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ツール・ド・フランス2017 各ステージ勝利&表彰台予想

スタートリストに続き、こちらではツール・ド・フランスの各ステージ優勝予想&表彰台&各賞ジャージ&総合TOP10を予想していく。

 

↓コースの詳細はこちらから↓

suzutamaki.hatenablog.com

 

 

各ステージ優勝予想

第1ステージ:トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ)

やはりここは、みんなの期待に応えて勝利してほしいところ。一般的に短距離TTは彼の得意とするところではなく、また今年はTT勝利が未だにない、というのが不安要素ではある。だが、2年前のツール初日ユトレヒトの短距離TTでは、優勝者ローハン・デニスに次ぐ2位であった。そして今年はデニスも、3位のカンチェラーラも、4位のデュムランもいない。となれば、勝てる可能性は十分にある、はず。

結果:4位・・・いやあ、上位3名、強かった。

 

第2ステージ:アルノー・デマール(フランス、FDJ)

ここ数年間、ツール最初の平坦ステージの勝者が、その年最も多くの勝利を得る人物となっていた。すなわち、最初の平坦ステージ勝者というのは、その年のツールで最も調子のいい人物を証明することになるのだ。そんな日の勝者を、あえてデマールであると予想してみる。

確かに彼は、いまだツールでの勝利がないどころか、グランツールでの勝利すらない。だが、フランスチャンピオンにも輝き、今最も調子がいいのは間違いない。そして、彼自身がツール・ド・フランスのインタビューで答えているように、「クリストフやキッテルよりも良いチームを用意できている」*1。2017年最初のスプリント勝利を得る可能性は、十分にある。

ちなみに彼は、短距離TTであれば、ときおり良い成績を出すことがある。今回ももし、初日でもそれなりの走りを見せることができれば・・・この第2ステージの結果次第で、マイヨ・ジョーヌを着ることすら、可能かもしれない。

結果:2位・・・当たらなかったけど、これは惜しかったと言えるのでは。デマールよく頑張った。

 

第3ステージ:ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ)

昨年の第2ステージの登りゴールでも勝利したサガン。やはり今年も、という想像をしたくなってしまう。実際、例年にも増して、今年は登りゴールでのコンディションが良いように感じる。対抗馬として、直前スイスの登りゴールで制したマシューズにも期待したいところだが、やはり登りの厳しさはスイス以上だろう。

結果:的中! ・・・とはいえこれは正解しても何も自慢にならないだろう。

 

第4ステージ:アルノー・デマール(フランス、FDJ)

早くも2勝目。実際、第2ステージよりも可能性が高いように感じる。この日は登りゴールだからだ。前日のように厳しすぎる登りではサガンの方が有利だろうが、この日程度の登りであれば、デマールはめっぽう強い。少なくともキッテルよりは有利に立てるだろう。

結果:的中! これは嬉しい! ・・・だけどレース自体は波乱だったので複雑。

 

第5ステージ:リッチー・ポート(オーストラリア、BMC)

その年最も強いクライマーが勝つ、とされているラプランシェ・デル・フィーユ。ここでポートに勝利してもらうことで、今大会を面白くしてもらおう。実際、厳しい登りでの攻撃的な登坂力はプロトンの中でも随一だ。

ダニエル・マーティンもいい走りは見せてくれるだろうが、やはり2位に甘んじる予感がしてしまう・・・。

結果:4位・・・チームは頑張ったんだけどなぁ。まあ大崩れしなかっただけマシ。それよりマーティンはやっぱり2位か(笑) こっちの方がすごくないですか?(笑)

 

第6ステージ:マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップ)

このあたりで、「最強」がその力を発揮してくれるんじゃないかなぁ、と。ここまで勝てていないフラストレーションをぶつけよう。

 

第7ステージ:ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ)

ピュアスプリントステージだが、途中の丘で足を削られてしまったプロトンの中で、混戦を制してサガンが2勝目・・・。ゼーリッヒのアシストも見られるかもしれない。

 

第8ステージ:ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE)

