自転車ロードレースシミュレーションゲーム「ProCyclingManager2019」で、今年「20勝」を目指しながら6勝しか果たせなかったCCCチームのリベンジを狙って行く企画の第21弾。
ここまで、ティレーノ~アドリアティコでの快進撃や、パリ~ニースでもなんとか1勝を掴み取ったことによって、すでに12勝。現実のレースでCCCチームが獲得できた勝利数の2倍を獲得しており、目標まであと8勝にまで迫っている。
今回は、いよいよ「モニュメント」と呼ばれる世界最高峰のワンデーレース群の1つ目、春の訪れを告げるレースということで「ラ・プリマヴェーラ」とも呼ばれるミラノ~サンレモをお送りする。
ただ、その前に1つ、北のクラシックの代表的なレースも簡単に扱っていこう。
※このゲームでは、Youtubeでも数多くの動画を配信しているBenjiNaesen氏の手掛けたMOD「WorldDB 2019」を使用しております。記事中には実際のレースと変わらないチーム名・選手名・レース名・バイクサプライヤー名・スポンサーなどが登場しますが、いずれもMODによるものが多く、実際の何もいれていない状態でのゲームとは異なる場合があることをご了承ください。
↓ここまでのシリーズ紹介↓
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ノケレ・コールス
3月に入ると、様々な小さなクラシックレースが登場してくる。
先日扱ったル・サミンもそうだし、そのほかにもクールネ~ブリュッセル~クールネ、ロンド・ファン・ドレンテ、ブレーデネ・コクサイデ・クラシックなど・・・。
このノケレ・コールスもそのうちの1つで、非常に有名、トップ選手もそれなりに出場する重要なレースだ。
最大の特徴は6回登る「ノケレベルグ」。全長400m、平均勾配6%の石畳の登りである。
この登りの頂上にフィニッシュラインが引かれているため、いわゆる「登りスプリント」となっている。だが、ラスト1kmから500mまでの間に平均2%の下りが用意されているため、ここで勢いをつけた各スプリンターたちが一気に登ることも可能で、そこまで特別に登りスプリントが得意な選手でなくても優勝者に名を連ねている。
現実世界においては、注目を集めながらロードレースデビューを果たしたマチュー・ファンデルポールの、ヨーロッパ最初のレースだったわけだが、ゴール直前の落車に巻き込まれリタイア。
残った集団の中での最強は間違いなくパスカル・アッカーマンだったが、大柄のピュアスプリンターであるアッカーマンには、この石畳の登りスプリントはやや相性が悪かった。代わりにこれを差し切って先頭でゴールに飛び込んだのが、元SEGレーシングアカデミーで今年からチーム・サンウェブに所属している新鋭スプリンター、ケース・ボル。
アルデンヌ系のレースでも好成績を残している彼にとって、こういったタイプのフィニッシュは得意中の得意だった。
彼はこののち、ツアー・オブ・カリフォルニアでも優勝するなど、サンウェブでも目立つ走りを見せ続けていた。
2020年も注目の若手スプリンター。その成長に今後も期待だ。
さて、ゲームにおいては、残り43.1㎞、最後から4つ目のノケレベルグを経て、すでにメイン集団の数は20名ちょっとに。
この中にCCCチームは7名全員残せている。
残り14.8㎞で、メイン集団からレミ・カヴァニャがアタック。
現実の世界でも、2018年にドワースドール・ウェストフラーンデレンで優勝し、2019年にはツアー・オブ・カリフォルニアとブエルタ・ア・エスパーニャで逃げ切りステージ優勝も果たしている才能豊かなルーラー。
しかも、彼の前には先行して抜け出していたトニー・マルティンが。
この2人に行かせるのはかなり危険だ!
