Class:ワールドツアー
Country:オランダ
Region:リンブルフ州
First edition:1966年
Editions:55回
Date:4/19(日)
丘陵地帯を駆け巡る、「アルデンヌ・クラシック3連戦」の第1戦。
激しいアップダウンとカーブの多さが特徴で、「千のカーブ」と形容されることも。
この後に続くラ・フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ~バストーニュ~リエージュと比べると登りの激しさは抑えられており、クライマーよりはパンチャー向きのレースと言える。
昨年は「怪物」マチュー・ファンデルポールがロードレースの常識を木っ端微塵にするような勝ち方を見せつけた。
今年もここまでの北のクラシックで絶好調のファンデルポール。彼の勢いを止められるものは果たしているのか?
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コースについて
全長256㎞。35個の登りが用意された、正真正銘の丘陵レース。ピュアスプリンターの出番も、北のクラシックが得意な重量級選手の出番もなく、パンチャーやクライマーなどの軽量級の選手たちが活躍し始める。
狭い道と曲がりくねった無数のカーブも特徴で、強力なアタッカーたちが抜け出すと集団は容易には追いつけないコース特性となっている。
かつてはこのレースを象徴する登り「カウベルグ」がゴール直前に置かれていたが、以前は4回登ったこの登りを、3年前より最後の1回を減らし、最後のカウベルグ登坂からゴールまで20㎞も残すという大きなコース変革を行なった。
結果として、かつては「最後だけ見所のあるレース」だったこのアムステルが、まるで北のクラシックのように、残り40〜30㎞から見逃せない展開が続くアグレッシブなレースへと変化した。
2年前は残り30㎞、3年前は残り40㎞で決定的な動きが。昨年も残り40㎞で決定的な動きが巻き起こった(が、それを怪物が無残に打ち砕いた)。
そんか過去のレース展開を振り返りつつ、今年のコースの注目ポイントを確認していく。
残り40㎞「No.29クルイスベルグ」
登坂距離600m/平均勾配8.8%/最大勾配15.5%
現在のコースが採用された最初の2017年大会で、優勝者ジルベールやティシュ・ベノート、セルジオ・エナオなどの強力な8名の逃げグループが作られた登り。グレッグ・ファンアーヴェルマートやアレハンドロ・バルベルデなどの優勝候補が取り残された。
なお、この登りの直後(登り終えてから1㎞先)にある「No.30 アイゼルボスウェグ」は、登坂距離900m、平均勾配9.3%、最大勾配17.0%とさらに強烈。
この2つはセットで決定的な動きを生み出すポイントとなっており、昨年もまずクルイスベルグで抜け出したジュリアン・アラフィリップが、アイゼルボスウェグでさらに段階的に加速。唯一、のちのリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ覇者ヤコブ・フルサンだけがここに食らいついていった。
マチュー・ファンデルポールは、この前段階の残り45㎞地点「No.28 グルペルベルグ」で抜け出したものの、このアタックが失敗して引き戻されており、クルイスベルグの時点ではポジションを落としていてアラフィリップの攻撃には反応できずにいた。
ドリス・デヴェナインスなどアシストの力を借りたドゥクーニンク・クイックステップの「チーム力」を前にして、個の力がより重要視されるシクロクロスの王者が敗れ去る、そんな瞬間のように思えた。
まさか最後があんな展開になるとは、思いもよらなかったので・・・。
いずれにせよ、ここは非常に重要なポイント。勝つためにはこのポイントでしっかりとポジションを上げておかないと危険。普通は。
残り30㎞「No.32クーテンベルグ」
登坂距離1.2㎞/平均勾配5.9%/最大勾配22%
今大会最大の勾配区間を含む登り。
2017年大会ではここで、ジルベールらに取り残されたメイン集団からクウィアトコウスキーが抜け出してブリッジ。ファンアーヴェルマートはこのときも決定的な動きに乗ることができなかった。
登坂力・激坂対応力のある選手が確実に抜け出すことのできるポイント。得意な選手は挽回や攻撃のチャンスであり、苦手な選手はやはりこの前の段階で攻撃を仕掛けておきたい。
2017年における最終セレクションの舞台。十分に注意しておきたい。
残り19.5㎞「No.33カウベルグ(3回目)」
登坂距離800m/平均勾配6.5%/最大勾配12.8%
大会を象徴する登り。ゴール前20㎞という絶妙な位置に置かれ、レースの展開を左右する重要な動きが起こりやすい。
2018年は2013年覇者優勝者クロイツィゲルと2016年覇者ガスパロットとがこの登りの手前で抜け出し、この登りで逃げていた5名と合流する。
登り自体の難易度はそれほどでもないが、やはりゴールまでの距離が絶妙。決定的な動きをするにはやや早すぎるが、平気で逃すには遠すぎる。微妙な心理のあやを狙って、今年攻撃するのは誰だ?
