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ブエルタ・ア・エスパーニャ2022 コースプレビュー 第2週

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「北」の戦いを繰り広げていた第1週に続き、第2週は一気に「南」へと舞台を移す。バレンシア州からアレハンドロ・バルベルデの故地ムルシア州を経てアンダルシアへ。

最後はスペインで最も高い山のある地域シエラ・ネバダでの山岳2連戦。厳しさでいえば今大会で最もハイレベルな登りが待ち構えている。

いよいよ総合争いも本格化する中、1年で最もアツい戦いが繰り広げられることになるだろう。

 

目次

 

第1週のコースプレビューはこちらから

www.ringsride.work

 

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第10ステージ エルチェ~アリカンテ 30.9㎞(個人TT)

オランダ、そしてバスク~アストゥリアスでの1週目を終えたプロトンは、一気にスペイン南東部のバレンシア州へ。その緒戦は30㎞長距離個人タイムトライアルでの戦いとなる。

全体的に直線基調+前半は長い下り基調。後半には海沿いを走るため横風の影響を受ける可能性はあるが全体的には純粋なTTスペシャリスト向けのレイアウトと言えるだろう。

すなわち、プリモシュ・ログリッチやレムコ・エヴェネプールにとってはピュアクライマーたちに大きな差をつけるチャンスとなる。とくにエヴェネプールにとっては、純粋な登坂力だけではトップクライマーたちに差をつけることは難しそうなので、ここでいかにタイムを稼げるかが重要である。

総合系以外ではローハン・デニス、レミ・カヴァニャ、エドアルド・アッフィニなどが注目の選手。イーサン・ヘイターもまた、そこに食い込める可能性のある人物と言えるだろう。

 

 

第11ステージ アルハマ・デ・ムルシア~カボ・デ・ガタ 191.2㎞(平坦)

今年引退を決めているアレハンドロ・バルベルデの故郷たるムルシアの地を出発し、プロトンは一気に南下、アルメリアも越えて、地中海へと突き出すカポ・デ・ガタの岬へとフィニッシュする。

砂漠気候に分類される荒涼たる風景の中で、今大会おそらく3回目の大集団スプリントの機会が訪れる。すでにチャンスも少なくなってきているので、狙っているライダーたちはここで全力を尽くしたいところだが、暑さと乾燥がその邪魔をしなければいいのだが。

 

 

第12ステージ サロブレーニャ~ペーニャス・ブランカス 192.7㎞(平坦・登りフィニッシュ)

相変わらずブエルタ・ア・エスパーニャは平坦カテゴリで1級山岳の山頂フィニッシュを用意してくるという異様なことを平気でやってくる。ただし今年は公式のカテゴリとして「平坦・登りフィニッシュ(Flat. Uphill finale)」という表現をしてきている。いや、だからそれは平坦じゃないんよ。

当然スプリンターにチャンスなどあろうはずもなく、総合争いの舞台となるだろう。192.7㎞と今大会最長のステージではあるものの、大きな登りは少ないため、ある程度力を余らせたクライマーたちが最後の1級ペーニャス・ブランカス(登坂距離19㎞、平均勾配6.7%)に挑む。大きなセレクションのかかるタイプの登りではないだろう。

 

この登りは2013年に初登場し、今大会と似たようなレイアウトで行われたこの日、残り5㎞地点でプロトンからイゴール・アントンがアタック。

これを追いかけるメイン集団から残り2㎞でレオポルド・ケーニッヒが抜け出すと、アントンを抜き去って先頭に。プロトンもギリギリまで追いかけ、最後は残り200mでダニエル・モレーノがスプリントを開始するが、ケーニッヒはこれを振り切って初出場のグランツールでの初勝利を掴み取った。

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2016年のブエルタ・ア・アンダルシアの最終日にも登場しており、このときは残り7㎞地点から飛び出したアレハンドロ・バルベルデがそのまま独走勝利。自身5度目のアンダルシア制覇を成し遂げていた。