よって、ミカエル・シャーとハイス・ファンフッケの2名でこの2人を捕まえにかかる。
万が一、逃げ切りが決まるにしても、CCCチームが優位な状況を作り出す。
結局は4名が逃げ切る展開にはならず、残り5㎞でこれを捕まえる。
ここから先は、ルカシュ・ウィシニオウスキとファンフッケによってエーススプリンターのシモン・サイノックをリードアウト。
そして残り400mの「ノケレベルグ」突入時は、ライバルたちをかなり突き放して先行する体制が出来上がっていた。
後方からは、カヴァニャを引き連れてイーリョ・ケイセが迫る。
しかし、
サイノックが出るまでもなく、ファンフッケがリードした状態で先着。
CCCチームによるワンツーフィニッシュを、実現した。
これにてCCCチーム、13勝目。
調子のよさが続いてくれている。
この勢いのまま、シーズン最初のモニュメント、ミラノ~サンレモへと向かおう。
ミラノ~サンレモ
シーズン最初のモニュメント。そして現在のすべてのレースの中で最長を誇る、300㎞弱のロングロングレースである。
世界中のスプリンターが夢見る最高峰の「スプリンターズクラシック」。
当然、優勝候補として名前が挙がるのも、一流のスプリンターたちが中心であり、ピュアスプリンターはヤコブ・マレツコが最上位のCCCチームにとっては、なかなか勝機を見つけられないレースではある。
しかし、ここ数年のミラノ~サンレモでは、終盤の登りを利用したアタックと、そこからの逃げ切りの展開が連続している。
2017年のミハウ・クファトコフスキとペテル・サガンとジュリアン・アラフィリップの3つ巴決戦、2018年のヴィンツェンツォ・ニバリによる感動的な逃げ切り勝利、そして今年、2019年は、ジュリアン・アラフィリップを中心としたアタックによって形成された10名の小集団による逃げ切りが決まった。
勝ったのは、2019年最高の走りを見せた選手の1人、ジュリアン・アラフィリップ。その勝利の背景には、ドゥクーニンク・クイックステップのチームとしての完璧な働きがあった。
そんなレースだからこそ、上記の優勝候補にも、イフ・ランパールトやワウト・ファンアールト、マイク・テウニッセンなどのピュアスプリンターではない選手たちが含まれることとなっている。
CCCチームとしても、勝機はそこに見出す。
下記がそのためのチームメンバーだ。
アレッサンドロ・デマルキを中心とした終盤の登りでの攻撃により、グレッグ・ファンアーフェルマートを含んだ小集団を形成し、そこでのスプリント勝利を狙うという作戦。
絶好調のCCCチームであれば、十分に勝つことはできる。
このゲームの良いところは、それこそ、普段あまりゲームをしない人たちにもおススメしたい理由の1つは、配信された国際映像だけでは決して見ることのできないアシストたちの働きや苦労を感じ取れることだ。
たとえば最終盤の1㎞の集団スプリントで勝負に参加するためには、それまでの5㎞の平坦できっちりと集団の先頭にエースを運んでおかなければならない。
時速50~60㎞に達する超高速展開の中、エースのために前方に陣取ることは決して簡単な仕事ではなく、ゲームの中ではそれをリアルに感じ取ることができる。平穏に見える道中においても、落車などのアクシデントにエースが巻き込まれないために前方に陣取ることの大切さも、教えてくれる。
ミラノ~サンレモも非常に長いレースだけに、国際映像ではその大半をカットされる、あるいは視聴者もちゃんとは見ないことが多い。300㎞のレースの、最後の10㎞だけで勝負が決まると思われがちだ。
だが、ミラノ~サンレモは決してオールフラットではない。その道中にはいくつかの登りが用意され、そこで苦しみ始めるピュアスプリンターたちを、いかにしてアシストたちが守るかというのも重要なポイントなのだ。
残り27.1㎞から登り始める終盤2つの丘の1つ目「チプレッサ」も、またそのような登りである。
