ProCyclingManager2019 EFエデュケーション・ファーストプレイ第6弾。
今回はいよいよ序盤最大の山場、「王の山」ラ・プランシュ・デ・ベルフィーユ。
総合争いにおける最初の決定的な動きが起こること必至なこのステージで、我らがエース、ティージェイ・ヴァンガーデレン は生き残ることができるか勝利を手に入れることができるか。
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第6ステージ ミュルーズ〜ラ・プロンシュ・デ・ベルフィーユ 160.5㎞(山岳)
今大会最初の山場。1級山岳ラ・プランシュ・デ・ベルフィーユ(登坂距離7㎞、平均勾配8.7%)頂上フィニッシュ。
過去、クリス・フルームやヴィンツェンツォ・ニバリ、ファビオ・アルといったグランツール覇者たちに勝利をもたらした「王の山」で、今大会最初の総合セレクションがかかることに。
※ゲーム中と大会公式とで若干プロフィールに差異があります。
優勝候補の上位にはクリス・フルームやトム・デュムランといった、(今大会には残念ながら出場しない)納得の面子が並ぶ中で、最大の優勝候補と目されたのがヤコブ・フルサング。
このゲームは発売自体はツールの直前ではあるものの、パラメータを最終決定するのはどのタイミングなのだろう。まるで今年のドーフィネのあたりの絶好調を反映しているかのような評価だ。もちろん春のクラシックの頃から絶好調だったけれども。
そして当然、我らがヴァンガーデレンはこの中に名前が存在しない。
しかしこの日、ヴァンガーデレンが勝利を得るチャンスは十分にあると思っている。
その根拠は、以下の「ヴァンガーデレンの今日のパラメータ」である。
実際のレース同様、選手たちは日によって好不調がある。
この日のヴァンガーデレンの調子(RDC)は+3。
これはかなり高いボーナスポイントを得ることができる状態で、登坂力(MON)なども+3されているうえに、結構登りでは重要になるスタミナ(STA)やアタック持続力(RES)が+6されているのはかなり大きい。
ちなみにBARってどんなパラメータ? 昔はなかったような。
そんな、幸先良いヴァンガーデレンを抱えながらも、やはりこの日の目的の1つ目は、山岳賞ジャージを着るベッティオルの山岳賞首位のキープである。
序盤~中盤に登場する2つの1級山岳は何としてでも取っておきたい。
実際のレースと同様、スタートラインの先頭に立つのは各賞ジャージ。左から新人賞ジャージのアントワン・トールク(ユンボ・ヴィズマ)、山岳賞ジャージのアルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・ファースト)、そしてマイヨ・ジョーヌを着るクリス・フルーム(チーム・イネオス)である。
さすが最初の本格山岳ステージだけあって、逃げの数は膨大にのぼる。
最初に生まれた逃げ集団は、ワレン・バルギルやゴルカ・イサギレ、ロバート・ヘーシンクなどの実力派クライマーたちが含まれた22名もの大規模集団であった。その中には新人賞ジャージを着るトルホークの姿も。
残り105.7kmから始まる1級山岳ル・マルクシュタイン(登坂距離10.8km、平均勾配5.4%)。
標高1,000mを超える今大会最初の本格山岳の頂上が近づくと、山岳賞3位、今年ツアー・オブ・カリフォルニア総合3位のカスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が強烈にペースアップ。
集団は一気にアスグリーン、ベッティオル、新人賞ジャージのアントワン・トールク(ユンボ・ヴィズマ)、そしてセルヒオルイス・エナオ(UAEチームエミレーツ)の4名に絞り込まれた。
ベッティオルも懸命にもがき続ける。
しかし、あくまでもパンチャーである彼にとって、オールラウンダーのアスグリーン、そしてクライマーのトルホークの走りにはついていくのが精いっぱいで、最終的にはアスグリーンを抜いたトルホークが1級山岳の山頂を制した。
これでアスグリーンは山岳賞2位、トルホークは山岳賞3位に。
山岳賞首位のベッティオル(20ポイント)とアスグリーン(13ポイント)とのポイント差は7ポイントにまで縮まった。
ル・マルクシュタイン通過後にそのまま下らずに現れる3級山岳は、これまた山頂直前でスパートをかけたトルホーク、アスグリーンがその順番でポイントを独占。
ベッティオルは完全にもう、後手に回る結果となった。
そのあとは16.5kmのひたすら長い下り。
ここで悲劇がEFエデュケーション・ファーストを襲う。
下りでバランスを崩したマイケル・ウッズが、チーム・イネオスのフィリッポ・ガンナを巻き込みながら落車!