最初の山岳逃げ切りステージとなりそう。逃げ候補としては、デヘント、ギャロパン、ピノ、ヴァンアーヴェルマート、マルティン、ローラン、ウリッシ、カミングス、ブランビッラ、ナバーロ、そしてヴォクレール

そんな中、「まだそこまで厳しい山ではない」「最後が10kmの平坦」という要素をふまえて、ここは、今回ツール初出場のウリッシさんに、ぜひとも頑張ってもらいたい所存。まず逃げるかどうかだけどね。

 

第9ステージ:アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

ドーフィネのように、総合勢を破壊するステージになるのは間違いない。だが、ドーフィネのときを踏まえ、警戒した総合上位勢は、そこまで大きくは分断されない可能性も。また、下った後の平坦が長くなることもポイント。

そのうえで、先頭集団に残ることのできたバルベルデがスプリントで勝利するパターンを予想。ちなみに、今大会、キンタナは後ろの方にピークをもってきて、3週目から一気に追い上げていく展開を予想する。代わりに前半はバルベルデによってどんどん攪乱していく、そんなイメージをもっておく。

 

第10ステージ:アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)

葡萄畑地帯で、多少の起伏がある様子。 一筋縄ではいかない展開になったとき、強いのは単独で行く力もある程度あるゴリラ。

 

第11ステージ:マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップ)

下り基調のハイスピードなゴールになりそう。トレインの力が最大限に発揮される可能性があるため、クイックステップがその真価を発揮する。

 

第12ステージ:クリス・フルーム(イギリス、スカイ)

今大会屈指の激戦になりそうなフィニッシュ。フルームが力を見せつけて勝利できるか。ただしそこまで大きなタイム差はつきそうにない。

あるいは、翌日が重要なステージということで、この日も逃げ切りが決まる可能性も。そろそろ、総合を狙っていたけれど遅れてしまったエースや、総合エースを護る役目だったけれどそのエースが遅れているのである程度自由を得たアシストなんかが活躍し始める頃。アタプマとか、ドモンとか、もしかしたらブッフマンとか・・・。

 

第13ステージ:ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

序盤から激しい展開に。そして最後の1級山岳ミュール・ド・ペゲールでついにフルームが遅れる。その混戦の中で飛び出したアル。イタリアチャンピオンジャージを着用しての、感動的なゴール!・・・を期待したい。

 

第14ステージ:フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップ)

サガンvsアーヴェルマートはもちろん、そこにマシューズなども加わってきそうだが、最後に勝つのはこの春絶好調だったジルベール。それなりに起伏が激しいので、それらをしっかり乗り越えていけるかが鍵。

 

第15ステージ:リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)

ここはさすがに逃げ切りが決まりそう。とくにラストのペイラ・タイヤド峠を乗り越えていける力があるクライマーの中から、さらにダウンヒルと逃げ切り力がある選手を、と考えたところで、カルメジャーヌの昨年ブエルタに続く勝利を予想。ヴォクレールも共に逃げるものの、少し力及ばず・・・という想像をしてしまった。

あるいは、コンタドール保護という任務を何らかの理由で解放されたパンタノなんかがいれば、その可能性も。ちょっと考えたくないパターンだけどね。

 

第16ステージ: ダミアン・ハウスン(オーストラリア、オリカ)

逃げとスプリンターチームの熾烈な争いの結果、わずかの差で逃げ切り勝利が決まると予想。そのうえで、非スプリンターチームの中から、ある程度の独走力と、ある程度の登坂力と、そして勝利への欲を総合して健闘。上記の選手を想像するに至る。若い選手の活躍が見たい。

こういうステージ、ジロやブエルタならプロコンチネンタルチームの選手が勝ってもおかしくはないんだけれど、ツールの場合そういうパターンも少ないからなぁ。

 

第17ステージ:ダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAE)

山岳賞を巡る最終戦争が勃発。大規模な逃げ集団の中に、ピノ、デヘント、カルメジャーヌ、ヴォクレールなど。そして、これまで惜しいところまで行きながらも、勝利を掴めずに終わったアタプマがここで念願の勝利を得る・・・という展開を希望。

