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【Jsports初放映決定!】ストラーデビアンケ2021 レース&コースプレビュー

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先日のJsportsの「新シーズンのレース中継カレンダー予習SP」は皆さんご覧になられただろうか。

大方の予想通りジロ・デ・イタリアがJsportsに帰ってくるという話だけでなく、ミラノ〜サンレモやイル・ロンバルディアも同時に戻ってきて、さらにはなんと!ストラーデビアンケがJsports史上初の放送決定とのことである。

 

この報を受けたタイムラインを眺めていると、ストラーデビアンケってどんなレース?と見るのも聞くのも初めてと言う人もちらほら。

 

ということで、Jsports初放映決定記念として、今回はこの魅力たっぷりのレースとコースについて徹底的にプレビューしていきたいと思う。

 

↓注目選手プレビューはこちらから↓

www.ringsride.work

 

↓Youtubeでも予習実況を行いました↓

youtu.be

 

目次

 

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レースについて

ストラーデビアンケはイタリア中部・トスカーナ州シエーナ県で開催されるワンデーレースである。

ストラーデビアンケ(Strade Bianche)とはイタリア語で「白い道」を意味し、その名の通り白く輝く砂利道(未舗装路)が最大の特徴ではあるものの、同時にトスカーナ地方特有の丘陵地帯でのレースとなっており、未舗装路に強いだけでなく登りにも強いことが求められる、一筋縄ではいかないレースだ。

Embed from Getty Images

 

過去の表彰台経験者の顔ぶれを見てみても、北のクラシックスペシャリストというよりは、むしろアルデンヌ・クラシックに強いパンチャータイプの選手たちが名を連ねていることがわかる。

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初開催は2007年と非常に若いレースではあるものの、4日後に開幕するティレーノ〜アドリアティコ、そして2週間後に開催されるミラノ〜サンレモに向けての前哨戦的な位置付けもあり、レースとしての価値は大きい。

実際、2019年と2020年のストラーデビアンケ覇者はそのままミラノ〜サンレモでも優勝しており、その他の上位入賞者もアルデンヌ・クラシックで活躍する有力選手たちばかりである。

今後のシーズンを占ううえでも非常に重要なこの「未舗装路+丘陵」レース。

誰がどう活躍するのかも注目しながら見ていこう。

 

 

コースについて

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https://www.strade-bianche.it/it/percorso/

すでに述べたように、全体の3分の1を占める未舗装路と総獲得標高3,000m以上の激しいアップダウンが特徴。

そんな中、最も重要なセクションは3つ存在する。

 

1つ目が残り55㎞を切ってから登場するセクター8「モンテ・サンテ・マリエ」。

この大会で2番目に長い11.5kmにわたる未舗装路が続き、最初の重要なセレクションがここでかかる。例年、数名の有力選手たちが早くも脱落していく。

 

続いて重要なのが残り23㎞から始まるセクター9「モンテアペルティ」。

距離自体は800mと短めだが、急勾配の登りで例年ここで決定的な抜け出しを図ろうとする有力選手たちの攻撃が繰り広げられる。2019年にはここでヤコブ・フルサンとワウト・ファンアールト、そしてジュリアン・アラフィリップがアタックし、昨年はこの登りの直後にマキシミリアン・シャフマンとファンアールトが2人で抜け出した。

 

さらにラスト20㎞を切ってからは最後の、そして最も決定来な勝負所であるセクター10「ピンズート(全長2.4㎞、最大勾配15%)」と、セクター11「レ・トルフェ(全長1.1km、最大勾配18%)」の2つの未舗装路激坂が登場。

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2017年はピンズートで絞り込まれた最終集団から、その直後の舗装路でミハウ・クフィアトコフスキが独走を開始。

2018年はレ・トロフェでティシュ・ベノートがアタック。

2019年はピンズートでワウト・ファンアールトが脱落した後に残ったフルサンとアラフィリップのスプリント勝負でアラフィリップに軍配が上がった。

そして昨年はレ・トロフェの下りでファンアールトが抜け出して勝利を掴んだ。

 

 

なお、ラスト1㎞、再びシエナの街のカンポ広場に戻る途中で、最大勾配16%のサンタカテリーナ通りの石畳激坂が登場するも、この時点では勝負がすでに決まっていることが多い。

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未舗装路と激坂が彩る「フランドルとアルデンヌの合いの子」。

今年これを制するのはクラシックスペシャリストか、パンチャーか、クライマーか。

 

 

過去のレースの展開

2017年

残り55㎞地点から始まる超ロング未舗装路「モンテ・サンテ・マリエ」で、前年2位のゼネク・スティバル、ミハウ・クフィアトコフスキ、ティム・ウェレンス、グレッグ・ファンアーヴェルマート、ルーク・ダーブリッジ、トム・デュムランの6名が抜け出す。

