自転車ロードレースシミュレーションゲーム「ProCyclingManager2019」で、今年「20勝」を目指しながら6勝しか果たせなかったCCCチームのリベンジを狙って行く企画の第20弾。
前回はパリ~ニースの前半戦、第1~第4ステージをダイジェストでお送りした。
今回はその後編。第5ステージから最終日第8ステージまでを見ていく。
最初の3ステージでのスプリント勝利を得られなかったマレツコはすでにこの後半戦に入る前に帰宅してもらっている。
チームの山岳要員であるアマーロ・アントゥネス、リカルド・ツォイド、ビクトル・デラパルテなどはパリ~ニースで総合争いができるほどの実力はないのは分かっているので、早々にタイムをわざと落とし、逃げ切り勝利を狙う。
しかしその最初のチャンスであった第4ステージでは、デラパルテとアントゥネスを共に逃げに乗せたものの、二人とも最後まで生き残ることはできずに脱落。
今回の後半戦では何とか、逃げ切り勝利を1回は掴み取りたいところ。
それでは行ってみよう。
↓パリ~ニース2019の全コースプレビューはこちらから↓
↓現実世界のパリ~ニース2019の全ステージレビューはこちらから↓
※このゲームでは、Youtubeでも数多くの動画を配信しているBenjiNaesen氏の手掛けたMOD「WorldDB 2019」を使用しております。記事中には実際のレースと変わらないチーム名・選手名・レース名・バイクサプライヤー名・スポンサーなどが登場しますが、いずれもMODによるものが多く、実際の何もいれていない状態でのゲームとは異なる場合があることをご了承ください。
- 第5ステージ バルバンターヌ~バルバンターヌ 25.8km(個人TT)
- 第6ステージ ペニエ~ブリニョール 172km(丘陵)
- 第7ステージ ニース~チュリーニ峠 180km(山岳)
- 第8ステージ ニース~ニース 109km(山岳)
↓ここまでのシリーズ紹介↓
スポンサーリンク
第5ステージ バルバンターヌ~バルバンターヌ 25.8km(個人TT)
ほぼほぼ平坦の、中距離個人TT。中盤に少し登りがある。
現実のレースでは、横風の影響が多少あったとはいえ、サイモン・イェーツがまさかのステージ優勝。
裏レースのティレーノ~アドリアティコでも、アダム・イェーツがプリモシュ・ログリッチェを相手取りかなり良い走りを見せていたように、純粋なクライマーという印象だったこのイェーツ兄弟のTT能力の改善を感じさせた。
ただサイモン・イェーツ自身はすでに前半の横風ステージで大きく遅れていたために、総合争いには復帰できず。
エガン・ベルナルが区間6位に入るTT能力の高さを見せつけたことで、彼が総合争いにおける優位を手に入れることとなった。
ゲームにおいても、総合争いに重要な影響を及ぼすこと間違いなしのこのステージ。
クイックシミュレーションで、リザルトだけを確認すると・・・
元世界王者トム・デュムランが下馬評通りの一番時計を記録。
次いでクリス・フルームがつく、順当な結果に。
これを受けて総合成績はというと・・・
ここまでのステージがあまりタイム差がつくステージではなかったため、ほぼほぼTTの差が総合成績の差となって表れた。
デュムランがマイヨ・ジョーヌを着用したものの、まだまだわからない。とくにフルームとのタイム差はほぼないようなものなので、翌日以降の本格的な山岳ステージでどうなるか、見ものである。
第6ステージ ペニエ~ブリニョール 172km(丘陵)
中程度の難易度の丘陵ステージ。総合争いが繰り広げられるステージではないものの、逃げスペシャリスト向きのステージ、という印象だったが、現実のレースでは強風に逃げ切りを恐れた集団が3名の逃げ選手を早々に吸収。
最終的には集団スプリントによる決着へ。第3ステージに続き、サム・ベネットが勝利を掴んだ。
ゲームではどうか。逃げは9名。何としてでも逃げ切り勝利を狙いたいCCCチームは、アマーロ・アントゥネス、リカルド・ツォイドル、ビクトル・デラパルテの3名のクライマーを乗せている。
しかし残り58.6㎞でデラパルテが脱落。
残り42.3kmでアントゥネスとツォイドルも、山岳賞のウェレンスらに突き放されて脱落してしまう。
しかし、3名にまで縮小した逃げ集団も、数を絞りながらペースアップをしていくメイン集団によって、やがて捕まえられてしまう。
残り8.7㎞でメイン集団から飛び出したのは、現実世界におけるブエルタ総合3位、タデイ・ポガチャル。これをティボー・ピノが追いかける。