幸いにもこの後再びバイクにまたがってリスタートできたウッズではあるものの、そのままプロトンに戻ることはできずに1日を終える。
今日の終盤に待ち受ける山頂フィニッシュで、重要な役割を果たすはずだったクライマーを1人欠くという、ヴァンガーデレンには手痛い状況を招いてしまった。
逃げ集団は長い下りとそのあとの緩やかな2級山岳を経て再び10名を超える大集団に。
そして残り65.5kmから始まるこの日2つ目の1級山岳バロン・ダルザス(登坂距離11km、平均勾配5.8%)に。
結局この山頂はアスグリーンに奪われてしまい、ここで山岳賞ランキングは彼に逆転される結果となった。
ベッティオルの山岳賞祭りもここまでか。
このあとはおとなしく、メイン集団のヴァンガーデレンたちのアシストをするべく、彼はひたすら足を貯めておく。
そして、いよいよ勝負所が近づいてくる。ラ・プランシュ・デ・ベルフィーユの登りの1つ手前の1級山岳コル・デ・シェヴル(登坂距離3.5km、平均9.5%)。
ボーナスクライムポイントも設定されたこの激坂の登りで、EFエデュケーション・ファーストのルーラーたちもさすがに崩れ落ち、プロトンの中ではマルティネス、ウラン、ヴァンガーデレンの3名だけとなった。集団の先頭を牽くのはサイモン・イェーツ。人数は一気に30名近くにまで絞り込まれる。
そして頂上まで1.9km、ゴールまで20.8kmでダニエル・マルティネスが脱落。
マルティネスは今回、そもそもにおいて十分に調子が上がり切っていない状態でツールをスタートしていた。
本来であれば新人賞ジャージを狙って行きたい選手ではあったが、この日の早期の脱落によって、その夢も完全に潰えてしまった。
こうなったら、何としてでもヴァンガーデレンには表彰台に登っていただかないと。
そしていよいよ、最後の1級山岳ラ・プランシュ・デ・ベルフィーユ(登坂距離7㎞、平均勾配8.7%)へ。
前から降りてきたベッティオルも加えて、ウラン、ヴァンガーデレンは3名で「王の山」を駆け上がっていく。
ベッティオルはそのまま、山頂フィニッシュまで残り4kmくらいまでしっかりと先頭牽引を続けてくれた。
その直後、プロトンからダニエル・マーティンがアタック。これにロマン・バルデが喰らいつき、少し遅れてナイロ・キンタナ、そしてアダム・イェーツといった面々がブリッジを仕掛けた。
この強烈な逃げを追いかける責任を担ったのはEFエデュケーション・ファーストのリゴベルト・ウラン。ヴァンガーデレンを従えながらハイ・ペースで淡々と逃げ集団を追いかける。
残り2km。ウランも仕事を終え、ヴァンガーデレンは単独で、マーティンを追うことに。ここでフルサングがアタック。マーティンのところまでブリッジを仕掛ける。
ヴァンガーデレンの足もそろそろ限界・・・
といったところで、ついにこの男が現れる。
残り1.3km。プロトンから、マイヨ・ジョーヌを着たクリス・フルームがアタック。
14%のかなり厳しい勾配での大本命の攻撃。
あっという間に10秒以上のタイム差がつけられてしまう。
マーティンもフルサングも脱落。
残り600m。先頭のフルームとヴァンガーデレンたちとのタイム差は30秒。
そして、ここからトム・デュムランもアクセルを踏んだ。
ヴァンガーデレンも負けていない。
ゴール直前、残り200m。先頭フルームから2番手デュムランとのタイム差は20秒。そこからヴァンガーデレンとのタイム差は17秒。そして、ヴァンガーデレンも単独で後続のバルデたちから抜け出して、彼らとのタイム差を11秒つけて単独3番手。
優勝はクリス・フルーム。
現実の世界ではクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで残念な事故に見舞われた彼も、万全であればやはりここでその強さを見せつけてくれていたかもしれない。
しかしゴール直前の瞬間的な勾配は20%・・・。恐ろしい登りである。
ヴァンガーデレンも、もはや足は残っていないが、執念で駆け上る。
その後ろからはフルサング、そしてバルデが追いかけてくる。
最後は捕まえられてしまうかもと戦々恐々だったが、なんとか振り切った。
ティージェイ・ヴァンガーデレン、3位フィニッシュ。ボーナスタイムも獲得し、総合表彰台に向けて、決して悪くない結末を迎えた。
クリス・フルームは圧倒的に強かった。そしてデュムランも、やはり今フルームの次にツール総合優勝に近い男と言われるだけはある。現実のツールでも、彼らの活躍する姿が見たかったものだ。
そして、彼らに次いで3位に入ったヴァンガーデレンも上出来である。本日の調子が非常に良かったというのもあるが、この日の3位は、総合表彰台を目指すという今回の企画において、かなり好材料になったと言えるだろう。
前回覇者ゲラント・トーマスは大きく遅れる。フルームのためのアシストをしていたのかもしれない。
そしてナイロ・キンタナもミケル・ランダも遅れ、モビスターは大爆死である・・・。アダムも・・・。
総合ではヴァンガーデレンは6位。しかし3位以降はほぼダンゴ状態で、今日のような走りをまた見せられれば、表彰台圏内に入るのは決して難しくはない。
山岳賞ではアスグリーンに抜かれ、ベッティオルは2位に。
ここから先の難関山岳群のことを考えると、これは諦めざるをえないか・・?
マルティネスは新人賞では8位に。これはもう絶望的。
そもそも今回のマルティネスは決して調子は良くなく、ここから先はヴァンガーデレンのためのアシストに専念することにしよう。
とにかくも無事に終わったラ・プランシュ・デ・ベルフィーユ。
ウランの強烈なアシストとヴァンガーデレンのセットは、本当に今回のツールの目的を達成できるかもしれない。
次回は平坦ステージ。見所は少ないと思われるため、結果だけ確認するクイックシミュレーションを実施する予定。更新は第8ステージで。
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