周でマルティン、カストロヴィエホに次ぐ独走力を発揮したプリモシュ・ログリッチェにとっても総合優勝を狙う機会が訪れる。もちろん、そう、もちろん、バルベルデだってITTは苦手ではなく、むしろ得意である。

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注目選手たち

アルベルト・コンタドール(スペイン、34歳)

過去4度、バスクを制している。昨年も、最終日ITTでセルヒオ・エナオを破り逆転優勝。今回も総合優勝の最有力候補である。

気になる点があるとすれば、ここまで、パリ~ニースおよびカタルーニャでコンタドールをサポートし続けてくれたパンタノが、今回はいないこと。モレマもおらず、ヘスス・エルナンデスだけが頼りか。あるいは、カルドソ、スペルディアあたり。

見たいね~、また「バキュン」を。

 

 

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、36歳)

アンダルシアだけに飽き足らず、カタルーニャまで総合優勝してしまった超人。

カタルーニャでは得意の「チョイ差し」だけでなく登坂でコンタドールとフルームを置いていく走りを見せ、最終日バルセロナでは逃げ切り勝利も決めてしまった。ブエルタ・ア・ムルシアでも独走していたし、いろんな勝ち方がありうるから怖い。

今回は最終日の個人TTをしっかりこなせるかが鍵。アンダルシアはコンタドールを破っていたけれど、今回は果たして。

カタルーニャを制覇。この快進撃はどこまで続くか。

 

 

セルヒオルイス・エナオ(コロンビア、29歳)

昨年、一昨年と、最終日前日終了時点で総合首位に立ちながら、最終日のITTで逆転されて総合優勝を逃している悲哀の人。今年はITTがさらにスペシャリスト向けになったことで勝ちの目が遠のいた感。切ない。

しかしパリ~ニースでは山で置いていかれたコンタドールに猛追してギリギリで総合首位を守り切った。この勢いでいけば、今年こそは・・・となるかもしれない。そのためにもウサルツァでしっかりとタイム差をつけておきたいところだ。 

自身初のワールドツアーレース総合優勝を飾ったパリ~ニース。今最も勢いのある選手の1人だ。

 

 

プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、27歳)

密かに今大会最大の優勝候補だと考えている。何しろ今年、アルガルヴェでマーティンとクフャトコフスキを破っての総合優勝を果たしている。その鍵となったのがITTであり、今大会はそのITTの平坦部分が長いのだ。

クライスヴァイク、ヘーシンクとグランツールの総合上位を狙いうるタレントはそれなりに揃っているものの、総合表彰台となると少し現実感が乏しい。そんな中、伸びしろという点で最も期待しうるのがこのログリッチェなのではないか。今回エースを彼に任せているのはその表れではないか。

今年はツールに初挑戦。今回はその前哨戦だ。

ティレーノ~アドリアティコでも総合4位。彼の成長は止まらない。

 

 

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、24歳)

今年のパリ~ニースで更なる覚醒。すわ総合優勝か、と思われたが、クイーンステージのクイヨール峠で失速。総合5位に終わった。

しかし、誰もが驚いたITTステージでコンタドールを圧倒しての優勝。今回のバスクは難関山頂ゴールが1つだけで、ITTの平坦部分の距離も長いため、今度こそ、という可能性は十分にありうる。今後の彼のキャリアを左右する重要なレースになるかも?

マイヨ・ジョーヌをクイヨール峠で失う羽目になったアラフィリップ。今回は雪辱を晴らす戦いとなるか?

 

 

サミュエル・サンチェス(スペイン、39歳)

2012年の覇者。昨年も総合6位で、ブエルタでもITTで落車するまでは総合トップ10に入っていた。しかもアルデンヌでも好調とか、バルベルデと並んで化け物っぷりを発揮しているスペインおじさん。

下りがめっちゃ速いという評判通りに昨年はダウンヒルで逃げ切り勝利を決めた。今年も第2ステージあたりで期待したいです。

39歳にしていまだに総合エースを任せられ、それなりに結果を出してしまう御仁。今回はロッシュもいるので、総合はそちらで狙うかも?

 

 

ヨン・イサギーレ(スペイン、28歳)

総合エースの座を求めてモヴィスターを飛び出した。しかしアンダルシアでは途中リタイア、パリ~ニースでは総合7位と今のところはあまり結果を出せず。ここか、ロマンディあたりで存在感を示したいところ。

ITTは得意なので期待はできる。ITTでコケるのも得意なので不安もある。昨年はダウンヒルで勢いを見せカンチェラーラにクレイジーと言われた。ダウンヒルが速いというか、怖いもの無しなメンタル?