マイヨ・ジョーヌを着るトム・デュムランが一度これを捕まえるが、カウンターで再びピノ、ポガチャル、さらにはエガン・ベルナルなどが再度アタック。
コロンビアチャンピオンジャージを身に着けるベルナルが積極的に集団を牽引。
その後ろにはタデイ・ポガチャル、ジュリアン・アラフィリップ、サイモン・イェーツ、逃げ残りのアレクサンドル・ピショ、ミケル・ヴァルグレン。
さらには、マイヨ・ヴェールを着るサム・ベネットの姿もここにあった。
となれば、この男が勝てないわけがなかった。アラフィリップも十分に頑張ったが、さすがにピュアスプリンターとの真っ向勝負では敵わず。
結果として、第3ステージに引き続き、現実世界と同じ男が優勝を掴み取った。
集団先頭はサガン、ヴィヴィアーニが獲得。
逃げ切った7名の中に、総合1位から総合6位までの全員が不在だったため、ステージ2位に入ったアラフィリップが総合7位から一気に2位にまで浮上。
もしステージ優勝していたら、ボーナスタイムでマイヨ・ジョーヌを手に入れるところだった。
翌日はいよいよ山頂フィニッシュだ。
第7ステージ ニース~チュリーニ峠 180km(山岳)
今大会クイーンステージ。1級山岳コル・デュ・チュリーニ山頂フィニッシュとなる、本格的な山岳ステージである。
現実世界ではここまでのステージで大きくタイムを失っている総合優勝候補たちがステージ勝利を狙って豪華な逃げを形成。
最終的には18ブエルタ覇者サイモン・イェーツ、同総合3位のミゲルアンヘル・ロペス、そして若手の期待株ダニエル・マルティネスなどが残り、熾烈な争いを展開。
そんな中、最後にロペスを突き放して強烈なスプリントを繰り出したマルティネスが、大きな勝利を掴み取った。ジョナサン・ヴォーターズGMが発狂するほどの、大きな勝利だった。
ゲーム中でも、AG2Rのピエール・ラトゥールやUAEチーム・エミレーツのダン・マーティンなど、総合上位も狙える実力者たちがタイムを失った結果、ここで逃げに乗る。
総勢18名の大きな逃げ。この中に、CCCチームもいつものデラパルテ、アントゥネス、ツォイドルの3人を加える。
今日こそ逃げ切り勝利を狙っていきたい。
残り9㎞を切って、すでに最後の1級チュリーニ峠を登る先頭集団は、9名にまで絞り込まれている。CCCチームの3名はきっちり健在。
プロトンとのタイム差は1分半ほどあるが、そこから飛び出してきたナイロ・キンタナとサイモン・イェーツが、先頭9名から1分20秒弱にまで迫ってきていた。
さらに残り6㎞で、キンタナやサイモン・イェーツだけでなく、エガン・ベルナルやジュリアン・アラフィリップまでもが集団を抜け出してきて先頭に合流。
そのまま先頭集団を突き放してスパートをかけていくベルナル。
アラフィリップもやがてついていくことができなくなり、ベルナルの独走が始まる。
さすが、現実世界のツール・ド・フランス覇者。
このまま彼の逃げ切りでこの日は終わってしまうのか?
だが、それを決して許さない男がいた。
マイヨ・ジョーヌを着た――チーム・サンウェブの、トム・デュムランである。
CCCチームの3名が先頭を走る集団をいとも簡単に抜き去り、彼は先頭のベルナル目掛け、猛加速していく。
最後はデュムランがベルナルを差し切って優勝。
TTだけで総合優勝、にはさせない、という思いが伝わってくる。現実世界の2019年シーズンでは、ジロ・デ・イタリアでの怪我以来ずっとうまくいかない状態が続き、やがて契約を残しながらサンウェブを去るという決断を下すしかなかったデュムラン。
このゲームの世界では、絶好調な走りを見せてくれている(取り上げていないが、実はUAEツアーでも総合優勝している)。
リザルトは以下の通り。
クリス・フルームも後続集団から抜け出して3位ゴール。
その結果も踏まえ、第7ステージ終了時点での総合成績は以下の通りである。
TTと今回の山頂フィニッシュでの勝利で、デュムランが2位フルーム以下を大きくリード。
続く最終ステージは、エズなど厳しい峠を乗り越えながらも最後は平坦フィニッシュ。デュムランがこのタイム差を守り切ったまま最終日を終える可能性は非常に高い。
とはいえ、パリ~ニース最終日はここ数年、現実世界では繰り返し逆転劇もしくは逆転を狙った大胆な動きが続いている。
ゲームでも、何が起こるかはわからないはず。
また、CCCチームも、第7ステージは結局、総合優勝候補たちの戦いに巻き込まれてしまったため、何もできずに終わったが、彼らがこなければ、逃げ集団を支配していたのは間違いなく3名いたCCCチームであった。
第8ステージは現実世界では毎年逃げ切りが発生している実にエスケーパー向きのステージ。
