りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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Trek - Segafredo 2019年シーズンチームガイド

読み:トレック・セガフレード

国籍:アメリ

略号:TFS

創設年:2011年

GM:ルーカ・グエルチエーナ(イタリア)

使用機材:Trekアメリカ)

2018年UCIチームランキング:13位

(以下記事における年齢はすべて2019年12月31日時点のものとなります) 

 

 

 

2019年ロースター 

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ポート加入が最大の話題。2017年もコンタドールが移籍してきて、グランツール総合上位にまでは届かなかったが、あの感動的なアングリル勝利を見ることができた。ポートにも、今度こそ、という思いを持っている。

一方、なかなか結果は出せていなかったとはいえ、ニッツォーロやファンポッペルなどのスプリンターやそれを支えるグルマイ、アラファーチなどのルーラーが抜けたのはちょっと痛手。若手のモスケッティは期待できるものの、基本的に戦えるスプリンターがデゲンコルプやエドワード・トゥーンス、ストゥイヴェンといった、ピュアスプリンターというよりはクラシックスペシャリストに近い面々ばかりなので、勝ち星はそう稼げない予感はある。

代わりに、北のクラシックでの爆発は十分期待できるのでは? 

 

ところでエドワード・トゥーンス、1年だけ外に出て、速攻で出戻り。なかなかないパターンな気がする・・・がんばれ! 好きな選手ではある。。(昔のパリ~ニースなんかで見せてくれた凄い勢いの飛び出しとかは印象に残っている)

 

 

注目選手

リッチー・ポート(オーストラリア、34歳)

脚質:オールラウンダー 

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2018年の主な戦績

 

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かつてはブラッドリー・ウィギンス、そしてクリス・フルームの頼れる右腕として活躍してきたタスマニア人。

2016年からは自らがエースとしてツールを走るためにBMCレーシングに移籍。しかし、その2016年では序盤にメカトラブルで2分近く失い、最終総合成績は5位。この2分があれば、総合2位にまでは登りつめることができていた。

さらにロマンディ総合優勝、ドーフィネ総合2位と好調さを示した2017年シーズン、同じくスイス総合優勝の2018年はともに、ツール・ド・フランスの第9ステージでクラッシュして戦線離脱するなど、ひたすら不運に見舞われ続けていた。

 

実力が十分に発揮されれば、フルームに匹敵するだけのものがある・・・はず。

とにかくも、しっかりとツールの第9ステージを乗り越えること。それだけがまず彼に求めることである。2019年ツールでは彼の得意な個人TTが少ないのがちょっと残念である。

 

 

バウケ・モレマ(オランダ、33歳)

脚質:クライマー

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2018年の主な戦績

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コンタドールが引退し、2019年はポートがやってくる中、モレマにとっては残り数少ないチャンスとなった2018年。しかし、結果として、グランツールで存在感を示すことができないまま終わった。ブエルタ・ア・エスパーニャではそれでも、山岳賞を手に入れるために最後の最後まで粘り強く戦ったものの、届かなかった。

だが、失敗したシーズンとは言えない。フレッシュ・ワロンヌ6位、クラシカ・サンセバスティアン2位というのは十分に素晴らしい結果ではある。トレックの中でも2番目にUCIポイントを稼いでいる(1番はストゥイヴェン)。

2019年はジロに出場とのこと。そしてツールではポートをアシスト。2017年にコンタドールがいたときと同様の動き。あのときはジロ総合7位だったし、ツールでも区間優勝したので、同じように結果を出していけることを期待したい。

 

 

マッズ・ペデルセンデンマーク、24歳)

脚質:ルーラー

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2018年の主な戦績

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2013年にジュニア版パリ~ルーベを制した経験をもつ彼は、2018年のロンド・ファン・フラーンデレンにて、大きな成績を残した。

残り100kmを切ったところにある「カペルミュール」を越えたあたりで抜け出し、その後は常に先頭集団にい続けたペデルセン。後方のメイン集団から飛び出したニキ・テルプストラが彼らの集団に追い付き、そのまま抜き去って独走を開始するとき、唯一これに喰らいつこうとしたのが彼だった。結局彼はテルプストラに追い付くことはできなかった、メイン集団に追い付かれることもなく、テルプストラから12秒遅れの2位でゴールした。100km近く逃げていたうえでのこの結果、ルーベで言えばディリエの走りに注目が集まったが、同様にロンドにおいてはこの男の底力にこそ驚くべきである。