今年引退を決めているバルベルデも、このアンダルシアの地で最後のブエルタ勝利を成し遂げたい思いはあるはず。期待したいところ。

 

 

第13ステージ ロンダ~モンティーリャ 168.4㎞(平坦)

スペイン南端を西へ西へと進んでいたプロトンは、そのままジブラルタルの方へ向かうことはせず北方へ転身。第13ステージはシエラネバダ山脈へと向かう移動ステージが提供された。

よって、基本的には集団スプリントが期待される平坦ステージ。とはいえ、ラストはゆるやかな登り基調。ブエルタに来るようなスプリンターたちにとっては、十分に対応できる程度の登りではあるとは思うけれど・・・。

 

 

第14ステージ モントロ~シエラ・デ・ラ・パンデラ 160.3㎞(山岳)

コルドバ県に位置するモントロは、スペインで最も暑い地域という代名詞を得ている。2021年8月14日、気温計は47.4℃を記録した。

もちろん、この日がそうならないことを願うばかりである。何しろライダーのこの日の敵は灼熱だけでなく、最後に待ち構えるシエラ・スル・デ・ハエン山脈の最高地点ラ・パンデラ(登坂距離8.4㎞、平均勾配7.8%)なのだから。

 

過去にすでに5回登場しているこのラ・パンデラの山頂フィニッシュは、2003年にアレハンドロ・バルベルデ、2009年にダミアーノ・クネゴ、そして5年前の2017年にはラファウ・マイカが、逃げ集団の中から残り10㎞地点で独走を開始し、そのままメイン集団の追撃を振り切って自身3度目のグランツール勝利を果たした。

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1分後方のメイン集団では、勾配が一気に厳しくなる残り4㎞地点でアルベルト・コンタドールとヴィンツェンツォ・ニバリがアタック。ワウト・プールスに守られたマイヨ・ロホを着るクリス・フルームは落ち着いてこれを引き戻し、逆にダビ・デラクルスやファビオ・アル、マイケル・ウッズなどはここで脱落した。

ミゲルアンヘル・ロペス、ウィルコ・ケルデルマン、イルヌル・ザッカリンなど精鋭集団が残るこのマイヨ・ロホ集団からは、残り2㎞でロペスがアタック。

先頭のマイカには27秒届かなかったが、フルームたちからボーナスタイム込みで10秒を奪うことに成功した。

 

例年総合争いも本格化してくるこの第14ステージ。続く第15ステージと合わせ、今大会の肝となりうるステージになるだろう。

 

 

第15ステージ マルトス~シエラ・ネバダ 149.6㎞(山岳)

高地トレーニングのメッカでもあるスペイン・シエラネバダ山脈。ここで第2週のクライマックスを迎えることとなる。

最初の試練は残り50㎞地点を切ってから始まる。グラナダの街のすぐそば、1級アルト・デル・プルシェ(登坂距離9.1㎞、平均勾配7.6%)で最初の足慣らしが行われる。平均勾配7.6%というのはあくまでも下り坂部分を含んだ数値であり、実態は9~10%以上はあるだろうと思われる超難関峠である。

 

ここで一定のセレクションが行われ、その後11㎞の短い下りを経た後に、間髪入れずに最後の登りが始まる。

超級シエラ・ネバダ(登坂距離19.3㎞、平均勾配7.9%)。今大会唯一の超級山岳である。

 

 

標高2,500m超の天空バトルではやはり南米系選手に有利なのか、2017年の第15ステージに登場した際は、残り6㎞でアタックしたミゲルアンヘル・ロペスがそのまま独走勝利を飾った。

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今大会注目の南米選手といえばやはりリチャル・カラパス。2年前はプリモシュ・ログリッチをギリギリまで追い詰めながらもわずかの差で敗れた彼が、ライバルたちに大きな差をつけるチャンスとなりそうだ。

それ以外では今年のツール・ド・フランスで復調を見せていたナイロ・キンタナ。3年ぶりのグランツール勝利を果たせるか。

 

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第1週のコースプレビューはこちらから

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