 

 

レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、29歳)

総合エースを担うべく、スカイから出戻り。今回のバスクメンバーの中では珍しいジロ狙い。

昨年はブエルタでもいい走りを見せていたが、今年はマヨルカ・チャレンジで落車して以降、音沙汰なしで久々の出走となる。今のところスプリントばかりで目立っている新生ドイツチームが、総合でも活躍できるところを見せつけてほしい。

 

 

エステバン・チャベス(コロンビア、27歳)

エースナンバーを着けるのはジロ組のアダム・イェーツだが、ツール狙いの選手が多く出場する今回のバスクでどれだけ存在感を示せるか楽しみである。年初のダウンアンダーは、悪くはなかったが良いとも言い切れない走り。今回は久々の出走だ。

また、新加入のロマン・クロイツィゲルとの連携にも注目したい。チャベスと同様にツール組となる彼が、オリカのエースアシストとしての活躍をどれだけ見せられるか。今年のチャベスの躍進は彼にかかっていると言っても過言ではないはずだ。

(4月2日追記:チャベスは膝の怪我の回復を優先し、今回の出場はパスしたとのこと。それでもイェーツとクロイツィゲルという十分な選手が残っているため、いずれにしてもオリカ・スコットの走りにも注目していきたい)

 

 

ほか、ロマン・バルデ、ヤコブ・フールサン、ダニエル・ナヴァーロ、ワレン・バルギルなどのクライマーたちが参戦。

逃げ名手のアタッカーとしてもティム・ウェレンスやディエゴ・ウリッシ、ヤン・バークランツなどが揃っており、見所は十分なはずだ。

もちろん、日本人としては新城幸也の活躍も見逃せない。

 

 

スタートリスト

トレック・セガフレード(TFS)

パリ~ニース、カタルーニャと活躍したアシストのパンタノが不在。

もちろん、エルナンデスやスペルディアなどのベテランはいるが・・・コンタドールがどこまで力を発揮できるかは未知数である。

 

AG2R・ラモンディアル(ALM)

今期ここまで調子がよくないバルデ。オマーン総合6位(昨年2位)、カタルーニャ総合10位(昨年6位)。ただカタルーニャでは積極的な攻撃も見れたので、今回も、たとえ結果に繋がらなくとも、良い動きを見せてほしいところ。

引き続きヴュイエルモにも注目していきたい。まあ、勝てるステージは、あまりなさそうだが・・・。

 

アスタナ・プロチーム(AST)

昨年初日ステージで勝利したルイスレオン・サンチェス。下りレイアウトが得意なので、今年も第2ステージあたりで期待したい。今期まだ勝利のないアスタナに、希望の1勝を捧げられるか。

総合ではむしろフールサンに期待したいところ。今年はツールをエースとして出場する予定のはず。だがここまでいいところがなく・・・。

 

バーレーン・メリダ(TBM)

登りもTTもそこそこ強いヨンは、総合上位に入るポテンシャルは十分ある。しかし表彰台に乗るかというと・・・まだまだ難しい印象。

むしろ個人的には、ジロに向けてヴィスコンティがどれだけの「アシスト力」を発揮してくれるかが楽しみである。新城も含め。

ところで、新城が「ヨーロッパのレースに集中するため」ツアー・オブ・ジャパンに出場せず、と聞いたのだけれど、これってもしかして、新城のジロ出場の布石だったりする??

カタルーニャで積極的な逃げを見せていたニバリ弟にも期待。

 

BMCレーシングチーム(BMC)

2012年の覇者であり、昨年も総合6位のサミュエル・サンチェスは表彰台候補になりうる存在。もういい年なのに昨年も(終盤でリタイアしたものの)ブエルタでもいい走りをしていた。

また、ツールでのポート表彰台の鍵となりうるニコラ・ロッシュのこれまた「アシスト力」の具合が気になるところだ。

 

ボーラ・ハンスグローエ(BOH)

果たしてジェイ・マッカーシーはスプリントで勝てるのか? 厳しいのか?

2017シーズンのここまでの成績だけを見るとサム・ベネットの方が好調のようではある。しかし登りスプリントの多いバスクでは、マッカーシーも力を発揮できそうなのだが・・・。

山岳逃げで強そうなメンバーも思い当たらず、下手すると空気になりそうなチーム。

 

カハルラル・セグロスエレヘアー(CJR)

カタルーニャに引き続き、セルヒオ・パルディリャがエースナンバーをつける。昨年のブルゴス1周で区間1勝と総合3位。今大会では存在感を示せるか。

 

キャノンデールドラパック・プロサイクリング(CDT)

ワールドツアークラスのレースで区間優勝を経験したことのある、結構いいメンバーが揃ってはいる、のだけれど、なんだかあんまり活躍する気がしないのはなぜだろう。sクインシュとか、スラフテルとか、どうですか。今期まだ1勝。そろそろアクセルを踏んでいきたいところ。

総合ではウランよりもタランスキーに注目したい。ヴァンガーデレンがそろそろ本気で厳しくなりつつあるので、アメリカの希望は君が担ってくれないものか。

 