残り15㎞「No.34グールヘンメルベルグ」
登坂距離1㎞/平均勾配5%/最大勾配8%
2018年大会では、クロイツィゲル、ガスパロットらに置き去りにされたメイン集団の中から、バルベルデ、サガン、アラフィリップ、ウェレンス、ヴァルグレン、フルサングが抜け出して先頭に合流。
前年大会の2強ジルベール、クウィアトコウスキーはここで脱落する。
いわば「最終列車」に乗り込む最後のチャンス。
残り8㎞「No.35ベメレルベルグ(3回目)」
登坂距離900m/平均勾配4.5%/最大勾配7%
2017年では先頭集団からジルベールとクウィアトコウスキーが抜け出したポイント。
2018年も12名の先頭集団から、フルサング、バルベルデ、アラフィリップ、サガン、ガスパロット、ウェレンス、ヴァルグレン、クロイツィゲルの8名が抜け出したポイント。
すなわち、「最終列車」の中でのセレクション、最後の優勝候補を決める重要ポイントとなっている。変な牽制を見せると勝機を完全に失うので、積極的な動きを心がけたい。
2018年はこの最後の登りを終えてもなお8名と人数が多く、最終的には残り2.2㎞の平坦部分でヴァルグレンがアタック。
クロイツィゲルだけがついていき、残りはお見合い状態となった。
残り40㎞から常に展開動き続ける展開。
繰り返されるアタックチャンスを逃すことなく手に入れたアタッカーたちの中から、最後の勝者が現れる。
最もアグレッシブで、最後まで戦い続けられる選手は誰だ。
注目選手
凡例 A:オールラウンダー C:クライマー P:パンチャー R:ルーラー S:スプリンター T:タイムトライアルスペシャリスト
マチュー・ファンデルポール(アルペシン・フェニックス)
オランダ、25歳
昨年、あまりにも・・・あまりにも衝撃的な勝利を成し遂げた「自転車の天才」。
なんというか、リアルタイムでファビアン・カンチェラーラを見ていた人たちはこういう感情を覚えたんだろうな・・・というな感想しか浮かび上がってこなかった。
英語実況の「こんなん見たことないよ!」的な魂の絶叫は個人的ベスト実況。
2020年の現実のレースではヴォルタ・アン・アルガルヴェでロードレースデビューを果たすも、そこではまだ2019年の活躍の片鱗は一切見せることなく。その後、オンループ・ヘットニュースブラッドでいよいよクラシックデビューを果たす予定だったものの、インフルエンザで欠場。その後のレースはすべて、新型コロナウイルス問題で消滅してしまった。
だが、ここまでの「幻の2020年シーズンレースを実況」シリーズではひたすら大活躍。相変わらずの強さを見せてくれている。
今年のアムステルもまた、奇跡を起こせるか。
その他チームメンバー
P フローリス・デティール(ベルギー、29歳)
P ジミー・ヤンセンス(ベルギー、31歳)
S クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、30歳)
P ペトル・ヴァコッチ(チェコ、28歳)
R ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、28歳)
C ルイス・フェルファーケ(ベルギー、27歳)
フィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)
ベルギー、38歳
「アルデンヌの皇帝」は特にこのアムステルゴールドレースと相性が良い。その勝利数は実に4勝。
最新の勝利は3年前。ロンド・ファン・フラーンデレンを制したあの伝説の年、ベルギーチャンピオンジャージを着て戦ったあの年に、ミハウ・クウィアトコウスキーとの一騎打ちを制して、堂々たるクラシック2勝目を飾った。
今年から「古巣」ロット・スーダルに移籍。クラシックシーズンの本格的開始を前にしてコロナ禍に入り込んでしまったがためにその本領発揮は見られなかったが、「幻の2020年シーズンレースを実況」シリーズではそのアグレッシブさを遺憾なく発揮。とくに、同じく今年からロット・スーダル入りをしたジョン・デゲンコルプとのまさかのコンビネーションは全俺に涙。
