はいはい、ガヴィリア。
もはやそういう言い方がされてもおかしくない。
グランツール初出場の22歳の若者は、4勝という金字塔を打ち立てた。
キンタナが2014年に挙げた3勝を超える4勝。22歳で4勝したのは2004年のダミアーノ・クネゴ以来だという。
今大会、間違いなく最強のスプリンターとなった。彼は間違いなく、今後のグランツールでもトップスプリンターとして扱われるだろう。
マキシミリアーノ・リケーゼの最高のアシストによって導かれた昨日の勝利とは違って、今日はガヴィリア自身の驚くべきパワーによって勝利を掴んだ、と言われる。
実際、今日の彼のスプリントの伸びとコース取りは驚嘆に値する。
以下、ゴール前の状況を確認する。
ゴール200m手前を切った段階で、ガヴィリア(紫の矢印)は後続に取り残されており、リケーゼ(青の矢印)からは随分と距離がある形となった。左のクイックステップのアシストが後ろを振り返りながら、その距離に戸惑っているのがわかる。
この時点で勝利に向けて最も良い位置にいるのは、3枚のアシストに導かれたサム・ベネット(緑の矢印)と、その隣のカレブ・ユワン(黄色の矢印)、あるいは2人の後ろにぴったりとついているジャスパー・ストゥイヴェン(赤の矢印)、ロベルト・フェラーリ(黒の矢印)といったところだろうか。
ところが、125m手前の段階で、ガヴィリアが前に出てくる。ベネットが発射され、ユワンも目の前が開け、いざアクセルを踏み出そうとした、その瞬間。リケーゼが背後を振り返り、ユワンと、そしてその背後から迫るガヴィリアの姿を捉えた。
そして、残り100m! リケーゼが肩を寄せて、ユワンを押し戻す。リケーゼ自身もベダルから足を外すが、ユワンもこれでスプリントに入れずに終わった。一方で、リケーゼが開けてくれた右側のわずかな隙間を、ガヴィリアは全力疾走。
そのまま突き抜けたガヴィリアは、アシストも早めのガッツポーズをしてしまうくらい良い状態でゴールに向かっていたベネットを抜き去り、勝利を奪い取った。
第7ステージでもガヴィリアは、実に狭い隙間を縫ってスプリントをしていた(このときは結局、ギリギリでユワンに届かず敗北してしまったが)
第7ステージの様子
加速、コース取り、相変わらずサガンに匹敵する輝きを見せるガヴィリア。
彼の個人としての強さを見せつけたステージとなった。
だが一方で、やはりリケーゼのアシストは巧みである。
あれだけの一瞬でライバルを抑えながらエースのための道を開けるというベストな判断ができるというのは凄い。
しかも、ガヴィリアのためであれば「これだけの隙間で十分」と判断できたということであり、エースに対する信頼感あってのワザである。
ロードレースというのは単独の力で勝利するというのはなかなか難しく、とくに集団が入り混じるスプリントにおいてはその側面が際立って出てくる。
チームメート1人1人がどうゴール前でポジションを作っていくか。サッカーではそのあたりわかりやすいが、ロードレースでも同じくらいに重要なのだ。
その点でユワンには、道を切り開いてくれるためのアシストの力が必要不可欠だったように思う。体の小さい彼が位置取りで優位に立ち、「先手必勝」スプリントをするための、巨大な先導役が・・・今回もメスゲッツはすぐ後ろにいたようなのだが、ユワンを導くことはできなかった。
これで、今大会のスプリントステージは全て終了。
ガヴィリアは後は、ドロミテの難関山岳をグルペットの中でやり過ごすことができれば、ミラノでチクラミーノを確定させることができる。
ぜひ彼には、「ジロ5大会連続ポイント賞」あたりを、狙ってほしいものだ。