コフィディス・ソリュシオンクレディ(COF)

コフィディスはブアニだけのチームではない!・・・というところをしっかりと見せつけてほしい。ナバーロは昨年のツールで積極的な山岳逃げを展開し、区間上位に入ることもしばしば。今期もカタルーニャ総合14位。マテも昨年ブエルタでの積極的な姿勢が目立った。

どうでもいいけど選手名鑑のナバーロの写真、結構目がイってるように見える。ブアニのきれいすぎる目と合わせてあのページはなかなか込みあがるものがある。

 

FDJ(FDJ)

密かに期待しているのがオドクリスティアン・エイキング。顔も名前も格好いい。昨年ツアー・オブ・ノルウェー新人賞。今大会で何ができるというわけではないかもしれないが、逃げに乗ったりしたら多分ツイッターでうるさく叫びます。

 

ロット・ソウダル(LTS)

シーズン序盤は勝ちまくったウェレンス。最近大人しくない?と思ったけれどストラーデ・ビアンケで3位だから十分凄いか。でもやっぱり山での逃げが見たい。今大会はチャンス多いはず。気づいたら山で逃げて地味に目立つバルスさんにも注目。

ところでこのチーム、スプリントで戦うとしたら誰だ? モンフォールか? 最近不遇な気がするので頑張ってほしい。

 

モヴィスター・チーム(MOV)

絶好調のバルベルデ。今回も獲ってしまいそうなステージがいくつか・・・TTも得意だし、総合優勝も十分狙える。ただ、カタルーニャで活躍したマルク・ソレルは今回参加なし。代わってモレーノ、フェルナンデスといった強力なアシストもいるため、戦力はむしろ増したか?

ちなみにサザーランドは昨日、バスクのお隣リオハでのレースで優勝している。今大会も第2ステージは近くにゴールするので・・・少し期待できるか?

 

オリカ・スコット(ORS)

当初参加が予定されていたチャベスが膝の治療に専念すべく欠場に。しかしイェーツ、クロイツィゲルと十分に活躍が期待できる選手がいるため、問題は少ないだろう。クロイツィゲルはツールでチャベスをアシストする予定。「アシスト力」の確認をしておきたい。

また、スプリントはゲランス&アルバジーニのコンビに、山岳逃げはプラサなど、様々なパターンでの活躍が期待できそうだ。

 

クイックステップ・フロアーズ(QST)

今大会でも新人賞の最有力候補であるアラフィリップ。パリ~ニースで見せたITTの力を今大会でも発揮できるか?

ブランビッラの山岳逃げにも期待。

 

ディメンション・データ(DDD)

やはりカミングスの逃げには期待したい。その他、フライレやパウエルスなど・・・山岳逃げには打ってつけの選手ばかりだ。

クドゥスも今シーズンなかなか調子のいい若手。アラフィリップとイェーツが鎬を削るであろう新人賞争いに割って入ることができるか?

 

チーム・カチューシャ・アルペシン(KAT)

昨年ブエルタでも活躍したマミキン&レストレポコンビに期待大。すぐに大きな結果が出ることまでは求めないが、まずは積極的な逃げの姿勢に出てほしい。

 

チーム・ロットNLユンボ(TLJ)

個人的に大注目のログリッチェが、総合優勝を成し遂げることができるか!? せめて、表彰台には上がってほしいところだ。

そしてスプリントではフアンホセ・ロバトに勝ち目があると思っている。登りスプリント巧者である。

 

チーム・スカイ(SKY) 

ここ2年、悔しい結果に終わり続けているエナオが今年こその総合優勝を飾れるか。セバスティアン、ニエベ、キリエンカといったアシストたちは十分に強力だ。

そして場合によってはクフャトコフスキが総合を狙う可能性も。ITTにも強いため、むしろそちらの方がいい?

 

チーム・サンウェブ(SUN)

バルギルは今年は総合をあまり狙っていないとのこと。実際どうかわからないが・・・ステージ勝利に焦点を合わせた方が、案外うまくいくのかもしれない。

いずれにしてもこのチーム最大の注目はマシューズのスプリント勝利である。過去2回の勝利経験。

そしてもう1人、今後の成長に期待したいのがクリス・ハミルトン。昨年のU23国内選手権王者。今年は国内選手権もダウンアンダーもイマイチだったが、とりあえず経験を積み重ね、強い選手となってほしいものだ。

 

UAEチーム・エミレーツ(UAE)

いない有力選手はルイ・コスタくらいか?とも思えるくらい強力なメンバーを揃えてきており、逃げに、スプリントにと期待が高まる。

その中で、個人的にはアタプマの飛躍に期待したい。山岳逃げはもちろんだが、総合上位だって狙えるのではないか? 昨年のジロは総合9位だしね。

スウィフトには是非とも勝ってほしい。個人的に好きな選手なので。

 

 

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