ここでこそ、ついにCCCチームによる逃げ切り勝利を実現、させられるのだろうか・・・。
第8ステージ ニース~ニース 109km(山岳)
パリ~ニース最終ステージは、例年通りの定番、1級山岳エズ峠を越えるステージ。
ただ、2年前までの、エズ峠から下ってゴールのレイアウトではなく、エズ峠を越えたあとに1級キャトル・シュマン峠を越えるレイアウトに昨年から変わっている。
このエズ峠を含む最終ステージは、2016年・2017年と、連続してアルベルト・コンタドールが逆転を狙って勝負を仕掛けたステージ。コンタドールの試みは2年とも成功しなかったものの、昨年、2018年には、マルク・ソレルがこれを見事実現し、逆転総合優勝を果たした。
今年、2019年の現実のレースでは、前年にソレルがアタックしたエズの1つ手前の「ペイユ峠(ゲーム上では山岳ポイントになっていない場所)」にて、ナイロ・キンタナが攻撃を仕掛けた。彼の目指す先は、30名もの大規模な逃げ集団。そこには、彼のチームメートが3名も含まれていた。
ここにジョインすることは成功。しかし、チームメートたちが意外と早く脱落してしまったことで、キンタナは一人で戦わざるを得ない状況に陥ってしまった。一方のメイン集団の総合リーダー率いるチーム・イネオスは余裕の構え。彼らの巧みなペースコントロールによって、キンタナは総合逆転の芽を失うばかりか、その逃げ集団から抜け出したヨン・イサギレのアタックにも、反応することができなかった。
そのまま、ヨンが逃げ切り勝利。同日のティレーノ~アドリアティコのクイーンステージではヤコブ・フールサンが勝利しており、この当時のアスタナの絶好調ぶりを証明する勝利であった。
ゲームにおいても、なんと最大で38名もの大規模逃げ集団が生まれる。
その中に、連日の習いでデラパルテ、ツォイドル、アントゥネスのクライマー3名を入り込ませたCCCチーム。
ライバルもダン・マーティンやロマン・バルデ、ピエール・ラトゥールなど強敵揃い。
それでも、文字通り最後のチャンスをなんとか生かしたい・・・!
残り25㎞、美しきエズ峠の頂上に至ったタイミングで、逃げ集団は28名にまで縮小。
この時点でタイム差は2分21秒。
このタイム差は、下りを終えて、最後のキャトル・シュマン峠に至る残り14㎞地点でもほぼほぼ変わらず、逃げ切りは確定的となった。
そして、キャトル・シュマン峠の頂上からアタックを仕掛けたダン・マーティンが単独で先行。
メイン集団は数を残すCCCチームが積極的に牽引するも、下り切るまでなかなかマーティンとのタイム差が縮まらない。
そしてゴール前の「英国人の散歩道」に至り、先頭マーティンとメイン集団とのタイム差は8秒。
ここから、慌てることなく、「必勝」タイミングでの勝負を仕掛ける。
すなわち、残り1.5kmまでデラパルテに牽引させ、そこから最終発射台のアントゥネスにスプリントを開始させる。
フラム・ルージュを超えて残り0.8㎞のタイミングで、マーティンを捕らえることに成功した。
そしてこのタイミングで、ツォイドルにスプリント開始を指示。
後方からは、トーマス・デヘントが強烈勢いで追いすがり、アントゥネスを追い抜いてツォイドルに迫る。
だが、CCCチームの動きはしっかりと先手を打ったもので、デヘントに追いつかせないだけの余裕を十分にもって攻撃を仕掛けられていた。
デヘントをかわし切り、見事ステージ優勝を飾ったツォイドル。
今回のパリ~ニース、ティレーノ~アドリアティコと比べ2軍選手をそろえるしかなく、「捨て」の意味合いが強かったが、最後の最後できっちりと勝利を持ち帰ることができた。
後続のメイン集団では波乱は起こらず、総合順位の入替は発生せず。
最終総合成績は以下の通りとなった。
クリス・フルーム、エガン・ベルナルのイネオスコンビが表彰台の両脇を固めたものの、この強力なコンビを抑え込み、トム・デュムランが総合優勝を確定。
現実世界では散々だったデュムランも、このゲームの中ではツアー・ダウンアンダー、UAEツアーに続く、ワールドツアーステージレースの総合優勝3本目。当然、世界ランキングも1位をひた走る結果に。
この総合争いにCCCチームは関わることはできなかったものの、それでもステージ1勝を持ち帰れたことは上出来。
これにて、CCCチームの勝利数を12にまで積み上げることに成功。現実世界の最終結果の2倍である。
目標となる「20勝」も、十分に見えてくる位置にまで来た。この調子で、目標達成、なるか。
目標の「20勝」まであと・・・8勝
スポンサーリンク