ティム・ウェレンス(ロット・スーダル)
ベルギー、29歳
ベルギーのリンブルフ州出身のこの男は、いつか必ずこのアムステルゴールドレースを勝つと信じている。ずっと信じていて・・・2018年は6位とかなりいいところまでいくものの・・・未だに勝利を掴めていない。
だが、その間に彼は着実に成長しつつある。かつてのように、ただ一瞬の隙を突いて逃げに乗りそのまま逃げ切りを狙うようなアタッカーというだけでなく、純粋な登坂力もめきめきとつけていて各種ステージレースやツール・ド・フランスの山岳賞も狙えるような走りも見せている。
総合力を増しつつある彼が、今年、ジルベールとのコンビネーションを見せて栄光を掴み取る姿を見てみたい。
その他のチームメンバー
C サンデル・アルメ(ベルギー、35歳)
C ステフ・クラス(ベルギー、24歳)
C トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、36歳)
P トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、30歳)
C ハーム・ファンフッケ(ベルギー、23歳)
マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ)
ドイツ、26歳
昨年はアルデンヌ・クラシック3連戦で5位→5位→3位と類稀なる成績を叩き出した稀代のパンチャー。「皇帝」ジルベールの後継者として最も相応しい人物かもしれない。
現実世界では最後のレースとなったパリ〜ニースでは総合優勝しておりコンディションは万端。バーチャルの世界でも、アルデンヌ・クラシック風味の強いストラーデビアンケでも、かなりの調子の良さを見せていた。
激坂対応力とスプリント力、独走力と、アムステルゴールドレースに必要な要素を揃えたこの人物が、今年こそアルデンヌ初制覇を果たせるか。
その他のチームメンバー
P チェーザレ・ベネデッティ(イタリア、33歳)
R マーカス・ブルグハート(ドイツ、37歳)
S ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、34歳)
C パトリック・コンラッド(オーストリア、29歳)
P ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、28歳)
R ダニエル・オス(イタリア、33歳)
ティシュ・ベノート(チーム・サンウェブ)
ベルギー、26歳
プロデビュー初年度のロンド・ファン・フラーンデレンでいきなりの5位に入り込んだ彼はときに北のクラシックスペシャリストのような見られ方をするが、彼の栄えあるプロ初勝利はアルデンヌ風味のストラーデビアンケ。そして直近のパリ〜ニースで総合2位に入るなど、丘陵・山岳レースに対する強さも兼ね揃えたオールラウンダーだ。
ゲーム上でもそのアグレッシブさは変わらず。ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベのどちらも活躍したが、今回のアルデンヌ初戦、十分に期待して良さそうだ。
ただ、このチームには他にも優勝候補は控えている。マイケル・マシューズは常にこのレースの優勝候補筆頭に掲げられる選手であり、パリ〜ニースでも調子の良さを見せていた。ゲーム中もベノートのための強力なアシストをこなしていた。
さらにマルク・ヒルシも昨年のクラシカ・サンセバスティアン3位のパンチャータイプで、将来有望な若手である。
その他のチームメンバー
P マルク・ヒルシ(スイス、22歳)
R セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、26歳)
S マイケル・マシューズ(オーストラリア、30歳)
C サム・オーメン(オランダ、25歳)
P ロブ・パワー(オーストラリア、25歳)
A ニコラ・ロッシュ(アイルランド、36歳)
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