登坂距離5.8㎞、平均勾配3.8%という、決して厳しすぎない登りではあるものの、ここから勝負を仕掛けようとするチームたちがガンガンとペースを上げることによって、展開は苦しさを増していく。
ここではボーラ・ハンスグローエのダニエル・オスや、ドゥクーニンク・クイックステップのカスパー・アスグリーン、あるいはロット・スーダルのティシュ・ベノートが先頭を牽引。
この時点でCCCチームの面々のアタックゲージ(赤ゲージ)は息も絶え絶え。
なんとか、ファンアーフェルマートのためのデマルキが持ちこたえているくらいだ。
それでもなんとか、脱落者をネイサン・ファンフーイドンクのみに留め、チプレッサを攻略。
しばらくの平坦をこなしつつ、いよいよ、ラスト9.1㎞からのポッジョ・ディ・サンレモへ。
ここで、CCCチームが攻撃を開始! ルカシュ・ウィシニオウスキにデマルキ、そしてファンアーフェルマートを牽引させて、アタックを開始した。
ウィシニオウスキは間もなく脱落。
その後、集団の先頭はフィリップ・ジルベール。その後ろからペテル・サガン、マッテオ・トレンティン、アレハンドロ・バルベルデなど、優勝候補たちがいよいよ動き出す。
ファンアーフェルマートもデマルキに守られながらこれにしっかりと食らいつく。
まずはこの集団に残ること。そのあとにしっかりと足を貯め、最後のスプリントで勝利を掴む。アラフィリップのように。
そして、ミラノ~サンレモにおける勝敗は、とくに逃げ切りの場合のそれは、このポッジョ・ディ・サンレモからの「下り」で決まることが多い。
残り5㎞からのテクニカルなコーナーを経て、ミッチェルトン・スコットのマッテオ・トレンティンが単独で抜け出す。
これを追いかけるのがジルベール、サガン、ファンアーフェルマート。
ジルベールはエリア・ヴィヴィアーニを助けるべく下がり、代わって前に出てきたのがミケル・ヴァルグレン。
残り2.5㎞で、トレンティンと追走3名とのタイム差は11秒。
トレンティンがずっと一人で走っていることを考えれば、追いつけない差ではない。
ただ、トレンティン追走の役をファンアーフェルマートが担い続けてしまっていることは厳しい材料。
この状態のままガンガンとファンアーフェルマートのアタックゲージが削られていくため、このままトレンティンに追いついても、その前に力尽きてしまう危険がある。
だから残り1㎞を目前にして、仕方なく「牽制」。サガン、ヴァルグレンが追走のために足を使ってくれることを期待。その後ろから、スプリントを行う。
必勝のタイミングは残り0.8km。
そこまで、我慢して、耐え抜く。
だが、ここまでたった一人で走っていたにも関わらず、トレンティンの足は緩まなかった。
ファンアーフェルマートが牽制しているうちに、タイム差は26秒にまで開く。
ファンアーフェルマートたちが残り1㎞をくぐる瞬間に、トレンティンはすでにもう、残り400mに達していた。
残り300mで、トレンティン、勝利を確信。
イタリア人としては最高級の歓喜の瞬間を、彼は噛みしめながらゴールに飛び込んだ。
ファンアーフェルマートは全力を出し切るタイミングでのスプリントは開始できたが、結局はサガンにも敵わず3位ゴール。
ミラノ~サンレモとCCCチームとの相性を考えれば上出来の結果だったが、牽制で逃げ切りを許すという、なんともリアルな展開に・・・。
まあでも、ああするしかなかった。これは仕方ない。
やはりモニュメントはそう甘くはない。
次のモニュメント――すなわち、クラシックの王様、ロンド・ファン・フラーンデレンに向けて、前哨戦クラシックを迎え撃っていくことにしよう。
次回は「ミニ・ロンド」こと、E3ビンクバンククラシック。
こちらは、YouTubeにて、実況プレイ動画として作成したので、ぜひ見ていただければと思います。
【PCM2019】CCCチームで「20勝」を目指す Part.22 E3・ビンクバンククラシック
目標の「20勝」まであと・・・7勝
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