2019年は引き続き、北のクラシックのエース候補の1人として活躍するほか、ユーロメトロポールや2017年のツール・ド・ポワトゥ・シャラントを制したスプリント力を活かし、スプリンターの発射台としての活躍も見込めるかもしれない。 

 

 

その他注目選手

ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、27歳)

脚質:スプリンター

スプリンターというよりは、逃げにのってそのまま逃げ切り勝利する姿の方が目立っている気がするちょっと独特な人。2018年のツール・ド・フランスではマンデ峠のステージで逃げ切りを狙うが、最後は飲み込まれてオマール・フライレに勝利を奪われてしまう。

そういう、結構惜しい負け方を沢山している印象はあるが、上位には安定して入る実力派あるため、2018年のトレック・セガフレード所属選手の中で最もUCIポイントを稼いだ。今年の主な戦績を列挙すると、GPケベック3位、パリ~ルーベ5位、オムロープ4位、ロンド7位、E3 6位、あとは1クラスだけどグランプリ・ド・ワロニー優勝など。

北のクラシックからアルデンヌ系クラシックまでなんでもござれの便利屋で、年間出場数86日もチーム1であった。

2019年も各レースに引っ張りだこになることだろう。そして、その中で、是非とも劇的な勝利を見せてほしい。 

 

ジュリオ・チッコーネ(イタリア、25歳)

脚質:クライマー

彼の名を覚えている人はいるだろうか。

2016年ジロ・デ・イタリア、第10ステージ。残り16kmの1級山岳を越え、ダミアーノ・クネゴとチームメートのステファノ・ピラッツィの3名で逃げていたチッコーネは、テクニカルな下りで果敢にアタックした。 これを追いかけようとしたクネゴは、ピラッツィのコーナーリングミスの巻き添えを喰らい、脱落してしまう。

平均勾配5%、登坂距離7.6kmの3級山岳山頂フィニッシュ。後方からは、ティンコフのイヴァン・ロヴニーが追いかけてきている。これを振り切って、当時21歳のネオプロは見事勝利を掴んでみせた。

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そんな、奇跡のような勝利を見せてくれた若者は今、ツアー・オブ・ジ・アルプス総合9位、ジロ・デ・イタリア山岳賞2位などの成績を引っ提げ、ついにワールドツアーチームに昇格した。

2019年もまた、積極的な山岳エスケープでその存在感を示してほしい。

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マッテオ・モスケッティ(イタリア、23歳)

脚質:スプリンター

2018年所属チームのポーラテック・コメタは、アルベルト・コンタドールが運営し、イヴァン・パッソやヘスス・エルナンデスがマネージャーを務めるトレックの下部育成チームである。そしてこのモスケッティは、そんなコメタチームの2018年における最大の成功例となった。

2クラスやネイションズカップも含め、年間9勝を記録。その中でも最も格の高い勝利が、ブエルタ・ア・ブルゴス第2ステージにおける勝利である。同年のブエルタで2度TOP10入りを果たしているジョン・アベラストゥリを下して掴み取った。また、ツール・ポワトゥ・シャラントでは、アルノー・デマールに喰らいついての2位を記録した。

2019年注目すべき若手スプリンターの1人である。

 

 

総評

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ポートをモレマ、パンタノがしっかりと支え、今度こそ、結果を出してほしい。このチームに願うのは正直、この1つである。

とはいえ、北のクラシックも魅力的な選手が多数。今年ロンド2位のペデルセン、ルーベ5位のストゥイヴェンは紹介した通りだが、デゲンコルプも2018年ツール第9ステージの感動的な勝利を見てしまうと、やはり期待したくなる。

アルデンヌ系クラシックはモレマ、ブランビッラをメインに、フェリーネ、スクインシュも脇を固める実力者となるだろう。

スプリントでは勝ちまで得るのは難しいかもしれないが、若手のモスケッティに注目。もちろん、デゲンコルプがピュアスプリントで勝つところも見てみたい!

 

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