さらに急勾配のセクター9「モンテアペルティ」(800m)でクフィアトコフスキ、スティバル、ウェレンス、ファンアーヴェルマートの4名が先行し、続くセクター10「ピンズート」で残る2人が追いつくも、疲弊したこの先頭集団の中から、セクター11「レ・トルフェ」に至る直前の舗装路区間でクフィアトコフスキが独走に持ち込んだ。

そのまま見事な逃げ切り勝利。2014年に続く2勝目を記録することとなった。

 

2018年

大雨により泥まみれの未舗装路。

セクター8「モンテ・サンテ・マリエ」でクフィアトコフスキ、アレハンドロ・バルベルデ、ダニエル・オス、グレッグ・ファンアーヴェルマートら10名が抜け出すも、スティバルやペテル・サガンらがペースアップを図りこの11㎞に及ぶ長い未舗装路の途中でなんとか追いついた。

登りでのバルベルデの加速は捕まえられたものの、そのカウンターで飛び出したロマン・バルデとワウト・ファンアールトは見逃され、そのまま二人旅。メイン集団とは1分近いタイム差を保ったまま、残り距離を消化していく。

そして先頭2人が残り35㎞地点を通り過ぎたあたりでメイン集団からティシュ・ベノートとピーター・セリーの2人が抜け出す。

第10セクター「ピンズート」でベノートがセリーを突き放し、単独で先頭2人にブリッジ。

そしてラスト12㎞。最後の勝負所「レ・トルフェ」の登りでベノートがアタックすると、ずっと二人旅を続けていたバルデとファンアールトはこれに食らいつくことができなかった。

最後は独走のままカンポ広場に戻ってきたベノート。2015年にネオプロでありながらロンド・ファン・フラーンデレンでいきなりの5位を記録し注目され続けた男だったが、そのあとはプロ勝利が1度もなし。

そんな「勝てない強者」であり続けた彼が、ついに勝利を、それも世界トップクラスのクラシックでの勝利を、手に入れることとなった。

 

2019年

この年も残り55㎞から始まる「モンテ・サンテ・マリエ」で最初の決定的な分断が巻き起こる。

仕掛けたのはグレッグ・ファンアーヴェルマート。アラフィリップやベノートといった強力な15名の小集団が形成され、ヴィンツェンツォ・ニバリやゲラント・トーマスなどはここで脱落した。

そして、残り28.3㎞から始まる「モンテアペルティ」でヤコブ・フルサンがアタック。ここにファンアールトが食らいつき、少し遅れてアラフィリップがついてきた。

アラフィリップ、フルサン、ファンアールト。世界最高峰のアタッカーたちだけが抜け出し、いよいよ最終盤へ。

残り19.3kmから始まる「ピンズート」でファンアールトが脱落し、2人だけに。

このままフィニッシュに辿り着けば最後のスプリントでアラフィリップに負けることは予想できているフルサンは、なんとか残り13.3㎞から始まる最後の勝負所「レ・トルフェ」でアラフィリップを突き放そうと加速するも、離れない。

結局二人で迎えたカンポ広場での決戦。

案の定、アラフィリップの圧倒的なスプリント力が炸裂し、フルサンは敗北を喫することとなった。

 

2020年

残り55㎞の「モンテ・サンテ・マリエ」。この直前にジュリアン・アラフィリップやマチュー・ファンデルポールといった優勝候補たちがパンクで遅れている間に、昨年準優勝のヤコブ・フルサンが抜け出した。

ここにマキシミリアン・シャフマン、グレッグ・ファンアーヴェルマート、アルベルト・ベッティオル、ダヴィデ・フォルモロそしてファンアールトの計5名が食らいつき、6名パックが出来上がる。

一旦は残り28.3㎞「モンテアペルティ」でシャフマンとファンアールトが2人抜け出すが、のちに残り19.3㎞「ピンズート」でファンアーヴェルマートを除く残り3名に捕まえられる。

そして、5名で迎えた最後の勝負所「レ・トルフェ」。

この下りで一人アタックしたファンアールトが、そのままフィニッシュまで突き進んだ。

2度の3位を経験し、そして1年前のツール・ド・フランスでの大怪我からの復活を遂げる、奇跡的な勝利であった。

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残り55㎞「モンテ・サンテ・マリエ」。

残り23㎞「モンテアペルティ」。

残り19.3㎞「ピンズート」。

残り13.3㎞「レ・トルフェ」。

  

今年もこの4つのポイントで勝負が決まるのか。それともまた新しいドラマが生まれるのか。

 

3/6(土)。Jsports初放送のストラーデビアンケを、楽しみにしていよう!

 

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