 

第18ステージ:ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

いやもうこれは今大会を面白くするうえでぜひ希望したい勝利です。

 

第19ステージ:アルノー・デマール(フランス、FDJ)

全スプリントチームが疲弊しきった中で、今大会最も勢いのある男が3勝目を飾る。それを実現するだけのチーム力には恵まれているはずだ。

 

第20ステージ:クリス・フルーム(イギリス、スカイ)

厳しい登りを含んだITTのため、TTスペシャリストに勝利は得られず。フルームとポートの厳しい鍔迫り合いの結果、ここは結局フルームに花を持たせよう。総合2位に浮上していたキンタナは、ポートに逆転されてしまう、など・・・。

 

第21ステージ:アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)

3年連続シャンゼリゼ。それを実現できるだけの勢いはあるはず。コカールがいれば、彼を支持したかったところだけれど・・・。

 

 

総合TOP10予想

総合優勝:クリス・フルーム(イギリス、スカイ)

なんだかんだで今年も総合優勝。確かに登りで遅れる姿も例年以上に見えるが、最低限の遅れで抑え、TTで挽回、というパターン。

 

総合2位:リッチー・ポート(オーストラリア、BMC)

登りでは安定した走り。TTでもしっかりとタイムを叩き出し、最後にキンタナを逆転して総合2位。

 

総合3位:ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

後半にかけて調子を上げてきて、ステージ勝利も獲得。だが最後のTTで、健闘はする(20位以内)も、逆転されて総合3位。

 

総合4位:ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

前半はやや遅れる姿が目立つも、後半にかけて少しずつ安定していく。さらに第13ステージの逃げ切りでタイムを稼ぎこの位置に。

 

総合5位:ロマン・バルデ(フランス、AG2R)

前半で調子の悪さを見せつつも、終盤にかけて執念を見せてここまで浮上。

 

総合6位:アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック)

ドーフィネのような大崩れはしないものの、まあこの位置。

 

総合7位:アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

前半はいい調子で走るが、後半にかけて、キンタナのために力を使いずるずると下がる。最後、TTで少し挽回。

 

総合8位:ヤコブ・フールサン(デンマーク、アスタナ)

結局、調子の良さではアルに敗れるものの、なんとかベスト10は守れるかなと期待して。

 

総合9位:ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーンメリダ)

厳しい登りでちょくちょく遅れるが、後半で積極的なアタックも繰り出し、TTでも挽回してこの位置に。

 

総合10位:ルイ・メインチェス(南アフリカUAE)

なんとか耐え切って、新人賞も獲得。アフリカ勢として初の快挙へ。

 

モレマ、マイカ、ブッフマン、チャベス、イェーツ、マシャド、マーティン、タランスキー、マルタン、ログリッチェあたりが総合11位~20位あたりにくると予想。

 

 

各賞ジャージ予想

ポイント賞:ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ)

結局対抗馬は現れず・・・マシューズも、昨年も興味を示していなかったように思えるので。

 

山岳賞:ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

今回は頂上フィニッシュも少ないし、総合勢よりも逃げが山岳賞取りやすいかな・・・と思ったが、逆に超級山頂フィニッシュは1回しかないし、そこをキンタナが獲ると予想+モン・デュ・シャもキンタナがある程度上位で通過しそう、という予想から、この結論に至る。ほかの山岳を、誰かが何度も取るような走りもなさそうかなぁ、と。ローランやヴォクレールは前半では頑張るが後半は微妙そう。アタプマも第17ステージを制しはするが、その前の山を先頭通過は難しいと予想。デヘントも、少しずつとっていくが突き抜けることはできず・・・と。

うーん、でもやっぱりさすがにこれはない、かなぁ? うーん・・・。

 

新人賞:ルイ・メインチェス(南アフリカUAE)

イェーツ、ブッフマン、ラトゥールなどのライバルたちと比べ、最も安定感のありそうな選手ということで。アフリカ勢初の快挙を、ぜひ。

 

 

以上! 2~3個正解できればいいね。 

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